週間情報通信ニュースインデックスno.1383 2023/6/17


1.OpenAIのアルトマンCEOが「安全性」強調、都内で学生に語った生成AIの将来像(6.13 日経XTEC)
米OpenAI(オープンAI)のサム・アルトマンCEO(最高経営責任者)が来日し、2023年6月12日に慶応義塾大学三田キャンパスで開催された学生らとの意見交換会に参加。様々な質問に答えた。世界各国を回り、政治家や企業と議論を重ねているアルトマンCEOは、「日本は重視している国」だと語った。

 意見交換会ではAI(人工知能)の進化に伴う教育のあり方の変化や生成AIが抱えるリスクと今後の方針などについて語った。慶応大学の学生や教職員ら800人が集まった。

 アルトマンCEOは「LLM(大規模言語モデル)はより進化する」とし、今後の開発が期待されるGPT-4の次のモデルについても語った。2023年3月に発表した「GPT-4」では、テキストや画像を取り扱える。「将来的には、映像や音声なども取り扱えるようになるだろう」(アルトマンCEO)と今後のモデルの進化の方向性について述べた。

 参加した学生はリスク対応に関して質問した。「開発速度とリスクのバランスについてどう考えているか」という問いに対し、アルトマンCEOは正しいバランスの確保が重要だと示した上で、「今の状況で安心しないことが大事」だと強調した。開発速度は下がるが、安全性の担保を重視するとした。昨今、各国の政治家や企業などと話し、様々な意見を聞いているのもこのリスクへの対応に向けた一歩だ。

2.さくらインターネットが2024年に生成AI向けクラウド開始、経産省が68億円補助(6.16 日経XTEC)
クラウドコンピューティングサービスなどを手掛けるさくらインターネットは2023年6月16日、生成AI(人工知能)向けクラウドサービスを2024年1月から提供すると発表した。2025年度までに約135億円を投じ、同社が運営する石狩データセンター(北海道石狩市)内で「NVIDIA H100 Tensor コア GPU」を2000基以上備えた大規模クラウドインフラを整備する。同インフラによる総演算性能は2EFLOPS(エクサフロップス)に上るとしている。まずは既設のサーバールームを利用し整備を進め、「計算規模拡大の際に新たなサーバールームを増設する」(同社)ことを想定している。

 さくらインターネットは約135億円の総事業費のうち、半分ほどに当たる約68億円の補助を経済産業省から受ける。経産省はクラウドを構成するさまざまな要素をまとめて「クラウドプログラム」と呼称。経済安全保障推進法に基づく特定重要物資として安定供給の確保を目指しており、その一環として補助を実施する。

3.5G進化の第2フェーズ「5G-Advanced」、ファーウェイや3GPPが商用化を促進へ(6.15 日経XTEC)
中国Huawei Technologies(ファーウェイ)は2023年6月9日、5G-Advanced向けの新基幹ネットワークの商用化を促進する「5G-Advanced Core promotion initiative」を立ち上げたと発表した。

 Huaweiは5Gと6Gをつなぐものとして5.5Gを提唱している。3GPPは、2021年に5Gの第2段階として5G-Advancedを発表し、リリース18での仕様標準化に向けた活動を進めている。

 Huaweiは、5G-Advancedの登場に伴い、新しいサービス要件が数多く出現しているとし、その例として、動画は2Dから3Dへ、通話も音声のみから動画などを使った高度な双方向通信への移行が期待されているとする。こうした要望を実現するためには、基幹ネットワーク機能を強化し、マルチモード接続やネットワークの完全メッシュ化に対応する必要があるとして、標準化団体や通信事業者、通信機器・端末・半導体チップメーカー、その他業界関係者の参加を呼びかけている。

 通話機能に超高画質動画や高度な双方向通信機能を追加し、アプリケーションをインストールしなくても利用できる最先端の通話サービスを個人や企業に提供することを目指す。同様のプロジェクトはGSMA(GSM Association)でも進められているが、まだ多くの課題が見られるとし、今回立ち上げたNew Calling industry cooperation initiativeにて、世界中の通信事業者、ネットワーク事業者、端末メーカー、業界関係者とのビジネスモデルの検討や端末・アプリケーション仕様の標準化を進めたいとしている。

4.Apple Watchセルラーモデルで使える通信サービス、利用料はどこが安いか(6.15 日経XTEC)
Apple Watchには単独でモバイル通信ができる「GPS+Cellular」モデルが用意されている。便利な使い方や必要な契約の種類を紹介しよう。

 2つのモデルが存在すると前述したが、どちらかを選べるのはApple Watchの「SE」と「Series 8」のアルミニウムケースのいずれか。ステンレススチールケースのSeries 8と「Ultra」にはGPSモデルがないため、必然的にセルラーモデルを選択することになる。

 セルラーモデルは単独でモバイル通信回線に接続してインターネットを利用できる。ただし、その際には通信事業者との契約が必要だ。eSIMに割り当てられた電話番号を用いて、Apple Watchだけで電話の発着信もできる。

5.ガバクラ移行でもマイナ中枢システムはNTT系の牙城、政府調達で1者応札続く背景(6.13 日経XTEC)
デジタル庁を中心に、中央官庁の基幹業務システムを国や地方が共同利用するIT基盤「ガバメントクラウド」に移行させるプロジェクトが2023年から相次ぎ始動している。クラウドの最新技術で機能を大きく刷新する案件が中心となり、複数のベンダーが技術力で競う好機となる。

 しかし全体として競争が活性化している様子はない。従来と同じく、既存ベンダーが1者応札で落札しているケースが続いているからだ。

 日経クロステックはデジタル庁が2023年1月以降にベンダーの選定結果を公表した調達案件を集計した。落札金額2000万円(税込み、以下同)以上の設計・開発や構築、運用および支援業務、IT関連物品の調達案件は58件あり(調査研究や実証を除く)、このうち1者応札は全体の78%に当たる45件を占めた。既存システムに関わる案件に絞ると、全33件のうち複数者の入札は3件だけで、91%が既存ベンダーの1者応札だった。特定ベンダーに依存するベンダーロックインが続いている。

 既存ベンダーの1者応札となった典型が、マイナンバー制度の中枢システムとして国や地方の情報連携に使われる「情報提供ネットワークシステム」のガバメントクラウド移行プロジェクトである。2023年5〜6月に実施した2つの調達案件は、既存ベンダーであるNTTデータとNTTコミュニケーションズ(NTTコム)が無風のまま1者応札で落札した。

ホームページへ