尺八クリニック

 ※ 尺八修理します(割れを除く)。貴方の尺八を診断します。音程の狂った尺八を吹いていませんか? 一度入院した方が良いかもしれません。
                         質問・注文はこちらから


以下に記載したのはあくまでも自論ですので参考程度の解釈でお願いいたします。


1 あなたの尺八大丈夫?
まずは腕はどうであれ、自分の尺八がどれだけの性能を持っているかを確認することです。駄目な尺八をいくら吹いてもこればかりは「弘法筆を選ばず」は該当しません。
駄目な尺八でいくらふいても上達しません。
しかしご自分の吹奏力も問題です、すぐに尺八の性にする人もおりますが。(結構多い)
まずは尺八も疑ってみてください。ただ鳴ればいいという方は別ですが。

上手な方に吹いてもらって確認するほうほうがベターです。

100万円の尺八を買っても、100万円の音は出ません、吹奏技術が劣っていれば只の竹です。5万の尺八でも吹き方で良い音色は出せるものです。
2 どなたかに習いましたか?
これも自分で楽しめれば良いという方は別ですが、やはりやるからには上達したいと思うのが普通です。
先生にもピンからキリまでいます。上手な先生に付くことです。ヘタな先生に習えばヘタがそっくり移ります。

先生の技量を知るのは難しいことですが、ただ曲をこなすだけの先生は良いとは言えない
誰にも習わず自己流で楽しむのも趣味ですからとやかく言うものではありませんが、キット壁に突き当たります。
そしてやめてしまうのです。
今からでも遅くはありません、
しっかりした先生に師事しましょう
何でもそうですが鉄は熱いうちに打てです、冷めてからいくら打って(修正)も効き目はないのです。
3 良い音を出すには。 
吹き方にはいろいろな意見があります。唇の形から始まって口腔内を広げる、のどを広げる、腹筋を使う、背筋を伸ばす
等々。
これらも最初に教えてくれた人の方法で決まってしまう。
ただ一つ、鳴るポイントを探すことです。尺八を顎に当てて位置をきめている人がいるがこれではポイントが合っているかどうか判りません。
(尺八は顎で吹くのではない)
唄口と唇の位置関係が重要で、こちらから先に決めることが肝要です。
また唄口部の形状(上部の傾き、唄口の深さ、舌面角度)も大きな要素を占めています。

尺八の性能より吹き方を見直すことなんです。

大体は尺八の性にする方が多い。
4 乙ロが鳴らない
乙ロは尺八の筒音です、これだけが鳴るのは良い尺八とはいえない、返って甲ロが鳴らない場合もある。これは管内のバランスが悪いからで両方鳴って良い尺八といえる。
どこが悪いのかというと上管の内径が狭かったり、下管内径が広かったりいろいろあります。
尺八全体のバランスが悪いと駄目なのです。
後は息漏れ、これはホゾの緩みとか毛筋ほどのヒビ割れも乙ロが鳴らない原因なのです。

延べ管と継管の違いがどこにあるのかなんです。
5 大甲レが出ない 
これは尺八のバランスが取れていれば出ます、特にロレが正常に出ていれば出る筈です。ただ短管になると出にくくなる傾向があります。
理由は判りません、(多分手穴の位置が近くにあるのが原因)1尺6寸くらいから出にくくなります。レの運指で出そうと思うと出ません、出ても律は高いでしょう。
従って6寸以下では
2孔をかざして吹くのです、正しい大甲レがでる筈です。
6 乙音と甲音の関係  
尺八が良く出来ていればチュナーで計った場合、例えば1尺8寸のロ音の場合440〜442ピッチでDを表示し値は0となるでしょう。しかしロ音は正常でもリ(ハ)チレが甲音で低い場合が多い。
これは上管の作りの原因があります。
甲音の場合乙音に比べ流速が早いのですが管内が広いと微妙な速度(振幅)が大きく音が下がると考えられます。
地無し管で乙音と甲音に差が出る原因も同じと考えます。(多分)
もう一度管内の調整をする必要があります。
7 何故7孔に走る
7孔尺八が悪いという訳ではありませんが、やたらと7孔尺八をやりたがる。何故か。
ツのメリが出しにくい、出せない、簡単に出したい、ハ(リ)のメリも面倒と言う理由だと思う。
これは
吹奏技術を放棄しているのと同じである。
出来なければ挑戦しなければいけない、又は運指を工夫するとか手穴下部を削るというのも手段である。
中にはツの小穴のみ開けている人もいる、それも音程に関係なくただ指の置く位置に子孔を開けている。
自分が良ければよいではないかと言われるかもしれないが、努力しての尺八だと思う。
5孔尺八には独特の味がある、やたらと小細工に走らないようにしたいものです。
8 尺八の内部
尺八の内部をいじる人がいるがこれは自信がない限り絶対しないことです。根拠があってするのならイザ知らず、やみくもにいじる人がいるがこれは絶対に尺八が壊れます。
20φの塩ビ管を買ってきて唄口部にエンドキャップを被せ、唄口を作り、手穴を開けると立派な尺八が出来ます。下手な竹より良く鳴る。
ただ絞りが無いだけ、練習用ならこれでも充分。

尺八内部はほんの紙一重で音が変わります、唄口から管尻にかけてきれいに仕上げてあるのをご覧になったと思います。
少しくらいの波は仕方がないが大きく凸凹があると正確な音は出ません。
息の流れと高調波により別な音が発生するのです。
自分が上手く吹けないのを棚に上げ、尺八内部を削って全く鳴らなくしてしまった人がいました。
どうしてそこを削ったのか、当人に聞いたら黙っていたが。
根拠のない削り=生兵法は怪我の元です。
9 尺八の形
太さと長さは相対的な関係があります。例えば直径4cmの竹があるとしてその竹で2尺5寸管を作ったとすればそれなりに鳴ります。
同じ竹で1尺6寸管を作れば鳴るでしょうけれどバランスが悪く楽器としては使えないでしょう。
竹なら何でも良い訳ではなく長さと太さはとても大事な関係があります。
20φの塩ビ管で1尺8寸を作ると非常に良く鳴る尺八が出来ます。30φの塩ビ管で1尺8寸を作ると同じようには鳴らないでしょう。
従って
それなりの太さと長さがないとバランスの取れた尺八は出来ないのです。(最も重要なのは外径より内径)
10 管頭の角度
管頭には唄口の角度と顎当たりの角度が鳴りの大きな要素を占めている。
ここをいい加減にしてはいないか調べる必要がある。
まず、唄口の角度、所謂舌面の角度が竹に対して何度あるか、ここが鈍角であればシャープな音が出ない。概ね20度〜25度くらいが良い。
顎当たりの角度は舌面を基準にすると105度、竹の上面を基準にすると96度くらいが一番良い。
文言では理解できないかもしれないがよく噛み砕いて判断してください。
ちなみに唄口の深さは3〜5mm程度が良い。
11 8節の地無し管
尺八はその形状が一番美しい形が7節で1,2孔3,4孔が節間に納まっており、かつ節が表開き(おもてびらき)が理想的とされている。地盛り管の場合は節の凹みも埋めてしまうため竹の形は問題ない。
しかし、地無し管で7節となるとどうしても一番重要な管尻の5〜7節に窪みが出来てこれが調律に大きな影響を与えている。
これが8節の地無しの場合は7〜8節が詰まっているため7節管のような窪みが無い。
従って調律は非常に容易に出来るただ節跨ぎとなるのが欠点であるが、音を楽しむ向きには良い尺八が得られる
12 割れ締めすると音は変わる
尺八は竹製であるためいくら完全に乾燥させても空気中からの水分を吸収する、又吹奏時の露切りを怠れば管内の水滴がいずこよりか竹に浸み込み割れの原因となる。
言い訳がましく「良い竹程割れる」などと言う言葉がまかり通っているが何の根拠もありません。
割れる竹は割れるし、割れない竹は何しても割れません、誠に不思議。

そこで割れると割れ締めを行いますが、割れ締めの後は地盛り管の場合は管内を復元しなければ元の音には戻りません。再調律が必要になります。
地無し管の場合は管内が締めた箇所の内径が狭まることから音が良くなる場合が多い。
というのは割れる箇所は大体上管部であり、割れる前の上管は内径が広くハ(リ)音が低いのはご承知のとおりです。
従ってわれ締めを行うことにより内径が狭まりハ(リ)もカラなくても正常になり乙ロも良く鳴るという現象がおこります。
割れてもいないのに締めているのはこのような事も要因かと思います。
13 鳴らない尺八
尺八が鳴らないのは鳴らすのが下手か尺八が駄目なのかのどちらか。
ある程度鳴ればこれを自分のものにしてしまう人もいる。
しかし駄目な尺八はいくら吹き込んでも響きは悪く音程も狂っている。
こんな尺八で吹いていれば音痴になってしまいます。

意外と狂った尺八で吹いている人がいる、数セントの音の違いを聞き分けるのは相当な音感が必要だが。
ロ音が良く鳴らない、音の抜けが悪い、裏返る、などの症状は管内の作りが悪いのである。
ロとレが良く鳴る尺八は大体良品といえるが。
14 ツのメリ
ツのメリは尺八の音の中では一番出しにくい音である。
1尺8寸ならばまだしも2尺2寸以上になると指が長くなる分押さえにくく指メリも難しい。
尺八を始めたころツメが出ないので、尺八に当たって叩きつけたことがある。それほど難しい
下手に限って尺八のせいにする、
自分が下手なのだ。
ツメは充分に顎をメッて指メリを併用すれば簡単に出る。
補助的に1穴の下部をエグり指メリを容易にする方法もある。
又1穴の下に小穴を開ける方法もあるがこれは邪道。尺八を吹くのに邪道もクソもないが。
出せるように練習あるのみ。

15 息返しの効用
地無し管は竹そのものであるので節が大きな要因を占めている、節を全て抜いてしまうことはない、従って天口となる第一節は当然残っていて息返しの用を成している。
地管は管内の節を全て取り除いて管内を仕上げる。1尺8寸ならば天口径は20mm程度で吹くのにはなんら支障は無い。
しかし、2尺2寸くらいになると口径は22mmくらいになるので口当たりがしっくりこなくなり、吹奏に支障をきたす。
そこで、息返しという代替えの節を付けることがある。
これは下唇で口径を塞ぐのを補助するためにつけるのであるが、これがあるとないとでは吹奏上大きく違う。
本来は節を残して製作するのが本筋なのだろうが。
大体2尺1寸以上になると息返しをつけるようだ。

16 尺八が悪い
尺八が鳴らないと(思うようにいかないと)尺八の性にする方が多い。主に初心者に多く見られる。原因は尺八を己の吹き方に合わせようとするからである。
尺八は全て同じではないのです、従って尺八に合わせないといけないのです。
そして鳴らないと尺八を削ってしまう人もおります、これはもう致命傷です。
先ずは自分の吹き方を見直すことです。
良く鳴らないだとか音が軽いだとか言います。全て吹き方が悪いのです。

この話をすると「尺八が悪い」と決めかかる人がいます。「
そんなに貴方は上手なのか」と聞きたくなります。
尺八は太さ内径などチョットしたことが多く作用するのです。
いつも同じ吹き方ではいけません、尺八形状に対応した吹き方が必要なのです。尺八はそれほど難しい楽器なのです。
1.とは反対ですが、ここの見極めは他の上手な方に確かめてもらうのも方法です。
大体は自分は上手いと思っている。

17 燻し竹はカンカンする
という人がいる。
何の根拠も無い、人が言うかららしい。尺八は気柱楽器なので材質は全く関係ないのです。
木・プラスチック・ガラス・竹・合竹製などいろいろある、音は管内の空気の振動によって発生するので材質は全く関係ありません。※
ただ内径の作り方にによって音は変わります、従って燻し竹で作った尺八はカンカンするというのはそういう気がするという錯覚なのです。
尺八は錯覚の楽器です、材質は関係ないのです、ここが解らない人が沢山います。

   ※ 尺八の音は吹き込まれた空気自体がリードとなって振動する。空気の束(エアビーム)を楽器の角(エッジ)に当てると、空気の流れに乱れが生じて、これが振動源となるのです。。