週間情報通信ニュースインデックスno.1223 2020/5/9


1.NEC過去最高の純利益1千億円 20年3月期、IT投資が堅調(5.84 日経XTECH)
 NECは8日、2020年3月期の連結売上高が従来予想より1400億円多い3兆900億円に、純利益は350億円多い1千億円になる見通しと発表した。企業などのIT投資が堅調に推移したことが寄与し、純利益は過去最高となる。

 20年3月期連結決算は12日に発表する。日本マイクロソフトが1月に基本ソフト(OS)「ウィンドウズ7」のサポートを終了し、パソコンの更新需要が増加したことも業績を押し上げた。新型コロナウイルス感染拡大の影響は「(20年3月期に関しては)一部にとどまった」としている。

2.名刺アプリEightに「QR名刺交換」機能追加、オンライン会議背景で名刺交換(5.7 日経XTECH)
Sansanは2020年5月7日、同社が提供する名刺管理アプリ「Eight(エイト)」に新機能「QR名刺交換」を追加したと発表した。自分の名刺情報からQRコードを生成し、オンライン会議などの画面を介して相手のスマートフォンで名刺情報を取り込める。

 新型コロナウイルス感染症の影響で、対面の会議やセミナーの代わりにオンライン会議ツールを使う機会が増えているのに対応した。オンライン会議に同席した人同士で紙の名刺をやり取りせずに連絡先を交換するような使い方を想定する。

 QRコードを生成するには、パソコン版EightのWebサイトにログインし、「オンライン名刺交換」をクリックする。すると自分の名刺情報に対応したQRコードが生成される。これをオンライン会議用のバーチャル背景などに組み込んでおく。QRコードは名刺情報を格納したEightのWebサイトへのリンクとなっており、会議の参加者はそれぞれ自身のスマートフォンのQRコードリーダーアプリで画面上のQRコードを読み取って、相手の名刺情報を取得できる。

 QR名刺交換機能で名刺のQRコード情報を生成する人はEightの無料ユーザー登録が必要。QRコードの読み取りはEightユーザー以外も可能だ。2020年5月31日までの期間限定で、QR名刺交換機能で相手に名刺情報を渡したユーザー全員に有料サービス「Eightプレミアム」の1年間無料クーポン(4800円相当)をプレゼントするキャンペーンも実施する。

3.スーパーや薬局の3密を事前確認、unerryが「お買物混雑マップ」公開(5.7 日経XTECH)
リアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」を運営するunerryは2020年5月7日、店舗やその周辺の混雑具合を可視化するサイト「お買物混雑マップ Powered by Beacon Bank」を公開した。全国2万8000のスーパーやドラッグストアについて直近の混雑具合が調べられるため、新型コロナウイルスに感染しがちな場に共通する「3密(密閉、密集、密接)」を避けるのに役立つ。

 お買物混雑マップの使い方は、まず検索窓に店舗名や住所の一部を入力する。候補となる店舗名が複数示される。行きたい店舗を選んでクリックすると、画面の左右に2つの情報が表示される。1つは地図で、調べたい店舗や周辺店舗は地図上に、「閑散」「混雑」など現在の混雑具合を推定したアイコンで示される。現在の混雑具合は直近の約1時間前のデータから算出している。

 もう1つの情報は、対象とした店舗の過去1週間の混雑具合を午前8時〜午後11時まで1時間ごとに色分けしたものだ。「近所のスーパーに行く前にチェックすることに加え、過去1週間の実績から昼間は意外と人が少ないと気づくなど、すいている時間に出かける目星を付けられる」(unerry)という。

 混雑予測のデータは、スマートフォンのGPS(全地球測位システム)データを元に個人を特定しない形で処理した上で解析している。店舗が混雑しているかどうかは直近4週間で1番人が多かった時間帯を基準とし、算出している。データは自社サイトで公開するほか、グノシーなど他社のネットサービスにも提供する予定である。

4.「自動化」で1億6000万ユーザーのセキュリティーを守る、LINEの飽くなき挑戦(5.7 日経XTECH)
LINEが4年越しでセキュリティー業務の自動化に注力している。脆弱性の管理やスパムの削除などを自動化する仕組みを自社開発した。技術者の挑戦を尊重する「攻め」の施策で1.6億ユーザーを守る。

 デジタルトランスフォーメーションの取り組みで次々と新サービスを打ち出すなか、そのセキュリティーをどう維持していくかは多くの企業に共通する悩みである。

 少ない人数で大量のサービスを守るためLINEが2016年以降、特に力を入れる取り組みの1つが「自動化」である。セキュリティー維持に関する多種多様な業務を分析し、可能な限り自動化することで、少人数でも多数のサービスのセキュリティーを担保できる体制を整えている。

 2019年には新しい自動化の仕組みを加えた。メッセージアプリの「LINE」のユーザーからは多いときで1日数十万のスパムメッセージの通報が寄せられるという。そのフィルタリングを自動化する仕組みだ。

 「LINE」に届くスパムは一般的なスパムフィルター製品では対応できないケースが多いという。悪意のある者はそのとき話題になっているキーワードを盛り込むため、「昨日のスパムフィルターが今日には使えない」(サイバーセキュリティ室Infra Protectionチームの上原大輝氏)からだ。

 スパム対応の手間の多さに手を焼いていたLINEは2019年に自社で機械学習を使った独自スパムフィルターを開発した。マルウエア対策ソフトなどで採用されている、「特徴」を抽出するアルゴリズムを参考に開発したという。

 具体的にはメッセージの特徴を分析し、一定時間内に受け取った中から類似性の高いメッセージを分類する。次に同じ類似性を持つメッセージを受け取ったら「スパム」と判定して、ユーザーが受け取る前に自動的に削除する。「朝発生したスパムはその日の夕方か次の日の朝までにはブロックできる」(サイバーセキュリティ室の市原尚久室長)という。

5.新型コロナで運動不足、iPhoneのヘルスケアアプリで体調管理する方法(5.7 日経XTECH)
新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛の影響で運動不足を実感している人も多いのではないだろうか。iPhoneにはユーザーの健康に関する情報を集約する「ヘルスケア」アプリがある。日々のユーザーの活動を記録し、様々な観点で視覚化してくれる。

 iPhoneには歩数や歩行距離といった「アクティビティ」などの健康に関する情報が記録される。ヘルスケアはそうした情報を読み出して視覚化するアプリだ。「Apple Watch」に代表される活動量計、対応する体重計・体組成計などから得られた情報を連携して表示することもできる。

 アプリを初めて起動するときは、概要画面にほとんど情報はなく、ヘルスケアアプリの解説が表示されているだけと筆者は記憶しているが、全て一読することをお勧めする。ヘルスケアアプリで可視化される情報の意味や記録する意図を知ることで、それらを意識して生活できるからだ。

 ブラウズ画面ではヘルスケアアプリに記録される全ての情報をカテゴリーごとに確認できる。カテゴリーは「アクティビティ」「バイタル」「マインドフルネス」「栄養」「呼吸」「周期記録」「心臓」「身体測定値」「睡眠」「聴覚」「その他のデータ」の11種類。このうち、周期記録と聴覚はiOS 13で新たに追加された項目だ。

 アクティビティはその日の現在までに歩いた歩数や距離、登った階段の段数などが記録されている。iPhoneを衣服のポケットやバッグの中に入れていても、記録される情報は意外に正確だ。

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