週間情報通信ニュースインデックスno.1195 2019/09/21


1.自律移動の警備ロボット 「SEQSENSE」(シークセンス)SQ-2、実証実験と管理操作画面を三菱地所が公開(2.4)
 三菱地所は丸の内エリアにおいて「ロボットを活用した豊かな街づくりに向けた取り組み」を積極的に推進している。少子高齢化が進む将来に向けて、ビルメンテナンス、掃除、警備、運搬などの業務における深刻な人手不足をロボットによる自動化で解決をはかりたい考えだ。

 同社は1月22日に本社のある大手町パークビルにおいて、実証実験中の様々なロボットを報道陣に公開した。その中のひとつが警備用の自律移動型ロボット「SQ-2」だ。ロボット開発のスタートアップで明治大学の黒田洋司教授らが設立した企業SEQSENSE(シークセンス: CEOは中村壮一郎氏)社が現在開発しているロボットで、まだ未発売、未導入のものだ。三菱地所は2018年6月にSEQSENSEに対して5億円を出資した。このロボットをどのように使うのか、どんな機能があるのかが徐々に明らかになってきた。

 公開の実証実験では、警備を想定して「SQ-2」が実際に本社ビルを巡回していた。三菱地所とSEQSENSEはこの知見を元に開発を進めている。また、実証実験の公開にあたり、会議室に見立ての防災警備センターを設置し、そこから巡回警備の遠隔操作をする様子も公開した。

警備員は一日に15〜20kmの距離を歩いて巡回するケースもあると言う。将来的には複数台の「SQ-2」が巡回し、防災センターでチェックすることで効率化や、自動化による省人化に繋げる考えだ。

「SQ-2」は、移動については基本的には自律的に行うことができる。主に予め決められた巡回ポイントを設定しておくと、ロボットが最適なルートを算定し、そのポイントを自律的に巡りながら確認を行っていく。「SQ-2」にはLiDARやセンサー、ソナー、そしてカメラ等が搭載され、自律移動中は周囲の人や障害物を検知してぶつからないように動く。

 

2.やっぱり不人気?Apple銀座に150人行列も新型iPhoneへの熱気感じられず(9.20 日経XTECH)
   日経 xTECH編集部員たちは普段とは違う、不穏な空気に包まれていた。それは2019年9月13日の21時、つまり米アップル(Apple)の新型iPhone予約受け付け開始のタイミングだった。

 例年は日本時間の16時予約開始だったが、今回は日本時間での21時開始。筆者はとある勉強会取材の真っ最中だった。インタビューを無事終え、ホッとした気持ちで帰りの電車に乗り込む。――「そうだ!予約する日だった」何たることか、取材にすっかり気を取られて予約を忘れていたのだ。時計は21時23分を指していた。車内で立ちながらiPhoneを取り出し、大慌てでApple Storeアプリを立ち上げて自分に割り当てられた「iPhone 11」を予約する。

 これまでの新型iPhone調達で、クジ運の悪い筆者はApple Storeへの接続で待たされ、結局発売初日には購入できないという状況に陥るのが常だった。昨年は手元のiPhoneとAndroid端末を使ってアップルと通信キャリアのオンラインストア両方での予約を試みたが成功せず、通信キャリアの店舗に並んでようやく予約できたという状況だった。ところが、今年はすんなりとサイトにつながり、あれよあれよという間に端末が手配されていくではないか。受け取り場所として編集部の定番、「Apple 銀座」を指定すると、特別営業時間の8時〜8時30分受け取りも指定可能な状態だった。

 実は編集部内では「今回は担当者1人だけで3機種とも購入できるのではないか」とささやかれていた。日ごろの取材の結果なのか、編集部に何人か存在するアップル愛好家の勘なのかは不明だが、とにかく複数人がそう予想し、実際に予約を試みた編集部員全員が予約に成功した。もちろん初回生産台数などの兼ね合いもあるが、入手できてラッキーという半面、「今年のiPhoneはやはり不人気なのでは?」と思わざるを得ない。

 そして迎えた2019年9月20日、筆者はApple 銀座に向かった。受け取り時間は10時30分〜11時だ。9月10日の発表と同時に予約が開始された「Apple Watch Series 5」について、筆者の予約が遅かったのかその時間帯にしか受け取り指定ができず、それに合わせたためだ。1時間ほど前の9時30分頃に店舗付近を訪れると、今年もずらりと並ぶ行列が見えた。ざっと数えると150人ほどの人が並んでおり、行列は銀座三丁目にあるApple 銀座の前から「ショーメ 銀座本店」や「ヴァン クリーフ&アーペル 銀座本店」、「シャネル 銀座」といった高級ブランド店の前を通り、銀座二丁目の交差点を超えて「カルティエ銀座ブティック」の前まで伸びていた。

 まだ受け取りまでは時間がある。時間をつぶそうと、近くのファストフード店を探して入った。注文の列に並ぶと、すぐ脇の席にはiPhone3台分の箱を抱えつつ朝食セットを食べながら一心不乱にiPhoneに向かって文字を打ち込む女性がいた。箱に描かれているのは、あの特徴的な三眼の背面。ガジェット系のライターさんなのだろうかと、つい思ってしまう。

 通常の開店時間を過ぎた店内は新製品を見に来た客と購入客でごった返しており、アテンド役の店員と自分が立って話せるテーブルのすき間もないほどだ。さらに店内で倉庫から在庫を届ける役の店員がひっきりなしに動き回っている。さすがに来店している客は皆新しい端末に興奮気味で、同時にケースを買い求めたり、店員に保護フィルムを貼ってもらってその様子をスマホで撮影したりしている。盛り上がる様子に安堵したが、やはり熱狂というほどの熱量は感じない。

 

3.アマゾンロッカーが日本上陸、ファミマが受け入れた理由は「店員の疲弊」(9.20 日経XTECH)
  ちょっと間が悪かった。本コラムは前回、米国で経営不振の流通チェーンが窮余の策として米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)と提携し、アマゾンの商品を店舗で受け取れるようにしていると指摘した。するとその直後に、アマゾンが同じ取り組みを日本で始めたのだ。

 アマゾンジャパンが2019年9月18日に発表したのは、アマゾン専用の宅配ロッカーをコンビニエンスストアの「ファミリーマート」や小田急電鉄の駅に設置する「Amazon Hubロッカー」と、飲食店やマッサージ店など小型店のカウンターでアマゾン商品が受け取れる「Amazon Hubカウンター」だ。こうした実店舗で商品が受け取れるサービスをアマゾンは「Amazon Hub」と総称する。

 Amazon Hubロッカーは従来、アマゾンロッカーと呼ばれていたもの。米国のコンビニやスーパーマーケットには2011年から設置されるようになり、2018年末の時点でその数は約2800個に達している。Amazon Hubカウンターも米国で先に始まった取り組み。米大手ドラッグストアのライト・エイド(Rite Aid)は2019年末までに米国にある約1500の店舗でアマゾン商品を受け取れるようにするほか、大手衣料販売店の米コールズ(Kohl’s)も約1000店舗でアマゾン商品の返品受け付けを始めている。

 日本においては2019年末までにAmazon Hubロッカーが100カ所に設置され、Amazon Hubカウンターも同年末までに100店舗で始まる予定だ。当初は東京都と神奈川県が中心で、2020年から日本全国で展開するとしている。日本におけるAmazon Hubを巡る状況を詳しく見ると、興味深い事実が浮かび上がってくる。

 そもそも日本の場合はAmazon Hubが始まる以前から、ローソンやファミリーマート、ミニストップのコンビニ店頭やヤマト運輸の営業所でアマゾン商品を受け取ることが可能だった。ただしこれはコンビニ各社やヤマト運輸が提供する店頭での荷物受け取りシステムにアマゾンが乗り入れる形だった。

 そのため利用者が店頭でアマゾン商品を受け取る際には、ローソンの「Loppi」やファミリーマートの「Famiポート」といったキオスク端末で番号を入力したり、アマゾンから送られてきたバーコードをPOS端末のスキャナーで読み取ったりする必要があった。そうして荷物の情報を店舗側に伝えると、店員がバックヤードから荷物を持ってきてくれた。

 それに対してAmazon Hubは、店頭で商品を受け取るシステムをアマゾン側が用意する点が従来と異なる。Amazon Hubロッカーはハードウエア費用もアマゾンが負担し、コンビニや駅などに設置する。利用者はアマゾンから送られてきたバーコードをロッカーのスキャナーで読み取ると、ロッカーの扉が開いて荷物を取り出せる。店舗の店員が一切介在しないセルフサービス方式である。

 従来も自前のシステムでアマゾン商品の受け取りサービスを提供していたファミリーマートは、なぜAmazon Hubロッカーを導入するのだろうか。アマゾンジャパンが9月18日に開催した記者会見に登壇したファミリーマートの沢田貴司社長は、アマゾン商品の受け取りサービスが店舗オペレーション上の負担になっていた事実を明らかにした。

 ファミリーマートの沢田社長によれば、同社の店舗は年間1200万個もの宅配物を受け取っているが、その8割をアマゾン商品が占めるのだという。ファミリーマートの店舗は日本国内に1万6683店舗(2018年12月時点)あるので、1店舗当たりに直すと年間575個、1日当たりおよそ2個のアマゾン商品が受け取られていることになるが、実際には店舗による偏りが大きいと沢田社長は明かす。

 「アマゾン商品の受け取りが多いのは東名阪(東京、名古屋、大阪)にある店舗で、多いところでは1日当たり40個ほどの受け取りがある」(沢田社長)。ファミリーマートがアマゾン商品の受け取りを扱うのは「減り続ける来店客数を増やすため」(同)だが、受取件数が増えすぎると店舗スタッフにとっても負担になる。そこで利用者によるセルフサービス方式で荷物の受け取りが完了するAmazon Hubロッカーを導入したわけだ。

 コンビニ最大手のセブン‐イレブン・ジャパンは現在、パックシティジャパンの宅配ロッカー「PUDO(プドー)ステーション」を使った実証実験を進めている。パックシティジャパンはヤマト運輸とフランスのネオポストの合弁会社であり、ヤマトだけでなく佐川急便や日本郵便も受け取れる。

 セブンが複数の宅配事業者の荷物が受け取れるロッカーを選んでいるのに対して、ファミリーマートはアマゾン専用のロッカーを選んだところが好対照である。ファミリーマートの選択は、日本の宅配に占めるアマゾンの大きさを改めて物語ったと言えそうだ。  

 

4.「iPhone 11」が注目に値する理由と、透けて見えるアップルの苦悩(9.19 日経XTECH)
  2019年9月に開催された米アップル(Apple)のスペシャルイベントで、例年通りiPhoneの新製品が発表された。「iPhone 11」「iPhone 11 Pro」「iPhone 11 Pro Max」の3機種だ。その概要については「リーク情報通りで新鮮味がない」という意見も聞こえてくるが、イベント自体はアップルの今後の方向性が随所に垣間見られ、非常に興味を持って見ていた。

 個人的にiPhone Xの発表以降はあまりiPhoneの主力機種に興味が持てず、筆者自身はiPhone 8を購入したのに加え、知人にもiPhone 8の購入を積極的に勧めていた。だが、今回のiPhone 11は一考の余地があると考えている。特に手持ちのiPhone 7 Plusが使用中に突然再起動するといった不審な挙動をとることもあり、頃合いを見計らってiPhone 11 Proへの乗り換えを検討している。

 今回はイベントで気になったポイントを振り返りつつ、iPhone 11を評価するに至った根拠についてまとめていきたい。

 「iPhoneのリアカメラはエントリーモデルが2眼、ハイエンドモデルが3眼になる」というのはリーク情報としてイベント前からネット界隈(かいわい)で出回っていた。米クアルコム(Qualcomm)との和解で5G(第5世代移動通信システム)対応が2020年登場モデルに決定する中、機能的なアップグレードは主にカメラに偏り、イベントでのアピールポイントも必然的にカメラを使った新しい撮影機能の紹介となるというのは事前に予想できた話だ。

 iPhone 11の前世代に当たるiPhone XRは、上位モデルとなるiPhone XS/XS Maxとの差別化とコスト削減のためカメラは1つのみだった。今回はメインストリームとなるiPhone 11にまで2つのカメラを搭載したことで、アップルが考えるカメラ機能の標準ラインは「2眼」となった。

 さて、iPhone 11にはこうしたアピールポイントのほか、将来のアップルの戦略を示唆するかのような裏の機能がいくつかひっそりと盛り込まれている。1つは「U1」と呼ばれるUltra Wideband(UWB)技術用チップの採用で、iPhoneによる「spatial awareness(空間認識)」を可能にするという。

 2020年に見込まれる機能強化要素の筆頭は5G対応だが、5Gの恩恵を受けられるエリアが限られている。またiPhoneがミリ波を含む5Gのフルサポートを行うのか不明瞭な部分が大きい。特にバッテリー消費や発熱が大きく、デザイン上の制約が厳しくなるミリ波対応をiPhoneがどのように解決するのかという部分は非常に難易度が高いと思われ、5Gの本格対応は「技術がこなれてきてから」とアップルが判断する可能性がある。

 複数の関係者らの話によれば、現状アップルは2020年春をめどに廉価版iPhoneの投入を計画しているという。ベースとなるのはiPhone 8で、Face IDではなくTouch IDを採用し、比較的新しいプロセッサーを搭載したものとなる。ディスプレーサプライヤーにはジャパンディスプレイ(JDI)とシャープが参画し、アップルの会計年度で2020年度第3四半期(4?6月期)の時点で2000万?3000万台程度の台数を想定する。  また廉価版の体裁を維持するため、iPhone 8などと比較してストレージ容量を削減するなど(iPhone 8のストレージ容量は64GBが下限)、何らかの差別化が行われるとみられる。全iPhone出荷台数の1割程度のためメインストリームにはならないものの、iPhone 7以前のユーザーを巻き取る施策として機能するだろう。 

 

5.NTTドコモが9月20日から5Gのプレサービス、3000社と用途探る(9.18 日経XTECH)
  NTTドコモは2019年9月18日、5G(第5世代移動通信システム)のプレサービス(実証サービス)を2019年9月20日に始めると発表した。全国40カ所に5G基地局を設置し、一般ユーザーが参加できる体験イベントを全国で開催したり、外部企業と協業で進める5Gの用途開発に活用したりする。

 「5Gを普及させるキラーコンテンツに確信を持てるよう、プレサービスでユーザー体験を検証したり、企業との用途開発を進めたりしたい」。発表会に登壇した吉沢和弘社長は意気込みをこう語った。9月20日に開幕するラグビーワールドカップ日本大会では、マルチアングルの試合映像をスマートフォンで視聴できるなどの体験イベントを一部の試合会場で催す。また約3000社が5Gの協業プログラムに参加しており、建設機械の遠隔操作やIoT(インターネット・オブ・シングズ)機器への応用といった用途開発も加速させる考えだ。

 5G基地局40カ所のうち、8カ所はラグビーワールドカップの12の試合会場のうち8試合会場に設置した。残る32基地局は全国に分散して設置した。2020年春に予定する商用サービスでは基地局数を全国80局程度に増やし、1年後の2021年には1万局まで基地局を増やす計画だ。

 5Gに用いる周波数は、NTTドコモが割り当てを受けた「3.7ギガ/4.5ギガヘルツ帯」と「28ギガヘルツ帯」の両方を使う。プレサービスでの下り通信速度のは3.7ギガ/4.5ギガヘルツ帯で最大毎秒2.4ギガビット、28ギガヘルツ帯で最大毎秒3.2ギガビットである。プレサービスで使うため、スマートフォン3機種など計7000台を調達しており、ユーザー参加型のイベントにつかったり協業企業に貸し出したりする。一部のドコモショップでは常設の体験スペースを設けて高速通信をアピールする。  

       ホームページへ