週間情報通信ニュースインデックスno.1453 2024/11/16


1.NTTコムが千歳市で路線バスのレベル2自動運転実証、IOWNもバス停で使用(11.15 日経XTEC)
NTTコミュニケーションズは2024年11月15日、北海道千歳市で路線バスの自動運転を実証すると発表した。法人向けの5G(第5世代移動通信システム)サービス「5Gワイド」や次世代情報通信基盤IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)の通信技術などを使用する。千歳市では近年、運転手不足により路線バスが減便するなどの影響が出ており、自動運転の社会実装を目指す。実用化の時期は未定としている。

 自動運転はレベル2で、運転手が常時運転席に座り、必要に応じてハンドルなどを操作する。検証内容は主に2つある。1つは走行中の遠隔監視だ。車両情報や車内外の映像を、5Gワイド経由で遠隔監視室に送る。5Gワイドはパケットの優先制御機能を実装している。同機能を用いることで、通勤ラッシュ時などの混雑した環境でも安定した伝送が可能かを検証する。

 もう1つはバス停に停車し、乗客がバスに乗降する際の安全確認だ。バス停に固定した監視カメラの映像を、IOWNの構成技術の1つ「オール光ネットワーク(All Photonics Network、APN)」で約50キロメートル離れた遠隔監視室へ伝送する。タイムラグが少ないリアルタイムの映像を伝送し、運転手や乗務員が不在でも安全確認できることを検証する。

2.Metaも「システムインテグレーター」を頼っていた、対象はAIスパコン(11.15 日経XTEC)
SNSに必要なソフトウエアに加えて、データセンターで使用するサーバーやネットワーク機器などのハードウエアまで自社開発していることで知られる米Meta(メタ)。そんな同社もAI(人工知能)スーパーコンピューターの構築や運用では、システムインテグレーターを頼っているのだという。

 それを筆者に教えてくれたのは、2024年11月に来日した米Penguin Solutions(ペンギンソリューションズ)のPete Manca(ピート・マンカ)社長だ。同社はHPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)システムの構築や運用サービス、システム管理ソフトウエアなどを手掛ける「HPC専門のシステムインテグレーター」(マンカ社長)だ。

 ペンギンソリューションズは2022年1月、メタのAIスーパーコンピューターである「AI Research SuperCluster(RSC)」におけるアーキテクチャーの最適化や運用に貢献することになったと発表している。

 メタのRSCは米NVIDIAのAI用GPU(画像処理半導体)である「A100」を6000個搭載する、当時としては非常に規模の大きいGPUクラスターだ。GPUの数はその後、1万6000個にまで拡張されている。GPUサーバー同士はInfiniBandを採用した超高速ネットワークで相互接続されている。

 機械学習モデルのトレーニングに使用するGPUクラスターには、GPU同士を相互接続する高速ネットワークに加えて、GPUサーバーとストレージとを接続する高速ネットワークも整備する必要がある。

3.ノジマが国内ファンドから112億円でVAIOを買収、社名と商標に変更なし(11.11 日経XTEC)
ノジマは2024年11月11日、同日開催の取締役会にてパソコンメーカーであるVAIOの買収を決定した。国内ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)などから112億円をかけて、発行済み約93%の株式を取得する。ノジマの顧客基盤を活用し双方の事業機会の創出・拡大やVAIO財務戦略の強化・推進を目指す。

 ノジマは、「VAIOの持続的な事業拡大に向けて、ブランド力と高い品質を維持しながら、VAIOの成長ポテンシャルをさらに引き出せるように、力強くサポートしていく」と説明。VAIOは「ノジマからの支援を受け、これまで以上に顧客・パートナー・ベンダーの期待に応えていけるようまい進していく」とした。

4.米シャトルバスの公共交通専用5G、2025年半ばに完全自動運転目指す(10.21 日経XTEC)
米T-Mobile(T-モバイル)は、米フロリダ州ジャクソンビルの臨海部と都心部を結ぶシャトルバスの完全自動運転化に向け、5Gプライベートネットワークを提供する。低遅延での大容量通信が可能な同社の「5G Advanced Network Solutions (ANS)」を使って、指令センターと車両間の安全で信頼性の高い双方向通信を実現する。

米Miller Electric(ミラーエレクトリック)と連携し、まずは臨海部からNFL(National Football League)ジャクソンビル・ジャガーズの本拠地であるEverBank Stadiumまでの3マイル(約4.8km)の区間で、2025年半ばまでに運用を始める。

5.情シス悩ます「SaaS増えすぎ問題」、300億円規模に急拡大したSaaS管理ツール(11.11 日経XTEC)
SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)市場の拡大に伴いSaaSを効率的に管理するためのSaaS、通称「SaaS for SaaS」市場に注目が集まっている。複数のSaaSを業務で利用する企業の情報システム部門が、増えすぎたSaaSを一元管理したり、使われていないアカウントを見つけたり、セキュリティーを強化したりする狙いで導入を進める。同市場を成長市場と捉え、ITベンダーの参入も相次ぐ。

 ここ数年でSaaSを業務に活用する日本企業が急速に増えている。増えているのは情報システム部門が把握しているSaaSだけではない。現場の事業部門が独自の判断で導入する「勝手SaaS」「シャドーSaaS」が増加しており、これらの把握、管理に情報システム部門は頭を悩ませている。

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