週間情報通信ニュースインデックスno.1160 2018/12/22


1.NTTドコモとNEXCO東日本、AIで東京湾アクアラインの渋滞予測(12.21 日経クロステック)
  NTTドコモと東日本高速道路(NEXCO東日本)は2018年12月21日、「東京湾アクアライン」の上り線における数時間先までの道路状況をAI(人工知能)が予測する実証実験に2019年3月末まで取り組むと発表した。携帯電話の通信技術を使った人口統計と、過去の渋滞に関するデータなどを組み合わせて分析し、予測結果はNEXCO東日本の専用サイトで同月22日から公開する。

 AIが予測するのは2点間の車移動にかかる「所要時間」と、2点間を通過する潜在的な車の台数を示す「交通需要」だ。NEXCO東日本は専用サイトで午後2時から午前0時まで30分おきの予測結果を公開する。例えば「所要時間が少なくても交通需要が高いとすぐに渋滞になる可能性がある。(予測を見て)両方の指標が低い時間帯を選ぶドライバーが増えることで交通渋滞が緩和する効果を期待できる」(NTTドコモの担当者)。

 両社は2017年12月から渋滞の発生時間などを予測するAIシステムの実証実験を手掛けている。従来は渋滞の開始時刻や解消時刻、ピーク時の渋滞距離などを予測できたが、時間ごとの変化は予測できなかった。今回の実証実験後、両社は結果を検証して、渋滞予測AIシステムの本格導入や他路線への展開を検討する。

 

2.AGCがSAP含む基幹系140システムのAWS移行を完了、年間数億円のコスト減(12.20 日経クロステック)
  AGC(旧旭硝子)は2018年12月19日、11月に欧州SAPのERP(統合基幹業務システム)を含む140以上の基幹システムを、Amazon Web Services(AWS)に移行し終えたと発表した。アマゾン ウェブ サービス ジャパンが12月19日に開催した記者説明会で明かした。

 AGCは2014年8月にAWSの採用を決め、物流や販売などを担う国内向け基幹システムをAWS上に順次移行した。同社情報システム部電子・基盤技術グループの大木浩司マネージャーは「主要なSAPシステムの全体的なランニングコストは、初めてシステムをAWSに移した2015年第4四半期と比べ、2018年第3四半期に総額で42.8%減った」と効果を示した。年間換算で数億円の削減効果が出ているという。

 基幹システム以外についても順次AWSへ移行する計画だ。基幹系システムはセキュリティーやガバナンス整備のため、利用するAWSのサービスを7つに絞り込んだ社内AWS利用環境サービス「Alchemy」を通じ、仮想マシンの作成などを情報システム部に申請する。

 基幹系以外は「Chronos」という別の仕組みを用意した。Chronosでは100を超えるAWSのサービスが使える。ただし「Alchemyと同じく操作ログなどを収集しており、ルールを逸脱した利用があれば警告する」(AGC情報システム部デジタル・イノベーショングループの三堀眞美プロフェッショナル)といった運用で統制を取っている。

 

3.80GHz帯で距離40mのOAMモード多重無線伝送、NECが初成功(12.19 日経クロステック)
  NECは2018年12月19日、OAM(Orbital Angular Momentum:軌道角運動量)を利用し、80GHz帯における伝送距離40mのOAMモード多重無線伝送に世界で初めて成功したと発表した。実験では、変調速度115Mボーで、7.4Gbps(8モード×8ビット×115Mボー)の伝送容量を実現した。

 5G(第5世代移動通信システム)時代の無線通信需要の拡大に向けて、NECは今後、本技術を超小型マイクロ波通信システム「パソリンク」に適用する。5Gの商用化に向けて大容量化が求められるモバイルバックホール回線での利用などを目指す。

 5Gでは、基地局間の伝送容量は数十G〜100Gbpsが求められる。一方で、街中などの高トラフィックエリアではカバーエリアの狭い基地局を多数設置するスモールセル化の進展が見込まれる。しかし、高密度に設置した基地局全てを光ファイバーで接続することは難しい。このため、100Gbpsクラスの大容量伝送を可能とする無線技術として、多重度が大きく大容量化が可能なOAMモード多重無線伝送技術が注目されているという。

 NECは今後、今回開発したOAMモード8多重と、偏波多重技術を組み合わせて16多重伝送を実現し、128bps/Hz(8モード×2偏波×8ビット)の周波数利用効率を目指して研究開発を進める。また2019年には、より高い周波数帯であるD帯(130G〜174.8GHz)において実用化の基準となる100m伝送の実現を目指す。

 さらに、デジタル信号処理部のLSI化と帯域幅の1GHzへの拡大により100Gbps以上の伝送容量を実現し、5G基地局のバックホール回線や、CU(Central Unit:集約基地局)−DU(Distributed Unit:リモート局)間のフロントホール回線への適用を目指す。

 

4.KTが5Gサービスを正式に開始、第1号の加入者はAIロボット(12.19 日経クロステック)
 韓国KT Telecomは2018年12月13日、5Gの商用サービスを正式に開始したと発表した。実際のサービス開始は同年12月1日。同日午前0時にソウル市内の同社ネットワークコントロールセンターでセレモニーを実施したほか、同社5Gサービスのシンボルで最初の加入者となるAI搭載ロボット「Lota」も披露された。このロボットは今後、ソウルのロッテワールドタワー123階、地上555メートルの展望台「Seoul Sky Observatory」にて、来場者案内を行う。同社では、今後もこうしたAI搭載マシンを使った新事業を開拓していくとしている。

 サービス対象のエリアとしては、ソウル以外に国内の人口密度の高い都市数カ所や済州島やウルルン島なども含まれている。今後は国内24都市の他、高速道路や地下鉄、高速鉄道といった主要交通網、大学、ショッピングエリアなどにもサービスを広げていくという。

 発表によると、同社のインターネットは、各拠点間で直接通信が可能なフルメッシュ型ネットワークを採用しており、エッジコミュニケーション部分はユーザーデータ処理と通信制御処理が明確に分離されるCUPS(Control and User Plane Separation)で構築されているため、他の事業者にない超低遅延性を実現している。顧客サービス形態としては、10Gバイトのデータ通信可能なモバイルルーターを月4万9500ウォン(約44米ドル)で提供する。

 同社は、2018年の平昌オリンピックにて5G試験サービスを実施した後、9月には5Gオープンラボを開設。国内外のパートナー企業と連携して、5G開発を促進してきた。今後は、スマートシティー、スマートファクトリー、コネクテッドカー、5Gを使ったメディア、クラウド開発にフォーカスして、韓国Samsung Electronics、 韓国Hyundai Mobis、韓国Posco、米Intel、スウェーデンEricsson、米Nvidia、米Qualcommと連携していくとしている。

 

5.「口論するデバイス」や「精神の肥満解消ジム」、エリクソンが2019年の消費者動向10発表(12.19 日経クロステック)
  スウェーデンEricsson(エリクソン)は2018年12月12日、年末恒例の消費者最新動向レポート「10 Hot Consumer Trends 2019」を発表した。最新技術をいち早く取り入れる消費者(アーリーアダプター)3400万人による、AI(人工知能)やVR(仮想現実)、5G(第5世代移動通信システム)、自動化などの技術への意見や未来予測を収集、解析し、下記のような10の最新消費者動向にまとめている。

(1)人の気持ちを読み取るデバイスの登場
 バーチャルアシスタントデバイスを利用しているユーザーの60%以上が、人の気持ちを読み取るアウエアラブルデバイスが今後3年以内に主流になると考えている。そうなれば内蔵されたAI機能は人が秘密にしたいことまで知ってしまうことになりかねないが、半数以上のユーザーが、人よりデバイスを信用すると回答している。

(2)口論するデバイスの登場
 バーチャルアシスタントデバイスユーザーの65%以上が、3年以内にスマートスピーカーが家族のように口論するようになると答えている。47%が異なるアシスタントデバイスは異なる回答を持つとし、41%が夫婦で異なるデバイスを所有する場合には、相性のよいもの同士にすべきだとしている。

(3)絶えず情報を収集するアプリケーション
 45%以上のユーザーは、アプリケーションが使用していないときも情報収集を行っていると考えている。その上で、59%が個人情報保護のための国際的な指針が必要だとしている。

(4)同意を強制するインターネットの見直し
 消費者の51%がCookieによるデータ収集を許可しなければならないことにいら立ちを感じている。現在、大多数のビジネスモデルがこのデータを使って個別広告を提供しているが、これについても49%が、見たい情報の前に広告表示を待たねばならないのは問題だとしている。47%が新しいビジネスモデルの構築が必要だとし、42%がインターネットは根本から変わる必要があるとしている。

(5)AR/VRアプリへの期待
 50%以上のAR/VRユーザーが、料理や修理技能といった日常業務を仮想的に実習することができるアプリや対応する眼鏡、手袋類があればよいとしている。

(6)日用品の自動管理サービス
 約半数のバーチャルアシスタントユーザーは、生活必需品の在庫補充を自動でやってくれるような自動注文支払サービスがあればよいと思っている。

(7)精神の肥満解消ジム
 バーチャルアシスタントは、何を食べたらよいか、いつ医者に行けばよいかまで教えてくれる。消費者の34%は、こうした意思決定を日常的にデジタルに頼るようになることで、自己決定の仕方を忘れてしまい、重大な決断ができなくなると考えている。十分な運動を行わないと身体が肥満するように、バーチャルアシスタントの使い過ぎは精神的な肥満につながるとし、31%が意思決定を学ぶジムのようなものが必要になるとしている。

(8)エコウォッチ
 回答者の39%が、自身の日々の二酸化炭素排出量を計測できるエコウォッチがあればよいと考えている。また、室温や水の使用量を環境に配慮して最適化するバーチャルアシスタントが欲しいとも回答している。

(9)オンラインアバターの登場
 AR/VRユーザーの48%が、自分の分身となるオンラインアバターが欲しいと考えており、1年以内にもオンライン会議などで日常的に使われるようになるだろうとしている。ただし、それらのアバターが自分のアイデンティティーを盗むなどの危険性があることを指摘する声も46%存在する。

(10)5Gで社会の自動化が進む
 5Gにより改善が進む分野として、スマートフォンユーザーの37%が家庭用警報器、23%が自動運転、20%が電気やガス、水道メーターや家電を含むIoT機器を挙げている。また、32%がVRを使った買い物ができるようになるとし、21%がAR/VRを使った移動通信が実現するとしている。

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