週間情報通信ニュースインデックスno.1184 2019/06/29


1.G20「大阪トラック」開始、データ流通や電子商取引のルール作り本格化(6.28 日経XTECH)
 日本が初めて議長国となる20カ国・地域(G20)の首脳会合が2019年6月28日、2日間の日程で始まった。開幕に先立つ有志国による「デジタル経済に関する首脳特別イベント」で議長の安倍晋三首相は「デジタル時代の成長のエンジンであるデータ流通、電子商取引に関するルール作りは急務」と述べ、国際的なルール作りに本格化する「大阪トラック」の開始を宣言した。

 午後から始まった会合では多くの首脳が自由貿易を促す世界貿易機関(WTO)について「紛争解決における本来の役割を果たしていない」と指摘し、78カ国・地域が参加して首脳レベルで初めてWTO改革や電子商取引に関する交渉を進める意思を確認した。2019年7月にWTOの有志国会合を開き、2020年6月のWTO閣僚会合に向けた交渉を進める。

 また安倍首相は世界経済の下振れリスクや経常収支の不均衡といった課題に触れたうえで、「経済の電子化への課税上の対応について期限内に合意を得るためにはG20のリーダーシップが不可欠」と述べた。デジタル化に対応した国際課税の原則の見直しなどについては、経済協力開発機構(OECD)を中心とした検討で2020年末までに最終報告書を取りまとめるとしている。

 

2.起きてから寝るまでの「ライフライン」に、LINEが新経営ビジョン(6.27 日経XTECH)
「朝起きてから夜寝るまで、生活の全てをサポートする。ライフスタイルにイノベーションを起こし、感動を与える」。基調講演に登場した代表取締役の慎ジュンホ氏は新経営ビジョンをこう説明した。慎氏はCWOの肩書を持つ。チーフWOWオフィサーの略で、製品やサービスを通じて利用者に感動(WOW)を与える責任者との意味合いがあるという。 

 新経営ビジョン実現に向けた施策の1つがオンラインとオフラインの融合だ。同社はOMO(オンライン・マージ・オフライン)と表現する。従来も食事宅配や位置情報といったO2O(オンライン・ツー・オフライン)サービスを提供してきたが、「オンラインとオフラインの連携だけでは利用者のペインポイント(困りごと)を解決できない。両者の垣根をなくす」(慎氏)。具体策として「LINE Mini app」と呼ぶCMS(コンテンツ管理サービス)機能を発表した。小売店はLINEアプリ内で自社のサービスページを開設し、予約フォームの設置やクーポンの発行、ポイントカードの付与といった機能を提供できる。 

 新経営ビジョン実現策の2つ目がFinTechだ。「生活において最も重要なお金のペインポイントを解決しなくてはLife on LINEは完成しない」(慎氏)。具体策が同日に提供を始めた信用スコアリングサービス「LINE Score」だ。LINEの利用・行動データを分析し、「一定のロジックで抽象化した傾向値」(出澤剛社長)などを基に得点を算出。ローンや保険、シェアリングサービスなどを有利な条件で使えるようにする。利用者同士がやり取りしたメッセージの中身やECで購入した商品の内容といった直接的なデータは使わない。 

 第3の施策がAIだ。「5年後、10年後に企業は2つに分かれる。AIを活用した企業とそうでない企業だ。LINEは1000人規模のAI技術者を抱えるAIカンパニーだ」(慎氏)。音声アシスタント「Clova」向けなどに開発してきたAI技術を外販する事業「LINE BRAIN」を発表した。2019年7月からAIチャットボット技術や文字認識技術、音声認識技術を順次発売する。

3.ネットワークスライスをオンデマンドで構築、KDDIとエリクソンが共同開発へ(6.27 日経XTECH)
 KDDIとスウェーデンEricsson(エリクソン)は2019年6月24日、5Gを使ったアプリケーション利用時の効率化を実現する「ネットワークスライスのオンデマンド構築技術」および「ゼロタッチ認証技術」を共同開発したと発表した(KDDIのニュースリリース、Ericssonのニュースリリース)。2019年6月26日から28日にかけて中国・上海で開催される「MWC Shanghai 2019」のEricssonブースにて、今回の技術を使ったデモが披露される。

 5Gコアネットワークのネットスライシング機能は、多様なユースケースに対して、個々の要求条件に合わせた個別のネットワークを構築し、最適な環境を効率的に利用できる技術として期待される一方で、従来の仮想化技術で提供する場合のリードタイムが課題となっている。今回開発したネットワークスライスのオンデマンド構築技術では、5Gコアネットワークの主要機能をコンテナ型仮想化技術で統合化した「Container-based Dynamic Slice Orchestration prototype」を導入。アプリケーション起動や各種ハードウエア操作などの処理をコンテナ化することで、顧客の操作に応じたオンデマンドなネットワークスライシングサービス提供を可能にした。

 アプリケーション使用時のユーザー認証手段としては、IDとパスワードに加えて、SMS(ショートメッセージサービス)で通知する認証コードを入力することで安全性を確保する方法が広く使われている。ただいこれには、顧客側の操作手順が煩雑であるという課題がある。今回のゼロタッチ認証技術では、5GコアネットワークのAPIを利用して、アプリケーションとサービスプロバイダー間の認証を、安全性を確保しながら自動化。顧客の手を煩わすことなく、すぐにアプリケーションが利用できる仕組みを実現した。

 両社は、今後社会の持続的な成長と発展する未来に向けて、「通信とライフデザインの融合」をテーマに、5G時代の技術開発を推進していくとしている。

 

4.「韓国5Gスマホの性能は4Gフラグシップ機の5割増し」、英社が調査報告(6.26 日経XTECH)
 独立系調査会社の英Opensignalは2019年6月20日、韓国の5Gスマートフォンユーザーを対象にした性能調査結果を同社のブログで公表した(Opensignalのブログ)。5Gスマホの平均ダウンロード速度は111.8 Mビット/秒で、4Gスマホのフラグシップ機ユーザーに比べて48%高速になっているとしている。4Gスマホの機種によっては134%高速のケースもあるという。同社は英国に本社を置き、携帯電話基地局の電波カバー率や通信状況測定、解析などのサービスを提供している。

 韓国5Gスマホの最高速度は988 Mビット/秒で、上記平均速度の8.8倍となる。なお韓国では、5Gサービスが始まって約1カ月たった2019年5月初めの時点で、契約数が既に26万件に上っており、同年2月1日から5月2日までアジア太平洋地域の主要都市で実施された性能調査においても、ソウルがダウンロード速度で他の都市より群を抜いて高速とする結果が出ている。

 今回の調査では、韓国の5Gスマホにおいて、上述のようにダウンロード速度では著しい伸びがみられる一方で、アップロード速度や遅延時間については、5Gスマホとその他の端末とでほとんど変わらないことも報告している。

 現状の5Gサービスでは、NSA(Non-Standalone)5G NRを採用していることから、5Gスマホユーザーは、4G周波数帯と5G NRの両方に同時接続でき、データダウンロード時は5G、その他のネットワーク機能使用時は4Gと切り替えて使うことができる。ブログでは今後、SA(Standalone)5G NRでの5Gサービスを開始する際には、5Gへの独占的な接続が可能になる一方、遅延時間を大幅に短くし、ゲームやネット上でのコミュニケーションツールを快適に使える環境を提供する必要があるとも述べている。

 

5.スマホの行動ログだけで個人を特定する「ライフスタイル認証」 無人店舗を想定した実証実験スタート(6.28 ITmedia)
 三菱UFJニコスと三菱電機インフォメーションシステムズは6月28日、人の行動ログから個人を識別する「ライフスタイル認証」技術を活用した決済サービスの実証実験を7月1日から始めると発表した。スマートフォンの位置情報や利用履歴から個人を特定し、スマホや財布を取り出すことなく商品を買えるという。

 ライフスタイル認証は、あらかじめインストールした専用アプリで収集した位置情報やWi-Fi接続状況、サービスの利用履歴など、2〜3週間分の行動ログから個人を特定する個人認証技術。三菱UFJニコスなど4社と東京大学が共同で開発を進めている。

 三菱UFJニコスの社員を対象に本社ビルで行う今回の実験は、セルフレジや無人店舗での活用を想定したもの。スマホを携帯した人が菓子の無人販売ボックスに近づくだけで本人認証が完了し、解錠されたボックスから商品を取り出すと、あらかじめ登録したクレジットカードで決済が完了する仕組み。

       

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