1.Google、AI検索に全振り 「クエリー10%増」でジレンマは克服できたか(5.21 日経XTEC)
米Google(グーグル)がいよいよ「AI(人工知能)検索」を全面展開する。同社は米国時間2025年5月20日、年次イベント「Google I/O」を開き、AIを利用した検索機能である「AI Mode」を同日から米国で一般提供すると発表した。AI検索はユーザーに高度な回答を提示できる一方、Webのトラフィックを減少させるとの試算もある。検索に連動する広告が主力事業であるグーグルは「イノベーターのジレンマ」に陥っているとの指摘もあった。グーグルはジレンマを克服できたのか。
グーグル検索で質問を入力すると、一般的な検索結果に加えて「AI Mode」のタブが表示される。タブをクリックすると、AIによる回答が画面左側、その回答で参照したWebページが右側に表示される。ベースとなるAIモデルには最新の「Gemini 2.5」のカスタムバージョンを利用する。
2.セブンが店舗システムをフルクラウド化、国内全2万1000店舗に2025年内導入(5.23 日経XTEC)
セブン-イレブン・ジャパンがオンプレミス環境の基幹・店舗システムをクラウドに集約する。国内の約2万1000店舗への導入を2025年春に開始し、年内には全店舗への導入完了を目指す。柔軟で効率的な開発を推進して、データの利活用を円滑化していく狙いだ。システムを構築したNECが2025年5月22日に発表した。同社の調べによると、フルクラウドでの導入は国内のコンビニエンスストア業界では初。
次世代店舗システムは、複数の情報システムを疎結合で統合している。システム構築はNECが担当。セブン-イレブンは、データ処理やアプリケーション開発基盤として「Google Cloud」を採用する。販売時点情報管理(POS)をはじめとする端末のソフトウエア管理やデータの統合には、米Omnissa(オムニッサ)のクラウドサービス「Omnissa Workspace ONE」を使う。マルチベンダー環境でのシステム運用には、ServiceNow Japanの「IT Service Management」を用いる。
さらにセブン-イレブンには、既存の店舗システムとセットになっていた専用端末を、タブレットやモバイル端末といった汎用端末に切り替えることで、ベンダーロックインを削減する狙いもある。同社は、OSが異なるものを合わせた約30万台以上の端末をクラウド管理に移行する予定だ。導入や保守に掛かるコストの低減や、アプリケーション管理の効率化も見込む。
3.ついにAI普及によるソフト開発者の淘汰始まる、マイクロソフト大量解雇の衝撃(5.23 日経XTEC)
前から分かっていたことだが、「ついに始まってしまったか」というのが正直な感想だ。生成AI(人工知能)の普及によるソフトウエアエンジニアの大量解雇である。
米Microsoft(マイクロソフト)は2025年5月中旬、全社で約6000人の人員削減を行うと発表した。米国での報道によると、同社の本社がある米ワシントン州内で削減対象とされた約2000人の従業員のうち、ソフトウエアエンジニアがその4割強を占めるという。800人以上のソフトウエアエンジニアを削減する計算になる。
米国のGAFAMや中国のBATHと呼ばれるいわゆるビッグテックの競争力の源泉はソフトウエアであり、それを生み出してきたのがソフトウエアエンジニアだ。このため各社は何とかしてソフトウエアエンジニアをかき集めようと手を尽くしてきた。
状況を変えたのが、ご存じ生成AI(人工知能)だ。生成AIの一種であるLLM(大規模言語モデル)は、自然言語の文章に加えプログラムコードも出力できる。適切なコードをLLMが生み出せるのであれば、コードを書く人間、すなわちプログラマーは不要になる。
ソフトウエアエンジニアの大量解雇はこれからもしばらく続くだろう。それにより何が起こるだろうか。おそらく、コードを書くだけの「プログラマー」という職業はほとんどなくなるはずだ。生成AIによる自動化が進むことで、ソフトウエアは工業製品に近づいていく。
ソフトウエアエンジニアの仕事はコードを書くことだけではない。必要なソフトウエアを割り出し、仕様を決める。あるいは、完成したソフトウエアが仕様通りか、正しく動作しているかを確認する。こうしたプログラミング前後の工程のほうがむしろ重要だ。これらの工程にもある程度は生成AIが入り込んでくるだろうが、最終的な「仕様決定」と「品質保証」は人間の仕事である。
従来は、自由にソフトウエアをつくるにはプログラミングが不可欠であり、プログラミングの習得には一定量の訓練が必要だった。ソフトウエア開発はプログラマーの特権であり、普通の人はその恩恵に直接あずかることはできなかった。
この壁を生成AIが壊した。今では、プログラマーでなくても自分の専門分野と「プログラミングの力」を組み合わせられるようになった。このことは、現在の職業の枠組み、ひいては社会の形まで変えていくインパクトがある話だと思っている。
4.米国の大手IT企業の主張に惑わされるな、AIエージェントについてガートナーが警告(5.23 日経XTEC)
米Microsoft(マイクロソフト)や米Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス、AWS)、米Google(グーグル)など大手ITベンダーによるAI(人工知能)エージェントに関する主張が、ユーザー企業を誤解させている――。米Gartner(ガートナー)のErick Brethenoux(エリック・ブレテヌー)氏はそう警鐘を鳴らす。
ガートナーにおけるAI分野のチーフアナリストであるブレテヌー氏は、人間に代わって自律的に業務(タスク)を遂行するAIエージェントが「これからの最も重要な技術」になると見る。ただしその一方で、多くのユーザー企業がAIエージェントのことを誤解しているとも主張する。
ブレテヌー氏がAIエージェントについて重視するのはその自律性だ。AIエージェントは与えられたタスクについて、人間から指示を与えられなくても、自律的に問題を解決する存在なのだとブレテヌー氏は語る。
IoT分野では、カメラのようなセンサーが取得したデータをAIが分析し、何らかの状況が発生した場合、それに応じたアクションを自律的に実行するシステムが、様々な分野で実装されている。ブレテヌー氏は「これこそがAIエージェントベースのシステムだ」と述べる。
5.セブン-イレブンの商品をロボットが自動配送、八王子で実証実験開始(5.19 日経XTEC)
セブン-イレブン・ジャパンとLOMBY(ロンビー、東京・品川)、スズキは2025年5月19日、屋外型自動走行ロボット「LOMBY」を使った実証実験を同日に開始することを発表した。東京都八王子市の南大沢エリアで行う。
配送先地点を指定せず、セブン-イレブン南大沢駅前店とセブン-イレブン八王子南大沢店の2店舗を中心とした南大沢エリア全域の個人宅まで配送する。一部を除く集合住宅では、エントランス周辺まで届ける。ユーザーは、セブン-イレブン店舗から商品を届けるサービスである「7NOW(セブンナウ)」から注文を行う。
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