1.職場における生成AIの利用割合は?本が最下位、ベリタスが11カ国で調査(2.22 日経XTEC)
ベリタステクノロジーズは2024年2月22日、職場における生成AI(人工知能)ツールの利用に関するグローバル調査の結果を発表した。
グローバル平均では、頻度にかかわらず「仕事でChatGPT などの生成AI ツールを職場で使用している」と回答した人の割合は70%以上だった。一方、日本では利用していると回答した人の割合は38%で、調査を行った11カ国の中で最下位だった。生成AIをどのような業務に使用しているのかという質問については、グローバル平均では「分析のための調査・情報収集の実施」という回答が42%で1番多かった一方、日本では「分析のための調査・情報収集の実施」と答えた人の割合は23%にとどまり、「ライティングの向上」(46%)や「Eメール/メッセージ/メモの作成」(41%)が主流という結果だった。
2.1年以内に「液冷データセンター」を開設、AWSインフラ責任者の予測を読み解く(2.22 日経XTEC)
次世代のAI(人工知能)用GPU(画像処理半導体)は消費電力が1000ワットを超えるため、データセンターへの液冷の導入が必要になる。その時期は12カ月以内に来るだろう――。米Amazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス、AWS)のITインフラ責任者はこう予測する。
筆者は今回、AWSでITインフラを統括するPrasad Kalyanaraman(プラサド・カリアナラマン)バイスプレジデント(VP)に、同社のデータセンター戦略などを聞く機会があったので、その内容を紹介しよう。
2011年3月に「東京リージョン」を設け日本に進出したAWSは、2022年までに1兆5100億円を日本のデータセンターやネットワークなどに投じてきた。今後は投資ピッチを加速し、2027年までの5年間で2兆2600億円を日本に投じる計画である。カリアナラマンVPは「日本の顧客の旺盛な需要に応じるためだ」とその理由を語る。
AWSが自社でデータセンターを設計・建設するのは「可用性や電力効率を追求するため」(カリアナラマンVP)。AWSが運用するデータセンターは巨大であり「典型的なデータセンターで、40メガワットから50メガワットの受電容量を必要とする」(同)。そのような巨大データセンターを外部に求めるのは容易ではないことから、AWSは自社によるデータセンターの設計・建設を進めているわけだ。
AWSが自社で設計しているのは、データセンターの建屋だけではない。その内部で使用する電源装置や冷却装置、サーバーラック、ネットワーク機器、サーバー、CPUに至るまでを自社開発している。
第1はサーバーの発熱を液体の冷媒で冷ます「液冷」への挑戦だ。生成AIに欠かせないGPUは現時点で空冷で対処可能だが「次世代のGPUは消費電力が1000ワットを超え、液冷が必要になるだろう。今後12カ月以内には、データセンターに液冷を導入することになると予測している」(カリアナラマンVP)。AWSは数年前から、液冷データセンターの研究開発を進めており、液冷への準備は整っているとする。
第2の挑戦が、GPUやGPU搭載サーバー同士を接続する低遅延ネットワークの実現だ。大規模言語モデル(LLM)のトレーニング(訓練)には、大量のGPU並びに大容量のGPUメモリーが必要となるためだ。低遅延ネットワークを実現するために「独自のネットワークスイッチの開発に、チップのレイヤーから取り組んできた」(同)
第3の挑戦も同じく低遅延ネットワークに関するものだ。AWSは独自のネットワークスイッチに加えて、独自のネットワークプロトコルや、サーバー上で稼働する独自のネットワーク処理ソフトウエアなども開発している。現在、Amazon EC2において「Elastic Fabric Adapter(EFA)」という名称で提供されている高速ネットワーク機能のことだ。
3.土砂崩れで断線したネットワークを復旧せよ、穴水町役場を立て直した地元企業の奮闘(2.21 日経XTEC)
通信インフラに甚大な被害を及ぼした能登半島地震。第2回で通信大手の復旧活動を紹介したが、第3回は北陸電力子会社で金沢市に本社を置く北陸通信ネットワークの取り組みを見ていく。同社は北陸全域の光ファイバー網の構築・運用を担い、早期復旧に奔走した。様々な困難が伴う中、同社は迂回経路の構築を含め、1カ月で30キロメートル以上にわたるケーブルを張り直した。
まずインターネット接続環境を優先的に提供すべく、1月5日に米SpaceX(スペースX)の低軌道衛星通信サービス「Starlink(スターリンク)」のアンテナを設置した。「衛星通信なので遅いと思っていたが、意外に速度が出た」と山下主事はスターリンクの効果に驚きを見せる。実際、通信速度は毎秒50メガビット程度を計測しており、Web会議にも活用している。
4.日本マイクロソフト社長「AIを語る時代から導入する時代」、Copilotの利用広がる(2.20 日経XTEC)
津坂社長は「AIを語る時代から導入する時代に入った」と訴えた。講演では同社が提供する生成AIによるユーザー支援アプリ「Copilot」により、生産性や業務効率などが高まっていることを強調。津坂社長は「エンジニアでない私も利用できている」と述べ、幅広いユーザーの業務改善を助けているとした。沼本EVP兼CMOによると「初期ユーザーの77%がアプリを手放したくないと言っている」という。
ユーザー企業として、ホンダとサイバーエージェントがCopilot導入による効果を紹介した。ホンダの河合泰郎執行職デジタル統括部長は生成AIの有用性として「今までのデータのような数値化情報ではなく、従業員が日々蓄積していく非構造化データをまとめるのに有効だ。ユーザーごとにアクセスできる情報を区別すると、それに応じて生成AIが学習され、学習範囲でユーザーに沿った提案が行われる」と話す。
5.コンビニ後払いサービスの限界を超える、「アトカラ」でBNPLに参入した3社の狙い(2.19 日経XTEC)
クレジットカード会社の三井住友カードと、コンビニエンスストアを活用した後払いサービスを提供するGMOペイメントゲートウェイ及びGMOペイメントサービスが組んで、「BNPL(Buy Now Pay Later、後払い決済)」サービスに参入した。3社の狙いは何だろうか。
BNPLは、スマートフォンアプリと独自のスコアリングなどによって、クレジットカードよりも手軽に利用できる後払いサービスだ。海外での人気を受け、国内でもスマホ決済事業者などが相次いでBNPLサービスに参入し、人気が高まっている。
三井住友カードとGMOペイメントゲートウェイ、GMOペイメントサービスの3社も2024年2月6日に記者発表会を実施し、翌7日から新しいBNPLサービス「アトカラ」を提供することを発表した。
アトカラは、対応するECサイトなどで後払いを実現するサービス。クレジットカードは不要。メールアドレスや電話番号、SMSによる認証などを用いて手軽に利用できる。
アトカラの特徴は、2種類のサービスを用意していること。1つは会員登録不要で年齢制限なく利用できる「都度与信型」。決済の上限額は5万5000円。
もう1つが高額な決済や分割払いに対応した「会員登録型」である。こちらは会員登録と本人確認が必要。限度額は審査によって決まる。
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