“Dream”
JBAN convention 6
第6回ジャパン・バルーン・アーティスツ・ネットワーク・コンベンション

02.9.2〜5 横浜・みなとみらい21地区
主催:Japan Balloon Artists Network



6年目のJBAN covention。今年のテーマは「Dream」(夢)。う〜ん、やってくれました究極のテーマ。実はこれ、一般公募で最も多かったテーマだそうで、風船には夢を感じるというのは、やはり誰にでも共通するテーマなのだ。
会場は今年も横浜みなとみらい21地区。コンテスト制作・展示も昨年同様に公開されたライブ形式となり、一般来場者にも投票権が与えられている。 では順を追って触れてみたい。

1日目 (9.2)
本業のため不参加。
この日はコンテストラージスカラプチャー部門の制作が行われた。会場はクイーンズスクエアから昨年ウエディング部門が行われたランドマークタワー3Fオフィス棟入口に移った。条件は昨年とほぼ同じであり、サイズ4,000(WHD)mm、床置き形、人員6名で、テーマは設けられていない。制作時間は9月2日12:00〜21:00、3日8:00〜15:00の計15時間となり、サイズ・人員は昨年と同じだが、作業時間は昨年の22時間よりもかなり短くなっている。つまりそれだけ高度なテクニックを要求されるわけだ。
オフィス棟なだけに朝・昼休み・アフター5は多くのビジネスマンが行き交うわけで、その雰囲気は買い物客で賑わうクイーンズスクエアとはまるで異なる。参加者へのプレッシャーも大変なものがあったであろう。

2日目 (9.3)
みなとヨコハマ・桜木町駅に降り立つ。ここ数日は日差しが強く残暑も厳しい。2002 FIFA WORLD CUPTMでは大変なフィーバーとなった駅前広場には参加国の国旗が書かれた柱が立っており、今もW杯の余韻が残っている。
ランドマークプラザへと続く動く歩道の入口にはJBAN convention 2002と書かれた大きな横断幕が目を引いた。今年は横浜市の協賛を得ているそうだ。横断幕に加えバルーンデコレーションもあれば最高なのだが……。

2日目からは終日参加した。コースはもちろん「フルパック」。この日はセミナー・ワークショップは午後のみの2クラス、総合受付は11:30からとなっており余裕がある。まずはランドマークタワー3Fオフィス棟入口を目指す。そこでは今もコンテスト・ラージスカラプチャー部門の制作が行われていた。時刻は10:00頃であり、残すところ5時間ほど。6チームの参加。完成に近い状態のチームもあれば、まだフレームがむき出しになっているようなチームもあった。
続いてランドマークプラザへと出る。後に行われるウエディング部門・アレンジメント部門の会場となる場所にはバルーンデコレーションが施してある。さらにクイーンズスクエアへと向かう。 昨年ラージフレーム部門の行われたクイーンズサークルは今年はノンラウンドスカラプチャー部門となっている。昨年のスモールフレームとは異なりノンラウンドつまりマジックバルーンやハート型などの変形風船しか使えないオブジェだ。これも6チームの参加。こちらは9:00から始まったばかりであり、どのチームもまだ形にはなっていない。条件はテーマなし、サイズ2,000(WHD)mm、床置き形、人員4人まで、作業時間9:00〜16:00までの7時間となっている。たった一人で作業する孤独な挑戦者もおられた。ここにもランドマークプラザ同様にバルーンデコレーションが吊られている。それも会場へ向かって導くかのように点々と続いており案内の役割も持たせてあるようだ。

間もなく受付がオープンする。今回のメイン会場はランドマークタワーにある横浜ロイヤルパークホテルだ。宴会棟は別の建物となっており連絡通路をあれこれ歩くことになり結構複雑だ。エントリを済ませ、コンテストの投票券を受け取る。今回はフルパックでエントリした人はレジュメブックなる各セミナーの資料を集めたファイルがもらえる。受講できないクラスの内容もある程度つかめる。次いでパーティーの座席指定。今まではテーブル指定だったが、今回は完全な座席指定となっている。円形テーブルなのでステージに背を向ける席もあり、そのような位置は前方のテーブルでも敬遠する人が多いようだ。私は承知の上で敢えてそのような席を選びステージ前を確保したが。JBANファイナルパーティーはディナーを味わうためではなく、あくまで楽しむためのパーティーだと考えているからだ。

一旦会場を後にして、コンテスト作成現場へと向かう。ラージ部門は残すところあと3時間ほどだが、全く形が整っていないチームもあった。無事完成するのだろうか。ランドマークプラザ1Fではアレンジメント部門の制作が行われており、既に完成していた。人員1名、制作時間1時間、サイズ500 (WHD) mm、テーマはオータムとなっている。 23名の参加。どの作品も素晴らしく、とても1人が1時間で作り上げたものには見えない完成度だ。
クイーンズサークルでは引き続きノンラウンド部門の制作が繰り広げられている。どのチームも順調なようだ。平日昼間なので一般客は少なく、落ち着いて作業に打ち込めているような感じだ。

午後からはセミナー・ワークショップなのでホテルへ戻る。まずはアメリカのバルーンアーチスト、モーリン・ハークネスさん (CBA) によるパーティーしましょう!に参加した。このセミナーは昨年まで見られなかった専門コースとなっており、どのような内容なのだろうと思ったのだが、実際にパーティーの会場作りを手掛けながら進めていくワークショップ形式だ。ただし実際にファイナルパーティーに使うオブジェの作成ではないのでワークショップとは名乗らないのだろう。参加者も非常に多く、小宴会場はたちまちパーティー会場のような雰囲気となった。コラムなど移動可能な作品の一部は総合受付に展示されていた。

セミナーの合間には休憩時間があるが、昨年の30分から45分へと延長されている。このくらい時間があるとコンテスト会場まで見に行くのも楽だ。ラージフレーム部門は終了間際。15:00、スタッフによる終了の合図がある。しかし1チームのみ未完成だ。さあどうする?

次はイギリスのバルーンアーチスト、クリストファー・ホーンさん (CBA) によるグランドエントランスに参加した。エントランスとは入口のこと。会場のデコレーションに力を入れ軽視されてしまうことも多いが、来場者が最初に目にする重要なポイントでもある。様々な手法によるデコレーションが紹介されるが、米カリフォルニア州ではマイラー風船同士をつなぎ合わせることが州法で禁止されていると聞き驚く。理由は知らないが、バルーンデコレーションについてまで法律で規定が設けられているところなど、さすがは "風船の国" アメリカである。

本日はこれにて終了……いや、そうではない。18:00からランドマークプラザ3Fにてウエティングテーブルアレンジ部門のコンテスト制作が行われるのだ。条件はサイズφ1,000mmの半円状のテーブルに3,000 (W) ×2,400 (H) ×1,800 (D) mmのデコレーションで、人員は3名、制作時間3時間、テーマはアレンジメント部門と同じくオータムだ。
参加は何と21チーム。スタッフから各チームリーダーが呼び出されミーティングの後、制作が開始される。完成まで見ていたかったが、邪魔にならないように間もなく引き上げることにした。

3日目 (9.4)
この日はセミナー・ワークショップが4クラス。最初は北海道の新田 亙さん (CBA) によるバルーンを割るに参加した。何ともインパクトのあるタイトルだが、その名の通りファイナルパーティーで使うスパークバルーンを制作するワークショップだ。新田さんは特殊効果のプロフェッショナルであり、JBANファイナルパーティーでは毎回活躍なされている。花火師でもあり、今回も火薬を使った仕掛けを使う。
特殊効果についてのノウハウやそれに使う様々な機器の説明がある。火薬を使ったスパークは確実な反面、取り扱いにもリスクが伴う。単に火をつけてパンと鳴らすだけなら誰にでも可能だが、多数の火薬を配線で繋いだりなどの加工をするには専門の資格が必要になるそうだ。
次いで制作に入る。まず3フィートの風船に5インチの風船を30個詰める。やり方はいくつかあるが、一番簡単なのはConwin社のインサイダーを使う方法だろう。しかし上級者は何の道具も使わずに次から次へと風船を詰めてゆく。風船が詰まったら、さらにリボンと大量の紙吹雪を入れる。この作業はとても手作業ではできないのでラッピングマシンを使う。最後に規定サイズまでふくらまし、火薬を仕掛けて完成だ。

さて昼休みには昨夜制作が行われたウエディング部門の作品を見てみよう。こちらも力作揃いだ。テーマがオータムとなっているが、秋らしさを感じさせない作品がいくつか見られ、恐らく減点となるのだろう。ブースの隅には投票箱が設けられており、受け付けでもらった投票券を使って投票する。一般来場者は備え付けの投票用紙を使い、抽選でバルーンマジックキットが当たる。これは昨年と同じだ。ちなみに審査の割合は参加者60%、講師30%、一般10%だ。

午後からは日本が世界に誇るバルーンアーチストの1人・君塚かおりさん (CBA) によるゴールデンドラゴンテクニックに参加した。その名の通り、IBAC2000のラージスカラプチャ部門で優勝し世界一の座を掴んだゴールデンドラゴンについての内容だ。当時のimages誌の表紙を飾り、Qualatexのカタログにも写真が載っているので知っている人も多いだろう。
まずは優勝するまでの様々な苦難の道程についてのお話。詳しいことは書けないが、今まで頭の中にあったバルーンアーチストのイメージとはかなり異なっていた。ワールドクラスの人はやはり違う、そんな印象を受けた。
続いて用いられたテクニックについて。ここでも意外な材料を使用したあっと驚く手法が用いられており、その発想力の素晴らしさには脱帽だ。

今度は毎回恒例のプロダクトショーケースを見てみよう。各社の最新ラインナップが並んでおり、今回は新製品のショートセミナーも行われている。目を引いたのはウルトラハイフロートだろう。ヘリウム風船が3週間も持つという驚異的な性能を秘めた製品だ。一方でQualatexのエイリアン顔の絵が入った風船も目立っていた。さらに新企画としてクイズラリーも行われており内容も充実だ。このクイズラリーは3者択一だが、結構難しい問題も含まれていたのでそう簡単にクリアできるものではなかったようだ。

次は太田友子さん (CBA) によるセンターピース ドリームというワークショップに参加した。ファイナルパーティーで使うセンターピースを制作するわけだが、数名のグループで作るのかと思ったら、1人1つ。テーブルには材料がぎっしりと並んでいる。う〜ん敷居が高そう、うまくできるかなぁ〜。細長いガラスの容器に風船と鳥の巣のような繊維とを交互に詰めて行き、上段に星型のステムを取り付け、最後に頂上の発砲スチロール (オアシスと言うらしい) にTバルーンをつける。このTバルーンはオリジナルプリントが入った専用品。「あなたは "夢" を持っていますか?」というような言葉が英文で書かれている。
丁寧な組み立て手順が書かれた説明があり、順調に進んだ。と思ったら、最上段で容器から風船がはみ出してしまう。どうやら途中の風船が大き過ぎたようだ。急いでやり直す。早い人は既に完成させている。ふと振り向くと、JBAの松本会長がすぐ後ろにおられるではないですか。不器用むき出しで恥ずかしいところお見せしてしまった (冷や汗)。
遅いながらも何とか完成。センターピース制作に取り組んだのは初めてだったので貴重な体験となった。

最後におなじみ牛崎祥子さん (CBA) による巨大バルーン人形に参加した。文字通り大きな風船を用い、高さ4mくらいに達する大きなオブジェを作るワークショップだ。
参加者は4チームに分けられ、各チーム1体ずつの人形を作ることになった。男性陣はフレームを組み立てている間、女性陣は風船をふくらます。今回は16インチや24インチといった大き目の風船に加え、頭の部分には4フィートの観測気球を用いた。気球の内部には電球をセットする。
大きな風船を使っているため、巨大なオブジェの割には意外と早く進んで行く。私のチームは一番で完成させた。しかし他のチームは最後の仕上げ段階で頭の部分の気球を「ばん」とやってしまったりで苦戦しているところもあった。

4日目 (9.5)
最終日がやってきた。今日は昨年のファイナルパーティーで司会を務めた加原かつひこさん (CBA) によるブライダルからバルーンビジネスの原点を考えるからだ。ブライダル? 何だか私には縁のなさそうな言葉だが (かな……?)、風船の基礎知識を再認識するということに主眼が置かれていたので参加してみた。飛ばされた風船は上空でどうなるのか、液体窒素を使って擬似的なシミュレーションを行ったり、ヘリウムガスが抜けるシーンを観察したりなど、興味深い実験も行われた。

続いて再び加原かつひこさんによるブライダルバルーンエフェクト2に参加した。どこが「2」なのかと言えば、昨年の続編なのだそうだ。最近の結婚式ではスパークバルーンが増えているらしく、結婚式で割れるという表現がよろしくないというイメージは薄れつつあるようだ。昨日の「バルーンを割る」で使用した火薬を使い、スパークの実演も行った。

最後のセミナーはクリストファー・ホーンさんによる身に着けられるバルーンアートだ。身に付けられるというと260Qを使った帽子のようなものを想像するが、ここでは針金に風船を巻きつけてアクセサリ類を制作する。セミナーだが実技主体のワークショップ的な内容で、上級を謳っているだけあって難易度は高かった。

以上でクラスタイムは終了した。コンテスト作品の投票も終了した。後はファイナルパーティーを残すのみだ。
パーティー会場となる宴会棟3Fへと移動する。ロビーにはマジックバルーンの並んだテーブルが用意されておりバルーンハットなどを自由に作ることができる。パーティーのテーマは「Fairy Tail」(fairy tailとは直訳すれば「妖精のしっぽ」だが、本来は「おとぎ話」という意味である)。メインテーマとパーティーのテーマが異なるのは99年の第3回 (メインテーマ「2000 The New Millennium」、パーティーテーマ「Future Fantastic 2000」) 以来のこと。入口には虹のようなアーチがある。開場は18:00。さあ、入ってみよう。

場内はパステル調で統一されており、ステージは右に天使、左に悪魔のオブジェがあり、ステージ中央には月と太陽、そして虹のアーチがある。月と太陽の表情がとてもかわいい。天井にはやはりパステル調で作られたムカデのオブジェがあり、さらに無数の小さなオブジェが吊るされている。明るい色調と相まって、まさに「夢の世界」。これだけわくわくするようなデコレーションは初めてだ。今回のバルーンデコレーションのデザインは「TVチャンピオン - 第3回バルーンアート王選手権」やIBAC2000フィギュア部門で優勝している家泉あづささん (CBA) と、お姉さんの柴田あかねさん (CBA) によるものだ。

ステージが始まる。今年もフルCGによるオープニング映像が素晴らしい。次いでステージ下段のバルーンウォールが爆発、司会者が飛び出してきた。今年の司会は、何と毎年パワーアップセミナーを担当している疋田文明さんだ。続いてエミリーズバルーンの深尾マリ子社長の挨拶、そして講師の皆さんとともに乾杯となった。

しばらくディナータイムとなり、今年初めて加わったフィギュアコンテストが始まった。条件はサイズフリー、制作時間10分間、テーマはファンタジーだ。挑戦者は10名、さあ、どんな熱戦を繰り広げるのか。
スタートした。いや〜、速い速い。普段オブジェを作るときとは手付きがまるで違う。あたかもビデオの早送りを見ているかのような凄まじい勢いで次々と形作られる様子はまさにパフォーマーと言うにふさわしい。
続いてコンテストの結果発表だ。注目のラージスカラプチャ部門で見事優勝に輝いたのは、群馬・桐生市のラヴィ・バルーンによる「トロピ」だ (上部写真)。傍らには「子供の頃、夢の中にでてきた、かわいくて楽しい、トロピカルな色をした像……」と作品を紹介したパネルもある。深尾社長から表彰状が送られる。目元に熱いものも見られた。感動的だ。
もう一つ、入賞はできなかったがぜひ紹介したい作品に「自由の女神 - 世界に平和と愛を」というものがあった。自由の女神とアメリカの国旗を形どったオブジェだが、傍らの「作品への思い」に書かれている言葉が実に印象的だ。以下に引用させていただく。

『作品への思い』

116年の間につらい戦争があり、又、楽しい出来事も数多くあり、全てを見守ってきた自由の女神。
平和になりつつある今日、昨年の9月11日に同時多発テロという悲しい出来事を又見る事になりました。

今年、ニューヨークに行きテロの現地を自分の目で見て凄い衝撃を受け、言葉には言い表せないほどの思いが込み上げてきました。
テロの現場にある鉄骨の十字架に祈りをささげている人々、日本から届いた千羽鶴、星条旗に書かれているメッセージ等を見て、ただ涙が出るばかりでした。
国、人を愛することの大切さを知りました。
世界平和を願う1人として自由の女神と共に祈りたい。
1年経とうとしている今でしか作れない作品です。
そんな思いでこの作品にしました。

何とも泣かせる文章ではないか。
実はこの作品、聞くところによると思わぬアクシデントに襲われ時間内では完成せず、大幅な減点を受けながら時間を延長して何とか完成されたものだった。しかし投票では大変な支持を受け、減点さえなければ圧勝だっただろうとのこと。作品の完成度よりも平和への願いを込めて投票したという人も少なくないのではなかろうか。
また、ウエディング部門は、テーマの「オータム」に従っていないと思われた作品が優勝してしまった。これは予想外であった。ルールに従わない分の減点を受けただろうが、それでも他を振り切って優勝したのは、作品がいかに凄いかということだろう。

続いて恒例のコスチュームコンテストだ。昨年は3部門に分かれていたが、今年はセクシー賞とおとぎの国賞の2部門。しかも審査は参加者の拍手の大きさではなく各スポンサーの代表者。楽しさに欠けるような気がしたのは私だけだろうか。

さあ、いよいよか。DJが位置に着いた。スタッフが特殊効果の点火装置を確認している。間もなくクライマックスだ。その瞬間を捉えるべくステージ前でビデオカメラを構える。ステージから猛烈なスモークが上がる。その直後、天井に仕掛けられた無数の3フィート風船がスパークし、大量の紙吹雪が頭上に舞った。会場は熱気は最高潮に達する。もう食事しているどころではない。みなステージへ上がって踊り始めた。
私はステージ付近を撮影して回るが、いきなりダンスに引きずり込まれたりもする。みんなノリノリだ。バルーン業界のアイドル・家泉あづささんと二人で撮影できたのは最高の収穫。ありがとう家泉さん。
今年も巨大風船の投げ合いがない。Qualatexが4・5フィート風船を生産中止したためだろうか。せめて3フィートで構わないからステージへと放り込めばぐっと盛り上がるのだが……。
ダンスタイムは22:00までのはずが実際には21:15くらいで終了の合図。え、もう終わっちゃうの……? これも聞いた話だが、このホールは翌日他の目的で使用するらしく、撤収を今夜中に済ませる必要があるため早めの終了になったとのこと。なるほど納得。
締めくくりは今回のデコレーションを担当した家泉あづささん・柴田あかねさんだ。キャノン砲から紙吹雪が飛ぶ。同じ横浜で行われたW杯決勝戦の表彰式で千羽鶴と共に会場に舞ったものと同じ紙吹雪だそうだ。

撤収が始まる。たちまち慌しい雰囲気になる。いつものように撤収を手伝うのだが、無残にも割られてゆくデコレーションを見ているうちに辛くなってきた。今回のテーマが「夢」であるだけに、まるで夢が壊されてゆくのを見ているかのよう感じたのだろう。でも、これがバルーンアートの宿命。作り上げた本人たちはもっと辛い思いをしているに違いない。

会場を後にする。桜木町駅。車内に腰を下ろしカバンに手をやると、何とカメラが入っていないではないか。駅員に言って一旦出場させてもらい、慌ててホテルへと引き返す。動く歩道を経てランドマークプラザをくぐって片道500mはあるだろう。会場ではまだ撤収が行われており、カメラは無事に見付かった。ある椅子に電球と共に置いてあった。恐らく巨大バルーン人形の頭の部分に入れてあった電球を取り出す際に知らず知らずのうちに置いてしまったのであろう。
……ちょっと私的なことを書いてしまった。今年も体験・感動・涙・そして笑い、いろんな出来事がありましたJBAN convention。毎年素晴らしいイベントを企画運営してくださるエミリーズバルーンに感謝しつつ、横浜を後にした。残暑の厳しい夜だった。