週間情報通信ニュースインデックスno.1191 2019/08/24


1.AWSが大規模障害から復旧、原因は冷却装置の故障(8.24 日経XTECH)
  米アマゾン ウェブ サービス(Amazon Web Services)は2019年8月23日昼ごろからクラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」の東京リージョンで発生した大規模障害に関して、同日午後10時19分付けでリレーショナルデータベースサービス「Amazon RDS」を復旧させたとのコメントを発表した。それに先立って同日午後6時39分に仮想マシン「EC2」の大部分を復旧させたとのコメントを出しており、今回の大規模障害への対応をほぼ終えた。

 AWSによると、大規模障害は東京リージョンを構成する4つのアベイラビリティーゾーン(独立性の高いデータセンター群)のうち1つで発生した。仮想マシン(EC2)の障害やディスクの性能低下、リレーショナルデータベース(RDS)の接続性の問題が起きたという。これによりユニクロ、楽天、PayPay、東急ハンズなどAWSを利用する多数の企業がシステムトラブルに見舞われた。

 EC2の障害の原因は「冗長化された空調設備の管理システム障害」による冷却装置の故障だという。EC2用の一部のホストサーバーがオーバーヒートしてシャットダウンし、仮想マシンやディスクに障害が生じた。RDSの障害の原因については同日午後11時時点で明らかにしていない。 

 

2.「5G端末は既に100機種が発表済み」、GSA調査(8.23 日経XTECH)
  グローバルモバイルサプライヤー協会(GSA:Global mobile Suppliers Association)は、2019年8月に更新した5G端末に関する最新調査「5G Devices Ecosystem -- August 2019 Update」の概要を自身のサイトに掲載した(GSAの「5G Devices Ecosystem -- August 2019 Update」紹介サイト)。現時点で、既に100種類もの5G端末が発表されているとしている。端末名など主なスペックを表にまとめたフルレポートは同サイトへの登録でダウンロードできる。

 2019年上半期、世界各地の通信事業者による5Gサービス開始に合わせて5G端末が次々に発表され、急激な成長を遂げた。今後もさらに多くの端末が出回ることが期待される。GSAがまとめるGAMBoD(GSA Analyser for Mobile Broadband Devices)データベースには、こうした端末の開発ベンター名、端末名、形状、搭載するチップセット、対応周波数帯、対応時期などの情報がまとめられている。

 2019年8月第1週までに確認されている5G端末情報は下記の通り。

 ・現在発表されている5G端末は、スマートフォン、ホットスポット(スマートハブ)、屋内用CPE(Customer Premises Equipment、宅内通信機器)、屋外用CPE、ノートパソコン、通信モジュール、自在に取り外し可能なドングル/アダプター類、企業向けルーター、IoT用ルーター、ドローン、スイッチ類、USB端末、ロボットの13種

 ・発表済の5Gデバイスは、2019年6月末時点で90機種、同年8月第1週までには100機種に達した(地域限定版や初回発表からのアップグレード品、商用を目的としない試作品などは対象外)

 ・スマートフォンは、商用利用可能な9点を含む26機種が発表されている

 ・ホットスポットは、商用利用可能な3点を含む8機種が発表されている

 ・CPEは、近々商用利用可能になる8点を含む26機種が発表されている(屋内、および屋外対応品を含む。Verizon独自仕様対応品2種も含む)

 ・上記のほか、通信モジュール28機種、着脱可能なドングル/アダプター類2機種、企業向けルーター2機種、IoT用ルーター2機種、ドローン2機種、ノートパソコン1機種、スイッチ1機種、USB端末1機種、ロボット1機種が発表されている 

 

3.会議の文字起こしにも役立つ、グーグルがAndroidのアクセシビリティ機能を紹介(8.21 日経XTECH)
  グーグル日本法人は2019年8月21日、東京・六本木の本社で説明会を開き、5月の開発者向け会議「Google I/O」などで発表したAndroidのアクセシビリティ機能を紹介した。

 説明会には米グーグル Androidアクセシビリティ プロダクトマネージャーのブライアン・ケムラー氏が登壇。「アクセシビリティは人権だ。世界中の人がアクセスできるよう、情報を整理していくのがグーグルのミッションだ」と語った。

 これまでのAndroidのアクセシビリティ機能は、画面の表示内容の読み上げやスイッチを使った操作など視覚障害者や身体障害者向けの機能が多かった。グーグルは聴覚障害者向けの取り組みを増やしているという。

 世界保健機関(WHO)の調査によれば、世界には合計4億6600万人の聴覚障害者が存在しており、2050年までに9億人に増加するという。これに対してグーグルは、音声を文字で表示する「キャプション」と、音声を増幅させる「アンプリフィケーション」の2つのアプローチから取り組んでいるとした。

 「音声文字変換」(Live Transcribe)アプリは、Googleアシスタントでも利用される自然言語処理の技術を用いて、日本語を含む70以上の言語の音声をリアルタイムで文字に変換できる。2019年2月の提供開始後、6月には「変換結果の3日間保存」「コピー&ペースト対応」「口笛や拍手など環境音の認識」といった新機能を追加した。

 今後提供予定の機能としては「ライブキャプション」を紹介した。機械学習を活用して、動画や音声メッセージなどにキャプションを付ける機能で、クラウドを利用せず完全にオンデバイスで動作する。2019年内に英語版を提供し、日本語への対応予定は未定とした。

 今後はクラウドからデバイス上に移っていく方向性という。「従来の音声認識モデルは何百ギガバイトもあってクラウドでなければ難しかったが、技術の進化でモデルは小さくなっており、今後提供するライブキャプションはオンデバイスで実現する。将来はすべてオンデバイスになるだろう」(ケムラー氏)との見方を示した。 

 

4.「本人そっくり」アバターでVR会議、NTTデータがテレワーク推進(8.19 日経XTECH)
  NTTデータは2019年8月19日、独自開発するVR(仮想現実)会議システムの説明会を開いた。会議出席者はヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)を頭にかぶり、仮想空間の会議室で他の参加者と身ぶり手ぶりを交えてコミュニケーションする。VRの臨場感を生かして遠隔地同士でも対面業務をできるようにして、テレワークの推進を図る考えだ。

 VR会議システムの開発に取り組むNTTデータの山田達司技術革新統括本部技術開発本部エボリューショナルITセンタ次世代イノベーション技術担当シニア・スペシャリストは、テレワークの普及を難しくする要因として、会議や取引先との打ち合わせといった対面業務の存在を指摘した。VRを活用すると、映像や音声ベースのWeb会議よりも実際の対面に近い環境を実現できるとみる。

 VR会議システムの特徴は、会議参加者の顔写真を基に作った本人そっくりなリアルなアバターを使う点にある。「消費者向けサービスでは利用者が好きなようにアバターを選ぶのが一般的だが、ビジネス向けでは現実の本人とVR会議に参加している人が同一人物であるとすぐに分かることが重要だ」(山田シニア・スペシャリスト)。

 NTTデータは政府が展開する「テレワーク・デイズ2019」において、VR会議システムを試したという。参加者は社内外の約40人で、そのうち約6割はVRを初めて体験した。参加者への事後アンケートでは、一般的なWeb会議と比べて「誰が話しているかが分かりやすい」「ポインターで任意の場所を示しながら説明できる」と評価する声が挙がった。一方で、ネットワークの帯域不足による音声不良や、HMDの装着感の悪さなどへの指摘も多くみられたという。

 

5.HPE、デル、レノボの「3強」が打ち出したパブリッククラウド対抗策とは(8.20 日経XTECH)
  「サーバーやストレージについて使った分だけ支払っていただければ結構です」――。サーバーやストレージの売上高で世界上位を争う米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)、米デルテクノロジーズ、中国レノボグループの3社がいわゆる従量課金方式を推し進めている。

 HPEの従量課金サービスGreenLakeは2019年1月末締めの四半期において、前年同期を39%上回る過去最高の収入を記録した。世界で600社を超える顧客に対する総契約金額は28億ドルとなり、HPEの2018年度データセンター向け事業売上高の16%に相当する。HPEはGreenLakeを2017年12月から、日本では2018年2月から始めており、成長は早い。

 HPEのGreenLakeは顧客所有のHPE製や他社製のハードウエアを買い取り、その代替としてHPE製品群を新規に顧客のデータセンターに設置して、従量課金制のサービスとして提供する(3年間の拘束がある)。HPEが擁する2018年度売上高37億ドルの金融事業部門を活用する。同部門は買い取った製品の再生センターを抱え、同年度に資産の89%を再販した。

 HPEは6月中旬にラスベガスで開催した自社カンファレンスで、2022年までに全製品を「アズ・ア・サービス」として提供する予定だと発表した。

 HPEを追うデルテクノロジーズは4月末の自社カンファレンスで「VMware Cloud on Dell EMC」を9月から米国で、その後各国で開始する意向を表明した。グループ会社である米ヴイエムウェアの仮想化製品を搭載したITインフラを従量制で提供するサービスだ。特徴はハードにとどまらず管理サービスも合わせて提供すること。ヴイエムウェアの技術者がソフトのインストール、保守、パッチ適用、アップグレードを担当する。

 3社の従量課金サービスは言ってみれば「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の流儀によるパブリッククラウドへの対抗措置だ。パブリッククラウドは顧客のITインフラを飲み込むブラックホールになっている。本欄の世界IT市場別実績調査によると、2019年第1四半期のパブリッククラウドのIT市場に占める比率は23.7%と、2015年第1四半期の7.4%から大きく伸びた。

 パブリッククラウド大手は市場にあまた存在するヴイエムウェア製品で構築済みのシステムをクラウドに巻き取り、そこから人工知能など自社の別サービスに連携させようとしている。

 そうはさせまいとするサーバー3社の言い分は「顧客は従量課金というビジネスモデルを評価しクラウドを利用している。サーバーやストレージを置く場所や所有の有無が問題なのではない」というものだ。

     

 ホームページへ