週間情報通信ニュースインデックスno.1415 2024/1/27


1.高まるリスキリング熱、ネットワーク技術者にとってのプログラミングをどう考えるか(1.26 日経XTEC)
昨今、「リスキリング(学び直し)」が話題になっている。そのテーマになりがちなのが「プログラミング」だ。

 ネットワーク技術者と親和性が高いとよく言われるのが、クラウドサービスのインフラをコードで記述するIaC(Infrastructure as Code)だ。果たして本当だろうか。

 IaCは一般に、機器やIDなどを実運用できるように展開する「プロビジョニング」の過程で使われる。IaCにより、個々の仮想マシンやネットワークなどを一気に作成・設定できる。

 宣言的なIaCの代表例は米HashiCorpの「Terraform」である。他にも宣言的なタイプのIaCツールはクラウド事業者が自社サービス向けに提供している。米Amazon Web Servicesの「AWS CloudFormation」や米Microsoftの「Bicep」などがそうだ。これ

2.NECが自動運転支援システム実証、車載センサーだけでは状況把握が難しい課題に対処(1.26 日経XTEC)
NECは、ローカル5GとMEC(マルチアクセス・エッジ・コンピューティング)、4Kカメラなどを組み合わせた自動運転を支援する路車協調システムを2024年1月中旬から2月下旬にかけて実証する。まずは茨城県つくば市、群馬県渋川市、新潟県佐渡市、石川県小松市、鳥取県鳥取市の5自治体で実施するが、今後は5自治体以外での実証も予定する。

 同実証は、国土交通省道路局の公募「自動運転実証調査事業と連携した路車協調システム実証実験」に基づくものだ。一般車や歩行者、自転車が混在する市街地の交差点などにおいては自動運転車両の車載センサーだけでは状況把握が困難であるという課題に対し、インフラで支援することを目的とする。

3.意外に根深いドコモの通信品質問題、インフラへの取り組みの違いで通信各社に個性も(1.26 日経XTEC)
日経ビジネス堀越功  2023年はNTTドコモの通信品質低下が目立ちました。2023年春ごろからSNSを中心にドコモ回線がつながりにくいという声が頻発するようになりました。個人的にもドコモ回線の品質低下には悩まされました。最寄り駅のプラットホームで電車を待っている際、これから取材に行く場所をスマホの地図アプリで検索しても、検索結果がまるで表示されないからです。

 同社は2023年10月に全国2000カ所以上と全国50強の鉄道路線の抜本的な対策を進めるとして、300億円の費用を投じることを明らかにしました。ただ、その説明会で同社が対策として掲げた項目は、ソフトバンクやKDDIなどがこれまでに実施してきた対策ばかりです。ドコモの取り組みからは、品質改善が必要な場所の特定を他社のようには迅速にできていなかった様子がうかがえます。

 根本原因はドコモの設備投資のアプローチが計画経済的で、技術に対して理想を求め過ぎている点にあるように思います。同社は5G専用周波数帯を用いて速度を追求する「瞬速5G」を中心に5G展開を進めてきました。ただエリアを急速に広げるのは難しく、5Gエリアが点在することで4Gとの切り替わりが頻発します。それが結果的に、いわゆる「パケ詰まり」を起こしています。

 総務省は2024年1月9日に電波の有効利用状況の調査結果を発表しました。この評価結果自体は意見募集中ですが、厳しい指摘が出ていました。例えばドコモがトラフィック対策として活用している3.4ギガ/3.5ギガ/3.7ギガヘルツ帯の総合評価はS/A/B/C/Dの5段階のBでした。評価結果でも「電波の有効利用の観点からは、割り当てられた周波数は最大限活用すべきであり、基地局数及びカバー率の拡大について引き続き努力するべきである」などと怒られていました。3.4ギガ/3.5ギガヘルツ帯は前年度の調査でも総合評価がBだったので、優等生のドコモがどうしたのだろうかと疑問の声が出ています。

4.日本企業における生成AIツールの導入率は2割未満、7割超えの米国と差(1.25 日経XTEC)
NRIセキュアテクノロジーズは2024年1月25日、日本と米国、オーストラリアの3カ国の企業を対象とする、情報セキュリティーに関する実態調査の結果を発表した。国別に生成AI(人工知能)サービスの導入状況と、利用に関して設定しているセキュリティールールなどについて調査した。導入状況について日本は、米国とオーストラリアに大きく水をあけられている現状が明らかになった。

 生成AIサービスの導入状況について、セキュリティールールを「整備の上、導入済み」、または「整備していないが導入済み」と回答した割合の合計は、日本が18.0%だった。同じ回答の割合は米国で73.5%、オーストラリアで66.2%と、いずれも日本と比べ生成AIサービスの導入率が高かった。導入していない理由として「利用禁止のため未導入」と回答した割合は日本で10.1%だったのに対し、米国は0.9%、オーストラリアは2.0%と、生成AIサービスの導入に対し日本企業は慎重な姿勢であることが分かった。

5.5G-Advancedや6Gに向けて基盤技術4つの検討進む、5G Americasの最新白書から(1.22 日経XTEC)
アメリカ大陸の通信事業者やメーカーなどで構成する業界団体の5G Americas(5Gアメリカ)が2024年1月に発表したホワイトペーパー(白書)「3GPP Technology Trends」では、移動通信の標準化団体である3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)リリース17で強化された5G(第5世代移動通信システム)機能と、リリース18以降で標準化される5G-Advancedや、6G(第6世代移動通信システム)に向けて検討が進む仕様の概要を紹介している。

 現時点で最新の3GPPリリース17では、5Gを強化し、5G-Advancedや6Gに向けた土台となる仕様標準化が行われた。主なものとしては、MIMO(Multiple Input and Multiple Output)技術改善、上りリンクカバレッジ改善、サイドリンク通信強化、ポジショニング機能強化、ユーザー端末の省電力化、URLLC(超高信頼性低遅延通信)とIIoT(産業用IoT:Internet of Things)の強化、IAB(Integrated Access and Backhaul、アクセスとバックホールの統合)機能強化によるNRセルの高密度配備と有線への依存度引き下げ、NTN(非地上系ネットワーク)特有の課題への対処、などがある。

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