1.KDDIが高輪ゲートウェイの新本社公開、JR東やローソンとロボット配送など実証開始(7.25 日経XTEC)
KDDIは2025年7月24日、高輪ゲートウェイ駅(東京・港)に隣接する新本社を報道陣に公開した。本社ビル内や近隣でJR東日本やローソンなどと展開する、店舗内にレジが存在しないコンビニやロボットを活用したオフィス内配送サービスなど複数の実証実験も併せて披露した。
KDDIの松田浩路社長は「高輪で生まれる新しい取り組みを全国に広げ、人々の体験をより進化させていきたい」と語る。同社は新本社を、リアルとデジタルを融合させた「未来への実験場」としても活用していく。
例えば来訪者が高輪ゲートウェイ駅の改札を通過すると、その人の趣味や行動履歴に基づいた情報をスマートフォンに自動配信する。位置情報や通信データを使い、クーポンやイベント案内など個々の来訪者に合う情報をリアルタイムに届ける。これによりエリア内の回遊性や購買意欲の向上を狙う。
2.折り畳みスマホ「Galaxy Z Fold7」はSペンより薄さを選んだ、背景にサムスンの危機感(7.25 日経XTEC)
韓国Samsung Electronics(サムスン電子)は、折り畳みスマートフォンの新機種「Galaxy Z Fold7」と「Galaxy Z Flip7」を発表した。Galaxy Z Fold7は、折り畳んだ状態で8.9mmという驚異的な薄さを実現した一方で、「Sペン」への対応などを見送った。薄さにこだわる背景には、折り畳みスマホを巡る激しい競争がある。
既に中国の華為技術(ファーウェイ)は、3つ折りタイプのスマホ「HUAWEI Mate XT ULTIMATE DESIGN」を市場に投入している。新興国を中心に展開する中国の伝音科技(トランシオン)も3つ折りスマホのコンセプトモデルを披露している。
3.中国バイドゥ系が高齢者向けAI端末、約5000万世帯の健康管理や介護支援に強み(7.25 日経XTEC)
高齢化社会の到来は中国で大きな問題となっており、高齢者向け製品の開発が求められている。その中で、中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)傘下でスマートデバイスブランドを手掛ける小度科技(シャオドゥー)は、高齢者向けにやさしいAIデバイスを発表した。同社は、高齢者がデジタル機器の操作をしやすい工夫を施すだけでなく、健康管理機能も提供。既に中国の高齢者世帯の40%を超える約5000万世帯にサービスを提供している。
こうした背景を踏まえ、百度(バイドゥ)傘下の小度科技(シャオドゥテクノロジー)は、高齢者向けのスマート健康モニター「小度智能健康屏(シャオドゥスマート健康ディスプレー)」を発表した。同時に、「スマート製品の高齢者対応」に関する社会実験を開始し、実際のニーズに基づいた製品開発と普及を目指している。
さらに、一人暮らしの高齢者の緊急事態に備え360度カメラ映像をAIが解析。異常を検知した際は、登録された緊急連絡先に自動で通知する機能を搭載。加えて、「救援要請」ボタンを押すことで、24時間365日対応する緊急連絡先へ自動通知が可能となっている。
4.「フィッシングメール訓練」は効果があるのか、2万人対象の大規模調査で驚きの結果(7.23 日経XTEC)
フィッシング詐欺などのメールを使ったサイバー攻撃が後を絶たない。フィッシング詐欺などでは、メールを受信したユーザーのアクション(リンクのクリックや添付ファイルの実行など)が攻撃の起点となる。そこで多くの企業は、ユーザーのセキュリティー意識を高めるべく、セキュリティーに関する訓練を実施している。
だが、その効果には様々な意見がある。効果があるとする研究論文があれば、否定的な実験結果を提示する論文もある。そこで米シカゴ大学、米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)、UCSDの医療機関であるUCSD Healthの研究者10人が前例のない大規模な調査を実施した。対象はUCSD Healthの職員1万9789人。同組織で実際に実施している訓練の結果を分析し、効果を調べた。
調査の対象にしたのは、UCSD Healthでほぼ月1回実施しているセキュリティー訓練である。この記事ではフィッシングメール訓練と呼ぶ。この訓練では、フィッシング詐欺の模擬メール(フィッシングメール)を抜き打ちで職員に送信する。メール中のリンクをクリックすると訓練であることを知らせるWebページに誘導され、同ページのコンテンツを使って学習するよう促される。
調査期間は2023年1月からの8カ月。UCSD Healthの職員は医師や看護師などの医療職に加えて、財務、人事、IT、行政など一般の企業と同様の職種で構成されている。
調査結果からは、フィッシングメール訓練の効果は限定的であることが示されたと研究者グループは述べている。調査は単一の医療機関を対象に実施したので、今回の結果が全ての企業や業種に当てはまるとは限らないと強調する一方で、フィッシングメール訓練の有効性を検討する材料にはなるだろうとしている。
加えて、企業によっては訓練よりも技術的な対策に焦点を当てたほうが費用対効果が高い可能性があるとアドバイスしている。フィッシングは防げない、言い換えるとパスワードが窃取されることを前提にしたセキュリティー対策が重要になる。論文では一例としてハードウエアによる多要素認証を挙げている。
5.IT主要15社のサービス売上高、成長率が鈍化 2024年度は8.9%増で2桁成長ならず(7.22 日経XTEC)
日本でビジネスをするIT企業上位15社の2024年度ITサービス売上高を調べたところ、15社の売上高合計は14兆5730億円だった。15社のうち、NTTデータグループ、富士通、日立製作所、NEC、野村総合研究所、TISについては海外売上高も含めている。
セグメント別では、コンサルティング&SI(システムインテグレーション、システム開発・構築サービス)が7兆8243億円で10.1%増(前年度は14.0%増)。マネージドサービス(システム運用管理、アウトソーシング)が5兆8961億円で6.0%増(同5.3%増)、クラウドサービス(インフラ系のパブリッククラウド)が8526億円で19.5%増(同23.6%増)だった。
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