週間情報通信ニュースインデックスno.1161 2018/12/29


1.NEC、デンマークの大手ITを1360億円で買収(12.27 日経クロステック)
  NECは2018年12月27日、デンマークの大手IT企業KMDの持ち株会社であるKMD Holdingを約1360億円で買収すると発表した。KMD Holdingが強みを持つ政府向けの事業などに、NECの生体認証やAI(人工知能)技術を組み合わせて世界展開する方針だ。

 買収は2019年2月末に完了する予定。NECが買収のための特別目的会社をデンマークに設立し、KMD Holdingの全株式を取得する。

 KMD Holdingは公共分野向けのソフトウエアやITサービスを提供するKMDの持ち株会社。特に中央・地方政府向けに強固な顧客基盤と多様なソフトウエアを持ち、デンマークのデジタルガバメント化を支えているとされる。

2.日本テレビなどがドラマ連動のAI会話サービス、4人のキャラクターと対話(12.27 日経クロステック)
  日本テレビ放送網とNTTレゾナント、フォアキャスト・コミュニケーションズの3社は2018年12月27日、テレビドラマ「家売るオンナの逆襲」(2019年1月9日放送開始)と連動したAI会話サービス「AI 家売るオンナ」の提供を開始したと発表した。

 「AI 家売るオンナ」では、主人公の三軒家万智をはじめとした4人の登場人物がAIキャラクターとなり、ユーザーはLINEアカウント上で複数のキャラクターと会話を楽しめる。これまでユーザーとAIキャラクターの1対1での会話が主流だったAI会話サービスを、NTTレゾナントの技術「gooのAI」を活用しさらに進化させることで、よりユーザーがドラマの世界に入り込めるようにした。

 gooのAIを用いてドラマ各回の内容などをディープラーニングで学習することで、AIキャラクターがユーザーの投稿に対して雑談やドラマの設定に沿った返答を行うようにする。AIキャラクターは1つの投稿に個々で応答するのではなく、キャラクターごとに直前の会話の文脈を踏まえて返答するため、ユーザーは複数人のAIキャラクターとの自然な会話を楽しめるという。

 さらにユーザーとAIキャラクターの親密度によって会話の内容が変わるようにした。親密度は会話の多少や継続性の有無のほか、AIキャラクターの名前を呼びかけて会話することで変化し、親密度が高くなればAIキャラクターとの会話が盛り上がりやすくなるとしている。

3.GMOインターネット、仮想通貨事業で355億円の特損(12.26 日経クロステック)
  GMOインターネットは2018年12月25日、2018年12月期決算に仮想通貨マイニング事業で約355億円の特別損失を計上すると発表した。内訳は「自社マイニング事業」での減損損失など115億円と、「マイニングマシンの開発・製造・販売事業」での関連資産の売却による債権譲渡損など240億円。

 自社マイニング事業については、GMOインターネットのスイス法人であるGMO-Z.com Switzerland AGとその傘下の2社が、2017年12月から進めていた。しかし、想定通りのマイニングシェアが得られず、事業の収益性が悪化。事業用資産の簿価を回収することが困難と判断し、特別損失の計上に至った。今後は収益構造を見直し、事業を継続するという。

 マイニングマシンの開発・製造・販売事業については、2017年9月7日以降、半導体チップの設計などを進めていた。しかし、マイニングマシン市場の競争が激化していることを受け、マシンの開発を中止。同事業からの撤退を決めた。債権譲渡損約175億円、貸倒引当金繰入約35億円などを含む特別損失を計上することにした。債権は、生産装置の開発などを手がける谷電機工業の特別目的会社(SPC)である合同会社MP18に譲渡する。譲渡価額は非開示。

4.ワークスアプリの研究所、国立国語研究所と単語ベクトルで共同研究(12.25 日経クロステック)
  ワークスアプリケーションズは2018年12月25日、同社グループの人工知能(AI)研究機関であるワークス徳島人工知能研究所が国立国語研究所と共同研究を始めると発表した。自然言語処理技術の1つである単語ベクトルについて共同で研究する。

 単語ベクトルとは単語の意味合いを数値で表現したベクトルのこと。一般に数百次元の数字の配列からなる。個々の単語でベクトルを作っておき、単語ベクトル同士を比較することで、単語の意味合いの類似度や関連度などを数値で評価できる。AIを搭載したチャットボットなどに適用すると、文章の意味合いを踏まえた受け答えができるようになるといった期待が持たれている。

 ワークスアプリケーションズは国立国語研究所とワークス徳島人工知能研究所の技術を組み合わせて汎用的な単語ベクトルを構築する。国立国語研究所の技術としては100億語規模の日本語データベース「国語研日本語ウェブコーパス」を使用。これにワークス徳島人工知能研究所が開発した形態素解析技術「Sudachi」を組み合わせる。同社は共同研究の成果をオープンソースソフトのような形で無償公開するという。

5.大林組、免震ビル建設の目視検査を効率化するAIシステムを開発(12.25 日経クロステック)
  大林組は2018年12月25日、免震構造ビルなどの建設で行う目視検査の一部を人工知能(AI)を使って効率化する業務システムを開発したと発表した。免震構造の建物の基礎に打設するコンクリートの充填率を自動計測する。同システムを通して、それまで検査担当者が目視していた作業負担を軽減する。従来は担当者が少なくとも5日以上かかっていた充填率の計測作業を、新システムではおよそ2〜3日で終えることができるという。

 同社は免震構造の建物の基礎を試験的に施工するときに新システムを利用する。免震構造の建物の基礎では、免震装置の土台としてベースプレートと呼ぶ鋼板を免震基礎のコンクリートの上に据え付ける。このとき、免震基礎とベースプレートの間にコンクリートを打設し密着させている。実際の建物ではベースプレートを免震基礎からはがすことができないので、充填率を見る場合、実物大の免震基礎を作って試験的に施工し充填率を計測している。

 充填率は試験的な施工時、ベースプレートを免震基礎からはがした後、充填したコンクリートの表面にできた複数の隙間の面積を合計して導き出す。従来は充填したコンクリートの表面の拡大写真を大林組の担当者が20枚から100枚ほど見て、隙間を見つけて色付けしていた。その後、担当者は写真画像をパソコンに取り込んだうえで、手作業で画像を補正したり充填率を算出したりしていた。

 同社は新システムを開発するに当たり、充填したコンクリートの表面の写真から隙間を見つける用途にAIを活用した。ディープラーニングで隙間の形の特徴を学習させたところ、間違いの少なさを示す認識精度は約84%、隙間の見落としのなさを示す再現率は約95%にできた。新システムではさらに自動で画像を補正したり、充填率を算出したりするようにした。

 これにより大林組の担当者は写真を見て、隙間とは言えない箇所や、AIが見落とした隙間などを修正するだけで済むようにした。約80枚の写真を処理するケースでは、従来は担当者1人が5日から1週間以上かけていた作業を約2〜3日で終えることができたという。大林組は認識精度や再現率を高めていき、現場への適用を目指す。他の目視検査などへの適用も探る考えだ。

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