1.BALMUDA Phoneには何が欠けているのか(11.18 ITmedia)
11月16日、バルミューダは自社開発スマートフォン「BALMUDA Phone」を発表した。
だが、SNSなどを見る限り、その内容を素直に喜んでいる人は少ないように見受けられる。筆者もその1人だ。では、なぜBALMUDA Phoneを物足りないと感じているのか、その点を分析してみよう。そこからは「スマホとはどのような製品なのか」ということが見えてくると思うからだ。
今回のBALMUDA Phoneについては、バルミューダのブランド価値を活かせていない、よくない商品だ。強い購入意欲を持つことはない。
なぜなのか? 「高い」「スペックが低い」といった意見が目立つが、それは現象の一部を切り出したものに過ぎない。本質的な話をするならば、「バルミューダに求めていたものが欠けていた」からだろう。バルミューダは、形にこだわった製品を作る一方、コアな変化を追加することで他の家電メーカーに対抗してきた。けっして多機能なわけではなく、コア機能一本勝負、といってもいい。
一番有名なのは「BALMUDA The Toaster」だろう。蒸気を併用しつつ温度コントロールを行うことで、パンの種別に合わせて美味しい焼き方ができる。筆者も使ったことがあるが、確かに「今までのトースターとは違う体験」を得られた。
では、BALMUDA Phoneはどうだろう? 普通のスマホにしか見えない。もちろん、持ちやすいだろう。形もかっこいい。スケジュールアプリも使いやすく、呼び出しが楽なのだろうと思う。 だが、それはそんなに特別なことではないのだ。スマホには多数のアプリがあって入れ替えられるし、形もいろいろある。
「今のスマホには選択肢がない」と、バルミューダの寺尾玄社長は話していたが、そこにはちょっと同意しかねる。バリエーションはあるが、価格や必要な機能などの課題もあり、選択に偏りが出やすいだけだ。
そもそも、なぜ市場にこれほどスマホケースがあるかというと、そこに個性を求めている人が多いからでもある。その市場価値を軽く見てはいけない。逆に、マイナーでケースの少ないスマホは「個性を演出できないスマホ」だと思われかねない。表裏一体の状況なのだ。
「ディスプレイ部分を含めてどこにも直線がない」ともいう。では、それは本当に、このスマホでしかできない体験なのだろうか。また「スマホが直線的である」ことがペイン(苦痛な)ポイントだったのだろうか。
「私たちの手は、板状のものを持つために造られていません」と主張
もっと言えば、同じようなサイズではるかにスペックが良い「iPhone 13 mini」より高い値段で売られることに対する説得力を持ちうる体験なのだろうか? 多くの人にとってそれが感じられないから、BALMUDA Phoneを評価する声が少ないのだろう。
2.Cメーカー各社がWindows 11搭載の新製品、Web会議中のインターホン音削除など(11.18 日経XTECH)
日本マイクロソフトは2021年11月18日、同年10月に提供を始めたOS「Windows 11」に関するオンラインブリーフィングを開いた。新機能の「ウィジェット」や、コミュニケーションアプリ「Teams」を標準搭載としたことなど、Windows 10との違いを説明。同社の竹内洋平執行役員コンシューマー事業本部長は「ライフスタイルが変化する中でも常にみなさんがやりたいことを制限なくでき、大切な人と簡単につながったり、情報に素早くアクセスできたりする、そんなOSがWindows 11だ」と語った。
説明会では、NECレノボ・ジャパングループ、Dynabook、デル・テクノロジーズ、日本HP、富士通クライアントコンピューティングなど、パソコンメーカー各社がWindows 11搭載の新製品を紹介。テレワークに取り組む企業が増えたことに対応し、Web会議中にインターホンの音やキーボードの打鍵音といったノイズをカットする機能などをアピールした。
米Microsoft(マイクロソフト)は2021年6月にWindows 11を発表し、同年10月に提供を始めた。Windows 11を利用するには同OSをプリインストールしたパソコンを購入する、旧バージョンのWindows 10を搭載した端末を無償でアップグレードするなどの必要がある。アップグレードは段階的に実施され、2022年半ばまでには対象となる全ての端末でアップグレードが可能となる予定だ。
3.コロナ禍の働き方を支えるGoogle Workspaceはどんなサービスなのか(11.18 日経XTECH)
Google Workspaceは「あらゆる働き方を可能にし、常に変化する世界でさらに大きな成果を上げるためのツール」をうたうサービスだ。メール、チャット、ビデオ会議、ストレージ、カレンダー、文書編集、表計算、プレゼンテーションなどのツールが統合された形で提供されている。
このサービスには、大規模な企業向けのEnterprise、ユーザー数が最大300までの企業向けであるBusiness Starter/Business Standard/Business Plus、個人事業主向けのIndividualなど、提供機能などに差がある複数のエディションが用意されている。
なおGoogle Workspaceの機能の一部は、Googleアカウントを持つすべてのユーザー向けに提供されている。そしてグーグルは2021年6月、Googleアカウントを持つユーザーがGoogle Workspaceのより多くの機能を使えるようになると発表した。ただしこれらはGoogle Workspaceのサービスとして提供されているものではなく、使える機能が限定されているので注意してほしい。
Google Workspaceのメリットは、強力なコラボレーション機能にある。メンバー同士が離れた場所にいても、作業を円滑に進められるようになっている。
スペースを簡潔にまとめると、共同作業をするメンバーと円滑にコミュニケーションをとれるようにするために用意された、メールやタスク管理、チャット、ビデオ会議、文書編集などのツールを1カ所でまとめて使える場所というべきものだろう。
スペースを使えば「メンバーとチャットでコミュニケーションをとりつつ、ドキュメントを共同編集する」といった作業が容易になる。メンバーにタスクを割り当てて進捗を管理したり、文書を共有したりすることも可能である。従来はばらばらに存在していたツールがスペースという1つの場所にまとめられたので、よりスムーズにメンバーとの共同作業が進められるというわけだ。
4.エリクソンが5Gプロバイダー調査、顧客数で3倍、収益で2倍の格差(11.17 日経XTECH)
スウェーデンEricsson(エリクソン)は2021年11月10日、世界22市場に一般消費者向け5Gサービスを提供するプロバイダー73社の5G事業成熟度と事業戦略、顧客満足度を分析調査した最新リポート「5G Pacesetters: winning in the eyes of consumers and growing revenues」を発表した。世界をけん引する一般消費者向け5Gサービスプロバイダーは、後進プロバイダーに比べ、3倍の顧客を獲得し、1顧客当たり約2倍の収益を上げているとしている。
リポートでは、プロバイダー各社の5G事業成熟度を次の4段階に分類して調査した。
5G Explorers:5Gへの移行に着手
5G Potentials:5Gネットワークやサービスへの投資がまだ不十分
5G Aspirationals:5Gでのさらなる顧客満足度向上を目指す挑戦者
5G Pacesetters:5Gカバレッジや性能などの改善を継続的に続ける先駆者
全73社のうち、顧客が5G Pacesettersと認識する企業は5社に1社。主に北東アジアや北米の先進5G市場にシェアを持つ。こうした5G Pacesettersは必ずしも市場シェアをリードしているわけではないが、クラウドゲーミングやAR/VR、FMC(fixed-mobile convergence、固定電話と携帯電話を連携し、携帯電話を内線電話などに活用できるサービス)など平均3つの消費者向け5Gサービスを提供し、比較的高い顧客満足度を得ている。
また、5G Pacesettersについては、その50%がARPU(1ユーザー当たりの平均収益)を前年比1%以上伸ばし、その75%が通信の高速化やFMCなど高いサービス品質を持つ商品を提供することで5G収益を上げていることが示された。
5.ガートナー「戦略的テクノロジのトップ・トレンド」2022年版を発表(11.18 ITmedia)
ガートナージャパン(以下、ガートナー)は2021年11月17日、「戦略的テクノロジのトップ・トレンド」の2022年版を発表した。
同社によれば、今回のトレンドは企業のCIO(最高情報責任者)がデジタルを介して顧客とつながり、新たな成長を遂げようとしている状況で「ビジネス上の重要課題」になるという。
同社は、CIOに課される行動として「成長とイノベーションを増幅させるITを特定し、拡張性とレジリエンスに優れた技術的基盤を構築し、デジタル化への投資を確保すること」を挙げる。これらの点を踏まえ、2022年版は「成長を加速する」「変化を形づくる」「信頼の構築」の3つをテーマにしたという。
1つ目の「成長を加速する」では、「ジェネレーティブAI」「オートノミックシステム」「トータルエクスペリエンス」(TX)「分散型エンタプライズ」の4つを取り上げた。
このうちジェネレーティブAIは、コンテンツやモノについてデータから学習し、それを使用して創造的で現実的なアウトプットを生み出す機械学習手法で、ガートナーは「市場で最も注目されている強力なAI(人工知能)」として紹介している。
2つ目の「変化を形づくる」に分類されるトレンドは「AIエンジニアリング」「ハイパーオートメーション」「意思決定インテリジェンス」「コンポーザブルアプリケーション」の4つだ。
このうちコンポーザブルアプリケーションは、変化し続けるビジネス環境でも迅速かつ安全にアプリケーションに変更を加えるためのアーキテクチャを取り入れたものだ。ガートナーは「コンポーザブルなアプローチを採用した企業は、競合他社を80%上回るスピードで新機能を実装するようになる」と予測する。
3つ目の「信頼を構築する」には「クラウドネイティブプラットフォーム」「プライバシー強化コンピュテーション」「サイバーセキュリティメッシュ」「データファブリック」の4つを取り上げた。
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