週間情報通信ニュースインデックスno.1397 2023/9/23


1.チップ高性能化に「コンテナルーター」の登場、キャリア向けルーターが驚きの進化(9.22 日経XTEC)
通信経路の制御というルーターの基本的な役割は変わらないが、様々に技術的な進化を遂げている。カテゴリーにより度合いに差があり、最も進むのは、キャリアグレードなどキャリア向けのルーターだ。「自社チップの高性能化」「超高速通信対応」「光トランシーバーの進化」「コンテナルーター」など最新技術を投入している。

 一方でエンタープライズやコンシューマーのルーターは、技術面で目を見張るような進化は少ない。10GBASE-Tなど高速な通信規格への対応や、管理用UI(User Interface)の改良など機能改善にとどまる。

2.ChatGPTのもっともらしいウソ、プロンプトでどう防ぐか(9.22 日経XTEC)
ChatGPTに代表されるテキスト生成AI(人工知能)の活用が急速に進んでいる。使いこなしの基本テクニックとして重要なのが、入力文(プロンプト)を工夫する「プロンプトエンジニアリング」だ。プロンプトのつくり方次第で、自分が望む回答をChatGPTから得やすくなる。具体例を交えつつ、プロンプトエンジニアリングの基礎を解説する。

 OpenAIの文書「GPT best practices」は「良い結果を得るための6つの戦略」として下記のポイントを挙げている。

1. 明確な指示を書く
2. 参考となる文章を与える
3. 複雑なタスクはより単純なサブタスクに分割する
4. GPTに考える時間を与える
5. 外部ツールを使う
6. 体系的に試行する

3.アイデア出しとキャッチコピーは得意ワザ、どこまでできるChatGPT(9.19 日経XTEC)
いいアイデアが思い浮かばなくて困ったときは、気軽にチャットAIに相談してみよう。自由な発想によるアイデア出しは得意ワザだ。

 まずは言葉遊びから。「大谷翔平を四字熟語で形容して」というお題を新Bing、Bard、ChatGPTに与えてみた。そつがない答えを返したのは新Bing。「一世風靡」という言葉を挙げ、その理由を説明した。Bardは「二刀流の怪物」。四字熟語ではないが、納得できる説明だ。

 それでは、この能力をビジネスにも活用してみよう。新製品のキャッチコピーを考えさせた例。ターゲット層や文字数などを指定して、キャッチコピーを生成させた。

 親しい友人に相談を持ちかけるように、会話をしながらアイデアを引き出すやり方もある。イベントの出し物をChatGPTに相談した例。ChatGPTは、常に前向きな姿勢で新しいアイデアを提供するので相談しやすい。提示されたアイデアからクイズ大会を選ぶと、クイズの形式から実際に出題するクイズまでとんとん拍子に話が進んだ。

4.ソフトバンクとJR西、国内初の公道での隊列走行による自動運転バス実証実験(9.19 日経XTEC)
ソフトバンクとJR西日本は2023年9月15日、自動運転と隊列走行の技術を用いたバス高速輸送システム(BRT)の公道での実証実験を国内で初めて開始すると発表した。2023年11月から2024年2月まで、広島県東広島市で実験する。需要に応じた柔軟な輸送力確保や運転手不足解消を目指す。

 両社は2021年10月から滋賀県内の専用テストコースで、自動運転と隊列走行BRTの実証実験を進め、2023年7月に完了した。今回の新たな実証実験では、電波状況や勾配など自動運転に影響を与える走行環境の検証や、2車体をつないだ連節バスと大型バス2台による自動運転・隊列走行を実施する。

 ソフトバンクとJR西日本は専用テストコースでの実証実験において、連節バスの自動運転や自動運転バスの隊列走行に国内で初めて成功した。実験車両は先頭車の緊急時に運転者が対応する「レベル3」、後続車の運転者を必要としない「レベル4」を想定する。

5.パナソニックコネクトのChatGPT全社導入、定着に役立ったプロンプト入力機能とは(9.20 日経XTEC)
パナソニックのIT・電子機器関連事業を担うパナソニックコネクトは、国内の全社員約1万3000人が米OpenAIの生成AI(人工知能)ツール「ChatGPT」をベースにしたAIシステム「ConnectAI」を活用している。米マイクロソフトが提供するChatGPTのクラウドサービス「Microsoft Azure OpenAI Service」を採用し、ユーザーインターフェースをカスタマイズして2023年2月に導入した。

 開始から3カ月間で、約26万回の利用があり、1日当たりの利用者は5800人に上ったという。短期間のうちに業務用のツールとして定着させた。2023年4月以降は、パナソニックグループの他社にも展開している。

 ConnectAIの導入を主導した向野孔己IT・デジタル推進本部デザイン&マーケティング本部戦略企画部シニアマネージャーマーケティングIT総括担当は「ChatGPTはこれまでになかった便利なAIツールだ。ただし実際に生産性向上につなげて業務活用を定着させるには、有効な使い方を全社に根づかせる必要があった」と振り返る。  向野氏がConnectAIの活用を定着させる手段として着目したのが「プロンプトエンジニアリング」だ。

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