週間情報通信ニュースインデックスno.1189 2019/08/03


1.NTTデータの2019年4〜6月期決算、「計画通り」の増収増益(8.2 日経XTECH)
 NTTデータは2019年8月2日、2019年4〜6月期の連結決算(国際会計基準)を発表した。売上高は前年同期比4.4%増の5272億円、営業利益は同2.4%増の298億円で増収増益だった。柳圭一郎副社長は「計画通り。海外事業が順調に規模を拡大し、増収だった」と説明した。営業利益はPMI(買収後の統合作業)費用が減り、増益となった。

 セグメントごとにみると、公共・社会基盤が66億円減と、前年同期に省庁などから案件を獲得したことによる反動減があったが、そのほかの金融や法人・ソリューション、北米、EMEA・中南米がそれぞれ伸びた。特にEMEA・中南米セグメントのスペインにおける金融機関やテレコムへの売り上げが大きく拡大しているという。営業利益は北米が11億円と伸びた以外はほとんど前年同期比並みだった。

 通期の見通しは据え置いた。柳副社長は「経済状況が変わりつつあるが、ITサービスは景気変動に遅行性のところがある。国内は大きくぶれない」と説明した。

2.スマホ独り勝ちのファーウェイ、自社OSに自信もAndroidを諦めず(8.2 日経XTECH)
 中国の華為技術(ファーウェイ)が2019年7月30日に発表した同年上期(1〜6月期)の決算は、一見すると米国による制裁の影響をほとんど感じさせない内容だった。売上高は4013億人民元(約6兆3000億円)と、前年同期比で23.2%増加。売上高純利益率も8.7%と、直近の2018年通期の8.2%をしのぐ水準だ。

 増収に大きく貢献したのは、スマートフォンをはじめとする消費者向け端末事業である。同事業の2019年上期の売上高は2208億人民元(約3兆4700億円)で、全売上高の55.0%を占める。2012年の時点では22.0%にすぎなかったが、2018年には48.4%に達し、それまで主力だった基地局など通信事業者向けネットワーク事業を初めて上回っていた。今や名実共にファーウェイの看板事業といえる。

 しかし、実際には米国の制裁による影響を受けている。ファーウェイ会長の梁華氏は、「(2019年)5月までは売上高が急成長していた」と語った。5月とは、同社が米商務省の禁輸対象リスト(エンティティーリスト)に追加された時期である。裏を返せば、それ以降は売上高が伸びなかった、すなわち販売や生産への影響があったということだ。1〜3月に比べると、4〜6月は売上高の前年同期比での伸び率が低下したとみられる。

 スマホの出荷台数についても、2019年上期は前年同期比24%増の1億1800万台と好調だったが、同年1〜3月と4〜6月がそれぞれ5900万台という内訳になっている。これは、成長が頭打ちになった兆候とも取れる。

 一方で、ファーウェイの主戦場である中国ではスマホの需要が長らく低迷しており、同社はむしろ善戦したという見方もある。米国や英国、シンガポールなどに拠点を置く調査会社のカナリス(Canalys)によれば、中国市場におけるスマホ出荷台数は2017年第2四半期(4〜6月期)から2019年第2四半期まで9四半期連続で前年同期を下回っている。その間、ファーウェイは市場シェアを20%前後から38%まで伸ばしており、独り勝ちの様相を呈している。

 米国による制裁に伴い、中国ではファーウェイ製品を「買って応援」する機運が出てきているともいわれる。その真偽はともかく、実際に同社の市場シェアは米国主導の“包囲網”が顕在化した2018年後半ごろから加速度的に高まっている。

 その意味で、今後の鍵を握るのはOS(基本ソフト)である。ファーウェイはこれまで、自社のスマホやタブレット端末に米グーグル(Google)が開発したOS「Android」を使ってきた。ファーウェイがエンティティーリストに追加されたことを受け、グーグルは既存のファーウェイ製品について2019年8月19日まではサポートを継続することを表明したが、その後は不透明である。

 仮にグーグルがサポートを含むファーウェイとの取引を停止した場合、ファーウェイはオープンソース版のAndroidこそ使い続けられるが、ファーウェイ製スマホやタブレット端末はグーグルの各種アプリやサービス、マーケットプレイス「Google Play」などに接続できなくなるという。もともと中国ではグーグルのアプリやサービスなどが利用できないので、大きな影響はなさそうだが、中国外ではファーウェイ製品を敬遠する動きが広がるとみられる。

 2019年上期決算の会見で、ファーウェイの梁氏は「OSやマーケットプレイスを自社で開発する力がある」という同社の従来の主張を繰り返した。実際、同社はスマートウオッチ「Watch GT」の新製品で自社製OS「Lite OS」を採用している。スマホやタブレット端末を見据えた取り組みとも考えられる。

3.JR東、Google Cloud使い線路の予防保守実証(8.1 日経XTECH)
 JR東日本は2019年7月31日、山手線で実証実験中の線路の保守システムに、米グーグルの「Google Cloud」を使用していることを明らかにした。グーグル日本法人が開催中のGoogle Cloudに関するイベント「Google Cloud Next '19 in Tokyo」の基調講演で明らかにした。

 山手線では、2015年に営業運転を始めた「E235系」の車両にセンサーを取り付けることで、走行中に線路の状態を常時モニタリングできるようになっている。この仕組みをさらに高度にし、現状では一定期間ごとに実施している線路の交換作業を改め、地点ごとの変状の大きさなどを踏まえて交換時期を決めるという予防保守に移行することを視野に入れた実証実験を始めている。

 基調講演に登壇したJR東日本の小県方樹副会長は、同システムの構築・運用に際してGoogle Cloudとその上で動作するAI(人工知能)を活用していることを表明し「メンテナンスの革新に向けた効果検証を進めている」と明らかにした。



4.「超小型IoTモジュールを実現」、ルネサスが4.5mm角のRXマイコン(7.31 日経XTECH)
 ルネサスエレクトロニクスは、32ビットマイコン「RX651グループ」の製品ラインアップを拡充し、64ピンパッケージ封止品を追加した(ニュースリリース)。これまでのRX651グループのマイコンは、100〜177ピン封止品だった。

 今回追加した製品のパッケージは2種類あり、4.5mm角のBGA(Ball Grid Array)と10mm角のQFP(Quad Flat Package)。同グループの既存製品では、100/145ピンLGA(Land Grid Array)パッケージ封止品が7mm角で最も小さかった。今回、それよりも大幅に小さな4.5mm角のパッケージに封止しながら、最大2Mバイトのフラッシュメモリーと最大640KバイトのSRAM(Static Random Access Memory)を集積した。

 同社によれば、大容量のメモリーを集積したおかげで新製品にはIoT(Internet of Things)向け通信用ソフトウエアを余裕をもって格納できる。また、トラステッドセキュアーIPやメモリープロテクト機能を備えており、出荷後のファームウエアのアップデートをセキュアーに行えるという。こうした特徴を持つ新製品を利用することで、超小型のIoT通信モジュールを実現できるとする。具体的な応用先として、産業オートメーションやビルディングオートメーション、ホーム・家電用機器に向けた超小型通信用モジュールを挙げる。また、小型の環境センサーやモーションセンサー用モジュールにも適しているという。

 今回の新製品は、RX651グループの既存製品と同じく、CPUとして同社独自の「RXv2コア」(120MHz動作)を集積し、40nmプロセスで製造する。新製品の64ピンパッケージ封止品は、現在、量産出荷中。1万個一括購入時の参考価格は、1個当たり4.58米ドル(税別)から。既存のRX65Nのターゲットボードやスターターキット、統合開発環境「e2 studio」を使うことで、すぐに開発に着手できるとする。

5.家庭用ロボの開発急ぐアマゾン、5Gの期待かかるクアルコムに逆風(7.29 日経XTECH)
 米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)の家庭用ロボット開発が加速しているようだ。米クアルコムは、その強さ故に同社への風当たりも強くなっている。

[1]アマゾン、家庭用ロボットの開発を加速  米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)は音声命令によって家の中を移動するロボットの開発に力を注いでいる。米ブルームバーグが2019年7月12日、報じた。シリコンバレーにあるハードウエア研究開発施設「Lab126」で製作している試作機は人の腰ほどの高さがある。一連のカメラと画像認識システムを搭載し、車輪を使って移動するという。コードネームで「ベスタ(Vesta)」と呼ぶ、AIアシスタント「アレクサ」搭載の家庭用ロボットについては2018年4月ごろから報じられていた。関係者によると当初は2019年内の発表を目指していたが、2020年以降にずれ込む可能性がある。量産体制が整わないためだという。

[2]EUがクアルコムに制裁金、3Gチップを原価割れで販売  欧州連合(EU)の欧州委員会は米クアルコム(Qualcomm)がEU競争法(独占禁止法)に違反したとして2億4200万ユーロの制裁金を科した。2019年7月18日、明らかにした。2009年から2011年にかけて市場支配的地位を乱用し、競合を締め出す目的で3G(第3世代移動通信システム)のチップセットを原価割れの価格で販売したという。競争政策担当のマルグレーテ・ベステアー委員は声明で「技術革新と市場競争を阻害し、消費者の選択肢を狭める行為だ」と述べた。



     

 ホームページへ