週間情報通信ニュースインデックスno.1324 2022/4/23


1.iPadとパソコンを並べたほうがよい理由、情報量が一気に増えいろいろ連携もできる(4.23 日経XTEC)
iPadをパソコンの横に置くだけで、手元で表示できる情報量が一気に増える。「画面が小さいのでは?」と不安に思うかもしれないが、iPadのディスプレイは解像度が高く、文字表示も美しいため想像以上に見やすい。コンパクトだからこそ狭い机の上に柔軟に置けるメリットもある。

 しかも、パソコンとは独立しているデバイスなのが良いところ。パソコンで動画編集などの重い処理をしていても、iPadには影響がないので動作は快適そのものだ。

 一方でiPadは、Windowsのような複数の画面を重ね合わせて使うマルチウインドウ環境は利用できない。複数の画面を表示する際には、「マルチタスク」と呼ばれる機能を使い、画面を分割する。

 最近静かに流行しているのが、25分間集中した後、5分休憩することで作業効率をアップさせる「ポモドーロ」という時間の使い方だ。そのための専用アプリをiPadに表示すれば、適度に休憩しながら仕事に集中できる。特に、テレワークで行き詰まりを感じている人にはお勧めだ。iPad向けのポモドーロアプリは数多くリリースされているので試してみるとよいだろう。

2.「2025年以降メタバース経済圏が確立」、元Facebook Japan馬渕氏が断言(4.21 日経XTEC)
「2025年以降、メタバース経済圏が確立していく」。PwCコンサルティングの馬渕邦美マネージングディレクターは2022年4月20日、「東京デジタルイノベーション 2022」(日経BP主催)に登壇し、こう断言した。馬渕氏はFacebook Japanの元執行役員で在任中にインスタグラムの事業拡大をけん引するなど、デジタルビジネスの経験が豊富だ。2022年3月14日には仮想空間「メタバース」について関係者の情報共有やガイドラインの提言などを目指す一般社団法人Metaverse Japanを立ち上げ、共同代表理事に就任した。

 契機は「ハードウエアの革命だ」と馬渕氏は言う。2025〜26年に普及型のVR(仮想現実)グラスが登場すると予測されている。現時点ではVRのHMD(ヘッド・マウント・ディスプレー)はその大きさや重さから長時間装着することが難しい。VRの再現装置が眼鏡やスマートフォンのように小型化・軽量化することで「どこでもVR空間を見られる状況になり、リアル空間とデジタル空間が融合していく。デジタル空間で主に生活し、リアル空間にあまり出てこない人たちも出現するだろう」(馬渕氏)。

 2030年ごろの商用化が見込まれる「6G(第6世代移動通信システム)」によって「5G(第5世代移動通信システム)」より一層の高速大容量通信が可能になることも、メタバース普及をさらに後押しするという。

 こうした技術の進化に伴い、「さまざまなメタバースが立ち上がる」と馬渕氏は予測する。「非代替性トークン(NFT)」を使って仮想空間上で不動産を取引したり、アバター(分身)の衣装を購入したり、ゲームで生活費を稼いだりといった「メタバース経済圏」が成立していくとみる。

3.5G後進地域の欧州、英OfcomはEU加盟国に方針見直しを提言(4.20 日経XTEC)
インターネットの接続性能評価サービス「Speedtest」を運営する米Ooklaは2022年4月13日(現地時間)、北米や中国、日本、韓国に比べて遅れが目立つ欧州の5G事情を解説したブログを公開した。同社のWebセミナー「Why is 5G in Europe Falling Behind and what can we do about it?」がベースになっている。

 移動通信関連の業界団体GSMA(GSM Association)によると、欧州では、50カ国中34カ国が5Gを導入しており、通信事業者の半数以上(173社中92社)が5Gネットワークの立ち上げを完了している。しかし、総接続数に占める5G接続の割合は、2021年第4四半期時点で2.5%にすぎず、北米や中国、日本、韓国より低い状況にとどまっている。

 欧州内の5G可用性(移動通信接続時間中の5G接続の割合)を見ると、トップはオランダで、2021年第4四半期にこの値が20%を超えたのは、欧州ではわずか6市場のみとなっている。ちなみに米国では、電波が届きやすい600MHz帯を利用する5Gサー  オランダの通信事業者KPNのErik Brands氏によると、同社は2019年から国内ネットワークの近代化に着手。基地局のすべての機材をアップグレードし、使用可能な全ての周波数を活用すると同時にソフトウエア制御に切り替えた。電波が届きやすい700MHz帯の5Gも活用することで、農村部を含めた国内80%以上での5Gカバレッジを実現した。

 英Three UKではデータ容量の不足が課題となっている。同社の契約者数は英国人口の約15%、英国の通信量の30%を占めている。5G周波数として3.3G〜3.8GHz帯の連続した帯域幅100MHzを含む同140MHzを用意しており、ダウンロード速度も他の英国の通信事業者に比べて高速となっている。

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