1.IoTやV2X、鉄道用移動通信の5G版、3GPPがWebセミナー形式で公開(5.1 日経XTECH)
移動通信の標準化団体3GPP(Third Generation Partnership Project)は2020年4月21日、第87回全体会議の成果を3本のWebセミナー形式で公開したと発表した。
このうちTSG CTでは、次回第88回全体会議(2020年6月開催予定)でのリリース16仕様標準化完了に向け、次のような検討がなされている。
1つは、コントロールプレーン(通信制御信号)の機能強化による、ユーザープレーン(データ送受信用信号)とのさらなる機能分離の実現。サービスベースのアーキテクチャーに向けて、従来の各ノード間通信を個別に管理する手法から、制御側のどの機能からでも、誰がどのようなサービスを提供しているかを認識できる手法に置き換える。これにより仮想化、クラウド化しやすいネットワーク構造となり、柔軟性の高いサービスや新しい機能の導入が可能になる。
このほか、リリース16のステージ3(プロトコル仕様)として、下記のようなさまざまな分野のサポートに向けた検討が進んでいる。
ネットワーク運用管理自動化支援
時間的制約の厳しい通信への対応
サービス支援アーキテクチャー層の共通機能検討
5Gシステム向けセルラーIoT機能の検討
5G上で動作するさらに高度なV2Xサービスへの支援
ミッションクリティカルなサービスに向けたプロトコル検討
災害や公共安全などに関する警告システムに向けたプロトコル検討
鉄道用移動通信システムに向けたプロトコル検討
2.グーグルがWeb会議「Google Meet」を個人に無料提供、「セキュリティーに優位性」(4.30 日経XTECH)
グーグル日本法人は2020年4月30日、Web会議サービス「Google Meet」の説明会を開き、個人ユーザー向けに無料提供する背景や、G Suiteの新しい料金プラン「G Suite Essentials」について説明した。
説明会はGoogle MeetのWeb会議機能を利用して開かれ、グーグルの小林直史Google Cloud G Suite スペシャリストが登壇した。
グーグルは個人向けのWeb会議サービスとして、以前から「Hangouts」や「Duo」を提供している。これらに加え、企業向けのWeb会議サービスとして2018年に「Google Meet」の提供を開始。これを2020年5月上旬から、個人ユーザー向けにも無料で順次展開することを発表した。
グーグルは社内業務でもWeb会議サービスを活用しており、「世界の50以上のオフィスで10万人以上の社員が利用している。Web会議がグローバルな成長を支えてきた」(小林氏)と語った。
新たに提供する個人ユーザー向けの無料プランは、企業向けと同じインフラを使用。会議の参加人数は最大100人、会議の時間制限は60分だが、2020年9月30日までは最大24時間利用できる。
Google Meetの利用者数は急激に伸びているという。毎日300万人のペースでユーザーが増加し、1日あたりのWeb会議の利用者数は1億人超、総利用時間は1日30億分以上とする。
一方、通信量の増加はグーグルの想定する範囲にとどまっており、「利用率がかつてなく上がっている中で、大切なコンプライアンスやプライバシーを維持しながらサーバーやネットワークの資源を拡張できている」(小林氏)と強調した。
Google Meetの優位性について小林氏はセキュリティーを挙げた。具体的には、音声や動画の暗号化にSecure Real-time Transport Protocol(SRTP)を採用していること、Googleドライブに保存される録画ファイルを暗号化していることで、悪意ある第三者による乗っ取りなどを防止しているという。
3.IT業界で広がるコロナ手当、SCSKは全社員に3万円支給へ(4.30 日経XTECH)
SCSKは2020年4月28日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、社員など約1万8000人に一律3万円の支援金を支給することを明らかにした。海外拠点やグループ会社に勤める社員、契約社員やシニア社員にも支給する。使用用途に制限はない。
支援金は「特別支援一時金」という名称。自宅などのテレワーク環境下で仕事を続けたり、感染リスクのあるなか出社したりしている社員に報いる狙いだ。加えて、光熱費などテレワークにかかる費用を負担する意味もある。社員には4月20日までに支給を通知しており、同年5月中旬の支給を目指す。
IT業界では新型コロナ対策で企業が従業員に支援金を支給する動きが広がっている。4月15日にはさくらインターネットが月額3000円の「通信手当」や出社を余儀なくされる社員に対する日額5000円の「緊急出勤手当」などを支給すると発表したほか、LINEは月額5000円、メルカリは半年分で6万円の支給をそれぞれ発表している。
4.米マイクロソフトの2020年1〜3月期は22%増益、新型コロナでクラウド急伸(4.29 日経XTECH)
米マイクロソフトは2020年4月29日(現地時間)、2020年1〜3月期決算を発表した。純利益は前年同期比22%増の107億5200万ドル(約1兆1460億円)で、1〜3月期として過去最高だった。売上高は同15%増の350億2100万ドル。
新型コロナウイルス感染症の影響で在宅勤務・学習が広がり、ビジネスチャット・Web会議サービスのTeamsを含むMicrosoft 365(旧称Office 365)やAzureなどのクラウドの利用が伸びた。法人向けクラウド関連事業(Commercial cloud)の売上高は133億ドルと、前年同期比39%増になった。
一方で、自社製パソコンSurfaceや他社製パソコン向けのWindows販売においては、在宅勤務・学習のため需要が伸びた半面で、新型コロナの影響により中国などで製品供給上の制約が生じた。広告主が経費を抑制しようとしたために検索連動型広告も伸び悩んだ。このため、パーソナルコンピューティング事業(More Personal Computing)の売上高は前年同期比3%増の110億ドルにとどまった。
5.IT業界就職人気ランキング一挙公開、トヨタ系とソニー系が躍進(4.28 日経XTECH)
NTTデータが全業界総合で首位、トヨタシステムズなどユーザー系IT企業も躍進――。恒例のIT業界就職人気ランキングをひもときつつ、順位を上げた企業の工夫を見ていこう。
楽天が運営する口コミ就職情報サイト「楽天みん就」と日経コンピュータは、2021年4月に入社予定の学生を対象に「IT業界就職人気ランキング」調査を実施した。2010年に調査を始め、今回で11回目。調査期間は2019年9月20日から2020年3月18日まで。終盤は新型コロナウイルスが国内で猛威を振るい始めた時期に重なる。
まず学生からの得票(志望する学生)が多い順にIT企業を並べた総合ランキングをみると、首位はNTTデータだった。調査開始以来、11年連続である。2位は楽天、3位は富士通で、それぞれ前回調査から変動はなかった。前回5位だったSCSKが4位、同7位だった伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が5位に入った。
実はNTTデータはIT業界に限らず、全業界が対象の総合ランキングでも、味の素や伊藤忠商事、花王などを抑えて、IT企業として初めて首位に立った。調査を実施した楽天の福地茂樹みん就ビジネス課ヴァイスシニアマネージャーは「IT業界の認知度が高まってきた証拠だ」と解説する。これまで多数の学生を採用してきた銀行がデジタル変革など事業環境の変化を踏まえて採用数を絞り込み、IT業界が受け皿になった側面もありそうだ。
ホームページへ