週間情報通信ニュースインデックスno.1277 2021/05/22


1.NTT西日本で光回線の開通工事不能に、契約管理システムの更新でトラブル(5.21 日経XTECH)
NTT西日本の契約管理システムに障害が発生し、光回線関連の各種注文を受け付けられない状態に陥っていることが、2021年5月21日までに分かった。原因は光回線の契約管理システム更新時のトラブル。同社によると、5月21日午後6時時点で復旧の見通しは立っていない。5月21日以降に予定されていた開通工事についても実施のめどが立たなくなっている。

 影響を受けているのは、家庭向けの「フレッツ光」、法人向けの専用線サービス、同社がプロバイダーなどに卸提供している「光コラボレーション」の光回線。同社はこれらの光回線の契約を管理するシステムを更新するため、5月8日から開通工事を制限。11日以降は注文受付も停止してメンテナンス期間に入っていた。当初の予定では注文受付を17日、開通工事を21日にそれぞれ再開する予定だった。

 同社は障害の起こった契約管理システムについて「できる限り速やかに復旧させたい」(同)としている。

2.12年連続1位はあの企業、22年卒採用のIT業界就職人気ランキング一挙公開(5.21 日経XTECH)
IT大手やユーザー系企業など、知名度の高い企業が躍進した。学生に寄り添う取り組みをした企業もランキングを大きく伸ばした。「雇用を守りそう」ランキングは首位が入れ替わった。

 「楽天みん就」と日経コンピュータは、2022年4月に入社予定(22年卒採用)の学生を対象に「IT業界就職人気ランキング」調査を実施した。

 IT業務を希望する学生からの得票(志望する学生)が多い順に並べた総合ランキングを見ると、首位はNTTデータだった。調査開始以来、12年連続である。2位は楽天グループ、3位は富士通で、SCSK、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の5位までは前回調査から変動がなかった。大手に人気が集中している様子がうかがえる。

 NTTデータはIT業界に限らない全業界が対象の総合ランキングでも2位と上位に入っている。このほかにも富士通が43ポイント順位を上げて32位に、CTCは27ポイント上げて59位とランキングを伸ばすIT企業が目立った。調査を担当した楽天グループの福地茂樹みん就ビジネス課ヴァイスシニアマネージャーは「コロナ禍で様々なITサービスに触れて、異業種志望の学生がIT業界にも目を向けるようになったのではないか」との見方を示す。

3.GIGAスクール特需」で端末出荷大幅増、MS・アップル・グーグルの勝者はどこか(5.21 日経XTECH)
2021年3月末までに小中学校の児童・生徒に1人1台の学習用端末を配布するとした政府のGIGAスクール構想。ノートパソコンやタブレット端末を供給する企業は「GIGAスクール特需」に沸いた。

 2021年4月20日、電子情報技術産業協会(JEITA)は2020年度(2020年4月〜2021年3月)のノートパソコンの出荷台数が2019年度比56.1%増の1077万台になったと発表した。一方、2020年度のノートパソコンの出荷額は2019年度比13.7%増の7515億円で、1台当たりの平均価格は約6万9000円と前年度比で27%減少した。学習用端末に対する政府の補助金は1台につき4万5000円が上限。補助金の範囲内に収まる製品が売れたためだ。

 学習用端末のOSは3種類。米Google(グーグル)の「Chrome OS」、米Apple(アップル)の「iPad OS」、米Microsoft(マイクロソフト)の「Windows」である。2021年2月に発表されたMM総研の調査によると、Chrome OSのシェアが43.8%、iPad OSが28.2%、Windowsが28.1%だった。同じ調査によれば、端末メーカー別ではアップルが28.1%でトップシェアだった。

 各OSのシェアは混戦模様で、勝敗はなかなか判断しがたい。その混戦模様の中から各社の強みを生かした「新しい学び」へのアプローチの違いが読み取れる。

4.オンライン同窓会の幹事を務めて痛感、テレワークに必要なのは「カラオケ」のノリ(5.20 日経XTECH)
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、テレワークを導入した企業は多い。だが、東京都が2021年5月7日に公表した4月のテレワーク実施率調査によれば、都内企業(従業員30人以上)のテレワーク実施率は56.6%にとどまる。出社率7割減とする政府目標には達していない。

 頭打ち感が出ているテレワーク実施率をさらに向上するにはどうすればよいのか。筆者はITに詳しくない人でも手軽にオンラインコミュニケーションを実現できるツールやアプリが必要だと考えている。現在、米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズのビデオ会議ツール「Zoom」を筆頭にテレワークに活用できるアプリは多い。しかし専用のアプリをインストールしなければならず、ITに詳しくない人でもURLをクリックするだけで参加できるような手軽さはない。

 まずITに詳しくない人でも苦もなく参加できるようなサービスを見つけだし、テレワーク実施へのハードルを下げることが先決ではないだろうか。

 筆者は2021年3月末、小学校の卒業式から30年の節目を迎えるに当たって同窓会を開くことになっていた。当初はオフラインで開催する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けてオンラインで集まることにした。

 幹事は筆者を含めて2人。同窓会の開催に向けて最初に当たった壁はツールの選定だった。スマートフォンはほぼ全員が所持しているものの、ビデオ会議システムを使った経験があるとは限らない。そこで余計なアプリをインストールせず、URLをクリックするだけで参加できるような使い勝手の良いWebアプリを探すことにした。

 しかし約40人が参加できるような適当なアプリが見つからない。数個のアプリを試してみたが、人数に制限があったり、通信品質が悪かったりした。結局、手軽さを犠牲にしてアプリのインストールが必要な有料版のZoomを利用することになった。3人以上で利用する場合、無料版のZoomには40分という時間制限があったためだ。有料版を使っているクラスメートがいたのが幸いした。ちなみに今回使った有料版の料金は2200円/月である。

 2つ目の壁は使い方の徹底だった。幹事の2人は、面倒なインストール作業やID・パスワードの入力をしてまで参加してくれる人がいるのか同窓会当日まで心配だった。しかしそんな心配は杞憂(きゆう)に終わった。開始当初こそ幹事を含めて3人しか参加していなかったが、1時間もすると10人以上のクラスメートが入れ替わりで集まり、当時の担任教師も無事に参加してくれた。

 さらにうれしかったのは海外勤務の人まで参加してくれたことだ。まさか海外にいるクラスメートと会話できるとは考えていなかった。オンライン同窓会ならではのメリットだ。

 テレワークを実施するのは難しいという現場はある。半面、テレワークできるのに実施しない現場もまだあるはずだ。コストやセキュリティー面など勘案すべきことはあるだろうが、こうした現場にテレワークを浸透させるには、まず経験してもらうことが大切なのではないだろうか。

5.ドコモが固定代替サービス「home 5G」を始める狙い 他社サービスとの違いは?(5.22 ITmedia)
 コロナ禍で家中での通信環境に注目が集まる中、ドコモは5Gを使った新たなサービスの提供を開始する。「home 5G」がそれだ。同サービスは、固定回線の代替としてモバイル回線を使う仕組みで、ホームルーターの「home 5G HR01」も用意。サービス開始は8月下旬を予定する。海外では、4Gや5Gなどのモバイル回線を使ったFWA(Fixed Wireless Access)を提供するキャリアも多く、日本ではKDDIやソフトバンクがホームルーターを扱っている。

 固定回線の代替として企画したサービスのため、料金もスマートフォンやタブレットのそれとは異なる。「5Gギガホ プレミア」や「5Gギガライト」などのギガプランとセットで契約すると、主回線側に割引を受けられる点も、ドコモ光などの固定回線に近い。

 ドコモ側からは明確には語られなかったが、コロナ禍でリモートワークが急拡大した結果、個人宅の固定回線が混雑していることも、home 5Gのような代替サービスが求められている一因といえる。総務省の調査によると、第1回目の緊急事態宣言下だった2020年5月には、固定ブロードバンドのトラフィックが19Tbpsへと急増していることが分かる。回線の逼迫(ひっぱく)とは別の話だが、古いマンションのような集合住宅では、各戸への配線にVDSLを使っているため、最高速度が100Mbpsや200Mbpsに制限されるのも、固定回線の速度が上がらない原因の1つだ。

home 5G HR01は、5Gで下り最大4.2Gbps、4Gで下り最大1.7Gbpsと、理論値なら固定回線以上。無線のため、スループットはここから大きく下がる可能性はあるが、固定回線の速度低下に悩まされているユーザーが試す価値は高い。

 「ワンプライスでいきたい」(同)ということにこだわった料金は4950円(税込み、以下同)。5Gギガホ プレミアと同様、データ容量に制限はない。

 仮に住宅街をエリア化できたとしても、部屋の中に設置したホームルーターに対して、どう電波を届けていくのかが課題になりそうだ。ドコモは、現状、n79(4.5GHz)とn78(3.7GHz帯)の2つを中心にエリアを広げているが、いずれも高い周波数帯で、屋内に浸透しづらいのが難点。家の周囲まで5Gの電波が来ていても、中には届きづらいというわけだ。海外では、FWA用に屋外設置型のアンテナを用意するケースがあるが、こうした工夫も必要になってくる可能性がある。

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