週間情報通信ニュースインデックスno.1172 2019/03/30


1.AIで会議を書き起こして翻訳まで、NTTコムが法人向けサービス(3.29 日経クロステック)
 NTTコミュニケーションズは2019年3月29日、AI(人工知能)を使って会議や会話をリアルタイムで書き起こす法人向けサービス「COTOHA Meeting Assist」を4月1日から提供すると発表した。外国語の聞き取りや翻訳の機能も備えており、会議の議事録作りや海外との商談などの需要を掘り起こす。

 日本語に加え、英語や中国語、フランス語など9種類の外国語の書き起こしに対応し、それぞれの言語の間で翻訳もできる。つまり、日本語を含めた10言語の全ての組み合わせで書き起こしと同時翻訳の機能が使える。

 AIはNTT傘下の研究所などが開発した音声認識技術を基に、NTTコムがチューニングしたエンジンを採用した。深層学習(ディープラーニング)技術を使い、音声の認識率を大幅に高めたとする。現在は2人以上が同時に発話すると認識率が低下するが、「聞き分けにも対応したアルゴリズムの開発にNTTグループで取り組んでいる」(NTTコムの三竹保宏アプリケーション&コンテンツサービス部AI推進室長)として、将来は対応させたい考えだ。

 サービスはクラウド型で、契約企業ごとに常時使えるAIエンジンを貸し出す。基本料金は月額3万5000円で、1CPUの追加で月額1万円など、CPUやメモリー、ディスクを追加するごとに追加料金が発生する。初期費用は不要。初年度で300社との契約を目指す。

2.三菱地所と立命館がDXで協定、ロボット活用(3.28 日経クロステック)
 三菱地所と立命館は2019年3月28日、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関するパートナーシップ協定を結んだと発表した。ロボットを中心に最先端の技術を活用して、施設管理などを効率化するための実証実験を手掛ける。

 同日、「戦略的DXパートナーシップ協定」を結んだ。立命館大学の入学式にコミュニケーションロボットを導入したり、同大のキャンパスに清掃や警備、運搬ロボットを展開したりする。いずれも期間限定の実証実験という位置付けで、将来の本格導入も見据える。

 都内で記者会見した三菱地所の吉田淳一社長は「学校という新領域で(ロボットなどを活用して)新しい価値を提供する」と語った。立命館の仲谷善雄総長は「ロボットの社会実装をキャンパスから社会に発信していく」と話した。

3.働き方を可視化しやすく、NECがクラウドの機能を強化(3.28 日経クロステック)
 NECは2019年3月28日、パソコンの利用状況などから作業工数を可視化するクラウドサービス「働き方見える化サービス」の機能を強化すると発表した。可視化に使うデータの入力作業を効率化したり、収集できるデータを増やしたりして、企業の働き方改革を支援する。

 効率的に入力できるようにするのは、社員のパソコン作業に関するデータだ。従来はサービスの専用画面から作業内容を入力する必要があったが、Outlookと連携して、スケジュール管理機能から、作業内容に関するデータを取りこめるようにする。これでユーザーは作業内容を入力する手間を省ける。

 また収集できるデータについては、WebブラウザーのInternet Explorer 11を使って作業した時間をきめ細かく把握できるようにする。従来もWebブラウザーを含めてパソコン上のアプリケーションについて作業時間を収集できたが、機能強化版では、Webブラウザーで利用したSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)や社内のWebアプリケーションなど、それぞれについて作業時間を集められるようにする。

 働き方見える化サービスの機能強化版は2019年4月15日から提供を始める。1ユーザー当たりの月額料金は税別で250円から。

4.コインハイブ設置の男性に無罪判決、「刑事罰に値すると責任を問うのは行き過ぎ」(3.27 日経クロステック)
 Webサイトを閲覧した人のパソコンの処理能力を利用して仮想通貨のマイニングをする「Coinhive(コインハイブ)」を設置したとして、不正指令電磁的記録保管罪(コンピュータ・ウイルスに関する罪)に問われたサイト運営者の男性の判決公判が2019年3月27日、横浜地方裁判所であった。本間敏広裁判長は「刑事罰に値すると責任を問うのは行き過ぎ」と述べて、男性に無罪を言い渡した。

 男性はWebサイトの閲覧者の同意を得ずに、仮想通貨「Monero(モネロ)」の取引履歴の承認作業などを行わせるマイニング(採掘)の報酬を得る目的で、プログラムコード(JavaScript)を設置して、不正指令電磁的記録保管罪に問われた。

 判決によると、マイニングについて閲覧者に説明する記述や同意を取得する仕様はなく、広告表示などに代わる新たな収益化の方法として認知されていたとは認められないと指摘。「閲覧者がマイニングに気付いたとしても容認していたとみることは到底できない」として、人の意図に反する動作をさせるプログラムに該当するとした。

 その一方で、プログラムコードが不正な指令を与えるものかについては、「Webサイトの閲覧者である一般ユーザーにとっての有益性や必要性の程度、ユーザーに対する影響や弊害の度合い、プログラムに対するユーザーなど関係者の評価など、事情を総合的に考慮する必要がある」とも指摘。

 また、閲覧者の承諾を得ることなく、マイニングを実行させる点を問題視する否定的意見について、本間裁判長は「違法の可能性といった法的な意味合いからよりも、単なるマナー違反やモラル的な趣旨にとどまっていたとの理解も可能」として、賛否両論あると述べた。

 そのうえで本間裁判長は「プログラムコードを設置した被告人にいきなり、刑事罰に値するとみて責任を問うのは行き過ぎの感をまぬがれない」とも説明。マイニングを実行することに、報道や捜査当局など公的機関の事前の注意喚起や警告などがない中で、「プログラムコードに社会的許容がなかったと断定できない」と指摘し、不正な指令を与えるプログラムに該当すると判断するには「合理的な疑いが残る」とした。

5.ドコモのパケット接続料は5%減、格安スマホ事業者に打撃(3.26 日経クロステック)
 NTTドコモが2018年度に適用するパケット接続料は、前年度比5%減の52万4493円(レイヤー2接続、10Mビット/秒当たりの月額)となったもようだ。2015〜2017年度は15%前後ずつ値下げしていたが、2018年度適用分の値下げ幅は大きく縮まった。

 パケット接続料は、「格安スマホ」に代表されるMVNO(仮想移動体通信事業者)がデータ通信サービスを提供する際の「仕入れ値」に相当する。MVNOの費用の大半を占め、業績を左右する重要な要素であるため、今回の値下げ幅縮小は多くの格安スマホ事業者に打撃となりそうだ。

 MVNO大手のインターネットイニシアティブ(IIJ)は2019年3月25日、NTTドコモから接続料改定の通知を受け、2019年3月期の連結営業利益が10億円程度下がる可能性があると発表した。同社は具体的な数値を一切開示していないが、NTTドコモの接続料の値下げ幅が同社の見込みを大きく下回り、費用が増えるためとしている。

 MVNOへの取材によると、2018年度適用のパケット接続料はNTTドコモの約5%減に対し、KDDI(au)は約20%減、ソフトバンクは約22%減の水準を提示したもようだ。いずれも現時点の見通しであり、大手3社は確定値を近く公表する予定である。

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