週間情報通信ニュースインデックスno.1198 2019/10/19


1.“瞬間移動”を来春にも提供開始、ANAホールディングス(10.16 ITmedia)
 アバターを介してエベレストや南極、宇宙など幅広い旅行体験を将来的に実現させる考えだ。

 全日本空輸を傘下に持つANAホールディングス(HD)は15日、自分の分身(アバター)となるロボットを開発して“瞬間移動”のサービスを提供する方針を表明した。人間の代わりに見たり聞いたりできる機能を備えたアバターを、来夏までに自治体や研究機関、携帯大手3社などと協力して全世界に1千体普及させる。アバターを介してエベレストや南極、宇宙など幅広い旅行体験を将来的に実現させる考えだ。

 「ANAHDは瞬間移動を提供する。南米アマゾン、エベレストで音を聞き、風を感じたり、月の上を歩くのは可能か。答えはイエスだ」−。片野坂真哉社長は15日、同社にとって初出展となる最新家電・ITの展示会「CEATEC(シーテック)2019」の講演でこう強調した。

 ANAHDが提供する瞬間移動の核となるのは、アバターと呼ばれるロボットだ。同日発表したアバター「newme(ニューミー=新しい私)」は、タブレット端末という「目」と「耳」、移動する車輪という「足」を備える。人間が遠隔地からタブレットやスマートフォンを通じてニューミーを動かすことで、ニューミーの見たり聞いたりしたことを疑似体験する仮想移動が、ANAHDの瞬間移動の仕組みだ。

 来年4月には、水族館やショッピングセンターなど各地に配備されたアバターを遠隔地から利用することで、瞬間移動を体験できるようになる見通しだ。

2.ドコモが5Gで狙う「スマート工場」、ロボットや製造設備を丸ごと無線制御(10.18 日経XTECH)
 通信各社が5G(第5世代移動通信システム)商用サービスで消費者向けと並ぶ柱にすることを目指しているのが業務向けの領域である。NTTドコモは2019年9月18日のプレサービス発表会において、工場内の機械の遠隔制御や設備保守、警備などの用途で複数の活用事例をデモ展示した。

 一般に工場内にロボットアームを設置する場合、制御信号が確実に伝わらないと誤動作などのトラブルにつながる。そのため、これまでは有線LANで接続することが多かった。しかし有線LANは配線がネックになり製造ラインのレイアウトを機動的に変更しづらくなる課題があった。工場内に5Gのアンテナを設置することによって、高速・低遅延で信頼性の高い通信回線をワイヤレスで構築できるとする。

 オムロンとフィンランドのノキアグループの2社と組み、工場内で部品や仕掛品の輸送に使う搬送ロボットの遠隔制御に5Gを用いる実験を2019年末までに始める。現行の搬送ロボットで使う無線LANを5Gに替えると、混信のような問題を起こさず搬送ロボットの台数を増やせると見込んでいる。

3.4G用の周波数は準備必要、ひそかに盛り上がる「ローカル5G」の不思議(10.18 日経XTECH)
携帯大手のサービスより先に利用可能となる企業向けの5Gプライベートネットワーク「ローカル5G」。2019年12月に制度化を控えるが、企業が問題なく導入して使える“実用レベル”に至るには、クリアしなくてはならない多くの課題がある。

 ローカル5Gに割り当てられる周波数帯のうち、屋内外で使えることが確定しているのは28.2G〜28.3GHzの100MHz幅である。残りの1GHz幅は未定で、屋内限定になる可能性がある。屋内外で使えることが確実な周波数は少なく、ローカル5Gを農地や工事現場といった屋外で使う想定なら注意が必要だろう。

 4.6G〜4.8GHzと28.3G〜29.1GHzには別の用途で使用している企業、組織が既に存在する。このため、ローカル5Gは共用条件を設けたうえで割り当てる。

 米国や韓国など日本に先駆けてサービスが始まった地域もあるが、5Gはまだ初期段階。端末などの機器は4Gに比べると少なく、ネットワーク構成によってはさらに選択肢が限られる。

 5Gには2種類の構成がある。4Gと5Gを組み合わせたNSA(Non Stand-Alone)と5Gだけで構成するSA(Stand-Alone)だ。携帯電話事業者は既に4Gのサービスを提供している。よって4Gから5G NSA、5G SAと段階的に移行していくのが自然な流れとなる。早期に5Gサービスを始めている携帯電話事業者は基本的にNSAでネットワークを構成している。

 一方、ローカル5Gを今後導入しようと考えている企業は、4Gネットワークを保有していないので5G単独で使うSAのほうが理想的だ。4Gネットワークを構築する手間を省けて、論理的にはコストも抑えられるからである。

 しかし現状では、5Gの標準仕様がまだ追い付いていない。業界団体の3GPPが策定している仕様は現在「リリース15」で、バージョンアップが続いている。構成に関してはNSAが先行して盛り込まれた。

 仕様が完成しておらず実装例も少ない現在は、NSAが現実解と言える。総務省の説明資料でも、2020年以降にSA構成が可能になる見込みとなっている。企業にとっては「制度ができてローカル5Gを導入可能になったが、仕様と製品が整備されていない」というのが実情だ。

 5Gの特徴である「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」のうち、先行して仕様に盛り込まれたのは超高速である。だが企業においては、超高速はもちろんだが、超低遅延と多数同時接続が一般消費者以上に重視される。ここでもギャップが生じている。

4.ローカル5Gで対照的な提案、京セラはいきなり5G単独、富士通はLTEと併用(10.16 日経XTECH)
 「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、幕張メッセ)では、いわゆる「ローカル5G」について京セラと富士通がそれぞれ提案していた。ローカル5Gは、通信事業者やユーザー企業が限られたエリア内で構築・運用する自営の5G(第5世代移動通信システム)ネットワークである。工場や建設現場、イベント会場などで手軽に5Gを利用する手段として注目されている。ただし、京セラと富士通のアプローチは対照的だった。

 京セラは、ローカル5G向けの基地局(RU:Radio Unit)を出展した。日本でローカル5Gに割り当てられるとみられる4.5GHz帯に対応しており、外形寸法は幅200×高さ250×奥行き100mmである。ネットワークを仮想的に分割する「ネットワークスライシング」など5Gならではの機能にも対応を予定している。最大の特徴は「スタンドアローン(SA)」、すなわち5G単独での運用を想定していることだ。

 そもそも5Gには、5G単独で運用するSAと、LTEと連携するノンスタンドアローン(NSA)の2種類がある。現在、全世界で始まりつつあるモバイル向けの5Gサービスは、既存のLTEインフラを活用するためにNSAを採用しているものが多い。

 しかし、ローカル5Gの用途として想定されている工場や建設現場などにLTEインフラはほとんど存在しないだろう。そのため、ローカル5GでNSAを採用する必然性はなく、いきなりSAでよいのではないかというのが京セラの見立てだ。「いずれ使わなくなるLTEインフラをあえて導入したいユーザーはいないのではないか」(同社の説明員)。

 京セラは、RUだけではなく、ローカル5GのコアネットワークやCU(Central Unit)、DU(Distributed Unit)を含めたネットワーク全体の構築・運用を手掛けていく方針である。今後、2020年度中に実証試験を実施し、翌2021年度の商用化を目指す。実証試験については、自社工場の他に他社での実施も検討しているという。

5.グーグルが「Pixel 4」を国内発表、おサイフケータイやeSIMに対応(10.16 日経XTECH)
 グーグルは2019年10月16日、都内で新製品発表会を開き、Androidスマートフォン「Google Pixel 4」や、Nestブランドのスマートデバイスの新製品を発表した。いずれもグローバルで10月15日に発表した新製品の国内向けモデルだ。

 発表会にはGoogleハードウェア事業 パートナーシップ ビジネス統括の織井賢氏が登壇した。ハードウエア事業について、「世界中の情報を整理し、アクセスしやすくするのがグーグルの使命だ。スマホ中心ではなくヒトを中心に、意識することなく使える『Ambient Computing』により、ハードとソフト、それらを包み込むAIを統合していく」と紹介した。

 スマートフォンの新製品については、Google Pixel製品事業統括の埜々内ルイ氏が紹介した。披露したのは「Google Pixel 4」と「Google Pixel 4 XL」である。

 本体背面には1600万画素と1200万画素のデュアルカメラを搭載した。Pixel 3が搭載した「夜景モード」を強化し、「コンピューテーショナル・フォトグラフィーにより、条件次第では夜の星空を美しく撮影できる」(埜々内氏)という。

 「デュアル露出補正」は、逆光下での撮影などで前景と背景のどちらを強調するか、撮影前に調節できる。望遠でシャープに撮れる「超解像ズーム」も前モデルから進化したという。

 クラウドではなく端末上でより多くのことができるようになる新しいGoogleアシスタントについても、日本では2020年春に提供予定とした。米国向けに発表した音声レコーダーの文字起こし機能は、「日本でのリリースタイミングは未定だが、日本語対応に向けて取り組んでいる」(埜々内氏)とした。

 Googleストアによる直販のほか、国内キャリアはソフトバンクが発売する。10月16日より予約受付を開始し、10月24日に発売する。Googleストアでの価格はPixel 4の64GB版が8万9980円(税込、以下同じ)、128GB版が10万3950円、Pixel 4 XLの64GB版が11万6600円、128GB版が12万8700円。

 Google Home Miniの後継となる小型スマートスピーカーの「Google Nest Mini」を発表した。スピーカーの音質を高めたほか、リサイクル素材を採用したのが特徴。価格は6050円(税込み)で11月22日に発売する。

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