週間情報通信ニュースインデックスno.1309 2022/1/8


1.2022年は「真の5G」の時代に突入、いよいよ社会基盤となるか(1.7 日経XTECH)
5G(第5世代移動通信システム)の日本における商用サービスが2020年春に始まって2年足らず。だが早くも2022年、現行の5Gより高機能なモバイル通信サービスをユーザーが享受できる「真の5G」の時代に突入する。携帯電話事業者各社は通信インフラの構成を大きく変えた「SA(スタンドアローン)」方式の5Gサービスを次々に立ち上げ、市場を競い合う。

 SA方式の前身となるのが、NTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンク、楽天モバイルが現在の5Gサービスで使っている「5G NSA(ノン-スタンドアローン)」方式だ。4G(第4世代移動通信システム)とセットでなければ稼働できないシステム構成である。

 一般に、携帯電話ネットワークは大容量の通信回線を制御する「コア設備」と端末につながる基地局などの「無線設備」で構成する。NSAの場合、コアに4G向けの設備を流用しており、基地局は周囲の4G基地局と連動して動作させる必要がある。

 5G対応端末から見ると、待ち受け時には4Gの基地局と通信制御の信号をやり取りしつつ、通信開始のタイミングで5Gの基地局に接続し、データ本体を5G方式で送る仕組みになっている。つまりNSAは既存の4G設備に頼ったシステム構成であり、5G本来の実力を十分に発揮できなかった。

 一方のSAはコア設備も無線設備も全て5Gだけで動かす。端末との制御信号やデータのやり取りも5G方式のみとなる。NSAで実現済みの高速で大容量のデータ通信に加え、SAではデータの遅延時間が大幅に短くなり、より安定的に通信できるなど、5Gのメリットをフルに生かせるわけだ。

2.iOSとAndroidで使える強力な写真編集アプリ、Snapseed活用法(1.7 日経XTECH)
スマホカメラの特徴の一つが、撮った後の編集・加工を端末内で自在にできる点。きれいな写真はさらにきれいに、失敗写真もしっかりレベルアップできる。

 アプリストアには膨大な数の写真アプリが存在するが、「Snapseed」をインストールしておけば編集作業で困ることはほぼない。それくらい強力なアプリだ。無料かつiOS、Android版があり、使い方が簡単な点もお薦めだ。

 まずは編集したい写真を選んで開こう。下部の「ツール」をタップして「画像調整」を選ぶと、基本的な調整ができる。画面を指先でタッチしながら上下にスライドすると、「明るさ」や「色温度」などの編集メニューが表示されるので、使いたいメニュー部分で指を離し、次に画面上をタッチしながら左右にスライドすると選択したメニューの強弱を調整できる。指一本でいろいろな編集作業ができるのがウリだ。

  Snapseedは豊富な機能を持っており、テキスト入力や配置、レトロ調フィルターなども備える。Webサイトで使うヘッダーや、フリマアプリに掲載する商品写真などを制作するのにも適している。

 写真を撮った後、不要なものが写っているのに気が付いたことはないだろうか?  そんなときもSnapseedなら簡単に消せる。「ツール」から「シミ除去」メニューを選び、あとは消したい部分を指先でタッチするだけ。画面から指を離すと面白いように余計なものが消えていく。細かい部分をタッチしたい場合は、2本の指でピンチインして、拡大表示した上でタッチするとよい。細かいタッチで丁寧にマスクすれば細い電線や顔のシミなどもきれいに消せる。

3.エクサウィザーズとスギ薬局が「品揃え最適化AI」を共同開発、全店舗で活用(1.5 日経XTECH)
AI(人工知能)関連のソフトウエア開発を手掛けるエクサウィザーズは2022年1月5日、スギホールディングス傘下のスギ薬局と共同で小売業に向けた「品揃え最適化AI」を開発し、スギ薬局で運用を開始したと発表した。

 品揃え最適化AIは、数理最適化技術を用いて膨大な商品数から売り上げ効率を上げる商品の組み合わせを自動算出する「品揃えパターン生成機能」と、過去の購買情報を基に商品の代替可能性を分析し、陳列をやめても売り上げに影響しづらい商品を決定する「代替可能性分析機能」の2つを持つ。

 顧客のニーズや購買行動にマッチした棚割りは、売り場の生産性向上につながるだけでなく、より良い顧客体験を提供するために重要だ。しかしカテゴリーごとに数百ある昇格・降格商品候補の組み合わせパターンは膨大でマニュアル化しづらく、商品の決め方が属人的になることで売り上げ効率を向上できる組み合わせの実現や再現が難しい。

 シミュレーションの結果、棚割りの品ぞろえパターンを作成する業務を同AIによって標準化することで、売り上げの増加を期待できることが分かったという。今後はスギ薬局の全店舗で同AIを活用した陳列商品の最適化を図る予定だ。

4.2022年は全ての日本企業がAIの内製開発にかじを切る、そう予測できる理由(1.4 日経XTECH)
2022年は全ての日本企業がAI(人工知能)の内製開発にかじを切る。この流れに呼応して、個人の同意に基づいて消費者が企業に提供したデータを企業同士が交換する「データエクスチェンジ」が活発になる。様々な企業が消費者のリアルなデータを幅広く集め、AIモデルの内製開発に生かす動きが当たり前となる。

 データエクスチェンジとは、データ売買を仲介する事業者(データプラットフォーマー)が提供するシステム基盤(プラットフォーム)などを介して、消費者のデータを企業がやり取りする枠組みを指す。

 消費者はプラットフォーマーに対して、EC(電子商取引)サイトの購入履歴やかかった病歴のデータなどを売って金銭などを得る。消費者のデータを集めたい企業はプラットフォーマーと契約し、サブスクリプションなどで利用料を支払う。

 プラットフォーマーは企業にデータを販売する際、誰が提供したかなどを特定できないよう加工する。そもそも消費者はどのレベルまで個人情報を提供するか選べ、場合によっては個人情報を一切含まない情報を提供しても対価を得られる。データを売ることで企業のサービスの質が向上すれば利用者にとってもメリットになる。

 一方で企業のメリットは自社で集めるのが難しい大量の消費者データを金銭で収集できる点にある。AI開発を手掛けるAI insideの渡久地択社長は「AI開発の内製化が進み、あらゆる事業者が消費者のデータの買い手となる可能性がある」とみる。

 データエクスチェンジが活発になる背景には、「データセントリックAI」と呼ぶ、AIモデル開発の新しい動きがある。データセントリックAIとは、少量であっても高品質なデータを効率よくつくり、高品質なAIモデルの開発につなげるという考え方だ。

 一般にAIモデルを開発しようとすると、数千個という単位でデータが必要なケースも多く、内製開発には膨大なコストがかかる。大量の学習データを集め、整形したりタグ付け(アノテーション)したりする手間がかかるからだ。「AIモデルの開発に取り組んでいる技術者なら誰しも、学習データをつくるコストを減らしたいというニーズがある」(渡久地社長)。

 データセントリックAIにのっとり、高品質なデータだけを効率よく学習させるには、大量かつ多様なデータの中から真に必要なデータを選べる環境が必要だ。それを実現する方法がデータエクスチェンジというわけだ。

 2021年はAIモデル開発のハードルが下がり、AIの内製開発にかじを切る企業も増えた。AIの「民主化」が進み、学習データを効率よくつくりたいというニーズは一層高まっている。

5.2022年の働き方、8割が「テレワーク希望」も現実にギャップか(1.7 ITmedia)
ライボは2022年1月6日、国内企業で働く社会人を対象にした「2022年 働き方意識調査」の結果を発表した。 調査は、2021年12月24日〜2022年1月4日に実施。1年以内〜10年以上勤務している20〜69歳の社会人男女を対象に実施し、667人から有効回答を得た。

 仕事始めの勤務形態については、「出社必須」との回答が41.2%、「必須ではないが出社」が20.1%で、合計61.3%が「出社」という回答だった。

 また、「テレワーク必須」との回答が9.9%、「必須ではないがテレワーク」が26.8%で、合計36.7%が「テレワーク」という回答結果になった。

 2021年の働き方について、希望する働き方を尋ねたところ、全体の76.4%が「オンライン」による働き方(テレワーク)を希望すると回答した。この内訳は、「テレワークを増やしたい」(31.8%)、「出社頻度を減らしたい」(26.5%)、「テレワーク必須がよい」(18.1%)だった。

 一方、実際の2022年の働き方(2022年1月の予定)は、全体の61.1%が「出社」となり、理想と現実にギャップがあることが分かった。

 2022年の働き方の実態が「出社」との回答の内訳は、「出社頻度が増える」(32.1%)、「出社必須」(19.3%)、「テレワークが減る」(9.7%)だった。

 また、「2022年の働き方にコロナ禍が影響するか」については、「大きく影響する」が23.7%、「やや影響する」が38.8%で、全体の62.5%が働き方に影響すると回答した。

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