週間情報通信ニュースインデックスno.1193 2019/09/07


1.肩透かしだった楽天モバイルのお披露目式、救いのKDDIエリアでまさかの「低速」(9.6 日経XTECH)
  楽天と楽天モバイルが2019年9月6日に開いた携帯電話事業に関する発表会は肩透かしに終わった。「最低利用期間なし」「違約金なし」「全機種SIMロックフリー」などの方針を打ち出したが、最後まで正式な料金プランを発表しなかった。

 これでは迎え撃つNTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクも動きようがない。楽天モバイルの新規参入で料金の値下げ競争が再燃すると期待されたが、持ち越しとなった。「2019年10月1日施行の改正電気通信事業法に粛々と対応するだけ」(大手携帯電話事業者)で終わりそうだ。

 楽天モバイルが2019年10月1日に受け付けを始める「無料サポータープログラム」は文字通り無料で提供する。国内通話・データ通信だけでなく、国際通話、国際ローミング(データ通信)、SMS(ショート・メッセージ・サービス)を無制限で使える。

 大盤振る舞いに見えるかもしれないが、対象となるのは東京都23区、大阪市、名古屋市、神戸市に在住の満18歳以上で、当初は5000人に限られる。対象者は順次、数万人に拡大していく予定だが、利用者による「稼働確認」に近い印象だ。

 端末に関しては、「MNO(携帯電話事業者)レディー」として発売済みのスマホ12機種(+Wi-Fiルーター1機種)に加え、新たにスマホ7機種(+Wi-Fiルーター2機種)を発表した。韓国サムスン電子の「Galaxyシリーズ」の取り扱いを始めたほか、中国オッポ(OPPO)やシャープ、ソニーモバイルコミュニケーションズ、富士通コネクテッドテクノロジーズなどの新機種を取りそろえた。

 楽天の三木谷浩史会長兼社長は同日、「世界最小最薄FeliCaスマホ」「eSIM対応」などをうたった独自端末「Rakuten Mini」を誇らしげに紹介したが、開発中で発売時期は未定という。米アップル(Apple)の「iPhone」についても「ノーコメント」(楽天モバイルの山田善久社長)とした。

 

2.売り切れたGalaxy Fold 5G、内部構造を公開情報から推測(9.6 日経XTECH)
  韓国サムスン電子(Samsung Electronics)は2019年9月6日、韓国内で折り畳みスマホ「Galaxy Fold 5G」を発売した。同社韓国語のwebサイトでは、「スペースシルバー」「コスモブラック」のいずれも既に「SOLD OUT」と表示されている(2019年9月6日11時15分時点)。ポップアップメッセージによれば、初期ロットは完売し、混乱を避けるために予約販売に切り替えるとする。9月18日から予約を開始し、9月26日から10月末までに順次受け取り可能になる予定という。

 「Galaxy Fold」は韓国のほか、米国、英国、フランス、ドイツ、シンガポールなどでLTE版または5G版を順次発売するとしている。米国では数週間以内に発売すると予告している(英文プレスリリース)。

 発売にあたり、同社では「Galaxy Fold」についてかなり詳細な内部構造をサイト上で公開している(英文の製品紹介サイト)。発売前に発覚した不具合に伴う不安を払拭するための措置なのだろうか。

 まず、ヒンジ部分については機構の動きを見せるシミュレーション動画を用意し、さらに試験らしき動画も掲示して20万回の折り畳み動作を確認したとアピールしている。ただし、動画は2019年3月28日に公開されたもので、“背表紙”部分の形状からしても2019年7月に公開した修正を反映していないタイプでの試験の様子と見られる。なぜ差し替えなかったのかは謎だ。

3.ドコモが参加表明したインダストリー5Gの5G-ACIA、スタンドアロンと非スタンドアロンのシナリオ公開(9.6 日経XTECH)
  製造業への5G導入を推進する業界団体5G-ACIA(5G Alliance for Connected Industries and Automation)は2019年9月3日、3GPP標準仕様準拠の5Gプライベートネットワークを活用したIIoT(Industrial Internet of Things、産業分野向けIoT)サービスの各種シナリオをまとめた白書を公開した(3GPPのパートナーニュースサイト)。

 5G-ACIAは2018年4月に、ドイツ電機電子工業連盟(ZVEI)を中心にドイツで発足。産業界、通信業界の世界約50社が連携して、各種産業分野の5Gユースケース調査や、標準化、法令化に向けて活動している。2019年9月2日にはNTTドコモが参加を表明した(NTTドコモのニュースリリース)。

 今回の白書では、プライベートネットワークを、外部のネットワーク環境から完全に独立したスタンドアロンなネットワークと、外部のネットワーク環境と共存する形で動作するネットワークに大別した上で、それぞれの特徴や、企業設備に合わせた適用方法について紹介している。

 一方で、コネクティビティー、サービス品質、運用管理、プライバシーやセキュリティーなどの属性のうち、どれを優先するかによって、適用するプライベートネットワーク環境も変わるとして、今回紹介した各種ユースケースを、各企業でのプライベートネットワーク導入時の参考にしてほしいとしている。

4.ネットアップがクラウドソリューションの新製品群、AWSやAzure間でデータ連携が容易に(9.4 日経XTECH)
  ネットアップは2019年9月4日、記者向けの説明会を開き、6月に米国で発表したクラウドデータソリューションの新製品群を国内でプレビューリリースしたと発表した。目玉はマルチクラウド環境でデータ連携できる「Cloud Volumes」だ。Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなど複数の環境に分散したデータを容易に連携できるようにして、顧客のクラウド活用を支援する。

 「顧客企業のクラウド利用が当たり前になったことで、新たなベンダーロックインが起こっている」。ネットアップの神原豊彦システム技術本部ソリューションアーキテクト部部長はこう指摘する。異なるクラウド環境下ではデータ連携が難しいため、結果的にクラウド事業者による顧客の囲い込みが起きているという。

 Cloud Volumesを使えばAWSやAzureのほか、Google Cloud Platformやオンプレミスなども含めたマルチクラウド環境で、データ連携が可能になるという。「AWSを使っていたが、Google Coludも使いたい。こうしたニーズに応えるのが我々だ」。

 

5.アップル製スマートスピーカー「HomePod」自腹レビュー、音楽再生の実力は?(9.4 日経XTECH)
  2017年6月に開かれたWWDCでのお披露目から2年余り、待望のHomePodが我が家にやってきた。HomeKitに対応した家電を声で操作する「司令塔」の役割を果たすHomePodだが、対応家電を持ち合わせていないので、現状は声で操作できる音楽再生装置でしかない。

 ただ、WWDCの基調講演で米アップル(Apple) CEOのティム・クック氏自ら「音楽はアップルのDNAだ。ホームミュージックを再発明する」と豪語していただけに、その「音へのこだわり」からすると、HomePodを音楽再生装置としてのみ使っていたとしても、それはそれで意義のあることなのだろう。

 「音へのこだわり」で思い出すのは、基調講演のプレゼンテーションで並べられた音に関する数々の技術用語。「7 beam-forming tweeter array」「Precision acoustic horns」「Directional control」「Real-time acoustic modeling」「Audio beam-forming」「Multi-channel echo cancellation」など。ワールドワイドマーケティング担当上級副社長のフィル・シラー氏の説明を意訳すると、「部屋のどこに設置しても、壁や家具からの音の反射などを考慮して7つのツイーターとホーン型ウーファーから出る音をコントロールして、最適な音をお聴かせします」──ということらしい。

 HomePodをカジュアルリスニングのための音楽再生装置として評価した場合、低・中・高域を通じて全体的なバランスが保たれている。価格差があるので当然と言えば当然だが、冒頭写真の他社スマートスピーカーは足元にも及ばない。あえて言うなら、低音が強めに出ている印象はあるが、広い部屋の一角に設置するような機器なので、そのあたりも考慮されているのだろう。米国の住宅事情に合わせてチューニングされていると見ることもできる。

 音量操作も「ボリュームを20%にして」などと指示すれば、確実に調整してくれる。試しに「100%にして」と指示すると、「かなりの大音量ですが、いいですか?」と聞き返してくれる。親切だ。ただ、相対的な音量指示は理解してくれないようで、20%程度の音量で鳴らしているときに、「今のボリュームの50%にして」と言うと「最大値の50%」と解釈してしまい、いきなり音が大きくなる。

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