1.全銀システム障害の真因はメモリーの確保領域不足、全銀ネットとNTTデータが発表(12.1 日経XTEC)
全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)とNTTデータは2023年12月1日、「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」のシステム障害に関して会見した。この中で障害の原因は、OSのバージョンアップに伴うテーブルサイズ拡張の考慮漏れにより、作業領域が不足したことだったと明らかにした。
全銀システムと各金融機関のシステムをつなぐ中継コンピューター(RC)のOS更改に伴い、金融機関名テーブルのサイズが拡張したが、確保すべきメモリー領域を十分に考慮していなかったことにより、メモリー領域が不足したことが真因だった。
2社はこれまでの会見で、RCが参照する共有メモリー上の「金融機関名インデックステーブル」が一部破損していたと説明。これがシステム障害の直接の原因となった。一方、一部破損した金融機関名インデックステーブルが生成された詳細な経緯については明らかにしていなかった。
2.内でも外でもWi-Fiは危険と隣り合わせ、個人情報の漏洩やルーターの乗っ取りも(12.1 日経XTEC)
家庭での普及が約9割といわれるほど身近になったWi-Fi。スマホの普及によって、自宅だけでなく外出先で利用する機会も増えているだろう。誰でも手軽に利用できる半面、気になるのはその安全性だ。Wi-Fiは電波が届く範囲であれば傍受される恐れがある。個人情報の漏洩やWi-Fiルーターの乗っ取りといった危険と隣り合わせでもある。
外出先の場合、総務省の調査では公衆Wi-Fi利用者のうち、約4分の3が商業・公共施設の「フリーWi-Fi」を使っていると回答。また、3割近くは提供者不明のサービスを利用と、危機意識の低さが浮き彫りになった。とはいえ、約9割は何らかの不安を抱いており、必ずしも安全ではないという認識はあるようだ。
3.NTTなどがAmazonの低軌道衛星通信「Kuiper」で協業、日本でサービス提供(11.29 日経XTEC)
NTTやNTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、スカパーJSATは2023年11月28日、米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)が提供する低軌道衛星ブロードバンドネットワーク「Project Kuiper(プロジェクト・カイパー)」との戦略的協業に合意したと発表した。NTTとスカパーJSATは日本企業や自治体などにカイパーを提供するとともに、NTTグループとして同サービスの利用を進めていく。
他の低軌道衛星ブロードバンドネットワークサービスとしては、NTTドコモとNTTコミュニケーションズ、スカパーJSATは、米SpaceX(スペースX)が提供する「Starlink Business(スターリンクビジネス)」の提供を2023年内に開始すると発表している。NTTグループとスカパーJSATは、スペースXのスターリンクビジネスとアマゾンのカイパーの2つのサービスを展開していくことになる。
4.インターネットにアクセスできる生成AIで最新ニュースを検索、真偽のチェックは必要(11.29 日経XTEC)
生成AIは、あらかじめインターネット上の文章や記事などから学習したデータを基に回答を生成する。ChatGPTの場合、2021年9月までの知識しかないため、それ以降の情報は利用できない。そのため、最新情報を提示するような用途では使えず、最新情報を探したいときは、従来の検索方法に頼るしかなかった。
しかし現在、その状況が変わりつつある。インターネットにアクセスできるAIが登場し、利用できるようになったからだ。例えば、Bardに「今日のニューストピックを表示して」と頼むと、主要なニュースをチェックできる。プロンプトを工夫することで、最新情報の調査や内容の把握に使う時間は大幅に削減できる。現在、インターネットにアクセスできない生成AIも、随時対応していくことになるだろう。
5.テレワークの生産性「通信簿」、コロナ後3年半の成果を調査で検証(11.28 日経XTEC)
日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボは「働き方改革に関する動向・意識調査」を2020年春から定期的に実施しており、2023年10月に最新となる8回目を実施した。調査で「テレワークによる業務の生産性は、職場(派遣・常駐先を含む)で仕事に取り組む場合を100とした場合、どれくらいですか」と尋ねたところ、「100未満」つまり下がったと答えた人の割合は39.2%だった。半年ほど前の前回調査よりも7.4ポイント減った。
生産性が「100超」つまり上がったと答えた人の割合は26.6%だった。前回調査よりも5.2%増えた。生産性が上がったと答えた人が増え、下がったと答えた人が減ったことを踏まえると、ビジネスパーソンにおけるテレワークの生産性は改善傾向にあるようだ。
コロナ後の約3年半、企業の試行錯誤と一人ひとりの工夫により、ビジネスパーソンのテレワークによる生産性は少しずつではあるが上昇していると評価できる。生産性について「通信簿」を付けるならギリギリ及第点といったレベルだろうか。
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