週間情報通信ニュースインデックスno.1175 2019/04/20


1.DXに生き残りをかける、新研修を始めたJISAの危機感(4.19 日経クロステック)
 デジタル技術によるビジネス構造の変革は、多くの企業にとって喫緊の課題となっている。デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するには、市場や顧客のニーズを素早くくみ取り、新しいビジネスモデルを考えられるエンジニアが欠かせない。このようなDXを推進できるエンジニアを育成すべく、情報サービス産業協会(JISA)が動き出した。

 JISAは2019年4月11日、会員企業に所属するエンジニアを対象に、ビジネスクリエーターを育成するプログラム「JISA×SE応援塾」を開始した。このプログラムは新たなビジネスモデルの描き方を、座学とワークショップ形式で学ぶものだ。ワークショップは4人または5人で1つのチームを作り、他社のエンジニアと共同でビジネスモデルを作成する。2019年10月までの半年間で16回の講義を開催予定で、費用は1人70万円である。

 JISAの横塚裕志会長は「従来の受託開発は縮小に向かっている。これからは言われたことだけをやっていては、ビジネスは立ち行かない。顧客と共に新しいビジネスを生み出すエンジニアが求められている」と、危機感をあらわにする。

 JISAの会員企業の多くは受託開発を請け負うITベンダーだ。受託開発ではこれまで、顧客からシステム化の要件を聞き、要件通りにシステムを開発すれば、顧客のニーズを満たすことができた。しかし、企業のDXへの取り組みが急務となっている現在は、そのやり方では顧客の要求に応えられない。

 従来通りの受託開発から脱却できなければ、ビジネスが先細っていくだけである。そこで、自らの生き残りをかけて、顧客と共に新規ビジネスを創造できる人材が必要になっているのだ。

 DXを推進する役割を担うエンジニアには、「課題を見つける感性や本質的な課題解決策を考える力が欠かせない」(横塚会長)。これらの能力をトレーニングする育成プログラムが、JISA×SE応援塾である。

 講師を務めるのは、アダムイノベーションズ(東京・港)のカウシャル・ワウラガラ代表取締役だ。同氏は新潟県の南魚沼市で海外のIT関連企業を集める産業拠点「グローバルITパーク南魚沼」を運営。最新テクノロジーを活用したビジネスモデル開発の支援などを手掛ける。海外企業の日本誘致や、日本企業のグローバル展開のサポートにも実績がある。

 

2.アマゾンが大阪に新物流拠点 初公開、ロボットフル活用(4.18 日経クロステック)
 アマゾンジャパンが大阪・茨木に開設した物流拠点を初めて公開した。最大の目玉は、倉庫内で商品棚を運ぶ自走式ロボットをフル活用する点だ。人手不足が叫ばれる中、IT武装を急いで競争力の強化につなげる。

3.初心者でも深層学習を学べる、PFNがオンライン学習資料を無償公開(4.17 日経クロステック)
 AI(人工知能)技術スタートアップのPreferred Networksは2019年4月10日、深層学習(ディープラーニング)の初心者向けのオンライン学習資料「ディープラーニング入門:Chainer チュートリアル」を公開した。

 この教材ではPFNが開発する深層学習フレームワーク「Chainer」の使い方だけでなく、深層学習を含めた機械学習の基本的な概念や、機械学習と親和性が高いプログラミング言語「Python」の活用法を学べる。誰でも無償で利用でき、大学の授業や企業研修、商用セミナーなどにも使える。

 「Pythonから線形代数、微分まで『なぜ学ぶのか』をしっかり解説し、学習のモチベーションを失わないような章構成を考えた」。教材開発を主導する齋藤俊太リサーチャーはこう語る。PFNの西川徹社長などが参加する戦略チームが開発方針を決めた上で、社内エンジニア10数人が執筆した。

 教材開発のプロジェクトが始まったのは2018年秋。重要なミッションの1つが「Chainerのユーザー数を拡大させること」だったという。

 ただ、既に「PyTorch」「TensorFlow」といった他のフレームワークを使っている現役の技術者に、Chainerに切り替えてもらうのは難しい。そこで、これまでどのフレームワークにも触れたことが無い初学者にリーチすることで、Chainerの利用者層を広めようと考えた。

4.もうすぐ4歳のPepper、初の大型アップデートで雑談ができるように(4.16 日経クロステック)
 「ねぇPepper(ペッパー)、サンドイッチが食べたい」「お近くのコンビニに売ってませんか?」――。人型ロボット「Pepper」が雑談できるレベルに「成長」した。

 ソフトバンクロボティクスは2019年4月16日、Pepperのソフトウエアをメジャーアップデートした。Pepperが「誕生」してからまもなく4年となるが、初の大型アップデートだ。外部のAI(人工知能)技術を使って会話の精度を7倍に高め、オペレーターが遠隔操作できる機能なども追加した。ハードウエアは変わらない。

 「今回の最大の改善点は会話部分。たわいもない話も含め、会話のキャッチボールの精度を高めた」。同社の坂田大CTO(最高技術責任者)兼プロダクト&サービス本部長はアップデートの意義をこう話す。アップデート後のPepperを法人向けには「Pepper for Biz 3.0」として、家庭向けには「Pepper for Home」として売り出す。

 価格は法人向けが、従来と変わらず月額5万5000円(税別)×36カ月の合計198万円。家庭向けは本体価格の19万8000円(同)に加え、月額2万7600円×36カ月の分割払い、または99万3600円の一括払いが必要となる。

 アップデートの経緯について、坂田氏は「Pepperの利用企業にアンケート調査したところ、約半数が会話力の向上を求めていた」と振り返る。会話の精度を高めるために、法人向けにも家庭向けにも、日本マイクロソフトと米グーグル(Google)のAI技術を取り入れた。

 

5.ドコモがスマホ新料金に込めた意外な狙い、ワイモバイル・UQ対抗ではなかった(4.15 日経クロステック)
 「(政府が求める)通信料金と端末代金の分離に対応しただけでなく、他社と比べても競争力がある料金を実現したと考えている」。

 NTTドコモは2019年4月15日、スマートフォン向けの新料金プランを発表。記者会見に臨んだNTTドコモの吉沢和弘社長はこのように語り、新料金への自信を見せた。

 今回の新料金は、2018年10月発表の中期経営戦略で明らかにしていた「通信料金の2?4割引き下げ」「最大4000億円規模の顧客還元」を具体化したものだ。「月々サポート」など、既存の料金プランとセットで提供されている端末購入補助を基本的に廃止。その代わりに通信料金を引き下げ、実質使い放題の大容量プランで現行より3割安いなど、2?4割の値下げを実現しているとする。

 しかし、新料金の中身をよく見ると、KDDI(au)が2017年から、ソフトバンクが2018年からそれぞれ提供している分離プランをほぼ踏襲したものだ。しかもNTTドコモが主張する2〜4割引き下げを享受するには、家族や親族で3回線以上の契約が必要などの条件が付く。「NTTドコモの契約回線の7割は、3回線以上をまとめた家族割の適用を受けている」(吉沢社長)とするが、既存ユーザーを囲い込む面が強い。同社が相対的に弱い単身者などの開拓に課題を残したと言える。

 新料金は大容量の「ギガホ」と、階段状の従量制料金を採用した「ギガライト」の2つ。2019年5月22日に予約の受け付けを開始し、6月1日から提供を始める。

 ギガホは、30ギガバイトの大容量データ通信が付いて基本料金が月額6980円(2年定期契約の場合)。家族や親族で3回線以上をまとめて契約すると、単価は同5980円となる。NTTドコモは既存の「ウルトラデータLLパック」に比べ、3割の値下げを実現したとする。

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