週間情報通信ニュースインデックスno.1187 2019/07/20


1.ダイキンやパナらのIoT協創空間、グーグルなどのオフィスデザインに実績あるKDaが内装担当(7.18 日経XTECH)
 部屋に入ると目に飛び込んでくる、様々な形をしたテーブルや椅子、そして植物の緑──。ここは、オカムラやダイキン工業、東京海上日動火災保険、ライオン、MyCity(東京都千代田区)、アサヒビール、TOA、TOTO、パナソニックの9社が共同で、未来のオフィス空間を検証する新施設「point 0 marunouchi(ポイント ゼロ マルノウチ)」である。

 名前の通り、東京・丸の内にあるビルの一角に位置する。新設したオフィス空間の面積は1082m2で、220席を備える。2019年7月16日から実験を開始した。運営はpoint0(東京都千代田区)が担う。なお、他の企業も会費を払えば、サテライトオフィスとして利用できるようになる。

 ルームエアコンの製造・販売で競合するダイキン工業とパナソニックが同じ部屋で協創するという組み合わせが、まず面白い。しかもダイキン工業の稼ぎ頭である業務用や大型の空調機器事業で最大のライバルである三菱電機の本社を含む、丸の内エリアの「三菱村」に協創空間を構えたのは意図的なのか、気になるところだ。

 もっとも、このエリアは多くの企業が本社やオフィスを構える、日本を代表するビジネス街。未来のオフィス空間を考えるにはうってつけの場所であることは間違いない。国を挙げたビジネスパーソンの働き方改革に伴うワークスタイルの変化を、IoT(モノのインターネット)プラットフォームを備えた協創施設でデータに基づきながら徹底検証していく。

 参加する企業の顔ぶれはかなり多彩で、バラエティーに富む。電機からオフィス家具、洗面・浴室などの水回り、音響機器、飲料、日用品、保険、ヘルスケアに至るまで、バラバラなメンバーがそろう。その一部に競い合う事業領域があったとしても、「一緒になって未来のオフィス空間づくりを考えるメリットの方が大きい」。協創プラットフォーム「CRESNECT(クレスネクト)」を先導するダイキン工業の米田裕二執行役員テクノロジー・イノベーションセンター長は、そう説明する。本プロジェクトは、そのCRESNECTの第1弾の位置付けとなる。

 パナソニックも同じだ。他社の人たちと同じ部屋で働くことで「新しい空間ソリューションの知見をためて、世の中に提案していきたい」(パナソニック ライフソリューションズ社の岡秀幸常務技術本部長)

 各社がpoint 0 marunouchiで検証したいことは一口に未来のオフィス空間づくりと言っても、個別に見れば内容は違ってきてもおかしくない。様々な要望が空間設計の段階で出てくるのは確実だ。そして何より、働きやすくて、快適な空間でなければならない。

2.KDDI、iPhone向け「海外データeSIM」の対象エリアを拡大 96の国と地域で利用可能に(7.19 ITmedia)
 KDDIは7月19日、デュアルSIMに対応したiPhoneで、海外のデータ通信サービスを副回線として使える「海外データeSIM powered by GigSky」の対象エリアを拡大すると発表した。中国や韓国、オーストラリアなどを含む96の国と地域に広げ、留学や長期出張、ホームステイなどで利用したい人のニーズに応える。

 4月のサービス開始当初は、北米とハワイのみ対象だったが、アジアやオセアニアなどでも使いたいという要望を受け、対象エリアを拡大した。一度プランを購入すると、有効期限内なら対象の国や地域をまたいで利用可能だ。

 対応するスマートフォンはiPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR。30日間で5GBのデータ通信が使えるプランは5800円、8GBの通信プランは8900円(いずれも不課税)。

3.「5G」と「4G」を比較 微妙に違うのか、それとも決定的に違うのか?(7.19 ITmedia)
 有線の規格であるイーサネットの世界では、データ伝送速度の考え方は非常に単純だ。100Mbpsや1Gbpsというデータ伝送速度を実現するためには、クライアント端末をその規格に準拠したスイッチのポートに接続すればよい。この場合、データ伝送速度を制限する可能性があるのは、インターネットサービスプロバイダー(ISP)が提供するインターネット接続サービスの仕様のみだ。

 一方、無線にはさまざまな規格があり、複雑性は有線より高い。データ伝送速度に影響する可能性がある要因はさまざまなものがある。5G(第5世代移動体通信システム)のネットワークが実際のところ何を意味するのかは、きちんと理解されていない。5Gを理解するには、まずは4G(第4世代移動体通信システム)を理解することから始めるのがよい。4Gとは何かを理解するには、まずは先入観を捨てて、特定の基準にはこだわらないことが大事だ。

 4Gが利用する電波の周波数帯は、700MHzから6GHzの間と幅広い(国や地域によって、実際に利用可能な周波数帯は異なる)。3G(第3世代移動体通信システム)の仕様では、最大データ伝送速度は数十Mbpsとなる。ITU-T(国際通信連合の電気通信標準化部門)による4Gの定義では、デバイス移動時の最大データ伝送速度は100Mbpsとなる。移動しないデバイスならば、最大1Gbpsのデータ伝送速度を実現することが目標となっている。

 ただ実際には、43Mbps、10Mbps、7Mbpsといったデータ伝送速度になるのが現実だろう。4Gの電波は至る所で利用できる。だが4Gを利用するデバイスが同一エリアに100台近くあるなど、接続が混雑した状態だと、4Gのネットワークに接続しているとは感じられないほどデータ伝送速度が低速になる可能性がある。

 4Gと5Gのテクノロジーとしての違いはどこにあるのだろうか。5Gという“魔法”によって何がもたらされるのかを考えてみよう。まず4Gで利用されている周波数帯は引き続き4Gのネットワーク用として機能する。これに加えて、6GHzから約90GHzの間のさまざまな周波数帯で5G向けの電波が新たに割り当てられる可能性がある。

 4Gの場合と同様、ITU-Tは5Gにおけるデータ伝送速度の目標を設定している。下り(基地局側からユーザー端末へのデータ伝送)の速度は20Gbpsと、4Gと比較して非常に高速になる。上り(ユーザー端末から基地局側へのデータ伝送)は10Gbpsになる。極めて低遅延で通信できることが、4Gまでの無線テクノロジーと比較した場合の大きな違いとなる。

 セル(一つの基地局がカバーする区画)1つ当たりの同時接続デバイス数は、5Gでは4Gまでと比較して10〜1000倍になる。どれだけのデバイスが接続できるかは、接続するデバイスの種類に左右される。こうした目標を考慮すると、5Gによる通信が可能なデバイスは、スマートフォンなどのモバイルデバイスに限らず、今後大量に登場してくると予想できる。機器同士を接続するM2M(Machine to Machine)によるネットワークなどを担うことへの期待も集まる。

4.方法論なしにDXはできない、GAFA対抗に欠かせぬ能力とは(7.18 日経XTECH)
 テクノロジー活用の本質」をテーマに、日本を代表するCIO(最高情報責任者)やCDO(最高デジタル責任者)、有識者など約40人が議論した。日経 xTECHが2019年6月18日に都内で開催した「日経 xTECH ITイノベーターズ会議」で飛び出した発言を紹介しよう。

 テクノロジー活用では、やみくもに取り組んでも良い結果は出ない。デザイン思考やアジャイルといったデジタルトランスフォーメーション(DX)に必要な方法論を理解して、正しいやり方を実践するのが成功への近道となる。

 デザイン思考やアジャイルを用いるのは、経営環境の変化に対応するのが狙いだ。現在は、あらゆる企業がGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)に代表される「デジタルディスラプター(既存産業を破壊して市場を奪う企業)」に対抗しないとならない。そこで重要となる要素について「データ、インサイト、カルチャーの3つが鍵」「今まで以上に社員の能力が差異化要素になる」といった話題で盛り上がった。

 「シリコンバレーに赴任する前は、ディスラプション(革新的イノベーション)を仕掛けるスタートアップ企業は突拍子もない考え方や行動をしていると思っていた。しかし、シリコンバレーで取材を続けるうちに、独特の規律を守っていると分かった」。2019年3月まで日経BPのシリコンバレー支局長を務めた日経 xTECH副編集長の中田敦はこう明かす。

 「ブレーンストーミング、メモの取り方、アイデアの取りまとめ方、ユーザーへの質問術、プログラミング手法、オフィスの作りなど、どこも同じやり方をしていた」と言う。手法が同じになるのは、理論化された方法論を社員が学んで実践しているからだ。

 利用している方法論はデザイン思考やアジャイル開発、リーンスタートアップなどだ。特にデザイン思考が重視されているという。「独学で身に付けようとするのではなく、大学やベンチャーキャピタルに所属するプロのコーチの下で訓練を通じて方法論を学んでいる。プロスポーツ選手に似ている」(中田副編集長)。

 現在は「VUCA」の時代とされる。VUCAとは、「激動(Volatility)」「不確実(Uncertainty)」「複雑(Complexity)」「不透明(Ambiguity)」の頭文字を取った略語だ。既存産業を置き換えるディスラプター(破壊者)が突然登場し、自社事業が脅かされる可能性が常にある。「VUCA時代に企業が生き残るには、アジャイル経営が欠かせない」。ストックマークの林達代表取締役CEOはこう訴える。

 アジャイル経営とは、変化に対して迅速に適応する経営スタイルのこと。変化を見つけ出して素早く意思決定して、短いサイクルでサービスをリリースする。林氏は「実現にはデータ、インサイト、カルチャーの3つが鍵になる」と指摘する。

 1つめの鍵となるデータでは、テキストや画像、音声といった「非構造化データ」が重要になる。「POSデータや売り上げデータといった『構造化データ』は企業を取り巻くデータの20%にすぎない。非構造化データも含めて全てのデータを分析して、経営の意思決定に使うべきだ」(林氏)。

 2つめの鍵となるインサイトとは、データから意思決定に役立つ“意味”を見つけ出すこと。林氏は「2018年に大きなブレークスルーがあり、人間以上の精度でテキストの意味を理解するAIのアルゴリズムが登場した」と紹介する。AIがテキストを解析して、内容の要約や読むべき人の選定を自動で実施できるようになったという。

 3つめの鍵となるカルチャーでは、組織を越えて情報共有する文化の醸成が重要となる。アジャイル経営では、社内のチームが有機的に連動して変化に対応していく。これを実現するには、全社でデータ、インサイトを活用するカルチャーが必要だ。

 アジャイル経営の成功例として、林氏は米ウォルマート(Walmart)を挙げた。「顧客の購買行動をデータ分析で明らかにして、ネット通販と店舗を融合した魅力的なサービスを実現した。これにより、ディスラプターである米アマゾン・ドット・コムに対抗している」。

5.CRMとiPadでセールスを抜本改革、北洋銀・佐々木氏が取り組みを語る(7.18 日経XTECH)
 2019年7月18日、ICTによるデジタル変革をテーマにした大型イベント「札幌デジタルイノベーション 2019」(主催:日経BP)が札幌コンベンションセンターで開幕した。午前10時からのKEYNOTE(基調講演)では、北洋銀行 フィナンシャルマーケティング部 管理役の佐々木勉氏が「北洋銀行が進める“攻め”のマーケティング ?CRMとiPadを活用した顧客ニーズへの対応?」と題して講演した。

 同行は2015年4月にCRM(顧客関係管理)システムを刷新し、顧客へのセールスの在り方を抜本的に転換した。セールス回数の増加とセールスの質の向上を実現。併せてタブレット端末のiPadを使ってセールスの事務効率化と機動力向上を果たした。

 具体的にはCRMで取引履歴や属性を分析して顧客の消費傾向を把握し、推奨する商品を決める仕組みを築いた。「お客さまのニーズをキャッチし、セールスのやり方をプロダクトアウトからマーケットインへ転換した」(佐々木氏)。同時に行員が携行するiPadを使って商品の説明から申し込みまでを完結することで事務効率の向上や事務ミスのリスクを低減しつつ、顧客に寄り添った提案セールスを実現した。

 さらにCRMを応用して、これまであまり接触できていなかった準富裕層やアッパーマス層、マス層にアクセスするためアウトバウンドのコールセンターを立ち上げた。「有人チャネルと無人チャネルを連動させることで、金融商品の申し込み率が約5倍に上がった」という。

 「今後はスマートフォンを新たなチャネルにしなければならない」と佐々木氏は力説する。この考えに沿って、銀行のあらゆる機能をスマートフォンで操作できるようにすることを目指す。これらの機能はオープンAPIとして外部に公開する。例えば、コンビニエンスストアのセイコーマートを運営するセコマなどと共同で、キャッシュレス決済の実証実験を進めているという。「金融をプラットフォーム化していく」(佐々木氏)。

     

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