週間情報通信ニュースインデックスno.1186 2019/07/13


1.政府が共通プラットフォームにAWSを採用へ、来秋稼働(7.12 日経XTECH)
 政府は2020年10月に運用を開始する予定の「政府共通プラットフォーム」に米アマゾン・ウェブ・サービスのクラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」を採用する方針であることが分かった。日経 xTECHの取材に複数の政府関係者が明らかにした。

 政府共通プラットフォームは政府情報システムのプライベートクラウド基盤である。政府は民間クラウドサービスの利用を前提に次期基盤となる「第二期整備計画」を進めており、現行の政府共通プラットフォームに比べて5割超の運用コスト削減を目指す。

 政府は2018年度から政府共通プラットフォームの整備に向けた入札を実施し、このうち設計・開発などの請負業務の一般競争入札について、アクセンチュアが19年5月に4億7520万円で落札して受託契約を結んだ。政府関係者によると、アクセンチュアはAWSの利用を前提に設計・開発を進めている。

 これまで自治体などの行政機関が個別にAWSなどのクラウドサービスを利用する事例はあったが、政府がAWSを大規模に採用するのは初めてと見られる。

 システム要件などの検討を担当している総務省行政管理局によると、2019年7月時点では設計工程の初期段階で「AWSの標準サービスを利用してコストを安くできるシステムを精査している」という。業務内容の見直しや更改予定のないシステムを対象に、プロトタイプによる機能や費用対効果などの事前検証を進めている。

 

2.アマゾンが7月15日から「プライムデー」、Alexaからの音声注文に対応(7.12 日経XTECH)
 アマゾンジャパンは2019年7月12日、東京スカイツリータウンで記者発表会を開き、7月15日午前0時から開始する年に1度のセール「プライムデー」の詳細を発表した。

 2019年のプライムデーは7月15日午前0時から7月16日23時59分まで48時間に渡って開催する。「Amazonプライム」会員向けのセールだが、初めて登録した場合は30日間の無料体験を利用できるとした。

 Amazonプライムは18カ国で展開しており、2018年には会員数が1億人を突破した。年額4900円または月額500円(いずれも税込)で利用できる会員制のプログラムである。

 タイムセールとして、レビューの星4つ以上の商品を販売する「特選タイムセール」や、最大8時間続く「数量限定タイムセール」を実施する。ボルン事業本部長は「時間帯によってセール商品が変わっていく。何度もアマゾンのサイトを訪れてほしい」と語った。

 音声アシスタント「Alexa(アレクサ)」を使った声によるショッピングは、日本では初めてプライムデーの商品に対応する。「アレクサ、プライムデーのセール商品を検索して」と話しかけると、セール商品を検索・購入できるという。

 

3.脱製造業を進める日立、それでもロボットに本気の理由(7.12 日経XTECH)
 国内外の企業を次々と買収し、産業用ロボットのシステムインテグレーション(ロボットSI)事業への参入を表明した日立製作所。IoT(Internet of Things)基盤「Lumada」を中核に据え、ものづくり事業を容赦なく切り離すなど“脱製造業”を進める同社にとって、製造業ど真ん中のロボットSI事業への参入は全社的な方針と矛盾しているようにも思える。だが、そこには同社が熟慮を重ねた上での狙いと勝算がある。

日立製作所は2019年3月から4月にかけて国内外のロボットSI事業者の買収を相次いで発表した。同社子会社の日立産機システムがケーイーシーを、日立本体が米JRオートメーションテクノロジーズを買収する。既にケーイーシーの買収は完了した。JRオートメーションも、2019年内の買収完了を目指す。

 ロボットSI事業の主な訴求先は、自動車メーカーをはじめとする製造業大手だ。従来、自動車メーカーなどの製造業大手は自社に強力な生産技術部門を持ち、生産ラインや設備を自ら開発していた。産業用ロボットを使った自動化システムも、例外ではない。ロボット自体は既製品を調達するにしても、ロボットシステムの設計や運用は生産技術部門が担っていた。このような生産技術力こそが、日本製造業の強さの源泉でもあった。

 だが、今後は多くの製造業が生産技術部門にこれまでのようなリソースを割けなくなると日立製作所は見る。「自動車メーカーやティア1、2クラスの自動車部品メーカーからは、開発にエンジニアリングリソースを集中しなければ、本業で勝てない時代になってきたと聞いている」(同社)。

 ただでさえ豊富な知見を持つベテラン技術者が退職していくのに、今後は生産技術部門がさらに弱体化する恐れがあるということだ。一方で、世界的な労働力不足や人件費高騰に備えて、ロボットの活用は加速させる必要がある。必然的に、外部のリソースに頼らざるを得ない。日立製作所はそこに商機を見いだしている。

 ただし、同社は事業領域をロボットシステムだけにとどめるつもりはない。同社が狙っているのは、ロボットシステムを含めた生産ライン全体を構築する「ラインビルディング」の領域だ。「従来、製造業大手では生産ラインを自社の生産技術部門が構築することが圧倒的に多かった。しかし、生産拠点が全世界に広がり、ベテラン技術者がどんどんいなくなる中、生産技術部門だけで担いきれなくなっている。そこを丸ごと請け負うラインビルディングは今後数年で非常に魅力的なビジネスになっていく」(同社)。

 その点では、特に2019年4月に買収を発表した米JRオートメーションテクノロジーズ(JR AutomationTechnologies)に寄せる期待は非常に大きい。同社は、自動車や航空機、医療機器、EC(電子商取引)など幅広い業界の顧客を抱えている。「世界を見わたしても、JRオートメーションのように多様な業界に食い込んでいるロボットSI事業者はないのではないか」(日立製作所)。併せて買収した日本のSI事業者であるケーイーシー(本社岐阜県各務原市)の知見も合わせて、これまでは製造業大手の生産技術部門が手掛けていたラインビルディングの一大産業化を目指す。

 ラインビルディングを手掛ける企業は、国内外に多く存在する。既存の“ラインビルダー”と差異化する上でのポイントになるのが、前出のLumadaである。

 前述の通り、日立製作所はロボットシステムにとどまらず、顧客の生産ライン全体の構築を手掛けようとしている。それによって、単なる作業の自動化だけではなく、生産ラインとロボットシステムの同期による生産性向上など、より多くの価値を提供できるようになる。だが、それでも「隣のラインや工場と同期し、さらに経営データとリアルタイムにつながる世界はまだ実現していない」(同社)。それを実現するのがIoTであり、同社のLumadaというわけである。

 日立製作所は、こうした問題や無駄を「際(きわ)」と呼んでいるが、この“際”を解消する手段がLumadaになるという。「これまではスタンドアローンで稼働していた生産ラインを上位系(基幹システム)や横(他の生産ライン)とつなぎ、事業価値を高めるためにデータを活用する」(同社)。そのデータ活用の基盤となるのがLumadaであり、ロボットシステムや生産ラインと併せて「データのSIも進めていくことが大切になる」(同社)。そしてそれは、同社が描く次世代の製造業の姿でもある。

 ロボットや制御技術といったOT(Operational Technology)と、ITの両方に強い企業はそれほど多くない。両方を抱えるという特徴を生かして、日立は製造業大手に売り込みをかける。

 

4.ビデオ会議「Zoom」が日本で本格展開、SlackやTeamsにどう対抗?(7.11 日経XTECH)
 ビデオ通話「Zoom」の日本法人、ZVC JAPANは2019年7月11日、記者説明会を開き、日本オフィスの開設や事業戦略を発表した。

 説明会には米Zoom Video Communications創業者兼CEO(最高経営責任者)のEric Yuan氏がZoomのビデオ会議を利用して参加し、プレゼンテーションした。「Zoomの創業以前から多くのソリューションが市場にあったが、必ずしも素晴らしい体験を提供していなかった。Zoomは真にストレスフリーの体験を提供する」と語った。

 Zoomは2011年に設立後、2019年4月には米NASDAQに上場した。本社は米カリフォルニア州サンノゼに構え、従業員数はグローバルで2000人となっている。

 従来のビデオ会議ツールとの違いとして、100%クラウドベースであること、世界の13のデータセンターからグローバルに提供すること、モバイル端末に対応しスクリーンの共有機能などを備えること、開発者向けのオープンなAPIを提供すること、などを挙げた。

 Zoomは企業のビデオ会議以外にも、営業における商品デモ、ウェビナー機能を用いたイベントの開催、従業員向けの遠隔サポート、語学レッスンといった用途に活用できる。

 Zoomを展開する上位6カ国は米国、日本、インド、中国、カナダ、英国。中でも日本のユーザー数はアジアで最も速く伸びていることから、日本における事業拡大を決断した。

 日本でZoomが広まった要因は、「北米の企業とのミーティングにZoomを使ったユーザーが、品質の良さに気付いてくれた。その後は日本国内でのコミュニケーションにもZoomが使われるようになり、有機的な成長を遂げている」(Yuan氏)と説明した。

 SlackやMicrosoft Teamsにどう対抗していくかについては、「サービスごとに最も優れたものを選ぶ、ベストオブブリードのサービスになりたい。チャットにはSlackを使いながら、ビデオ会議のときにはZoomを使ってもらえる」(Yuan氏)とした。

 米ウォルマート(Walmart)などグローバル企業がZoomを導入していることを背景に、日本でもZoomが使われる機会が増えているという。日本オフィスの従業員は現在23人だが、「2019年内に人員を倍増させる。日本の文化や言語を尊重し、ローカルに展開する」(Smith氏)と語った。

 

5.AWSが世界のクラウドサービス市場で首位陥落、マイクロソフトが逆転(7.8 日経XTECH)
 クラウドサービスの世界シェアで、米マイクロソフト(Microsoft)が米アマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services)を逆転し首位に立ったことが2019年7月8日までに分かった。英IHSマークイットが調べた2018年の売上高ベースの市場シェアでマイクロソフトが対前年比2.4ポイント増の13.8%と大きく伸びたのに対し、AWSは同1.1ポイント増の13.2%にとどまった。

 マイクロソフトは電子メールやオフィスソフトをセット提供するSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)の「Office 365」が好調を維持したほか、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)やPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)の分野でも「Azure」が堅調に顧客を開拓し、総合力でシェアを伸ばした。

 AWSはIaaSでのシェアが45%を占め、「IaaSに限れば他社よりシェアを伸ばしている」(IHSマークイット日本法人)。ただし有力な法人向けSaaSを持たず、この分野での遅れで首位から陥落した格好だ。

 この2社を含めた上位5社は米国企業が占めた。3位は米IBMでシェアは対前年比1.4ポイント減の8.8%、4位は米グーグル(Google)で0.5ポイント増の5.6%、5位は米セールスフォース・ドットコム(Salesforce.com)で0.1ポイント減の5.0%だった。マイクロソフトとAWSの2強はシェアの伸びで見ても他社を引き離しつつある。

       

 ホームページへ