週間情報通信ニュースインデックスno.1206 2019/12/28


1.IPv4アドレス、欧州で完全枯渇 日本も「3年後」に迫る(12.26 日経XTECH)
 32ビットのIPアドレスであるIPv4アドレスの枯渇が最終段階を迎えている。欧州のIPアドレス割り振り機関は2019年11月25日に完全に枯渇したと発表。日本も在庫が尽きつつあり、2022年には新たな割り振りはできなくなりそうだ。

2.MRJ開発遅延の真相、知見不足で8年を浪費 直面した900件以上の設計変更(12.26 日経XTECH)
 「我々のノウハウは、ノウハウではなかった」──。開発が大幅に遅れている三菱航空機(本社愛知県・豊山町)の小型ジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」。開発遅延の理由は、同社社員のこの一言に凝縮されている。

 三菱航空機は2008年にMRJの開発を開始し、当初設定した納入時期は2013年だった。その後、5度の延期を繰り返し、現在は2020年半ばの納入を予定している。ところが、機体の安全性を国(国土交通省航空局)が証明する「型式証明(TC)」の取得に使う試験機(10号機)の開発が遅れており、「2020年半ばの納入は絶望的」との声が一部で上がる厳しい状況にある。三菱航空機代表取締役社長の水谷久和氏は「進捗状況を見極めており、スケジュールを精査している」と、6度目の納入延期の可能性について言葉を濁す。

 実は、MRJは開発開始から8年目の2016年に大規模な設計変更の必要性に迫られていた。5度目の納入延期を決断した時のことだ。型式証明の取得経験を持つ海外の専門家から「このままでは型式証明を取れない」との指摘を受け、機体のシステムや部品、機能について見直した結果、900件以上の設計変更を余儀なくされたのだ。三菱航空機はこれらの設計変更に2017〜19年の3年を費やしている。

 つまり、三菱航空機の設計は型式証明を取得できないものだったのだ。それだけではない。海外の専門家は三菱航空機のそれまでの仕事の進め方をことごとく否定した。製品が市場の要求に最適化されていない。オペレーションについては非効率な業務やプロセス、働き方になっている。さらに、組織は全体的に経験不足であり、中でも重要な役割を担うべき全機統合分野でそれが目立つ──と。製品とオペレーション、組織の全てにおいて三菱航空機はダメ出しを食らったのである。

 三菱グループでは、三菱航空機の親会社である三菱重工業が米ボーイング(The Boeing Company)向けに翼や胴といったジェット機の重要部品を長年造ってきた。にもかかわらず、開発に着手してから8年もたってこれほどまでの大規模な設計変更を要求されたのだ。一体、三菱航空機は何をしていたのだろうか。

 

3.店頭でのデジタルサイネージ活用を支援、博報堂らがワンストップサービス(12.26 日経XTECH)
 博報堂と博報堂プロダクツ、ピーディーシーの3社は2019年12月26日、GMS(総合スーパー)やドラッグストアなどの店頭におけるデジタルサイネージ活用を支援するサービス「売場サイネージソリューション」の提供を始めたと発表した。

 近年、売り場でデジタルサイネージの導入は一般化しつつあるが、「サイネージに掲出している映像コンテンツと売り場商品が合っていない」「長期間同じコンテンツが掲出されている」「掲出コンテンツの売上効果を計測できない」など、販売促進に効果的な運用ができていないケースがある。3社が提供する「売場サイネージソリューション」は、ハードやシステムの導入コンサルティングから、戦略設計、実施・運用、検証までワンストップで対応し、デジタルサイネージのマーケティング活用を支援する。

 博報堂は、Path to Purchase(P2P)マーケティング(「購買動線上のメディア」と「オンラインやオフラインを統合したデータ」を活用し、購買動線上のタッチポイント最適化を行うマーケティング)の企画立案を担う。博報堂プロダクツは店頭における販売促進の知見や実績を踏まえ、店頭のデジタルサイネージ向けのコンテンツ制作や販売結果に基づく効果測定などを実施する。さらにピーディーシーのハード面およびシステム面でのデジタルサイネージ導入力・運用力を掛け合わせ、来店客の店頭での買い物行動を促す、最適なデジタルサイネージを提供するとしている。

 

4.[ネットワーク]年間記事ランキング、NTTの「6G」向け通信技術が首位に(12.26 日経XTECH)
 2019年に最も読まれた記事は、NTTが5月に発表した「6G(第6世代移動通信システム)」向け通信技術を解説した「NTTが『6G』向け通信技術を開発、5G超え『シャノン限界』まで高速化」だ。5Gの商用サービス開始を翌年に控えた状況で、いち早く次世代の姿を知っておきたい読者の心をつかんだようだ。

 2位には、欧州でIPv4アドレスが完全枯渇したことを伝えた「欧州のIPv4アドレスがついに完全枯渇、6億個弱を使い切った」が入った。数年前から世界の多くの地域で完全枯渇が秒読みといわれていたが、その1番手が欧州になった。3位と4位に、「日本最古の公開NTPサービスが廃止へ、世界中からアクセスが殺到した深いワケ」、「Perfumeファン1万2000人のスマホ、Wi-Fi同時接続できたか?」が続いた。

 5位以降では、ネットワークトラブルに関連する記事が多かった。19年はクラウドやプロバイダーといった企業ネットワークに不可欠なサービスがダウンする障害が相次いだ。

ネットワークのアクセスランキング
期間:2019年1月1日〜12月20日
順位 タイトル
1位 NTTが「6G」向け通信技術を開発、5G超え「シャノン限界」まで高速化
2位 欧州のIPv4アドレスがついに完全枯渇、6億個弱を使い切った
3位 日本最古の公開NTPサービスが廃止へ、世界中からアクセスが殺到した深い ワケ
4位 Perfumeファン1万2000人のスマホ、Wi-Fi同時接続できたか?
5位 NTTコムの「OCN」が輻輳状態、Windows Updateが原因か
6位 AWSに大規模障害が発生 東京リージョンのEC2とRDSで
7位 薬局のネットワークで障害発生、原因は「知識が乏しい担当者」の信じられない行動
8位 3週間以上も通信障害が解消しないプロバイダー、ユーザーの不満爆発
9位 電波は正常なのに無線LANにつながらない、原因は全く無関係の箇所に
10位 売れ筋ファイアウオール製品に深刻な脆弱性、国内だけで1000台超が危ない状態

 

5.住商、IIJ、ケーブル5社などがローカル5Gで新会社、無線コア網など展開(12.24 日経XTECH)
 住友商事、インターネットイニシアティブ(IIJ)およびケーブルテレビ5社、地域ワイヤレスジャパン(RWJ)は2019年12月24日、ローカル5Gの活用を目的とした無線プラットフォーム事業展開のための新会社グレープ・ワンを立ち上げたと発表した。

 ケーブルテレビ5社は、ZTV、愛媛CATV、秋田ケーブルテレビ、ケーブルテレビ、多摩ケーブルネットワークの各社。RWJは、ケーブルテレビ業界の無線事業推進会社として活動しており、50を超えるケーブルテレビ事業者が出資している。グレープ・ワンは、日本ケーブルテレビ連盟と連携し、2020年3月以降にケーブルテレビ事業者向けの各種サービスを提供開始する。

 グレープ・ワンは、ケーブルテレビ業界向けに、無線サービスにおける基幹システムとなる無線コアネットワークを構築し、回線サービスを提供する。また、基地局や端末の販売・運用・保守などを組み合わせて総合的にサービスを提供することで、ケーブルテレビ事業者の設備投資や運用面での負担軽減を図る。将来的には、ケーブルテレビ業界以外の企業や自治体向けにサービス拡大を目指す。

 グレープ・ワンに出資する住友商事、IIJ、ケーブルテレビ各社、RWJは、グレープ・ワンを介した無線プラットフォーム事業の展開を通じて、ローカル5Gの普及・拡大や、ローカル5Gを活用した地域課題の解決および地域創生への貢献に取り組む。

     ホームページへ