週間情報通信ニュースインデックスno.1376 2023/4/29


1.円安で進むスマートフォンの「二極化」、5Gの普及に影を落とす可能性も(4.28 日経XTEC)
 2023年には25万円を超える高性能なスマートフォンが登場した一方、2万円台の低価格帯では性能が低い5G(第5世代移動通信システム)非対応モデルが増えている。これには円安が大きく影響しているようだ。価格および性能が両極端なスマートフォンが増える状況が長く続けば、日本の5Gの普及に影を落とすことになるかもしれない。

 低価格帯の場合、価格が売れ行きに直結する。このため価格を安易に上げられない。とはいえ円安の状況では、従来と同じ性能の製品を値上げせずに提供するのは難しい。そこでメーカーは、性能を下げることで価格を維持する戦略を採るようだ。例えば、オープン市場向けとして2023年3月16日に発売された中国の小米集団(シャオミ)の「Redmi 12C」は、2万円を切る低価格だ。

 円安が今後も続けば、ハイエンドモデルはより価格が高くなり、ミドル・ローエンドモデルはより性能が低くなることが予想される。その結果、5G非対応のモデルが2022年以上に増えるだろう。

2.過去最高水準のオムロン決算、虎の子「i-Automation!」がけん引(4.28 日経XTEC)
オムロンが2023年4月26日に発表した2023年3月期(2022年度)の連結決算(米国会計基準)は、営業利益が前の期比12.7%増の1006億8600万円と過去最高だった。半導体製造装置や電気自動車(EV)などの工場向け制御機器事業が好調。同日開催したアナリスト向け説明会で辻永順太社長は「収益体質が着実に強化されている」と強調した。

 制御機器事業の好調な業績をけん引するのはソリューションビジネスだ。同社は2016年に製造現場の進化の方向性を示すコンセプト「i-Automation!」を掲げ、「integrated(制御進化)」と「intelligent(知能化)」「interactive(人と機械の新しい協調)」の3項目を融合させたソリューションビジネスを展開してきた。同サービスの契約社数は2017年3月期(2016年度)が約900社だったのに対し、2022年度は約3700社まで増加した。

3.「通信の安定性はソフトバンク、5G利用率ではauが1位」、英社のユーザー体感調査(4.28 日経XTEC)
独立系調査会社の英Opensignal(オープンシグナル)は2023年4月26日、「日本の最新モバイル・ネットワーク・ユーザー体感調査に関するオンライン会見」を開催し、2022年12月1日から2023年2月28日にかけて調査したモバイル体感結果を発表した。同社分析担当副社長のIan Fogg(イアン・フォッグ)氏が解説した。

 前回調査(2022年10月公開、調査期間:2022年6月1日〜8月29日)と同じく、15のメトリクス(指標)について、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、楽天モバイルのユーザー体験を比較している。今回は、ソフトバンクが多くのアプリケーションが安定して使えることを示す「中核となる一貫した品質」と、より高品質なアプリケーションが安定して使える「一貫した素晴らしい品質」の両方で単独1位となった。また、auが5G利用率で単独1位、5G到達率でもソフトバンクと共に1位を獲得している。オンライン会見に登壇したFogg氏は「前回からの半年間でauをはじめ、NTTドコモ、ソフトバンクの5G利用度が大幅に向上した。日本のモバイル市場は引き続き進化中である」とコメントした。

 ダウンロード速度では、5G時も含め、前回同様、NTTドコモが単独で1位となった。なお、アップロード速度では、こちらも前回に引き続き、楽天モバイルが5Gでも全体でも断トツで首位をキープしている。

 ユーザーが5Gに有効接続できている時間の割合を示す5G利用率では、auが9.3%で単独首位となった。なお、今回はNTTドコモが6.1%、ソフトバンクが8.4%で、前回のau5.5%、NTTドコモ4.5%、ソフトバンク5.9%から大幅にアップしている。5G接続できる場所の割合を示す5G到達率も、同率首位のau、ソフトバンクを中心に4社とも前回からスコアを伸ばしている。

4.「23年夏までに通信速度低下の解消を目指す」、NTTドコモが5G戦略を発表(4.27 日経XTEC)
NTTドコモは2023年4月26日、5G(第5世代移動通信システム)ネットワーク戦略についての説明会を開催した。NTTドコモの引馬章裕ネットワーク部長は2023年度の重点施策として「ユースケースの多様化に向けた取り組み」「増大するトラフィックに向けた取り組み」の2つを挙げた。

 5Gや6G(第6世代移動通信システム)の普及により、XR(クロスリアリティー)や遠隔医療、自動運転などユースケースの多様化が見込まれる。NTTドコモは論理的にネットワークを分割し、用途に合わせたネットワークを提供する「ネットワークスライシング」を活用する。2024年度に全体的なネットワークスライシングを実現するため、2023年度に実証実験を開始し、主要駅や商業施設だけでなく、スタジアムや大学、空港などに5G SA(スタンドアロン)のエリアを拡大する。

 増大するトラフィックへの対策としては5G専用周波数を活用した「瞬速5G」のエリアを拡大する。トラフィック需要の高いエリアから基地局を設置し、4G基地局との併設も順次実施するという。

5.世界47市場モバイル/ブロードバンド通信事情、最速インターネットがStarlinkの国も(4.25 日経XTEC)
インターネットの接続性能評価サービス「Speedtest」を運営する米Ooklaは2023年4月17日(現地時間)、2023年第1四半期の世界各国のインターネット通信状況をまとめた「Speedtest Global Index Market Analyses」を発表した。移動通信と固定通信を対象に47の市場で通信速度最高、遅延時間最小のブロードバンドを提供する事業者や端末について調査している。主要都市での通信速度なども公表している。

 なお、以下において、速度はいずれも中央値を示す。一貫性は速度の極端な低下などがないことを示す尺度である。遅延時間はネットワークに大きな負荷がかかっていない状態で測定した。

米国 移動通信ではT-Mobileが下り速度165.22Mビット/秒、5G下り速度でも220.70Mビット/秒で最速。固定通信ではSpectrumが下り速度234.80Mビット/秒で最速、遅延時間ではVerizonが15ミリ秒で最小

インドネシア 移動通信ではTelkomselが下り速度24.48Mビット/秒で最速、遅延時間でも45ミリ秒で最小

日本 移動通信ではNTTドコモが下り速度48.86Mビット/秒で最速。固定通信ではSo-netが下り速度282.13Mビット/秒で最速、遅延時間でも9ミリ秒で最小

マレーシア 固定通信ではTIMEが下り速度107.56Mビット/秒で最速、遅延時間でも9ミリ秒で最小

韓国 移動通信ではSK Telecomが下り速度194.41Mビット/秒で最速。固定通信ではKTが下り速度145.28Mビット/秒で最速

通信速度の世界ランキングで日本は移動通信が52位、固定通信は16位 2023年3月時点

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