1.ayPayとJCBが「オフライン決済」強化、ネットに接続できない状況を想定(3.15 日経XTEC)
PayPayとジェーシービー(JCB)が「オフライン決済」の取り組みを強化している。PayPayは、スマートフォンがインターネットに接続できない状況でも決済ができる「オフライン支払いモード」の決済金額と決済回数の上限を引き上げた。2023年12月から、1回当たり5000円だった上限額を5万円に、利用回数を1日2回から5回に増やしている。「不正利用が見られなかったこともあり、制限を緩和して利便性を向上させた」と、PayPayでPayment Product本部マネージャーを務めるタンネルー・ドルヴァ氏は説明する。
PayPayが国内の主要コード決済事業者として初めてオフライン支払いの機能を提供したのは2023年7月。「通信障害時のほか、コンサート会場や地下など通信が不安定な場所でも利用したいとの声を受けて開発した」(ドルヴァ氏)。
オフライン支払いモードは、一時的な通信障害に対応するための機能だ。店舗側のPOSシステムや決済端末はネットワークに接続している必要がある。支払い後も「PayPay」アプリの画面は変わらず、通信が回復した時点でプッシュ通知により決済情報が同期される。
2.東京の山手線や主要駅のスマホ使いやすさで存在感薄いドコモ、英Opensignal調査から(3.15 日経XTEC)
独立系調査会社の英Opensignalは、東京の山手線沿線と主要7駅(東京、品川、渋谷、新宿、池袋、上野、秋葉原)にて、国内携帯事業者(キャリア)4社のモバイル体験を調査した。同社の最新リポートとして2024年3月8日に発表した。速度や品質、ゲーム、音声アプリケーション(LINEなどメッセージと音声通話の両方が可能なOTTアプリケーション)などの評価項目でau(KDDI)、ソフトバンク、楽天モバイルが単独1位を獲得した一方で、NTTドコモは統計的に同率の1位のみ獲得という結果
3G/4G/5G全体の下り速度体験で単独1位となったのはauだった。統計的に同率の2位のソフトバンク・NTTドコモより2割ほど高速となっている。楽天モバイルは下り速度体験で競合他社に大きく後れを取ったものの、全体の上り速度体験では単独1位となった。2位のソフトバンクより6割ほど速く、3位のauからはほぼ2倍となっている。
3.ランサム感染で発注システム停止のイズミ、決算発表や新店舗開店が延期に(3.15 日経XTEC)
2024年2月、「ゆめタウン」などを運営するイズミでシステム障害が起きた。社内システムがランサムウエア(身代金要求型ウイルス)に感染。発注システムなどが停止に追い込まれ、一部商品が品薄になった。システム統合や新店舗の開店、決算発表も延期した。復旧作業は長引く見通しで、イズミは5月の完全復旧を目指すとしている。
「多大なるご心配とご迷惑をおかけすることになり、深くおわび申し上げます」。西日本で大型商業施設「ゆめタウン」などを運営するイズミは2024年2月16日、ホームページ上にシステム障害に対する謝罪を掲載した。
4.スマートフォンの「退潮」がMWC 2024で顕著に、AIは新たな活路となるか(3.15 日経XTEC)
携帯電話業界で世界最大の見本市イベント「MWC Barcelona」では、これまでスマートフォンが大きな盛り上がりを見せていた。だが2024年の同イベントではスマホメーカーの出展が減少し、その退潮が顕著だった。市場飽和と進化の停滞が叫ばれる中、スマホは今後どうなっていくのだろうか。
スマホが多くの人に行き渡り、市場が飽和傾向にあるMWC 2024では様相が一変。スマホメーカーの出展が減少し、関心の度合いも大幅に低下していた。
とはいえスマホも進化をしなければ、待ち受けるのは価格競争と市場のさらなる縮小でしかない。ではスマホメーカーやそれに関わる企業はどこに進化を見いだそうとしているのかというと、やはりAI(人工知能)だろう。
昨今の生成AIブームの影響を受けてか、MWC 2024ではAIに関連した展示が非常に増えていた。スマホについても例外ではない。中でもAI関連の取り組みに力を入れていたのが、スマホ向けのチップセットを開発している米Qualcomm(クアルコム)や台湾の聯発科技(メディアテック)である。
両社はチップセットのAI処理性能の強化により、クラウドを使用せずスマホ上で生成AI関連の処理を実現できることを積極的にアピール。写真やテキストから画像を生成する機能や、米Google(グーグル)の「Pixel」シリーズで提供されている「消しゴムマジック」に類する機能などを、より多くのスマホで実現できる様子を示していた。
MWC 2024では、AIによってデバイスの形が変わりつつある様子も見て取れた。そのことを示していたのが、クアルコムが自社チップセットの活用事例の1つとして展示していた、米Humane(ヒューメイン)の「Ai Pin」だ。
これは胸元に装着する小型のデバイスである。音声で指示するだけでAIに様々な操作をさせられる。通信機能を内蔵しているので、スマホなどに接続する必要がない。また手のひらに投影できるプロジェクターを内蔵しているので、長文のメッセージや画像などが確認しやすくなっている。
5.「2024年は5.5G元年」、ファーウェイがMWC 2024で気炎上げる(3.14 日経XTEC)
中国Huawei Technologies(ファーウェイ、華為技術)は、2024年2月26〜29日にスペイン・バルセロナで開催されたモバイル業界最大級のイベント「MWC Barcelona 2024」において、同社が主催した5G(第5世代移動通信システム)Industry Evolution Summitにおける2件の講演概要を紹介した。このうち1件は、同社President of Wireless 5G&LTE TDD Product Line 5GのRitchie Peng氏によるもの。同氏は、5Gと5.5Gが産業、ネットワーク、通信技術にもたらす8つの変化を紹介した。
(1)4Gをはるかに上回る体験を提供:5Gでギガビット/秒クラスの通信が可能になり、動画コンテンツの6割以上が720p以上、60FPS(フレーム/秒)で制作されるようになった。家庭向けの無線ブロードバンド接続も向上し、クラウドゲームや没入型の高精細アプリケーションなどがブームになっている
(2)新しい形のビジネスをけん引:世界中の通信事業者が高速体験を提供する多様なデータプランを展開しており、速度重視のビジネスモデルに基づくネットワーク収益化を推進している。上り通信性能の改善と遅延時間の低減は、新しいネットワーク収益化戦略に重要な役割を果たしている
(3)接続範囲が拡大:超高信頼低遅延技術「URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications)」により、5Gは生産プロセスの主要部にも適用できるようになった。機能縮小版IoT(Internet of Things)であるRedCap(Reduced Capability)やパッシブIoTの様々なシナリオへの活用も加速度的に進んでいる
(4)マルチキャリアネットワーク対応
(5)ミリ波の活用:ピーク時速度10Gビット/秒、平均速度5Gビット/秒の高速大容量モバイルブロードバンド(eMBB)サービスの商用化が始まっている
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