1.日本企業の9割以上はDX進まず、「デジタル競争の敗者に」経産省が警鐘(12.28 日経XTECH)
経済産業省は2020年12月28日、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速に向けた研究会の中間報告書「DXレポート2(中間取りまとめ)」を公開した。国内223企業が自社のDX推進状況を自己診断した結果、2020年10月時点で9割以上が未着手や一部での実施にとどまり、DXは想定以上に進んでいないことが明らかになった。
報告書を取りまとめたのは、南山大学の青山幹雄教授が座長を務める経産省の「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会」 。2020年8〜11月にかけてベンダーやユーザー企業、大学教員などからなる委員で議論した内容になる。
経産省が2019年7月に策定した「DX推進指標」に基づき、2020年10月時点で223社が自己診断した結果を情報処理推進機構(IPA)が分析したところ、部門横断で持続的にDXに向けた取り組みを実施している企業は全体のわずか8%だった。自己診断に取り組めていない企業もあることから、同報告書では「我が国企業全体における DX推進はまだ始まったばかりの段階」としている。
経産省は2018年9月に「DXレポート」を公表、基幹系システムのブラックボックス化などの課題を指摘し、DX推進ガイドラインやDX推進指標を策定するなどして企業のDX推進を支援してきた。しかし今回の中間報告書で、2年たってもほとんどの企業でDXが進んでいない現状が浮き彫りになった。
2.モスクワに世界初のHuawei製8T8Rスマート無線局 商業運用開始(12.28 日経XTECH)
中国Huawei Technologies(ファーウェイ)は、2020年12月22日、ロシア最大手の移動通信事業者MTSと協力して、世界初とする商用8T8Rスマート無線局をモスクワに設置したと発表した(Huaweiのニュースリリース)。モスクワ市内にて、従来の4T4R環境からの置き換えを実施し、通信速度を1.9倍、ユーザー体験では2.1倍の改善を実現した。
このスマート無線局は、ソフトウエアで調整可能なアンテナ(software-defined antennas、SDAs)とFDDデュアルバンド対応8T8R RRU(リモート無線ユニット)を搭載し、Huawei独自のアルゴリズムで統合を実現する。
SDAは、4T4Rのマルチセクターと8T8Rの3セクターを柔軟に切り替え可能なソフトウエア制御アンテナをサポートすると同時に、2Gから5Gまでを、追加のアンテナなしで柔軟に共存させることができる。事業者はアンテナ交換不要、ソフトウエアのみでネットワーク容量の拡張や、5Gへのアップグレードが可能になる。
FDDデュアルバンド対応8T8R RRUは、1.8GHz帯と2.1GHz帯のFDD周波数帯に対応する。異なる無線アクセス技術や周波数帯に柔軟に対応することから、既存の基地局や周波数リソースを使った省スペース、低コストでの環境構築が可能となる。同時にユーザー体験やネットワーク容量も改善することから、運用時の電力削減にもつながる。
3.いろいろあった2020年 モバイル/PCを駆使するライターの働き方はどう変わったか?(12.31 ITmedia)
働き方改革に加えて新型コロナウイルスの影響でテレワークシフトが進んだ2020年。元々テレワークとの親和性の高いフリーライターである筆者にも、働き方に変化が生まれた。その一端を紹介したい。
2020年は国内で5G(第5世代移動通信システム)がローンチされたエポックメイキングな年であった。一方で、筆者にとっては「コロナ禍」で外出頻度が“極端に”減った1年でもあった。
企業に所属していないフリーランスのライターである筆者だが、記者会見などを現場で取材する頻度が減り、在宅勤務時間が大幅に増えた。その経験から働き方を見直すきっかけも得られた。
この記事ではそんな2020年を振り返り、筆者がモバイル/PC回りで試行錯誤した3つの事柄について、読者の皆さんと共有したいと思う。
筆者にとって、2020年はモバイル通信に“消極的”な1年だったといえる。新型コロナウイルスの感染予防を図るべく自宅にこもるようになってから、通信は自宅のWi-Fi(無線LAN)がメインとなり、月に使用する通信量は平均で1GBを下回るようになった。
仕事柄、会社に出社することもないので、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が解除された後も、基本は自宅で執筆業を営み、取材も9割以上をWeb会議ツールで済ませた。どうしても現場で実機を確認しなくてはならない取材や、機器を身に付けるなどした筆者自身が撮影されるタイアップ(広告)記事案件などでは、なるべく自動車を使って都内へと足を運んだ。
ただ、何だかんだで東京の都心部に赴いた回数は、緊急事態宣言後では10回にも満たない。下手すると週5日出向いたこともあった去年(2019年)と比べると差は歴然だ。
在宅仕事が増えたことに伴い、業務上の不便を解消すべく、ノートPCと組み合わせて使う2つの周辺機器を新たに導入した。
1つ目はワコム製のペンタブレット「Wacom Intuos」のMidiumサイズ(税込み直販価格2万1780円)を購入した。主にペーパーレスな作業環境を強化するためである。バッテリー持ちも非常によく、筆者が執筆で使っている「MacBook Pro(2018)」との連携もスムーズに行えたので、製品仕様に関しては概ね満足している。
もう1つ導入した機器は、外付けSSDである。購入時には複数の候補があったので悩んだが、結局サムスン電子の「Samsung T5」の1TBモデルを購入した。
4.政府主導で進んだ料金値下げ/静かな船出も普及の兆しを見せた5G――2020年のモバイル業界を総括(12.30 ITmedia)
2020年も、残すところあとわずか。コロナ禍で激動の1年だった2020年だが、ことモバイル業界に関しては、ネガティブな影響が少なかった。逆に、リモートワークやオンライン授業などが進んだことで、サービス、ソリューション分野の利用や売り上げは大きく伸びている。通信は、文字通りリモートでのコミュニケーションを支えるための技術。“非接触”はモバイル業界の大前提だったということが改めて浮き彫りになった。
コロナ以上にモバイル業界を振り回したのが、政府主導の「官製値下げ」だ。2020年は1年を通じて料金が話題を集めた。4月に楽天モバイルが本格参入したことに端を発し、5月にはKDDI傘下だったUQ mobileが対抗プランを用意。そのUQ mobileは、10月に入ってKDDI本体に統合された。その数週間前には、NTTがドコモの完全子会社化を発表。12月には、オンライン専用プランの「ahamo」を披露している。
振り返ってみると、2020年は、新たにサービスが始まった5G以上に、政府主導の料金値下げが取り沙汰されることが多い1年だった。9月に菅義偉新政権が誕生すると、その動きはさらに加速。料金に対して、直接的な指示とも取れる発言が増えている。20GBプランやメインブランドでの値下げといった形で、“指示”が具体化していった。一連の発言に呼応する形で、各社が20GBプランやブランド間の移行手数料の無料化を発表した。
本格参入を果たした楽天モバイルは、2980円でデータ容量無制限を打ち出した
一方で、楽天モバイルが順風満帆だったかというと、必ずしもそうではない。本格サービス開始直後には、自社ブランドを冠した主力モデルのRakuten Miniの周波数が、無断で変更されていたことが発覚。エリア展開が十分ではなく、auのローミングには1GBあたり約500円と高いコストが発生してしまうため、都市部以外への展開も限定的だった。年内の300万契約を目標に掲げていたが、11月時点での申し込み数が179万と、計画通りにユーザーの獲得が進んでいない。
こうした状況が徐々に変わり始めたのは、秋ごろのことだ。エリアに関してはKDDIやソフトバンクが、4Gの周波数の一部を5Gに転用する計画を明かし、総務省も開設計画を許可した。KDDIは12月に、3.5GHz帯での5Gを開始した他、エリアカバーがしやすい700MHz帯も5Gに転用していく。ソフトバンクも同様で、2022年3月までに人口カバー率90%を達成する計画を打ち出している。対するドコモは「瞬速5G」と銘打ち、5G用に割り当てられた新周波数での展開を強化。マクロ局などを活用することで、高速通信可能なエリアを広げていく方針を打ち出している。まだまだエリアは限定的ながら、拡大に向け、一歩前進した格好だ。
5.楽天モバイルのMNOサービス申し込み数が200万件を突破 12月30日付(12.30 ITmedia)
楽天モバイルは12月30日、同社の携帯キャリア(MNO)サービスの累計申し込み数が同日付で200万件と突破したことを発表した。
同社のMNOサービスは、6月30日付で累計申し込み数が100万件を突破している。ちょうど半年で、100万件の申し込みを受けたことになる。
同社によると、MNOサービス用の料金料金プラン「Rakuten UN-LIMIT」がユーザーから好評を集めたことと、同プランの料金を据え置いたまま5G(第5世代移動通信システム)に対応した「Rakuten UN-LIMIT V」の提供を開始したことなど、利便性向上を図ってきたことが奏功して、200万件を突破したという。ただし、この数値はあくまでも「累計申し込み数」であり、実際の「契約者数」ではない。
今後同社は、自社の特徴である完全に仮想化された「クラウドネイティブモバイルネットワーク」を活用し、全国での積極的なエリア拡大や多様な製品展開、「楽天エコシステム」「楽天ポイント」など楽天グループのアセットを活用したサービス拡充に務めていくという。
Rakuten UN-LIMIT Vは300万人限定で1年間無料で利用できるが、無料期間終了後も大手キャリアの主力プランよりも安価であることをアピールしている
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