週間情報通信ニュースインデックスno.1194 2019/09/14


1.5G通信はバッテリー大食らい?米SRGが5G/LTEスマホのエネルギー効率を調査(9.13 日経XTECH)
   無線通信市場の調査とコンサルティングを手がける米Signals Research Group(SRG)は2019年9月9日、5G NRに関するベンチマーク調査結果をまとめたレポート「5G: The Greatest Show on Earth! Vol 6: Unplugged!」の概要を自身のサイトで公開している。第6弾となる今回のレポートは、5G通信とLTE通信時のスマートフォンのエネルギー利用効率を比較する内容となっている。

 今回の調査で使われたスマホは、韓国Samsung Electronics(サムスン電子)の「Galaxy S10」。使用するネットワークは米Verizon(ベライゾン)のミリ波対応5G NR無線ネットワークとLTEネットワーク。調査はミネソタ州ミネアポリスにて実施されている。

 手法としては、無線ネットワーク測定ツール「XCAL-Solo」をスマートフォンに取り付けて性能を測定し、データ通信中のスマホのバッテリー電流を計測する形がとられている。通信速度は、(1)最高速度、(2)30Mビット/秒、(3)5Mビット/秒である。

 今回の調査内容のハイライトは以下の通り。
 ・それぞれのネットワーク環境下で対応可能な最高速度で通信した場合、5G NR通信の方がLTE通信よりエネルギー効率が高い。低速な5G NR通信や米国の平均的なLTEユーザーの通信速度より大幅に速いLTE通信と比べても5G NR通信時のエネルギー効率の方が高い。

 ・インターネット上のWebサイト閲覧や動画チャットといった比較的低速な通信の場合、LTE通信の方が5G NR通信よりエネルギー効率は高い。

 ・5G NRのエネルギー効率の良し悪しと、スマホのバッテリー寿命には、著しい関連性はない。バックライト機能やVoLTEといった機能による影響の方がずっと大きい。

 ・スマホに必要なバッテリー容量については、日常的なデータ通信や音声通話、その他の機能操作を実際に行った結果と理論値との比較を試みた。理論的には一般的な平日の1日で4400mAhのバッテリーを使い果たすという結果になるが、実際には、極端に酷使しない限り使い果たすことはない。

2.新iPhoneは苦戦か、分解スペシャリストは4点に注目(9.13 日経XTECH)
  2019年9月13日、日本時間では21時に予約受付が開始される米アップル(Apple)のiPhone。業界関係者によれば、2019年内の組み立て予定台数は「iPhone 11」が4000万台、「iPhone 11 Pro」および「iPhone 11 Pro MAX」は合わせて4000万台弱で、11 Proと11 Pro Maxの内訳は3対4程度と見積もられている。

 米IDCは2019年9月9日に「Worldwide Quarterly Mobile Phone Tracker」を発表し、2019年のiPhoneの出荷台数を1億7790万台と予測している(プレスリリース)。これは前年比14.8%減に相当し、2019年5月に発表された予測値の1億8350万台をも下回る。2019年版のiPhoneの魅力は低いと予想されているのだろうか。

 “分解スペシャリスト”として日経 xTECHに記事を連載する柏尾南壮氏は、ユーザー目線とは異なる“分解者目線”により、2019年版iPhoneには「4つの注目点」があるとする。

 1つは「iPhone 11 Pro」と「iPhone 11 Pro MAX」で、独特の雰囲気を醸し出している背面カメラの配置だ。「多くのスマホメーカーが縦並びや横並びなど、一直線に並ぶ配置を採用するのに対して、iPhoneは三角形を描く配置を採用する。これは、カメラの軸調整が複雑になることを意味しており、カメラ・アライメント手法に注目すべきと考えている」(柏尾氏)。

 2つめは空間認識に向けたUWB(Ultra Wideband)だ。6G〜10GHz帯という超広帯域無線を利用した屋内向けの測位技術で、今回発表された3機種のiPhoneは「U1チップ」を搭載するとしている。今回のiPhoneにとって「数少ない“新規採用部品”の1つであり、注目している」(柏尾氏)。「単体でレーダーのような役割を果たすのではないか」との見方もあるが、同社の製品紹介では“U1チップを搭載する別の同社製品の位置を正確に認識できる”とされているため、恐らく各機器がそれぞれ送受信機能を持って認識するものと考えられる。現時点で具体的に紹介されている利用例は、AirDropのファイル共有候補を位置関係から優先的に提示するというもののみだ。ただし「リビングルームほどの空間で機能するGPSのよう」との表現もあり、今後のアプリケーションに期待が集まる。

 3つめは筐体(きょうたい)だ。iPhoneも2020年は5Gに対応するものと予想されている。5Gのうち、6GHz未満の周波数帯を使う「Sub6」は、UWBに近い周波数を使用すると言える。今回のUWB採用により、「Sub6を見据えた電波対策として、筐体に何か新しい構造が採用されているのではと関心を持っている」(柏尾氏)。

 4つめはディスプレーだ。アップル自身は「iPhone 11 Pro」と「iPhone 11 Pro MAX」についてディスプレーの進化を猛プッシュしている感があり、その表示クオリティーの高さに期待する声も上がるが、一方では解像度の変更はなくピーク輝度の向上も他社製品と比べて特別高いわけではないとの見方もある。

3.日経コンピュータを1000冊並べたら長さ9メートル、重さ400キログラムになった(9.12 日経XTECH)
  妙なことを思いつくのは得意なほうである。しかも思いつくと何とかして実現したくなる。本人は面白がっているから時間や労力を度外視して進めていくが、巻き込まれた方に取っては迷惑かもしれない。

 「1000冊、それはすごいです。1000冊をみんなで眺める会をやりましょう」  2019年5月、AITコンサルティングの有賀貞一氏にお会いしたとき、有賀氏が「日経コンピュータを創刊号から保存している」と言ったのを聞いて、その場で「眺める会」を提案した。

 おかげ様で日経コンピュータはこの10月、創刊1000号を迎える。創刊前に準備号というものが別途あり、増刊号もあったからすでに発行されたものを集めるとだいたい1000冊になる。有賀氏は準備号から捨てずにとっていてくれた。

 3カ月後の8月、「日経コンピュータ1000冊の背表紙を眺める会」を有賀氏のご自宅ガレージで開催した。その様子は日経コンピュータの記事で報告した。日経 xTECHにも有料記事として掲載している。

 1985年に社会人になり日経コンピュータ編集部に配属された筆者としては1000冊並んだ日経コンピュータを眺めただけで月並みな表現だが胸が一杯になった。  このように思いついた当人は面白がったり感動したり原稿を書いたりできたが、1000冊を眺められるようにしてくれた有賀氏には相当な負担をかけてしまった。

 実は1000冊のうち古いほうの400冊は自宅ではなく別のところに保管されていた。有賀氏はわざわざ400冊を取りに行き、自宅まで持ち帰ってくれた。

 「今週から気温の上昇がすごく通常はひんやりしたガレージの中も相当高温なので簡易冷房の手配を開始。棚は1.8メートル幅と0.9メートル幅のものを並べて2.7メートル確保。これにボックスが1段24箱入るので3段構成にして72箱収納可能。昔の日経コンピュータは厚かったので1ボックスに12冊、最近は薄いので20冊入る。多分これで十分1000冊を収容できる。簡易テーブルと椅子を設置。飲み物も用意します」

 「日経コミュニケーションは創刊企画の段階から特別委員として参画していた。1985年4月8日試作版、1985年10月7日創刊号、残念ながら500号で終わってしまったがすべて取ってある。企画センターが出していたビジネスコミュニケーション(ビジコミ)の1974年1月号以降、200冊ぐらい残っていた。1970年代から80年代はビジコミで、80年代からは日経コンピュータで、特に通信関係は80年代から2010年代まで日経コミュニケーションで、ICTの歴史をカバーできる」

4.アップルが「iPhone 11 Pro」「Pro Max」を発表、トリプルカメラ搭載で10万6800円から(9.11 日経XTECH)
  米アップルは2019年9月10日(現地時間)、スペシャルイベントを開催し、iPhone XSおよびiPhone XS Maxの後継機種となる「iPhone 11 Pro」「iPhone 11 Pro Max」を発表した。同時に発表されたiPhone 11とともに、新プロセッサー「A13 Bionic」を搭載した。予約は9月13日の午後9時、発売は9月20日に開始する。

 ストレージサイズは64GB、256GB、512GBの3種類。iPhone 11 Proの価格はそれぞれ10万6800円、12万2800円、14万4800円。iPhone 11 Pro Maxの価格はそれぞれ11万9800円、13万5800円、15万7800円。XS/XS Maxの初登場時に比べ、5000?8000円低い価格設定とした。カラーバリエーションは、ゴールド、スペースグレイ、シルバー、ミッドナイトグリーンの4種類。

 iPhone 11 ProとiPhone 11 Pro Maxはディスプレーに有機ELを採用した。画面サイズと解像度はXS/XS Maxを踏襲している。iPhone 11 Proは対角5.8インチの2436×1125(458ppi)、iPhone 11 Pro Maxは対角6.5インチの2688×1242(458ppi)である。

 きょう体のサイズと重さは、わずかだがXS/XS Maxより増えている。iPhone 11 Proは、サイズが幅71.4×高さ144.0×厚さ8.1mm、重さが188g。iPhone 11 Pro Maxは、サイズが幅77.8×高さ158.0×厚さ8.1mm、重さが226gである。バッテリーについては、それぞれ最大で4時間および5時間長持ちするという。

 カメラについて、超広角、広角、望遠のトリプルカメラを採用した。A13 Bionicの演算機能を生かし、3台のカメラを1台のカメラのようにシームレスに利用しているという。

 通信機能については、新たにWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に対応。また、具体的な用途についてアップルは言及していないが、空間認識に対応したUWB(Ultra Wideband)チップを搭載しているという。

5.台風15号の影響で千葉県で固定回線と携帯回線の不通広がる、システム不具合につながるケースも(9.10 日経XTECH)
  2019年9月8〜9日に首都圏を襲った台風15号の影響が、通信分野では台風が去った後の10日にかけて拡大している。NTT東日本は千葉県内を中心に、10日になって非常用電源の枯渇により複数の電話局が停電し、通信が途絶するケースが相次いでいると明らかにした。NTTドコモとKDDI(au)、ソフトバンクの携帯大手3社は非常用電源で運用している基地局が多数あり、燃料やバッテリーを補給しながら綱渡りの運用を続けている。

 NTT東日本は9日夜から10日朝にかけて、アナログ電話約1万6000回線、ひかり電話約1万6000回線、「フレッツ光」などのFTTH約2万2000回線の計5万4000回線が不通になった。不通の範囲は拡大し、10日午後2時時点でアナログ電話約2万8000回線、ひかり電話約5万4000万回線、FTTH約7万7000回線の計15万4000回線が不通となった。電源が復旧しない場合、今後さらに不通が増える可能性があるとしている。

 「台風による停電を受けて非常用発電機や移動電源車で電源を供給して運用していたが、燃料が枯渇して通信サービスを提供できなくなる電話局が出てきている。停電の範囲が広範で燃料の供給も間に合わない状況にある」。NTT東日本の広報はこう説明する。

 携帯大手3社は千葉県内を中心に多くの基地局で商用電源が届いておらず、10日夜時点で基地局の停波により圏外となっている地域がある。稼働中の基地局についても「電源車や発電機、移動基地局車などを現地に派遣して全力で作業している。10日昼時点で停波エリアは減少傾向にあるが、今後の復旧は東京電力の電源復旧次第であり、すぐに収束するか長期化するかは見通せない状況」(ソフトバンク広報)としている。

 東京電力パワーグリッドによると、10日午後8時30分時点で千葉市や市原市、八街市など千葉県内の45市区町村、約52万戸で停電が続いている。同社は11日朝までに停電世帯を12万戸まで減らすとしている。復旧作業が長引いた場合、電源の枯渇による携帯基地局の停波が広がることも懸念される。

 KDDI傘下のじぶん銀行は10日正午前から午後5時台にかけて、提携金融機関のATMで入出金や残高照会、カードローン取引ができなくなった。NTTデータの決済総合プラットフォーム「CAFIS(キャフィス)」とじぶん銀行のシステムなどを接続する通信ネットワークがつながらなくなったためだ。

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