週間情報通信ニュースインデックスno.1297 2021/10/09


1.NECがFacebookの海底ケーブル建設受注、48芯投入で超大容量(10.8 日経XTECH)
ECは2021年10月8日、欧州と米国を結ぶ北大西洋横断海底ケーブルの供給契約を米Facebook(フェイスブック)と締結し、建設を開始したと発表した(図1)。同ケーブルはフェイスブックが計画・運用し、NECが建設を担う。2023〜2024年ころに運用開始する計画だ。

 今回の北大西洋横断海底ケーブルプロジェクトの特徴は、「世界で初めて」(NEC)という、大容量通信が可能な48芯(24ファイバーペア)の海底ケーブルを採用する点だ。これまでは多くても32芯(16ファイバーペア)程度の海底ケーブルが主流だった。NECが新たに開発した48芯の海底ケーブルの適用によって、32芯と比較して伝送容量が約1.5倍の0.5ペタビット/秒(0.5Pbps)のデータ伝送が可能になる。NECによると「中継器による光増幅が必要な長距離海底ケーブルとして、世界最大容量の伝送だ」という。

 NECにとっては、初となる北大西洋横断海底ケーブルの建設案件となる。これまで同社は、アジアや太平洋地域の海底ケーブルの案件を多く獲得してきた。今回のプロジェクトを通じ、北大西洋間の建設時に必要となる各国の許認可手続きなどのノウハウを新たに蓄積し、ビジネス拡大の足がかりにしていく考えだ。

 

2.サムスン電子、5Gバックホールで地下鉄Wi-Fiを25倍高速化(10.8 日経XTECH)
 韓国Samsung Electronics(サムスン電子)は2021年9月28日、ソウル地下鉄車内での5Gミリ波を使ったWi-Fiサービス提供実験を行ったと発表した。同社5Gミリ波ソリューションをバックホールとして使うことで、混雑した車内でのWi-Fi速度が大幅に改善されることを実証できたという。

 今回の実験は、走行中の地下鉄車内で、同社のスマートフォン「Galaxy S21 Ultra」を使って行われた。その結果、下りリンク時の速度は1.8Gビット/秒と、現在のソウル地下鉄車内での平均Wi-Fi速度71Mビット/秒から25倍超の速度改善を確認できた。

 実験は、ソウル都心部を循環する地下鉄線の5駅をカバーした。鉄道沿いに同社のミリ波対応小型基地局5G Compact Macroを設置し、28GHz帯の帯域幅800MHzを使って高速大容量バックホールを実現している。

 同社では、今後も5Gミリ波の広帯域幅通信を活用して既存のネットワークを高速化し、バスや高速鉄道などの公共交通機関をはじめ、スポーツスタジアムやショッピングモールのホットスポットなどに拡大していく。

 なお、今回使われた5G Compact Macroは、ベースバンドユニットと無線装置、アンテナ装置を1台に統合した製品となる。小型で軽量なため、建物の側面や電柱など、どこにでも簡単に設置できる。米国国家情報保証パートナーシップ(U.S. National Information Assurance Partnership、NIAP)やカナダのCanadian Centre for Cyber Securityの認証も早期に取得した製品とする。

 

3.真のハイブリッドワークへ、富士通が働き方コンセプトの新版(10.6  日経XTECH)
富士通は2021年10月6日、ニューノーマル(新常態)における新しい働き方に関するコンセプトの新版「Work Life Shift 2.0」を発表した。アフターコロナを見据えて、テレワークに、オフィスにおけるリアルなコミュニケーションを組み合わせた真の「Hybrid Work(ハイブリッドワーク)」の実現などを社内で進めていく。

 具体的には、ハイブリッドワークを前提にしたオフィスの転換、生産性や創造性を高める働き方の推進、ワークライフバランスのより一層の推進などを挙げている。

 オフィスについては「多様な従業員が集い・働き・学び・交わる場」に転換する。社内の教育施設を削減する一方で、オフィスの執務フロアの中心で、新人教育をはじめとする研修やワークショップ、タウンホールミーティングを開催していく。加えて、一部のオフィスで生体認証を全面導入したり、オフィスにおける従業員同士のコラボレーションを促すデジタル技術を組み合わせて活用したりする。

 生産性や創造性を高める働き方の推進については、スタートアップ企業との協業を通して、チーム内のコミュニケーションや、メンバーのストレス状況の把握など、テレワーク上の課題に対する解決策を社内で実践して生産性向上を図る。地方自治体との連携もより一層進め、地域での活動をきっかけに従業員が地域創生などにつながるような創造性に関するスキルを深めていけるようにする。

 ワークライフバランスに関する施策では、男性従業員の育児参加を積極的に促進していく。出産や育児に関する休暇について取得できる日数を拡大したり、育児をしながら働く従業員を応援できるように社内で啓発活動を進めたりする。この他、ワーケーションや副業も推奨するとしている。

 

4.ノキアがコロンビア初のプライベート5G SA、地下鉱山の採掘実験(10.6 日経XTECH)
フィンランドNokia(ノキア)は2021年9月23日、南アフリカに本社を置く金鉱企業AngloGold Ashantiコロンビア支社と協力して、コロンビア初となるプライベート5Gを使った地下採掘実験を行ったと発表した。スウェーデンに本社を置く土木鉱山機械メーカーEpiroc、Sandvik、アフリカや南米で事業を展開する移動通信事業者Tigo(Millicom International Cellular)、南北アメリカ15カ国に拠点を持つOSC Top solutionsグループも実験に参加。コロンビアJericoにある地下鉱山にて、産業向け5G SA(Standalone)プライベートネットワークを使った、安全かつ効率的で持続可能な採掘が可能であることを証明できたとしている。また、官民一体となって進めるコロンビアや南米各地の鉱山業DX(デジタルトランスフォーメーション)の成果も披露している。

 今回の実験では、ミッションクリティカルな通信、車両や鉱山用機械、システム類の接続性、遠隔操作、ドローンや高解像度カメラを使った坑内調査や監視など、鉱山業における4つのユースケースを検証した。

 Nokiaは、最新のベースバンド装置や無線装置、massive MIMOアンテナを含むAirScale 5G製品群を用意し、1Gビット/秒超の高速超低遅延通信が可能な産業向けプライベート5G SAネットワークを構築した。ユースケースごとに独立した仮想ネットワークを生成するネットワーク分割機能にも対応している。今回は、Tigo Colombiaの提供する3.5GHz帯で、コロンビア情報技術通信省の5G試験用フレームワークも活用した。

 なお、Nokiaの産業向け無線プライベートネットワークは、世界340超の企業で活用されており、鉱山業でも35社超の企業、60超の鉱山で使われている。

 

5.auが5Gルーターの新モデルを発表 10月15日から順次発売(10.7 ITmedia)
KDDIと沖縄セルラー電話は10月15日、5Gモバイルルーター「Speed Wi-Fi 5G X11」を発売する。また両社は11月上旬以降、5Gホームルーター「Speed Wi-Fi HOME 5G L12」を発売する。

 Speed Wi-Fi 5G X11は4000mAhバッテリーを搭載し、約8時間の連続通信が可能。バッテリー劣化や消費を抑える機能も備え、スマホアプリから休止/リモート起動も行える。

 Wi-Fi 6対応で最大1.2Gbpsの高速通信を可能とし、「WPA2」との互換性を維持しながら「WPA3」にも対応。2.4GHz/5GHzの同時利用でさまざまな端末を接続でき、5GとWiMAX2+対応のアンテナを内蔵したクレードル(別売り)を装着すれば電波の弱い場所での通信もより安定するという。

 Speed Wi-Fi HOME 5G L12は工事をする必要がなく、SIMカードを挿して電源を入れればインターネットに接続可能。Wi-Fi接続はWPSをはじめ、スマホアプリ「NEC WiMAX +5G Tool」からQRコードを読み込んでも接続できる。

 Wi-Fi 6 4ストリームやビームフォーミング、バンドステアリングにも対応し、端末側の待機時電力を抑制する技術「TWT(Target Wake Time)」で端末の余分な電池消費を抑えられるようになっている。

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