週間情報通信ニュースインデックスno.1181 2019/06/08


1.SEからデータサイエンティストに転身 「考え方が全く違う」NEC社員が味わった苦労(6.7 ITmedia)
 AI(人工知能)人材の不足を受け、社内の研修プログラムなどを通じて転身を図るケースも増えてきた。しかし、機械学習や統計の知識がほとんどない状態でビッグデータの解析やAIアルゴリズムの作成などができるのか。5月28日に開催されたAI技術の専門イベント「NEC the WISE Summit 2019」で、SEから「AI人材」に転身したNEC社員が当時の苦労を赤裸々に語った。

 NECが定義する「AI人材」は、業務内容によって(1)コーディネータ、(2)コンサルタント、(3)エキスパート、(4)アーキテクト、の4つに分類される。コーディネータはAIプロジェクト全体を統括するプロジェクトマネジャーのような役割を担い、コンサルタントはAI導入の目的を決める上流工程を担当する。エキスパートはAIモデルの作成や検証を行うデータサイエンティストのような立ち位置で、アーキテクトはAIの実装を担当するAIエンジニアだ。

 現在エキスパートとしてデータ分析業務を担う保坂真奈美さん(ソリューションイノベータ クラウド・アナリティクス事業推進本部)は、かつてソフトウェア開発に従事していた。NECでは「ビッグデータ」がトレンドになった2014年にデータを分析できる人材の育成に取り掛かり、15年に分析専門組織を立ち上げて実践的な研修を始めた。

 保坂さんは「ある日突然、上司から『これからはビッグデータの時代だ』と言われました。自ら希望してビッグデータ解析の研究チームに入りましたが、統計や機械学習の知識がなかったので苦労しました」と当時を振り返る。

 16〜17年にはAIプロジェクトに関する顧客企業からの相談が増えたという。保坂さんが戸惑ったのは、システム開発とAI開発の進め方があまりに違う点だ。システム開発は最初に定義した要件に沿って進める「ウォーターフォール型」が基本だが、AI開発の場合は作成したAIモデルが出力した結果を見ながら、モデルのパラメータやデータの取得方法などを見直す必要がある。

 きっちり計画通りに進めることを求められるシステム開発と、試行錯誤が必要なAI開発では、「マインドセットから変える必要がある」(保坂さん)ようだ。

 エンジニアからコーディネータになった山本紫乃さん(リテール・サービス業システム本部)は、「AIプロジェクトは計画通りに進めることが難しいため、お客さまが求めるものを正しく判断し、自ら考え動ける人が向いています。AIが出力した結果を無条件で受け入れないことも大事です」と説明する。

 

2.Googleのように使えるBI「ThoughtSpot」がなぜデジタルトランスフォーメーション(DX)に必要なのか(6.7 ITmedia)
 ThoughtSpotは2019年6月5日、記者向けの説明会を東京で実施し、日本法人「ソートスポット合同会社」を設立したことを発表した。

 2012年に米国で創業したThoughtSpotは、自然言語を使ってGoogleのようなUIで誰でも簡単に高度なデータ分析を可能にする。また、AIを活用することで、ユーザーが求めたデータのみならず関連しそうなインサイトを自動で提供してくれるところも特徴だ。

 さらに、独自の高性能アーキテクチャで何十億行もの膨大なデータを高速処理し、スピード、セキュリティ、ガバナンスを損なうことなく全量の明細データを分析することが可能になっている。

 ThoughtSpotは大企業における全社レベルでの利用を想定した製品で、海外では既に小売業や、金融、通信、製造、製薬といったさまざまな業種で導入実績がある。具体的な導入企業としては7-11、BT、Celebrity Cruises、Daimler、De Beers、Hulu、Miami Children's Health System、Nationwide Building Society、Scotiabankなどの名が並ぶ。

 ビジネスユーザーがリアルタイムでデータを活用するためには、データを見るだけでなくデータと対話しなくてはならない。そこで重要になるのが、同社の売りである自然言語によるデータの探索だ。「大豆の貿易に関する昨年度の興味深い統計を見せて」「どのバーボンウイスキーが売れ筋か」といった自然な問いかけで必要なデータを見つけ、さら探していたデータのみならず、役に立ちそうな関連データをAIが探してきてくれるのだ。

 「DXの推進はデータの専門家でなく業務内容に精通した人が担わなくてはならない。データスキル向上には技術スキルとビジネススキルが要件となるが、実際には両方のスキルを持ち合わせたビジネスパーソンは、ほとんどいない。ThoughtSpotが技術スキル要件を大幅に緩和することで、ビジネスパーソン、ひいては組織全体のデータリテラシー向上をサポートする」(水嶋氏)

 

3.富士通、プライベートLTE対応の法人スマホ「ARROWS M359」を発表 5G端末にも意欲(6.7 ITmedia)
富士通コネクテッドテクノロジーズが6月7日に新製品説明会を開催。キャリア向けスマートフォン新機種の特徴を紹介するとともに、法人向けの新スマホを発表した。高田克美社長は、5G端末の投入についても意欲を見せた。

 富士通コネクテッドテクノロジーズは、2019年夏モデルとして、スマートフォン2機種、ケータイ1機種、通訳デバイス1機種を投入する。同社は6月7日に説明会を開催し、これら新製品の特徴を紹介するとともに、法人向けの新機種を発表した。

 arrows Be3は同シリーズの3世代目として投入されるモデル。富士通コネクテッドテクノロジーズの高田克美社長は、arrows Beシリーズの累計販売台数が2019年4月に100万台を突破したと述べた。この理由については「堅牢(けんろう)性を兼ね備えながらも、低価格でコストパフォーマンスに優れていることが、いろいろな人から評価されている」と説明した。

 富士通コネクテッドテクノロジーズは、法人向けのSIMロックフリースマートフォン「FUJITSU Smartphone ARROWS M359」を2019年10月以降に順次発売する。本機最大の特徴は、sXGPに対応し、自社内のみで使えるLTE網(プライベートLTE)を実現できること。セキュアで安定した無線通信環境を自営で広範囲へ構築でき、工場や工事現場など、設備を構築したネットワークエリア内で活用できる。設備費は導入する企業側が負担し、そのネットワーク内での利用であれば通信料金は発生しない。

 高田氏は法人のモバイル市場について「堅牢性が求められる工事現場などでは、通信機器の活用範囲がまだ狭い」と指摘した。ARROWS M359を使うことで「コンビナートや大規模な工場などでも、自営のプライベートLTEが役立つ」とアピールし、「長期利用できる安心の電話サポートを用意している」と新機種について自信を見せた。

 5Gについては「東京オリンピックに向けて準備が進んでいる。弊社としてはまだ技術開発の段階にあり、最先端の5Gネットワーク網に対応する端末についても準備が整い次第紹介したい」と述べた。 

 

4.アイデア検討はスマホより紙で、思考を加速させる技ありノート(6.7 日経XTECH)
 アイデアをメモするとき、あなたは何に書き込むだろうか。PCやスマートフォンなどのデジタルツールを使うより、紙に手書きをした方がはかどるシーンもある。 

 文字ではない情報を書き加えるときが特にそうだ。メモした項目を丸で囲んだり項目同士を矢印で結んだりするとき、手書きなら早い。ちょっとしたスケッチを描く、マトリックス形式やマインドマップで思考を図解するといった少し複雑なメモでも、手書きなら頭に浮かんだ内容をただちに書き表せる。 

 編集やコピーライティングを仕事にするA氏は、商品やサービスのコンセプトを考えるとき、必ず紙とペンを使う。「フォーマットの決まっているものはデジタルでいいが、ゼロから考えるときはアナログの方が効率的だ」と言う。 

 A氏は1つのテーマについて思い付いた内容を次々と書き出してアイデアを広げていく。企画のコンセプトを考えるときには「ターゲット(顧客)」「課題」「解決方法」といった必要な要素を書き、各項目に当てはまりそうなものを思い付くだけ箇条書きする。ターゲット像を描くときも同様だ。「ターゲットの困りごと」や「そのときの気持ち」を想像し、ひたすらノートに書き出す。 

 こうしたアイデアの検討で重要なのが、書き留めた項目を俯瞰(ふかん)することだ。スクロールしないと全体を見られないデジタルツールや小さな紙のメモ帳だと、どうしても思考を妨げる。とはいえ、大きなノートやコピー用紙は持ち歩きにかさばる。そこで活躍するのが、ページを広げられる「じゃばら式」ノートだ。 

 米国では、ビジネス誌のFast Companyが「デジタルよりもアナログでメモを取った方が、情報が脳に定着する」と記事で取り上げたことなどから、ノート術がちょっとしたブームになっている。いつもはデジタルを選ぶという人も、アイデアを出すときはあえてノートと筆記具を使って頭をほぐしてはどうだろう。ツールを替えると、新たなひらめきが生まれるかもしれない。

5.楽天が5G基地局の無線機にNEC製を採用、決め手はあの「スペック」に(6.5 日経XTECH)
 楽天モバイルは2019年6月5日、5G(第5世代移動通信システム)の基地局に設置する無線機ベンダーとしてNECを選定したと発表した。機器が小型軽量で、基地局での設置スペース確保などを含めて他社製品よりもトータルコストを抑えられる点や、大容量アンテナの技術などを評価したという。NECは楽天が構築する仮想化技術を使った基幹網にも協力ベンダーの1社として参加する。

 NECが供給するのは、楽天が5Gで割り当てを受けた周波数のうち、3.7ギガヘルツ帯の無線機。ベースバンドのデジタル信号を高周波に変換する無線機能と「Massive MIMO」と呼ぶ大容量アンテナ素子を一体化した装置である。楽天は28ギガヘルツ帯も割り当てを受けているが、こちらの無線機は改めてベンダーを選定する予定である。

 NECは無線機の供給に加え、無線機の裏側で大容量データを伝送・交換する携帯電話の基幹網(コアネットワーク)構築にも協力する。楽天は2019年10月に参入する4G網の段階から、「オープンvRAN(仮想化無線アクセス網)」と呼ぶ仮想化を用いたソフトウエア技術を導入する計画を発表済みだ。携帯電話事業者としては初めて、無線機などハードウエア処理が必要な設備を除いたコアネットワークすべてを仮想化し、低コスト化を推し進める。

 主要ベンダーは楽天が資本提携した米アルティオスターネットワークス(Altiostar Networks)のほか米シスコシステムズ(Cisco Systems)など海外勢が中心だが、NECも4Gの段階から網設計などで構築に参画するという。NECは4G向けで顧客管理や課金などを担うビジネス支援システム(BSS)や運用支援システム(OSS)も楽天から受注しており、5G向けも含めて楽天の携帯電話事業立ち上げに参画する主要ベンダーの1社になったといえる。

 NECはNTTドコモ向けでも、5G用の基地局設備で富士通などと並ぶ有力ベンダーになっている。世界シェアでは海外勢に後れを取るが、国内の5G商戦の序盤としては成果を挙げつつある。

 

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