週間情報通信ニュースインデックスno.1168 2019/03/02


1.KDDI、がれき下の被災者を携帯電波で探すドローン基地局を開発(3.1 日経クロステック)
 KDDIとKDDI総合研究所は2019年3月1日、災害発生時に要救助者を迅速に発見する携帯電話位置推定技術を開発したと発表した。ドローンに小型基地局を載せた「無人航空機型基地局」を被災地上空で飛ばし、倒壊した家屋やがれきの下にいる被災者を見つける手掛かりとして携帯電話機の位置を推定する。

 既設の商用基地局による位置推定技術は、基地局自体の被災時に利用できず、契約者情報を基に接続認証を済ませた携帯電話機でなければ適用できない。そこで不特定の携帯電話が発する信号を基に、別の手法で位置を推定する技術を開発した。

 位置推定には、携帯電話が基地局とやり取りするアクセス信号を使う。GPS搭載のドローン基地局を被災地上空で飛ばし、アクセス信号を検知した時点の位置情報を記録する。携帯電話はドローン基地局との認証に失敗するため、再接続を試みる。複数回の接続時刻とGPS情報を基に、携帯電話の位置を推定できる。2019年2月15日に埼玉県ふじみ野市で実施した実証実験では、推定した位置と実際の位置の誤差は最大で12m程度にとどまったという。

 

2.サイバートラブル回避の教科書、ラックが無償公開(3.1 日経クロステック)
 ラックは2019年3月1日、サイバー空間におけるトラブル回避につながるIT知識を世代・立場別にまとめた指南書「情報リテラシー啓発のための羅針盤(コンパス)」を公開した。指南書およびプレゼンテーション資料を同社のWebサイトから無償でダウンロードできる。教育関係者や保護者など、啓発活動にかかわるユーザーの利用を見込む。

 同書はインターネットに代表されるサイバー空間上のトラブルを「情報モラル」「情報セキュリティ」「消費者トラブル」の3分野37項目に分け、それぞれにおけるトラブルの概要と対策の指針を啓発対象者の属性別にまとめたもの。サイバーセキュリティーにとどまらず、フェイクニュースや炎上トラブルで加害者になるリスクや情報商材や高額課金の被害リスクまで網羅する。

 属性は未就学児・小学生(1〜4年)、小学生(5〜6年)、中学生、高校生、大学・専門学校生、ITに習熟した成人、ITに不慣れな成人、保護者、教育関係者の9つ。各項目で、概要、属性別の到達目標、影響範囲とリスク、属性特有の注記、関連法令や罰則、参考事例を列挙する。各項目に対応する図表は、「情報リテラシー啓発のための羅針盤 参考スライド集」として別途提供する。

 ラックの研究開発部門である「サイバー・グリッド・ジャパン」の啓発活動で得られた、世代や立場に応じた情報の提供や具体的な刑事罰の例示などの知見を盛り込んだ。お茶の水女子大の坂元章教授(社会心理学)、甲南大の園田寿教授(刑事法)ら5人の学識者が監修を担当。今後は、37項目のインシデントの見直しや同社の啓発活動によるノウハウを随時反映するという。

 

3.2018年はネットが地上波テレビに肉迫、電通推定の日本の広告費(2.28 日経クロステック)
 電通は2019年2月28日、日本の総広告費と、媒体別・業種別広告費を推定した「2018年(平成30年)日本の広告費」を発表した。

 2018年(1〜12月)の日本の総広告費は6兆5300億円(前年比2.2%増)となり、7年連続でプラス成長となった。引き続き好調なインターネット広告費が総広告費全体をけん引した。

 「新聞広告費」「雑誌広告費」「ラジオ広告費」「テレビメディア広告費」(地上波テレビと衛星メディア関連)を合計した「マスコミ四媒体広告費」は2兆7026億円(前年比3.3%減)となった。四媒体のうち市場規模が最大のテレビメディア広告費は1兆9123億円(同1.8%減)だった。

 テレビメディア広告費のうち、地上波テレビは1兆7848億円(前年比1.8%減)だった。一方、インターネット広告費は1兆7589億円(同16.5%増)と5年連続で2桁成長となり、地上波テレビ広告費に迫った。衛星メディア関連の広告費は1275億円(同1.9%減)となった。

 

4.成田空港が顔パスで搭乗可能に、NECの技術を活用(2.28 日経クロステック)
 成田国際空港(成田空港)は2019年2月28日、顔認証技術を活用した搭乗手続き「OneID」を2020年春に始めると発表した。NECの顔認証技術「NeoFace」を使う。

 成田空港の利用者はチェックインなど最初の手続き時に顔写真を登録すると、その後の手荷物預け入れや保安検査、搭乗ゲートなどにおける手続きを「顔パス」で通過できる。従来必要だった搭乗券やパスポートを提示する必要がなくなるため、利用者の利便性向上につながる。手続きが自動化するためスタッフの負担も減らせる。

 OneIDの仕組みはこうだ。まずチェックインの手続き時に搭乗者本人の同意を得た上で、パスポートのICに格納されている写真と搭乗者本人が一致していることを確認。次に搭乗者本人の顔写真やパスポート情報、搭乗に関する情報をひも付けて、認証システムに一時的に格納・保持する。

 IDを生成した後、例えば手荷物預け入れでは顔写真を撮影し、認証システムで照会する。システム内で本人確認が終わると、パスポートや搭乗券を提示せずに手荷物預け入れの手続きに進める。保安検査や搭乗ゲートでは歩いている搭乗者の顔写真を撮影して本人確認を実施する。

 

5.セールスフォースがコールセンター向けAI、「人間は高度な作業に専念」(2.28 日経クロステック)
 セールスフォース・ドットコムは2019年2月28日、報道陣向けのセミナーを開き、「Spring '19」と呼ぶ新バージョンで追加したAI機能について説明した。Spring '19では、主にコールセンター向けのAI機能を提供し、「反復的でシンプルなタスクをAIに任せることで、人間はより高度な作業に専念できる」(プロダクトマーケティングの大森浩生シニアマネージャー)という。

 セールスフォースは、同社のCRM(顧客関係管理)アプリケーション向けに「Einstein」の名称でAI機能を提供している。Spring '19では、Einsteinの新機能として「Einsteinケース分類」と「Einstein Next Best Action」の2つを新たに提供する。いずれもコールセンター向けのアプリケーションで利用するAI機能だ。

 Einsteinケース分類は、コールセンターの記録を自動入力してくれる機能だ。過去の問い合わせ内容を分析し、案件ごとに可能性が高いと思われる内容を自動的を入力する。顧客名のような簡単なものだけでなく、例えば対応の優先度を緊急にして上位にエスカレーションすべきといったことまで判断してくれるので、手間が大幅に減るという。

 これまで手が回らず大分類だけとなっていた入力項目が、中分類や小分類まで簡単に入力できれば、後から詳細な分析も可能になると効果をアピールする。

 Einstein Next Best Actionは、顧客の状況に応じて次に実行すべき内容を推奨してくれるものだ。最初に推奨するプランを作成した上で、この条件の場合はこのプランといった戦略を作成し、顧客がその条件に適合すると戦略に沿ってプランを提示する。

 例えば「契約期間3年の顧客にはこのプランを紹介する」といった内容が、その顧客への対応中に表示されるので、プラン通りの営業活動を個人の記憶に頼らず着実に実行できる。セールスフォースの顧客管理情報だけでなく、IBMのWatsonなど他のツールの分析内容と組み合わせることも可能だ。

 こうしたコールセンター向けのAI機能により、顧客の満足度向上や対応時間の短縮だけでなく、従業員の生産性向上や離職率低下を目指す。Spring '19の機能は2019年2月12日から提供済みで、同社のユーザーはすぐに利用できる。

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