週間情報通信ニュースインデックスno.1426 2024/4/27


1.パロアルト製品の重大な脆弱性、マクニカ調査で日本の対処遅れが明らかに(4.26 日経XTEC)
日本国内でセキュリティー被害が発生している米Palo Alto Networks(パロアルトネットワークス)製品のOS「PAN-OS」の脆弱性に関して、日本の企業や組織における対処が世界的に遅れている可能性が高いことが分かった。マクニカの瀬治山豊セキュリティ研究センターセンター長補佐が2024年4月25日、独自に調査した結果の中で指摘した。「CVE-2024-3400」という脆弱性で、PAN-OSの一部バージョンにおいてリモートアクセスなどを提供する機能に関するもの。悪用すると、第三者が管理者権限で遠隔から任意のコードを実行できる。

4月24日時点で、国内のIPアドレスでPAN-OSが稼働する公開サーバーの29%が脆弱性を抱えたままだった。

2.ファーウェイ幹部が語る5Gの次、AI導入やオール光化でネットワーク高度化(4.26 日経XTEC)
中国Huawei Technologies(ファーウェイ、華為技術)は自社が推進するネットワークの独自規格「Net5.5G」に関する最新状況を発表した。ネットワーク機能の高度化に向けて、積極的にAI(人工知能)技術を導入する。

 Net5.5Gによる高度なネットワークの実現に向けて、ネットワークとAI技術を統合する必要があるとし、Huaweiでは既にそうした高度なネットワークをデータ通信分野に適用開始したとしている。その例として、ネットワークの運用保守効率化に向けた、生成AIを活用するNet MasterやHDネットワークデジタルマップ、AI技術を活用して企業などに高品質な構内ネットワークを提供する10Gbps CloudCampus、超高速WANアクセスを提供するNet5.5G Converged WAN、セキュリティー運用効率化を支援するHiSec SASEなどを紹介している。

3.ZOZOマリンスタジアムに現れたスマートゴミ箱、観客動員増続く千葉ロッテの追い風に(4.25 日経XTEC)
2024年のプロ野球ペナントレースが開幕する前々日の3月27日、「ZOZOマリンスタジアム」のコンコースに珍しいゴミ箱が現れた。IoT(インターネット・オブ・シングス)技術を搭載したスマートゴミ箱「SmaGO(スマゴ)」だ。千葉ロッテマリーンズとBIPROGYが設置したものだが、ただ目の前のゴミ問題を解決するためだけに置いたわけではない。新たなスポーツビジネスを見据えた一手でもある。

 SmaGOは上部のソーラーパネルで発電し、稼働する。ゴミがたまると自動で圧縮するため、容量の約5倍のゴミを収容できる。スマートフォンアプリやWebブラウザーからクラウド経由でゴミの蓄積状況をリアルタイムに把握できるほか、満杯になる前に通知する機能も持つ。

 従来はゴミ箱そのものを見ないとゴミの蓄積状況が分からないので、広大な球場の全てのゴミ箱を都度確認して回る手間があった。SmaGOは蓄積状況を遠隔で把握できるので、その手間が省ける。ゴミ箱が満杯のまま放置される時間も減らせる見込みだ。

4.ディープフェイク音声を会話中の「息継ぎ」で見抜く、精度80%超の新手法が登場(4.24 日経XTEC)
生成AI(人工知能)を悪用した「ディープフェイク」が大きな脅威になっている。ディープフェイクとは本物の映像や音声をそっくりにまねた、偽の映像や音声のこと。例えばディープフェイク音声を使った詐欺が、2019年ごろから相次いで報告されている。最近では、パスワード管理サービスで有名な米LastPass(ラストパス)の従業員が狙われた。

 相次ぐ詐欺を受けて、セキュリティー研究者などはディープフェイク音声を見抜く手法を次々と提案している。最近では、会話中の「息継ぎ」に着目した手法が提案された。80%超の精度で見抜けるという。一体、どのような手法なのだろうか。

 どれほどおしゃべりな人であっても、ずっとしゃべり続けることはできない。息継ぎ(呼吸)や唾の飲み込みなどで、一瞬であっても中断する必要があるからだ。一方、ディープフェイク音声にはこういった生物学的なプロセスは必要ない。

 そこで会話中の「一時中断」に着目すれば、本物の音声とディープフェイク音声を見分けることができるのではないか――。そのように考えたカナダKlick Labs(クリックラブズ)の研究者グループは実験を実施。見分けるためのモデルを開発し、その妥当性を検証した。

 本物の音声とディープフェイク音声でこれらの特徴を比較したところ、いずれについても差が現れた。例えば音声セグメントの平均長や発話時間の割合はディープフェイク音声のほうが高い数値を示した。

 高度化するディープフェイクに対抗するには、異なるアプローチの検出手法を組み合わせる必要があるだろう。今回紹介した手法がその1つになる可能性はある。

5.WebブラウザーのAIチャット、Edgeは「Copilot」ボタンですぐに利用できる(4.23 日経XTEC)
Webブラウジングの主な目的は、さまざまな情報の検索だ。最近では、AIと対話しながら問題を解決していく、いわゆるAIチャットが注目を集めている。

 Edgeでは、AIチャットなどの機能をすぐに利用できるのがメリットだ。画面右上の「Copilot」ボタンをクリックすると、AIチャット専用のパネルが表示される。最初に会話のスタイルを選び、質問や指示を入力すると、AIからの回答を表示す。回答に対する追加の質問や指示を続けて入力してもよい。

 文章を自動で作成させることもできる。パネルの表示を「作成」タブに切り替え、作成したい文章の内容を指示し、スタイルや長さなどを指定すれば、それに即した文章が表示される。イラスト作成も可能だ。画面右端にあるサイドバーで「Image Creator」ボタンをクリックし、イラストの内容を文章で指示する。

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