週間情報通信ニュースインデックスno.1173 2019/04/06


1.中国とインドで窮地に立つ王者アマゾン(4.5 日経クロステック)
 米国の市場調査会社eMarketer(eマーケター)によると、中国のeコマース市場はAlibaba Group(阿里巴巴集団)とJD.com(京東商城)による複占が続いている。例えば2018年の売上高シェアはAlibabaが58.2%、JD.comは16.3%。この2社で同国eコマース市場の4分の3を占める。

 これに対し、米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)の中国における売上高シェアは1%にも満たない。売上高ランキングは7位にとどまるという状況である。

 アマゾンが中国市場に進出したのは15年前のこと。当初は2004年に買収したJoyo.com(卓越網)との共同ブランドで事業を始めたが、2011年に自社ブランド「Amazon.cn(亞馬遜)」を立ち上げた。2016年には米国や日本などで展開している有料会員プログラム「Prime」を中国でも開始し、顧客の囲い込みを図った。しかし、米Motley Foolによると、中国版Primeは十分な効果を得られず、他国のような展開に至っていない。

 そうした中、アマゾンの中国事業が同国のeコマース企業と統合する計画を立てていると、中国の経済誌「財経(Caijing)」が報じた。その企業とは、インターネットサービス会社NetEase(網易)傘下の輸入品販売大手Koala(考拉)である。

 報道によると、親会社のNetEaseは収益の大半をオンラインゲームと広告で稼いでおり、その営業利益率は60%を超える。これに対し、Koalaの営業利益率は10%程度。Koalaはアマゾンと手を組むことで、輸入品調達のコストを削減できると期待している。

 一方、中国のeコマース全般では1%に満たないアマゾンのシェアは、輸入品販売事業に限って見ると6%になる。この分野はAlibabaの「Tmall Global(天猫国際)」がシェア29%で首位。その後を追うのがKoalaで、そのシェアは22.6%。アマゾンは、より小規模な市場で業界2位と連携し、中国eコマース市場でシェア拡大を図る。輸入販売であれば同社の強みを生かせるほか、旺盛な中国消費者の需要に応えられると考えているようだ。

 アマゾンは中国と同じく成長が著しいインドのeコマース市場に注力しているが、こちらも問題が山積している。

 Motley Foolによると、アマゾンのインドにおけるシェアは30%で、中国市場に比べると好調だ。しかし同国には外資規制があり、アマゾンは消費者に直接商品を販売できない。同社はその代わり、地場の出店者と消費者を仲介するマーケットプレイスを展開している。

 そうした中、先ごろアマゾンのインドサイトから突如数千点の商品が消えたと、Financial TimesやWall Street Journalなどの海外メディアが報じた。これは、同国で2019年2月1日に施行された新たな外資規制の影響だ。国内の小規模小売業者を保護する政策を打ち出してきた同国では、もともと外資規制が厳しかったが、このほど規制がより厳格化された。

 ただ現在も、これらの商品はアマゾンのインドサイトで販売されている。同社は急きょ、関連会社ではない地場小売業者と交渉し、それらの業者に商品を出品してもらうよう依頼した。こうして同社は、サイトから突如商品が消えるという窮地を脱した。しかし、アマゾンのような外資eコマース企業は今後、同国で大規模な仕入れ網の見直しを余儀なくされるだろうと、Financial Timesは伝えている。

 

2.鉄道・AIバス・施設の利用がスマホで完結、東急などが下田市でMaaS実験開始(4.5 日経クロステック)
 東京急行電鉄と東日本旅客鉄道(JR東日本)、ジェイアール東日本企画の3社は2019年4月5日、静岡県下田市で4月1日から共同で始めた観光地向けMaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)の実証実験を、報道陣向けに公開した。スマートフォンのアプリで交通機関や観光施設をチケットレスで利用できるほか、AI(人工知能)を使ってバスの配車を最適化して運行している。

 実証実験ではスマホアプリの「Izuko(イズコ)」を配信する。利用者は同アプリでデジタルフリーパスを購入し、画面を見せるだけで、伊豆急全線の鉄道および伊東駅と伊豆急下田駅周辺の路線バスを乗り放題で使える。実証実験には「小室山観光リフト」「下田海中水族館」など下田市の6つの観光施設も参加。1つのスマホアプリで交通機関から主要観光施設まで利用できるようになった。

 パスの購入者が無料で乗れる「AIオンデマンド乗り合いバス」の運行も始めた。AIで乗客の相乗り具合や運行ルートを最適化して配車するもので、同じ方面への配車要求を集約し、AIがリアルタイムで最適なルートを算出し、運転手に指示する。実証実験は6月までの予定。課題などをまとめたうえで2019年9月から第2フェーズを始める予定である。

 

3.KDDIが4月9日にQR決済「au PAY」開始、潜在的な残高は1000億円超(4.4 日経クロステック)
 KDDI(au)は2019年4月4日、QRコード決済サービス「au PAY」を4月9日に提供開始すると発表した。コンビニエンスストアや飲食店など対象店舗で、スマホに表示されたQRコードをPOSレジや専用端末で読み取ると支払いができる。利用者の「au WALLET アプリ」内の機能として用意する。

 支払いには「au WALLET 残高」を使う。au WALLETはプリペイドカードやクレジットカードとしては2014年にサービス提供を開始している。「1000億円を超える残高がある」とKDDIの取締役執行役員専務の東海林崇コンシューマ事業本部長は話す。ここでの残高とは、2019年2月時点におけるすべての利用者のau WALLET (チャージ)残高とau WALLET ポイント残高の合計相当額を指す。

 「au WALLET 残高」へのチャージは、「au WALLET ポイント」や「au かんたん決済(通信料金合算支払い)」、じぶん銀行などのクレジットカード、au ショップやローソンの店頭などの方法がある。2019年夏以降、セブン銀行のATMにおける現金によるチャージや、残高不足時に不足額を自動でチャージする「au かんたん決済(リアルタイムチャージ)」に対応する。

 まずはauの携帯電話契約者の利用を狙う。auの携帯電話契約者は月々の利用料金支払いなどですでにau WALLET ポイントがたまっているケースが多いためだ。スマホ利用に加え、「auでんき」や「auひかり」、Eコマースの「Wowma!」などのサービス利用者は、月々の利用で自然にポイントがたまっている可能性が高い。「ポイントをスマホの機種代や月々の利用料金支払いに使う利用者が多かったが、これからはチャージして日々の買い物などで使ってもらえる。身近な財布のようなサービスを目指したい」と東海林コンシューマ事業本部長は話す。

 

4.ノキアなどがインダストリー5Gをデモ、Hannover Messe 2019の5G Arena(4.2 日経クロステック)
 フィンランドNokia(ノキア)は2019年3月31日、米Qualcommなど9社連携による産業向け(インダストリー)5G/IoT導入事例デモを欧州最大の産業展示会「Hannover Messe 2019」(独ハノーバー、2019年4月1〜5日)にて実施すると発表した(ニュースリリース)。Qualcommの試験用端末と、Nokiaの提供する既存LTEや5Gに対応した産業向け構内ネットワークで実現。今回、この世界最大規模の展示会に新設された5G専用展示スペース「5G Arena」にて披露される。

 ドイツは、世界でいち早く企業向け4G/LTE、5Gプライベートネットワーク用周波数帯割り当てを行う国として注目されている。今回の5G Arenaでは、世界初とする産業向け構内ネットワークを使って、様々な分野でのプライベート無線ネットワーク活用例を紹介していくとしている。

 

5.ローソンが全店でセルフレジ運用へ、既設レジの「セルフモード」活用(4.1 日経クロステック)
 ローソンは2019年4月1日、全店でセルフレジの運用を始める方針を明らかにした。同日までに10店舗でセルフレジを試験運用しているが、有効性が確認できたため、9月末までに約1万4000ある全店舗で運用を始める。深夜など店舗スタッフが手薄な時間帯に顧客の待ち時間の短縮を狙う。 

 ローソンは2019年2月までに、全店で新型POS(販売時点情報管理)レジの導入を完了した。新型POSレジはNEC製で、カウンターの内側と外側の2面に15.6インチのタッチディスプレーを搭載している。通常モード時は内側ディスプレーを店舗スタッフが操作し、外側ディスプレーには顧客向けに価格や商品名などを表示する。 

 ローソンはこの新型POSレジをそのままセルフレジとして運用する。深夜などセルフレジを運用したい時に、店舗スタッフが一定の操作をすると「セルフモード」に切り替わる。セルフモード時は顧客がバーコードリーダーで商品のバーコードを読み取り、外側ディスプレーをタッチ操作して会計する。Pontaなどのポイントカードも自分で読み取る。 

 支払いにはクレジットカードとSuicaや楽天Edyなどの非接触電子マネーが使える。現金と楽天ペイやPayPayなどのバーコード決済は使えない。既に全店のPOSレジにセルフレジモードを実装済みだが、店舗スタッフ向けの教育や顧客への案内のための店頭表示などの準備を進めたうえで順次運用を拡大する方針だ。

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