“おもちゃ”
JBAN 7th
第7回ジャパン・バルーン・アーティスツ・ネットワーク・コンベンション

03.8.18〜21 横浜・パシフィコ横浜
主催:Japan Balloon Artists Network
共催:パシフィコ横浜



7年目を迎えたJBANコンベンション。今年のテーマは「おもちゃ」。日本語がテーマになったのは初めてだ。横浜での開催はこれで3回目。みなとみらい地区には違いないのだが、会場はパシフィコ横浜に統一されている。世界的な会議が行われる場所でJBANが開催できるなんて、はっきり言って驚いたものだ。
では順に見ていきたい。

1日目 (8.18)
本業のため不参加。
この日はコンテストラージスカラプチャー部門の制作が行われた。昨年までテーマは自由だったが、今回は「海のおもちゃ達」というテーマが設けられている。床置き形、4,000 (W×H×D) mmのオブジェを7人で16時間掛けて作り上げるという大規模なものだ。制作時間は昨年同様2部に分けられ、18日11:00〜22:00と19日8:00〜13:00となっており夜間は中断される。大きさは昨年と同じだが、人員・時間は昨年の6人・15時間から7人・16時間へと緩和されている。昨年タイムオーバー作品がいくつか出たための措置だろう。
会場が横浜へ移ってからは制作中も一般客に公開するオープン形式のコンテストだったが、今回は公開されていない。このことを現地へ行くまで気が付かなかった私はちょっとしたミスをする (後述)。場所は国立大ホール (正しくは国立横浜国際会議場と言う) 1Fマリンロビーにて。客が見てないだけに気が散らず集中できると思ったのだが、以前コンテストに参加されたある方は「客に見てもらってこそやる気が出るからオープン形式の方が好きだ」とおっしゃっていた。なるほど。

2日目 (8.19)
横浜繁華街の玄関・桜木町駅。みなとみらい線の開業が来年2月に迫っており、次回訪れる頃には駅前の雰囲気も変わっていることだろう。動く歩道入口には今年も横断幕が張られている。しかしそれは「バルーンアートコンテスト "海のおもちゃ達" 展」であり、JBAN conventionとはどこにも書かれていない。あくまでコンベンションは業界人を対象とした専門的なイベントなのだと感じた。なおこの横断幕によれば、今年はJBANとパシフィコ横浜の共催となっているらしい。以前コンベンションが行われたランドマークプラザ、クイーンズスクエアを抜けるとパシフィコ横浜だ。

2日目からはフルパックで終日参加。セミナーが始まるのは13:00からだが、コンテスト会場を見学しようと思い、10:00頃に会場に着いた。受付を済ませ、エントリパックを受け取る。中にはエントリパス、レジュメブック (フルパック参加者のみ)、それに「横浜の地図」などが入っている。昨年まではパスを宅配便で直接送付していたが、届かないなどの事故防止のため現地で手渡すようになったのだろう。
コンテスト会場の国立大ホールへ向かう。場内では多くの作品の制作が行われているのが見える。早速覗いてみようと入口を探したが、どのドアも閉ざされている。おかしい。だがプログラムをよく見ると、今年はオープン形式とは書かれていないではないか。恥ずかしいことにいきなりポカしてしまった。
仕方がないのでその辺で時間潰し。ちと速いが国立大ホール裏の臨港パークで昼食を取る。空はどんより曇り、ベイブリッジも霞んでいて良く見えない。ランドマークタワーも上部を雲に覆われている。海岸に腰を下ろすと、ひんやりした海風が吹き付けてくる。8月だというのに肌寒い。時おり霧雨も降ってくる。今年の夏は全く異常だ。平日の悪天ということもあり人はほとんどいない。時々海面からピョンと飛び上がる魚は何だろう、などと思いながら一人寂しく時の過ぎるのを待つ。たまに飛来するユリカモメも寂しげな表情だ。

間もなく13:00、会議センターへと戻る。セミナーが始まる。今年の講師はイギリス、イタリア、ベルギーとヨーロッパ勢が充実している。もちろん本場アメリカの方もおられる。最初に参加したのはイタリアのバルーンアーチスト、アルベルト・ファルコンさん (CBA) による "カワイイ!!" キャラクタスカラプチャーだ。文字通りキャラクタの形をしたオブジェを作るもので、マジックバルーンが主体だ。牛、ミツバチ、熊、赤ん坊、虎などの作り方の図が用意されており、各自好きなオブジェを作る。一番希望者が多かったのは、トラ。バルーンアーチストの間でも虎強しと言ったところか (苦笑)。

続いてファイナルパーティーの座席指定を済ませる。今回は最初のクラスタイムが終わる14:30から受付開始となっている。私は例によって最前列のテーブルだが後ろ向きの席を選ぶ。「後ろ向きでいいんですか?」と言われたが、180度振り向けばステージの目の前だ。昨年も書いたが、JBANファイナルパーティーは食事を味わうためのものではなく、あくまで楽しむためのパーティーだと考えているからだ。しかし実際に見ていると、そのように考える人は少ないようで、やはり前向きの席から埋まっていくようだ。

次は熊本・ミリオンプランニングの宮崎靖浩さんによるワークショップ スパーク・スパーク・スパーク!!に参加した。タイトルの通り、スパークバルーンによる特殊効果のクラスだ。スパークさせるにはいくつもの方法があるが、今回は火薬の電気点火させる新しい機材を使った。24インチの風船に6インチハートをぎっしり詰め込む。発火用の火薬を仕掛ける。完成したらステージ前のワイヤーに吊るす。スイッチオン。ボン!! 大音響と共に風船が炸裂したところで終了。……あれ、このクラスはワークショップ、つまりファイナルパーティーで使うデコレーションを作成するんじゃなかったっけ?

今日最後のクラスは盛岡・バルーンスケッチの牛崎祥子さん (CBA) によるワークショップ 巨大バルーン人形IIだ。昨年と同じく、高さ3〜4m級の巨大人形を作る。ただし今回は観測気球は使わず、24インチ・16インチを主体とする。しかも吊り下げ形なのでフレームは使わない。7〜8人のチームに分かれて作業を始める。基本的にはピエロの人形だが、デザインは各チームで変化を持たせたいとのことなので、みんなでアイデアを出し合う。私のチームでは、ある方の発案によりピノキオのように鼻を伸ばそうということになった。これには646Qを使う。646Qは直径6インチ×長さ46インチの風船で、野球場でお馴染みのジェット風船に良く似たサイズだ。先端にヘリウム入り11インチラウンドを付け鼻が上を向くようにもした。腕はジオブラッサムの4〜5連、脚は646Qの4本組を何本か連ねた。他のチームでも工夫を凝らした人形が完成し、彼らはファイナルパーティーに彩りを添えることになる。

3日目 (8.20)
今日はアメリカのグラハム・ラウスさん、メアリクイーン・ラウスさん夫妻 (CBA) によるワークショップ スーパーバルーングラフィックからだ。ラウスさん夫妻と言えば、30年以上に渡ってバルーンアートに携わってきた大ベテランであり、自らラウス・インターナショナル社を経営し、最新のバルーンアート資材の開発も行っている。
入口ではメアリクイーンさんが参加者1人ずつ握手。とても親しみのある方だ。同時に各自色の異なるリボンを受け取った。今回のクラスは、JBAN conventionでは98年の第2回に初登場して以来様々なシーンで使用されているMatrixと呼ばれる網状のフレームを用いて巨大な風船の壁画を作る。スクリーンには原画のスライドが表示されている。入口で受け取ったリボンの色によって数チームに分かれての作業となる。テーブルは各チームの作業場が既に決められており、各チームの分担すべき場所と色の組み合わせなど、きちんと設定された仕様書が用意されていた。風船は5インチを2個玉に結んで使用する。指定された色の風船を取り出す人、ふくらます人、結ぶ人、そしてMatrixに埋め込む人、1人ひとりが分担して手際よく作業が進められていく。時々ポジションを交代して全員がどの作業も経験できるようにする。Matrixに風船を埋め込む作業が意外と手間取った。風船の大きさが完全に揃っていないと歪みを生ずる。終了時間が来たが、未完成の部分が出てしまったようだ。ファイナルパーティー会場前で13:00から残り部分を作るので、時間の開いている方は手伝ってほしいとのこと。どんな絵が完成するのか楽しみだ。

次のクラスは、宮崎靖浩さんによるフレームワークと支持材だ。一昨年 (第5回) のラージスカラプチャーコンテストで優勝した「Dinosaur - ダイナソー」は宮崎さん率いるミリオンプランニングの作品だ。今回はそのDinosaur勝利の秘密とも言うべきフレームの作成について語られた。バルーンアートでは余り用いられないと思われる意外な資材が使用されていたが、残念ながらここで書くわけには行かない。また、Dinosaurの皮膚を表現した微妙な色調の出し方について、簡単な実技も行われた。

国立大ホールで行われているコンテストを見てみよう。
ラージスカラプチャー部門は前述の通り初日から制作が行われた大規模なもので、1Fマリンロビーでの展示。10チームの参加。今回は統一テーマがあるだけに、どの作品も海をテーマにしたものとなり、見た目の印象よりも技術力の勝負だったのではないだろうか。電飾により光るもの、モーターで回転するもの、ラジカセを仕込んで音楽を演奏するものなどは今や当たり前となった感がある。
マリンロビーの一角ではウエディングテーブルアレンジ部門も展示されている。この部門はテーマは設けられていない。条件は人員3人、作業時間3時間、サイズ2,800(W)×1,800(D)×2,500(H)mmとなっている。14チームの参加だった。
アレンジメント部門は1Fエントランスホールでの展示。テーマなし、サイズ500(W×H×D)mm、制作はもちろん1人だが、今回は持ち込み式なので制作時間に制限はない。しかしゴム風船主体である以上劣化するので長い時間を掛けるわけには行かない。20人の参加。
ノンラウンドスカラプチャー部門はやや奥まった部屋での展示であり、気が付きにくい。この部門はラージスカラプチャーと同じく「海のおもちゃ達」とテーマが設けられている。床置き形、サイズ2,000(W×H×D)mm、人員5人、作業時間8時間で、9チームの参加。タコさんのオブジェが多かったね。
投票は受付でもらった専用の投票用紙を使う。参加者の場合、今回は昨年までと異なり、デザインやカラーコーディネートなど数項目についてそれぞれ優れた作品を選ぶようになっている。一般来場者の投票は従来通りお気に入りの作品を1つだけ選んで投票する。

今度のクラスはベルギーのルック・バートランドさん (CBA) による小さなショップから大きくさせた小売、デリバリー等成功の秘密を探るに参加した。ガレージから始まって、今ではヨーロッパ最大級のバルーンショップへと発展させたサクセスストーリーが語られた。

今日最後のクラスはアルベルト・ファルコンさんによる見たことない天井デコレーションだ。天井というからテグスで吊るして……と思ったらそうではない。規模は小さく、浮かんだセンターピースと言った感じだ。2人でペアになって実際に取り組む。隣が空席だった私は1人で作ることになる。一番簡単そうな雪が降っているオブジェを選ぶ。下手くそなこともあり遅れてはいたが、他のペアの方に手伝っていただいたりで何とか完成した。形はイビツだったが……。このクラスで作成したオブジェは受付や廊下などに飾られていたので、ご覧になられた方も多いことだろう。

4日目 (8.21)
最終日の今日はグラハム・ラウスさん、メアリクイーン・ラウスさん夫妻による♥ ハート ♥からだ。先日と同じくMatrixによるハート型オブジェの作成だ。サンタ・ハート、フィッシュ・ハート、エンジェル・ハートなどいくつかのオブジェがあるが、私は簡単そうなチュール・ハートを作ることにした。あらかじめハートの形をしたMatrixに風船を詰めてゆく。風船の大きさを完全に揃えないと歪みを生ずるので難しい。5インチ風船を使ったもので、ハートの出来上がりサイズは左右50cmくらいになる。今回は比較的にスムーズに行った。グラハムさんも「ベリー・グー」とのこと。
続いて小さなハート型Matrixで身に付けられる程度の大きさのハートを作る。ラウンドではなく160Qを使う。直径2cm程度の球に捻ってゆき、Matrixにはめ込む。これは難しい。他の参加者もなかなか苦戦していたようだ。終了時間が来たため、各自持ち帰って宿題とされた。

次は恒例のプロダクトショーケースを見てみよう。各社の新製品が並んでいる。見慣れない大きな変形風船が目に付いたが、これはイタリアのRIFCO社 (日本代理店はS.A.G. Balloons) の風船だった。またTotex社の観測気球4フィートに新色が加わったのが目新しい。Qualatexなどのデコレーション用風船と組み合わせた際に色のマッチングを求める声が多かったのだろう。
他にも各種製品のデモンストレーションが行われていた。あのエアロバルーンもあった。詳しくはエアロテックのサイトをご覧いただきたいが、風船が割れて中から人が出てくる演出に使うためのもので、従来の観測気球を使った方式に代わり急速に増えているような気がする。幸運なことに中に入れてもらうことができた。生地はナイロンのようなもので小さな通気孔があちこちに開いており、常時送風していないとしぼんでしまう。なるほどこういう仕組みだったのかと細かなところを知ることができたが、ここで教えるわけには行かない。他の女の子2人と一緒に中に入った。ゴム風船ではないが、割れる瞬間はドキドキする。「行きますよー、いいですかー」合図とともに割れた。割れてもバサッという音を立てるだけ。風船というよりも球形の除幕式といった感じだ。演出家によってはダイナミックさを出すためにゴム風船で行きたいという方も出てくるのではないだろうか。
なお、昨年行われたクイズラリーは余り好評でなかったのか、早くも廃止となったようだ。

午後からはアルベルト・ファルコンさんのGet's『ファルコン リンク』に参加した。ファルコン リンクとは1本のマジックバルーンで作った輪を鎖状に繋いだもので、氏の友人が命名したものだそうだ。自由な形が作れ、風船の個数の割には規模の大きなオブジェが作れるのが特徴らしい。各自、10本の風船を使い円形や星型などのオブジェを作ってみる。
イタリアでのバルーンアートについての小話があった。イタリアでは風船は子供のおもちゃというイメージが非常に強く、バルーンデコレーションはなかなか取り入れてもらえないのが現状らしい。また神聖な場所、例えば教会などではバルーンデコレーションを禁止しているところが多いという。これでは教会で結婚式を挙げてもバルーンデコレーションは使えないことを意味する。日本でも風船は子供のおもちゃというイメージは一般大衆の間では依然として強いと思われるが、イタリアでのバルーンデコレーションに対する風当たりは日本のそれよりも強そうだ。

最後のセミナーは名古屋・バルーンアートプランニングの太田友子さん (CBA) によるワークショップ テーブルセンターピースだ。昨年と同じく、造花用の道具を利用してセンターピースを作る。完成した作品は持ち帰っていいらしい。ワークショップというから、てっきりファイナルパーティーで使うものだと思ったのだが。今年は実技のみのハンズオンクラスと、ファイナルパーティー用装飾を作成するワークショップとの違いがわかりにくかった (後でよく見たら、このクラスでは作品は持ち帰り可能だと書かれていた)。

以上でセミナーは終了。あとはお待ちかねのファイナルパーティーだ。会場は会議センター3Fのホール。会場前には先日作成したMatrixの壁画が飾られている。ラウス夫妻が最後の仕上げを行っている。原画そっくりの見事な仕上がりだ。入口にはやはりMatrixを使用したリボンのオブジェがある。昨年は開場までの時間、マジックバルーンでバルーンハットなどを作れるようになっていたが、今年はパーティー受付のデスク上にマジックバルーンの入った段ボールが置かれたまま。これ自由に使っていいのかしら? という声も多く聞かれた。専用のテーブルが欲しかったね。
パーティーテーマは「おもちゃ」。昨年はメインテーマとパーティーテーマで異なっていたが、今回は再び統一された。開場は18:00。では入場してみよう。
場内は毎年のことだが凄いの一言だ。家泉あづささんのクラスによるかわいいセンターピースがよく目立つためか、昨年の「Dream」に似た童話的なイメージだ。前回まではデコレーションのプロデュースを受け持つ方がいらしたが、今年は各地のバルーンアーチストが共同で担当したそうだ。ステージはスクリーンが設置されているため比較的シンプル。幕代わりに3フィートのスパークバルーンが仕掛けられている。オープニングと共にボンとやるのだろう。ステージ左右には巨大なロボットのオブジェがあり、左右のコーナーにも24インチのスパークバルーンのアーチがある。こちらはダンスタイムの時に炸裂するのか? さらに両サイドにはワークショップで作った巨大バルーン人形が並んでいる。天井にもスパークバルーンが並んでいるが、今年は24インチにスケールダウン。また位置的にもステージ寄りの前方の席の頭上のみとなっている。食事を楽しんでいる最中に紙吹雪が舞ったのではたまらないという意見があったのかも知れない。
ステージが始まった。すっかり定着したフルCGのオープニング映像が素晴らしい。ぼん!! ステージ前とコーナーにあったスパークバルーンが一斉に弾け、いよいよ開幕だ。司会は今年もスペシャルセミナーを担当している疋田文明さんだ。続いてエミリーズバルーンの深尾マリ子社長のご挨拶、さらに講師の皆さんとともに乾杯となった。しかし講師を務めた家泉あづささん、柴田あかねさん姉妹の姿が見当たらない。実は彼女たちはこの時間、NHKの取材のため国立大ホールでインタビューを受けていたそうだ。この様子はNHK関東ローカルニュースで当日18:38から4分間ほど放送されたそうで、見た方も多いのではないだろうか (帰宅後知ったのだが、うちの親もしっかり見ていたそうだ)。その映像は、後に会場でも上映された。
その後ディナーとなったが、しばらくして昨年から始まったフィギュアコンテストが行われた。挑戦者は10人。制限時間10分。さぁスタート。これがまた皆さん手付きが速い。本当に速い。たまに失敗もあるがきちんとオブジェが作られてゆく。まさにパフォーマーだ。
続いてコンテスト結果発表だ。今年は新しく特別賞なるものが新設された。一般来場者からの票を最も集めた作品ということだ。
栄光のラージスカラプチャー部門で優勝したのは「井の中の蛙 大海へゆく」(写真) だ。右下にあるプレートには次のように書かれている。「井の中の蛙、大海を知らず... なんて言わせないっっ!! 我らカエルは小さな世界にとどまらず、ステキな出会いとスバラシイ発見を求め、KAERU5に乗りこみ、どこまでも進んでいくのだ!!」。蛙の形をした潜水艦のオブジェというわけだね。
次は恒例のコスチュームコンテストだ。今回はセクシー賞とおもちゃの国賞の2部門。ノミネートされた人達がステージ上に集まり10秒間のショートパフォーマンスを行う。審査は今年も審査員のみであり一般来場者は黙って見ている。来場者も公平に参加できる審査方法は何かないものだろうか。
そしていよいよダンスタイムが始まる。天井に仕掛けられた風船が一斉にスパークすると、いつもならもう食事しているどころではなくなるのだが、今年はなかなかステージに人が集まらない。んー、どうした? みんな。しかし心配する間もなくステージには人が集まり、いつしか熱気に包まれていた。そして今年は98年の第2回以来、生バンドが復活した。巨大風船の投げ合いは今年もなかったが、盛り上がりは充分だった。バンドのリーダーも、これほど素晴らしい雰囲気は初めてだとおっしゃっていた。
21:20頃、疋田さんがステージに上ると間もなく閉会だ。撤収が始まる。会場はたちまち慌しくなる。

今年はパシフィコ横浜という世界的な会議が行われる会場でJBAN conventionを開催することができ、NHKによる生中継が行われたり、家泉あづささんの作品が小学校の図画工作の教科書に掲載されたりなど、日本のバルーンアートは着実に前進しつつある。
コンベンション終了後も、国立大ホールではコンテスト作品が24日まで展示され、23・24両日は家泉あづささん・柴田あかねさん姉妹によるバルーンアート教室が開催された。私も時間があれば出向きたかったのだが、テレビで紹介され土日ということもあり、天候も良かったので、大変な賑わいだったことだろう。

私自身も、今年は様々なジャンルのセミナーに受講し、今までにない経験を味わうことができた。毎年素晴らしいイベントを企画・開催してくださるエミリーズバルーンに感謝したい。