銀座アキュイユ2001
銀座アキュイユパレード

01.10.20 東京・銀座
主催:全銀座会催事実行委員会
後援:経済産業省/東京都/中央区/営団地下鉄/他
協賛:日本バルーン協会/他



昨年は不況のため中止されてしまった「大銀座まつり」だが、今年は別な形で復活した。「アキュイユ」(accueille) とはフランス語で「もてなし」の意。オープニングの10月20日にはパレードが繰り広げられ、日本バルーン協会によるフロートやエアアーチ、テープカットの演出、それに各所での風船配布などが行われた。

「大銀座まつり」の頃はパレードは中央通りのみだったが、今回はそれに加えて外堀通りも会場となり、銀座をぐるっと1週する大規模なパレードとなった。チームはA、Bの2隊に分かれてそれぞれ1丁目中央通りの京橋、8丁目外堀通りの土橋の2カ所からスタートする。JBAのフロートはB隊に入ることになっている。

午前10:00、B隊のスタート地点土橋へと向かう。高速道路下のわずかなスペースで準備が行われている。あの井波恭子さんも参加している。4つ玉クラスタを用いて長めのガーランド (スパイラル) を作っている。テープカットに使うらしい。色はパールモーブ、ゴールド、オレンジ、パールアイボリーの4色で、これは銀座アキュイユのテーマカラーに合わせられている。

やや遅れてエアロテックの大曽根さんが来た。チームと打ち合わせた後、再び車でどこかへ向かう。A隊のスタート地点やフロートの準備などをあちこちの現場を飛び回っているとのことで多忙だ。

ではA隊のスタート地点へも向かってみよう。土橋と対角線上にある京橋までは結構な距離がある。外堀通りは中央通りと違い商店よりも企業が目立ち、土曜日の朝はみな閉まっており車も少なく実に静かだ。

京橋へと辿り着く。高速下の歩道で同じようにガーランドの準備が行われていた。こちらは「クリーニングの日」でデコレーションを担当したコズミックの皆さん。

そうしているうちに風船の配布が始まった。中央通りをゆっくりと歩いていくと、ところどころに風船を配っているスタッフに出会う。今回はあちこちに分散しての配布になったようだ。配布用もガーランドと同じくアキュイユカラーに統一されている。表面に銀座アキュイユ、裏面にはJBAのロゴが入っている。第3土曜日 (登校日) の午前中とあって家族連れは余り見られず、もらい手も比較的少ない。

再び土橋まで戻ってきた。ガーランドもほぼ完成し、テープカット用のテープを吊す。カットすると大きなアーチになる寸法だ。テープカットというとすぐに「くす玉」を思い浮かべるが、今回は一味違う演出だ。

パレード開始まであと30分ほどとなり道路が通行止めになると、エアアーチの準備だ。巨大なビニールの塊につないだ送風機を回すとどんどんふくらんで立ち上がり立派なアーチとなった。4車線の道路に設けるためかなり大型だ。続いてテープカットの準備などが手際よく行われる。後方ではパレード参加のチームが準備を進めている。JBAのフロートもいよいよお目見えのようだ。早速見てみよう (写真)。

今回のフロートはアンモナイトをイメージしたもので、すべてマイラーで作られていた。ホログラム加工された生地が使われており秋の日差しを受けてまばゆい光を放っている。中身は4tトラックだそうだ。中央部は透明のドーム状になっており銀座アキュイユ・日本バルーン協会の文字が入り、中では多数の風船がファンにあおられて踊っている。後方にはやはりホログラム生地で作られた風船を持つスタッフが続いている。制作はもちろんエアインフレータブルも得意中の得意とするエアロテックだ。既に準備は万全だ。

14:00、オープニングのセレモニーが始まった。代表者の挨拶に続きテープカットが行われ、ガーランドがふわりと浮き上がってアーチになった。ファンファーレと拍手が起こり、パレードの開始だ。

先頭は自衛隊の音楽隊。陸海空3チーム連なっている。海外派遣などで忙しくなった航空自衛隊入間基地での入間航空祭は今年は中止なのだが、このパレードでは予定通りの参加だ。海自は海らしく軍艦マーチだ。思わずパチンコ屋を想像してしまった人も多かったことだろう (ちなみに私はパチンコは一切やらない)。その後、警視庁や東京消防庁の音楽隊、シンガポールから参加のチーム、各大学のブラスバンドなどに続き、JBAのフロートもスタートだ。このフロートは背が高く、スタート地点のエアアーチをくぐれないため、一旦しぼめてゆっくりと通過する。

97年の「並木通りパレード」の時も同じことが言えたが、JBAフロートの前後はいずれもパレードの付きものブラスバンドなので、フロートはかなりの注目を浴びた。しかし直前を行くジャズバンドチームの方が若干注目度が高かったように思えた。

数寄屋橋交差点はさすがに人出が多い。交差する晴海通りは通常通りなので、青信号のうちに一気に渡る必要があるが、手動により青信号の間隔を変えていたようだ。プランタン銀座を過ぎると間もなく中間点の1丁目。ここで右に折れ京橋へ向かうが、京橋スタートが15:00なので時間調整を行う。この辺りは北西に東京駅がすぐそばに見える位置だが、路地裏に入るととても東京駅の間近とは思えない静かな住宅地が残っており、何とも不思議な空間だ。

15:00、京橋からの再スタートだ。エアアーチをくぐる時は一旦しぼめるが、無事通過すると周囲からは拍手が起きた。今度は賑やかな中央通りだ。人も外堀通りよりずっと多い。三越が見えると間もなく銀座の中心街となる銀座4丁目交差点だ。さすがに人出が多く通勤ラッシュのような状態だった。

新橋のゴールに近付く頃には日もかなり傾いていた。ゴール後、高速下ですぐに解体に取りかかる。見る見るうちにフロートがしぼんで剥がされトラックが姿を現す。後続の手持ちマイラー風船もすぐにしぼめる。ハサミで突き刺すとなぜかボンと音がする。よく見たら中にゴム気球が入っていたのだ。

距離が長いこともあり見応えのあるパレードだった。新世紀の銀座の一大イベントとして今後も引き継がれることを期待したい。