1.米OpenAIが日本でもChatGPTアプリを提供開始、まずiOS向けに(5.26 日経XTEC)
米OpenAI(オープンAI)は2023年5月25日(米国時間)、日本を含む30カ国以上でiOS向けに対話型AI(人工知能)「ChatGPT」のスマホアプリの提供を新たに始めたと発表した。すでに同社は同年5月18日(同)から米国でiOS向けChatGPTアプリの提供を開始。同年5月24日(同)には韓国やフランスなど11カ国でリリースしたことも発表しており、40カ国以上で利用可能となった。
同社はAndroid向けにも「間もなく対応予定」としている。
2.Rakuten最強プラン」だけではないKDDIの協調戦略、その背景にあるものとは(5.26 日経XTEC)
楽天モバイルが縮小を急いでいたKDDIとのローミングを一転して積極活用し、「Rakuten最強プラン」を提供したことが話題となった。
ほかにもNTTが主導する次世代ネットワーク構想「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」への参画やインターネットイニシアティブ(IIJ)への出資、そしてソフトバンクと連携しての「副回線サービス」提供など、KDDIを軸とした通信事業者同士の連携が急速に進んでいるようだ。その背景には何があるのだろうか。
楽天モバイルは2023年5月12日、発表会を突如実施した。そこで発表されたのが、2023年6月1日に提供を開始する新料金プラン「Rakuten最強プラン」である。
Rakuten最強プランは従来の料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」と比べ料金などにあまり変化はない。だが大きく変わった点が1つある。KDDIとのローミングで賄っているエリアの扱いだ。従来はローミングエリアで通信した場合にはデータ通信が使い放題にならなかった。ところがRakuten最強プランではローミングエリアでも使い放題になる。
通信サービス以外でもKDDIが他社との協力体制を強化する動きがある。それが従来“犬猿の仲”とされてきたNTTグループとの協調だ。中でも最近注目されたのが、NTTグループが主導する「IOWN」構想に協力する姿勢を示したことだ。IOWNは光技術を活用した新しいネットワークである。
そしてもう1つの課題は、主力の携帯電話事業における政府主導の料金引き下げだ。各社とも成長事業の強化やコスト削減などによってどうにか好業績を維持してはいるものの、国の料金引き下げの要請によって年間1000億円前後の利益が吹き飛んだことに変わりなく経営面での影響は甚大だ。
今後、KDDIに限らず競合の通信事業者同士が協力し合う動きは急加速していくと考えられる。国内での激しい競争が質の高いインフラを生んできた日本の通信事業が大きな曲がり角に差しかかっていることは間違いない。
3.苦境の楽天が結んだローミング新協定に違和感、KDDIからは「誇張しすぎ」との声も(5.24 日経XTEC)
携帯電話事業の苦境にあえぐ楽天グループが立て直しに向けた施策を相次ぎ打ち出している。驚いたのは、楽天モバイルが2023年5月11日に発表したKDDIとの新たなローミング協定(以下、新協定)だ。
同社はこれまで、KDDIに支払うローミング費用の負担が重いため、自社基地局の設置を急ぐことで早期の打ち切りを目指してきた。ところが、この方針を転換。6月以降はこれまで対象となっていなかった東京都23区・名古屋市・大阪市の一部繁華街にもローミングエリアを広げる予定で、早くも「人口カバー率は業界最高水準の99.9%」とうたい出した。
さらに6月1日に提供を始める新プラン「Rakuten最強プラン」では、現行プランで実施していた、ローミング活用のパートナー回線エリアにおけるデータ通信量の制限(月5ギガバイトまで、超過後は通信速度が最大毎秒1メガビットに低下)も撤廃する。このため、「日本全国の通信エリアでデータ高速無制限」と宣伝し始めている。
筆者は楽天グループの見事な方針転換と立ち回りに感心したが、KDDIと楽天モバイルの新協定については違和感が残った。
1つは、KDDIがなぜ救いの手を差し伸べたのかという点だ。楽天グループはEC(電子商取引)をはじめ、クレジットカード、銀行、証券といった「経済圏」で大きな強みを持つ。携帯電話では取るに足りない相手だとしても、勢いづかせたらこれほど怖い相手はいない。楽天モバイルが今回の新協定をきっかけにシェアを拡大する結果となれば、最終的には目先のローミング収入より大きなダメージを受ける可能性すらある。
もちろん、楽天グループもエリア整備の責務を理解しており、あくまで非常事態を乗り切るための判断なのだろう。ただ、携帯大手が設備投資に年間5000億円前後を費やす中、楽天モバイルは当初計画でも2023年12月期に3000億円、2024年12月期に1500億円、2025年12月期に1200億円と設備投資額が極端に少なかった。ここからさらに計3000億円も削減してしまうと、もはや携帯電話キャリアの体をなしていないのではないか。
新プランを巡っては、KDDI関係者から「誇張しすぎではないか」との指摘が出ている。新協定で東名阪の繁華街にもローミングエリアを広げるが、あくまで一部。同社の顧客に迷惑がかかる恐れがあるエリアは対象外のため、それほど多いわけではない。ローミングで貸し出しているのは800メガヘルツ帯だけであり、複数の周波数を束ねて高速化を図る「キャリアアグリゲーション(CA)」の対象外。基本的には10メガヘルツ幅で、通信速度も下りで最大毎秒75メガビット、上りで同25メガビットになる。KDDIのインフラをフルに活用できるかのような説明はいかがなものかというものだ。
4.SCSK、全社で生成系AIの業務利用を開始(5.22 日経XTEC)
SCSKは2023年5月22日、生成系AI(人工知能)を全社的に業務で利用し始めたと発表した。役員と社員の全員が生成系AIを活用することで、業務の効率化や生産性向上、製品やサービスへの適用、新規事業の創出などを目指す。
マイクロソフトが提供する「Azure OpenAI Service」を利用した。入力した情報が二次利用されたり第三者に提供されたりしない仕様にし、社内ネットワークからのみ利用可能にしてセキュリティーを担保したという。
5.NTTコムがNR-DC適用のローカル5Gで4K映像を同時伝送、遠隔手術への活用に期待(5.22 日経XTEC)
NTTコミュニケーションズは、ローカル5Gで複数の4K映像を同時伝送する実証実験に成功した。NR-DC(New Radio-Dual Connectivity)と呼ばれる技術を適用した。通常ローカル5Gにおいてはミリ波とサブ6のどちらか一方を使うが、NR-DCでは両方を用いて高速かつ大容量の安定通信を可能にする。2023年4月27日に発表した。
実証実験では、ミリ波とサブ6の両方を同時に送受信できるように設定したサムスン電子ジャパンのローカル5G基地局を構築し、ローカル5G端末を接続できるかを検証した。併せて通信速度や複数の高精細4K映像の同時伝送ができるかも確認した。結果、受信時の平均通信速度はサブ6のみを使用したときと比べておよそ2.5倍だった。4K映像3台分の負荷をかけた状態でも安定した伝送に成功したという。
本技術によってローカル5Gにおいても高速・大容量な通信が可能になることから、MRIといった画像データや様々な視点からの映像を必要とする遠隔手術への活用などが期待できるという。今後は実フィールドでの運用を想定した事前接続検証などを実施する予定だ。
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