週間情報通信ニュースインデックスno.1159 2018/12/15


1.島根県がRuby製サービスを表彰、大賞はコークッキングとスタディプラス(12.13 日経クロステック)
  島根県は2018年12月13日、国産プログラミング言語「Ruby」で開発した独創的なIT製品やサービスを表彰するイベント「Ruby biz Grand prix 2018」を東京都内で開催した。同イベントは2015年から毎年開催され、今回で4回目となる。

 国内外からノミネートされた事例は40件。これは過去最多のノミネート数だという。この中からグランプリである大賞のほか、特別賞、Device Technology賞、Pricing Innovation賞を選び、表彰式を行った。

 大賞を受賞した事例は2つ。1つは、コークッキングが開発したフードロス削減サービス「TABETE」、もう1つはスタディプラスが開発した学習支援サービス「Studyplus」だ。

 TABETEは、突然の予約キャンセルなどで余ってしまった食事の提供先を探せるサービスである。コークッキングの榊原徹哉リードエンジニアは「開発時に手本となる類似サービスがなく、手探りで開発を進めなければならなかった。方針が短い期間で変わることもあったため、Rubyの迅速な開発力と対応力が有効だった」と話す。

 Studyplusは、勉強したページ数を記録して可視化できるサービスだ。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の機能を備え、勉強仲間同士が切磋琢磨(せっさたくま)しやすい環境を作れる。スタディプラスの島田喜裕最高技術責任者(CTO)はRubyの魅力を「活発なコミュニティーと、よく使われるライブラリーが整備されていること」と語る。

 

2.AI導入率は2.9%、矢野経済研究所の調査で明らかに(12.13 日経クロステック)
  矢野経済研究所は2018年12月13日、国内の民間企業におけるAI(人工知能)の導入状況などの調査結果を発表した。現時点でAIを導入している企業は全体の2.9%にとどまった。企業のAIに対する注目度や期待は高いが、導入はごく一部にとどまる実態が浮き彫りになった。

 「実証実験(PoC)を行っている」と答えた企業も5.8%だった。ただし、企業のAIに対する関心は高く、「利用に向けて検討を進めている」「これから検討をする予定である」「関心はあるがまだ特に予定はない」と回答した企業の合計は75.2%に達した。

 業種別にみると、「すでに導入している」と答えた割合が最も高かったのが金融業界で12.5%だった。逆に、最も低かったのが流通業界で0.8%だった。矢野経済研究所は2018年7〜10月に調査を実施し、国内の民間企業515社から回答を得た。AIとしてRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)なども含めている。

 

3.巨大IT企業規制の検討会が最終報告、運営を監視する専門組織など提言(12.12 日経クロステック)
  政府の有識者会合「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」は2018年12月12日、これまでの議論をまとめた中間論点整理を公表した。政府はこの論点整理を基に、政府がデジタル・プラットホームに対して取るべき施策方針を「基本原則」として2018年内に策定、公表する予定だ。

 2018年11月に公表していた案をほぼ踏襲しており、巨大IT企業が提供するデジタルプラットホームを巡る取引実態が外部から見えにくく不透明であるなどの課題を指摘した。そのうえで政府機関が大規模かつ包括的で徹底した調査を実施して実態を把握することや、既存の官庁とは別にデジタルプラットホームを専門に監視や調査・分析をする新たな組織を作ることなどを検討するべきとしている。

 具体的には、政府による調査がプラットフォーム企業と取引先が結ぶ秘密保持契約などで阻まれる場合は、強制的な調査権限を持つ独禁法第40条の一般調査権も必要に応じて活用してはどうかと指摘する。

 プラットフォームを対象にした専門組織は、法律のほか経済学、情報処理、システム工学の専門性を持つスタッフを擁して継続的にプラットフォームの運営・管理状況や契約慣行などを調査する。その結果を既存の関係省庁に報告したり、法解釈や必要な立法措置を提言したりするほか、違法行為を発見したら規制担当の省庁に情報提供する役割を想定している。

 検討会は経済産業省と公正取引委員会、総務省の3組織が共同で2018年7月から開催。11月には楽天とヤフー、米グーグル、米アップルの担当者から意見を聞き取る事業者ヒアリングも実施して、今回の論点整理をまとめた。

 

4.経産省がDX推進ガイドラインを公表、「攻めのIT経営銘柄」と連携(12.12 日経クロステック)
  経済産業省は2018年12月12日、「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」(通称:DX推進ガイドライン)を公表した。既存システムの刷新や新たなデジタル技術の活用を推進するための体制や実行プロセスなど、経営者が押さえるべき事項を明確にした。取締役会や株主による取り組みのチェックリストとして活用してもらう。5回目となる「攻めのIT経営銘柄」の選定とも連携させる。

 DX推進ガイドラインは、「DX推進のための経営のあり方、仕組み」と「DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築」の二つの視点で整理した。経営の在り方については、経営戦略やビジョンが提示できているか、トップが強いコミットメントを持って取り組んでいるか、各事業部門に新しい挑戦を促す環境を整えているか、など5項目を挙げた。ITシステムの構築に関しては、デジタル技術を戦略的に活用できる基盤を構築する体制が整っているか、ユーザー企業が丸投げせずに自ら企画や要件定義をしているか、IT資産の現状を分析・評価できているか、などの6項目を示した。

 経済産業省と東京証券取引所が選定する「攻めのIT経営銘柄2019」では、ガイドラインに沿ってDXを推進する企業を高く評価する。調査に回答する企業が企業価値向上のためのIT活用について記述する際に、どのようなDXに関連するかを選択してもらうようにした。33業種ごとに1〜2社選定する攻めのIT経営銘柄企業の中から、最もDXの推進で優れている企業を「DXグランプリ(仮称)」として選定する予定。2019年1月18日まで企業の回答を受け付けて、同年4月ごろに選定結果を発表する。

 

5.ジュニパーネットワークス、自律型ネットワーク「Self-Driving Network」の取り組みを解説(12.12 日経クロステック)
  ジュニパーネットワークスは2018年12月12日、プログラミングされた自律型ネットワーク「Self-Driving Network」向けの技術を解説する記者説明会を開催した。米国本社のエンジニアリング担当最高技術責任者であるキリーティ・コンペラ氏が説明に立った。

 コンペラ氏はSelf-Driving Networkを自動運転車に例えて説明。自動運転車ではブレーキや速度制御といった1つ1つの機能が自律型になっているように、Self-Driving Networkもネットワークを多数の機能に細かく分解し1つ1つを自律化したものだとした。そしてネットワークの使い方によって、Self-Driving Networkがどのような役割を果たすべきかをきちんと理解することが重要だと強調した。

 またコンペラ氏はSelf-Driving Networkにおいて重要な役割を担う「ネットワークボット」について解説した。ネットワークボットは、ネットワークの運用管理に関する様々な処理を自動化したソフトウエアコンポーネント。リアルタイムのテレメトリーによって得た情報を分析、意思決定し、制御また可視化するという「クローズドループ」を自動的に実行する。ネットワークを機能に分解し、それぞれにクローズドループを実行するネットワークボットを設定するという形になる。

 Self-Driving Network関連製品は、既に出荷中のものもある。コンペラ氏は「究極の目標は、ネットワーク運用に関する課題を、ビジネス面で価値があり、技術的に実現可能な方法で解決することだ」と述べ、説明を締めくくった。

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