週間情報通信ニュースインデックスno.1321 2022/4/2


1.第6波でテレワーク実施率は減少も、テレワークの継続調査で浮き彫りに(4.1 日経XTEC)
「テレワークは感染拡大を防ぐ手段として有効だ。しかし、感染力が強いオミクロン株が猛威を振るっている感染拡大の第6波では、テレワークの実施率は伸び悩んでいたり、減少したりしている」。テレワーク関連の継続調査で2022年1月以降、こんな傾向が見えてきた。

 パーソル総合研究所が2022年3月1日に発表した2万人規模の最新調査によると、正社員のテレワーク実施率は28.5%だった。この調査は、オミクロン株の感染が急拡大していた2022年2月4日〜7日の間に、全国の就業者を対象にインターネットで実施したもので、正社員については2万490人が調査対象になった。

 同研究所は2020年3月以降、新型コロナウイルスに関連したテレワークの状況を把握する調査を継続的に実施している。今回の調査は「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」として6回目になる。28.5%という最新調査におけるテレワーク実施率は、感染拡大の第5波と重なる2021年7月30日〜8月1日に実施した前回調査と比べると、1.0ポイント上回っている。

 これらの調査結果について、パーソル総合研究所の小林祐児上席主任研究員は、新型コロナウイルス感染者数が前回調査の時期である第5波に比べて、今回の調査の実施時期である第6波のほうが多いことに着目している。「第6波で過去最多の感染者数が出ているのにもかかわらず、テレワーク実施率が伸びなくなった。感染者数の増加が、企業が新たにテレワークを始めるきっかけに、もはやなっていない」(小林上席主任研究員)。

 具体的には、企業から示されるテレワークに関する方針について最も多かった回答は「特に案内がない」で57.4%だった。「テレワークが推奨されている」「テレワークが命じられている」といった回答は合わせて38.6%で、前回調査の37.3%からほぼ横ばいとなっている。

2.デンソーもブリヂストンも被害に、ランサムウエア攻撃が一向にやまない2つの理由(4.1 日経XTEC)
データを暗号化し、その復旧に身代金を要求するランサムウエア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃が猛威を振るっている。2022年2月下旬からの1カ月足らずに、多くの日本の企業が被害に遭った。

 相応の対策を講じているはずの大手企業でさえ被害を免れない。2022年3月にドイツの設計・開発拠点が被害を受けたと明らかにしたデンソーは、2021年末にメキシコの工場が攻撃されたばかり。警戒しているなかでの被害だった。

 水面下ではさらに多くの攻撃と被害が発生しているとみられる。米サイバーセキュリティー企業CrowdStrike(クラウドストライク)が2021年9〜11月に実施した調査では、過去12カ月以内にランサムウエア被害を受けた日本の組織は61%に上った。

 ランサムウエア攻撃の被害が後を絶たない、つまり攻撃が常態化している背景には、大きく2つの理由がある。1つは、金銭目的のサイバー犯罪者にとって金銭的なうまみが増していることだ。

 ランサムウエア攻撃はここ数年で、無差別に暗号化するマルウエアをばらまく手口から、特定の企業や組織を狙う標的型に変わった。ゆすれる相手を吟味しているわけだ。

 さらにデータを暗号化する前に機密性の高いデータを盗み出す手口が増えている。これはデータの復旧だけでなく、機密データを暴露すると脅迫することによって、被害に遭った企業や組織が高額の身代金の要求をのまざるを得ないように仕向けるためだ。

 実際に身代金の支払額も高騰している。米Palo Alto Networks(パロアルトネットワークス)の調査によれば、ランサムウエアの被害に遭った組織が2021年に支払った身代金の平均額は54万ドル(約6500万円)あまりと、前年比で8割近く増えた。

3.オンライン専用プランで一人勝ちのドコモ、「ahamo大盛り」に見える苦悩(4.1 日経XTEC)
022年3月23日、NTTドコモはオンライン専用プラン「ahamo(アハモ)」の新たなサービスとして、オプションで通信量を追加できる「ahamo大盛り」を発表した。100GBという大容量を実現できるahamo大盛りだが、その背景からはahamoを巡るNTTドコモの苦悩も見えてくる。

 2021年3月に携帯大手3社が相次いで提供を開始した、契約やサポートを全てオンラインで済ませることで低価格を実現する、いわゆるオンライン専用プラン。KDDIの「povo(ポヴォ)」がプリペイド方式に近い「povo 2.0」へと内容を大幅に変更し、ソフトバンクの「LINEMO(ラインモ)」が小容量・低価格の「ミニプラン」を提供するなど試行錯誤を続ける中、唯一大きな動きを見せてこなかったのがオンライン専用プランの先駆けとなったNTTドコモのahamoである。

 その背景にはahamoの好調がある。他社のオンライン専用プランの契約数が伸び悩む中、ahamoはサービス開始以降順調に契約数を伸ばしており、NTTドコモの契約者の転出防止にも貢献。2022年3月時点では間もなく300万契約に到達する勢いで、オンライン専用プランで唯一の勝ち組といっていい状況にある。

 ahamo大盛りは、簡単に言えばahamoの通信量を大幅に増やすオプションを用意するというもの。月額1980円で80GBのデータ通信量を追加でき、ahamo標準の20GBの通信量と合わせて月当たり100GBの通信量を月額4950円で利用できる計算となる。

 NTTドコモがahamo大盛りを投入するに至ったのも、やはり大容量通信のニーズが高まっていることが背景の1つにあるようだ。実際、同社の契約者当たりの通信量は年を追うごとに伸びており、中でもahamoのターゲットとなる20〜30代の通信量は、他の世代よりも大きく伸びているという。

 その要因はスマートフォンなどで動画を視聴するニーズが高まっていることが大きいと考えられる。とりわけコロナ禍でリモートワークやリモート授業の利用が増え、それに伴いWeb会議サービスの利用が増えたことも、通信量の増加に大きく影響したと同社はみているようだ。ただNTTドコモ 営業本部 ahamo推進室長である岡慎太郎氏によると、ahamo大盛りの提供に至った要因はそれだけではないという。

 もう1つ大きな要因となっているのが、あえてWi-Fiを利用せずモバイル通信を利用するケースが意外に多いことが、同社の調査で分かったためだという。若い世代であれば外にいる時間が長く、自宅Wi-Fiの利用時間が少ない人も多いだろうし、かといって屋外のWi-Fiスポットが利用できるとは限らない。

 また一人暮らしの賃貸住宅で固定回線があらかじめ引かれている場合、その回線が遅いことからWi-Fiよりもモバイル通信を利用したほうが快適だというケースも少なからずあるようだ。そうしたWi-Fiを使わない、使いたくない人のニーズに応える狙いがahamo大盛りにはあるようだ。

 それだけにahamo大盛りの登場によって、料金の安さだけでなくシンプルで分かりやすいことがヒットの要因にもなったahamoの今後に、やや暗雲が垂れ込めてきたように見えるというのが、筆者の正直な感想である。かじ取りを誤ればahamoから若い世代が流出することにもつながりかねないだけに、NTTドコモがシンプルさと顧客ニーズとのバランスをいかに取り続けられるかが、ahamoの今後を見据える上で重要なポイントになるといえそうだ。

4.JFEエンジとドコモが5G実証プラント公開、賛同企業に無償提供(3.30 日経XTEC)
JFEエンジニアリングとNTTドコモは2022年3月30日、実プラント環境で5G(第5世代移動通信システム)を活用した新たなサービスを実証できる設備「5G Innovation Plant」をオープンした。将来のプラントは無人化や省人化が進むというビジョンのもと、施設内にNTTドコモの5Gサービスと、JFEエンジニアリングが免許取得したローカル5G、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)という3タイプの高速無線環境を用意。これらの通信環境を活用し、プラント内でドローンやロボットの遠隔操作をしたり、AI(人工知能)による監視などを実証したりできるようにした。同施設は、両社の取り組みに賛同する幅広い企業に無償開放する計画だ。

 実証環境は、JFEエンジニアリングの横浜本社構内(横浜市鶴見区)に構築した。現在は使われていないJFEエンジニアリングのゴミ焼却用プラントを再利用した。高さ12?13m、15m×20mの建屋には、縦横無尽に配管が張り巡らされ、武骨な鉄製階段が目立つという典型的なプラント施設だ。

 このプラント施設に、ローカル5Gのアンテナ8台、NTTドコモの5Gサービスのアンテナ11台、そしてWi-Fi 6のアンテナ2台という潤沢な高速無線環境を用意。ユースケースに応じて最適な無線環境を試せる。

 この日、報道陣に公開したデモでは、ドローンを活用したプラント内の無人点検や、立ち入り禁止エリアに人が侵入した場合、AIによる映像解析によってアラートを通知するようなユースケースを披露した。

 実証施設は「将来のプラントを変革するソリューションを生み出すことに賛同する技術を持った企業ならば、どこでも無償で利用できるようにしていきたい」(JFEエンジニアリング制御技術センターセンター長の小山建樹氏)とする。

 22年度に実証を進め、そこで得た知見をもとに、プラントを無人化・省人化するソリューションを23年度に出していきたいという。

 JFEエンジニアリングとNTTドコモは21年11月、5Gを活用しプラントを無人化・省人化するソリューション創出を目的に包括提携することを発表済み。今回の実証設備オープンはその一環となる。

5.auの3G停波で自動解約も、条件を満たせば再加入可能(4.1 ITmedia)
2022年3月31日、auの「3G通信サービス(CDMA 1X WIN)」が終了した。VoLTE非対応ユーザーが同日までに機種変更をしていなかった場合、4月1日に回線が自動解約される、もしくは一時休止となる。

 そのため、KDDIは自動解約となったユーザーに対し、条件を満たせば自動解約前と同じ電話番号で再加入ができると案内している。

 それによれば、3G通信サービス利用中で機種変更をせずに自動解約となった人は、下記条件に合致すれば自動解約前と同じ電話番号で2022年6月30日までに再加入できるという。再加入の手続きは、au Style/auショップ、トヨタ au取扱店で行える。

 再加入時に引き継げるのは、解約前に使用していた電話番号、auメールアドレス、支払方法。au IDにひも付いているauポイント(Pontaポイント)、au PAYカード、auでんきポイントも引き継げる。家族割とauスマートバリューは再加入手続きの翌月利用分より割り引かれる。

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