週間情報通信ニュースインデックスno.1169 2019/03/09


1.ドコモが5G展開で新体制、9月プレサービスに向けパートナー募集へ(3.8 日経クロステック)
  NTTドコモは2019年3月8日、都内で5G(第5世代移動通信)に関するビジネスイベント「DOCOMO 5G Open Partner Program 5G BUSINESS CAMP」を開催した。5Gを活用したソリューションやサービスなど57種類を展示し、2019年9月のプレサービス開始に向けて新たなパートナー企業や自治体の参画を呼びかけた。

 イベント冒頭の基調講演にはNTTドコモの吉沢和弘社長が登壇した。「1993年の毎秒2400ビットからデータの速度は54万倍になり、ムーアの法則を超える勢いだ。5Gの時代にはドコモだけでは何もできない。5Gというネットワークは提供するが、ソリューションやビジネスはパートナーとの協創が必要になる」と語った。

 5Gの導入スケジュールにも改めて触れ、「2019年9月にプレサービスを開始し、2020年の春にローンチする。2023年度までに1兆円を投資する」とした。エリアの整備については、「LTEは大都市から進めたが、5Gでは社会課題の解決を考えたとき、一次産業や遠隔医療など(に使うため)地方から始めることもある」と説明した。

 5Gを活用したサービスについては、2300超の企業や団体、自治体と147件のトライアルを実施しているという。「5GローンチのDay 1(1日目)からサービスが始まっている状況を作りたい」(吉沢社長)とした。

 5Gソリューション検証環境としては、新たに「ドコモオープンイノベーションクラウド」を提供する。ドコモの5Gネットワークとクラウド基盤を接続し、ドコモの画像認識やAI(人工知能)エージェント技術を利用したサービス検証を可能にするもので、9月のプレサービスの段階から提供する。

 これまで東京や大阪、沖縄に設置してきた「ドコモ5Gオープンラボ」は2019年3月末にグアムにも設置する。スタートアップや海外パートナーと国境を越えた協創に取り組んでいくという。

 新体制として、「5G・IoTソリューション推進室」を2019年4月1日に設置する。全国各地のパートナーを担当するドコモの法人営業部を、同推進室が支援する形で協創を促進していく狙いとした。

 会場には5Gのプレサービスに向けたさまざまなソリューションやサービスが並んだ。NECはデジタルサイネージとカメラを組み合わせた「スマート街路灯」を展示。これまで映像解析はエッジで処理する必要があったが、5Gによりクラウドに送れるようになるという。

 

2.ラジオとラジコが使えるスマホ「ラジスマ」、ラジオ業界挙げて告知へ(3.6 日経クロステック)
 FM放送(ワイドFMを含む)とインターネットラジオ「ラジコ」を切り替えて聴取できるスマートフォン「ラジスマ」の発売が2019年2月にスタートした。日本民間放送連盟(民放連)ラジオ委員会は2019年3月6日、ラジスマ発売開始の記念式典を実施、同日から4月26日までラジスマ普及のためのキャンペーンを展開すると発表した。

 ラジスマ第一号となった2機種は、NTTドコモが2019年2月15日に発売した「らくらくスマートフォン me(F-01L)」(製造元は富士通コネクテッドテクノロジーズ)と、KDDIが2月8日に発売した「URBANO V04」(製造元は京セラ)である。

 ラジスマには、アプリ「radiko+FM」がプリインストールされている。同アプリを立ち上げて、所望のラジオ局を選ぶと、FMチューナーのオンオフができるスイッチが画面上に表示される。

 このスイッチを切り替えることで、リスナーはラジオ番組を放送波で聞くか、radikoで聞くかを選択できる。

 ラジスマ所有者は受信環境に合わせて、ラジオ放送とラジコを切り替えて聞くことができる。また、ラジオ放送とラジコのどちらかで聞いていても、番組情報や楽曲情報などを画面で確認できる。災害時などで仮に通信が途絶えた場合でも、FM放送の受信は可能。FM放送の受信は、インターネットラジオの受信に比べて省電力なので、バッテリーをより長時間駆動できるという利点もある。

 式典において民放連 ラジオ委員長の岩崎正幸氏(ニッポン放送社長)は、スマホの普及でメディア環境が急速に多様化してきたことを指摘したうえで、「ラジオ局にとっては存在が埋没しかねない危機に直面している」「メディア環境の変化に対応して生き残るためのツールを手に入れることができた。ラジスマの普及はすなわちラジオの普及であり、ラジオ局にとって千載一遇のチャンス」と期待を述べた。

 

3.5G時代のエッジに求められるVPUとは?米インテル担当者に聞く(3.6 日経クロステック)
 米インテル(Intel)は、「MWC19 Barcelona」でVPU(Vision Processing Unit)搭載のエッジサーバーを出展した。VPUは、5G時代のエッジコンピューティング環境において、どのような役割を果たすのか。同社でVPU製品を担当するIoTグループ Director of AI Marketingのゲーリー・ブラウン氏に聞いた。

 VPUは、(画像認識などの)コンピュータービジョンの処理に特化したプロセッサーだ。現行の「Intel Movidius Myriad X VPU」は、ニューラルネットワークを高速、低消費電力で実行できるエンジンとハードウエアアクセラレーターを搭載する。CPUと併用してAIをオフロードする使い方や単体でデバイスに搭載する使い方もある。産業用PCを使った工場内のサーバーやカメラなどのエッジデバイスで採用されている。

 例えば、監視カメラで人を認識して切り出す処理に向く。高価なテレビ会議システムで、人が動いても同じ写り方をするような処理に使われるケースもある。

 広帯域、低遅延が特徴の5Gが普及すれば、AIを分散配置しやすくなるだろう。最適な配置は、どのようなアプリケーションで使うかによる。

 コストをとにかく低く抑えたいなら、カメラで撮影した映像を全てデータセンターに送り、そこで処理した方が良い。一方、無人店舗に多数のカメラを置くようなケースなら、人を検知する処理はカメラ側で実行し、顔や年齢、服装、商品などの識別や分類はサーバー側のAIを使うべきだろう。

 プライバシーを確保したい、あるいは消費電力を低く抑えたいなどの理由で、エッジ側で計算処理をすべきケースもある。つまり5Gが普及しても、データセンターのAIとエッジのAIは両方とも必要ということだ。

 米インテルのブースでは5Gネットワークとエッジコンピューティング環境が構築され、多数のユースケースが紹介されていた。その1つが産業向けの「VIRTUAL SAFETY ZONE」。カメラとAIを用いて、工場などの立ち入り禁止区域に人が入ってしまった場合にだけアラートを出す。デモでは紙が舞い落ちただけではアラートが出ない様子も見せていた。

 

4.AIの次は量子コンピューター、ABEJAが表明(3.5 日経クロステック)
 AI(人工知能)関連ベンチャー企業のABEJAは2019年3月5日、同社の今後の取り組みに関する記者会見を開催し、「AIの次に注目する技術として量子コンピューターのソフトウエアの研究開発に取り組む」(岡田陽介社長)と発表した。

 ABEJAは「ポストAIとなる次世代の技術を発掘する」(岡田社長)として、研究プロジェクト「ABEJA X」を3月5日付で発足。量子コンピューターを第1弾の研究テーマとした。ABEJAが主に取り組むのは、組み合わせ最適化問題に向く量子アニーリング方式の量子コンピューター向けのソフトウエア開発だ。量子アニーリング方式の研究者である大関真之 東北大学大学院情報科学院准教授を技術顧問に迎え、実用化を目指す。

 ABEJA Xについて岡田社長は、「技術革新は非連続で発生する。AIが急速に浸透したように、新しい技術が突然登場して世の中が変わることがある」と説明。「AIの次の分野として、量子コンピューターが明るいと考えた」(岡田社長)という。量子コンピューターには量子アニーリング方式のほかに、米IBMなどが実用化を目指す量子ゲート方式がある。ABEJAが今回、量子アニーリング方式向けの研究を始めたのは「より実用化しやすい」(同)と判断したためだ。

 現在、ABEJAが強みを持つAI関連では、専門知識なくAIのモデル開発が可能な「ABEJA Platform Accelerator」のアルファ版の提供を新たに開始した。ユーザーが学習用のデータをアップロードすると、最適なアルゴリズムを選択し、モデルの開発を支援する。「誰でもAIを活用できる環境の構築が当社の目標の1つであり、ABEJA Platform Acceleratorはそれを推進するサービスだ」と岡田社長は強調。今後も「多くの人がAIを利用可能にするためのクラウドサービスの提供に注力する」(岡田社長)とした。

 

5.AWSに移行で脱Oracle DB、住信SBIネット銀行が詳細を明らかに(3.5 日経クロステック)
 住信SBIネット銀行は2019年3月4日、同社が利用しているインターネットバンキングなどのデータベース(DB)を米オラクル(Oracle)の「Oracle Database(Oracle DB)」から、Amazon Web Services(AWS)が提供している「Amazon Aurora PostgreSQL(Amazon Aurora)」に移行すると発表。3月5日にAWSが開催した説明会で詳細を明らかにした。

 同社は現在、インターネットバンキングシステムに「Oracle Database 11g」の最上位版であるEnterprise Editionを採用。Oracle DBのクラスタリング機能「Real Application Clusters(RAC)」を3ノード構成で利用中だ。これをAWSのフルマネージドのDBサービス「Amazon Aurora PostgreSQL10」に移行する。

 住信SBIネット銀行は、「AWSが提供するツールやサービスなどを利用して3カ月間検討した結果、3年間で移行にかかわる費用が回収できると判断してAWSへの移行を決めた」(相川真一システム開発第2部長)と説明する。障害時にレプリカノードに切り替える時間が30秒程度であることや、Oracle DBからAmazon Auroraに移行した場合に運用費用が83%程度下がることを評価した。

 検討時には、Oracle DBとAmazon Auroraの機能比較や、SQL文の互換性調査、性能調査などを実施。機能に差がないことに加え、高い負荷をかけてテストした際にAmazon Auroraの性能が高かったことを評価した。SQL文の互換性調査では62%が自動変換可能との結果だったが、「実際にプロジェクトを進めると自動変換できない部分もあった」(相川部長)という。

 相川部長は、「さらにOracle DBからAmazon Auroraに移行するためのアプリケーションの書き換え費用は相当かかることが分かったが、Oracle DBのライセンス費用の削減などを考えた結果、DBソフトを移行したほうがいいと判断した」と話す。

   ホームページへ