週間情報通信ニュースインデックスno.1156 2018/11/24


1.伊予銀行がアクセンチュアとデジタル変革プロジェクト、店舗タブレットを運用開始(11.22 日経クロステック)
  伊予銀行は2018年11月22日、デジタル変革プロジェクトでアクセンチュアと契約したと発表した。期間は3年間で、複数のプログラムを並行して進める。デジタル技術と人がそれぞれ得意な部分を分担する形に変え、顧客にとっての利便性と付加価値の向上を目指す。このプロジェクトの1つの取り組みとして開発した店舗タブレットの限定運用を2018年10月に開始した。

 伊予銀行は2018〜2021年度の中期経営計画で「Digital-Human-Digital Bank」を目指すと表明した。伊予銀行でCIOを務める竹内哲夫常務取締役は「2015年度から10年先を見据えた構造改革に取り組み、業務の簡素化などを進めてきた。その一方でデジタル化がものすごいスピードで進み、自分たちだけでやることに限界を感じるようになった」と話す。コンサルティングサービスに加え、デジタル変革に適しているとされるデザイン思考やアジャイル開発のリソースも提供できるアクセンチュアを支援者として選択した。コンサルティングから実行段階までアクセンチュアが支援する「伴走型」(竹内常務取締役)のプロジェクトとして推進する。

 デジタル変革プロジェクトの一環で、預金口座開設や定期預金入金、住所変更、相続などの手続きができる店舗設置用タブレット「Agent」の開発に取り組む。デザイン思考の手法を活用しながら、デジタル技術の活用を前提に業務プロセスを見直している。第1弾として普通預金口座、定期預金口座、積立定期口座の開設という3業務のアプリケーションを実装し、2018年10月に試験的に3店舗に配備した。

 顧客がタブレットを操作し、チャット画面の案内に合わせて質問に答えたり運転免許証を撮影したりするとペーパーレスで登録作業が完了する。出力されたQRコードを店舗の端末で読み込んで、行員が本人確認などの作業をすれば手続きが完了する。業務量を約7割削減でき、口座開設にかかる時間が短くなる。

 チャットボットやワークフロー管理、システム連携機能などを統合したアクセンチュアの基盤ソフト「Chat Co-Robot」を活用して構築した。2019年2月に対象業務を18まで増やして本格導入する。同年6月までには店舗で受け付ける主要な26業務すべてをAgentに載せる予定。2020年度中に国内全148店舗へのタブレット配備を終える計画だ。

 

2.脅威はデジタル破壊、アクサ生命がIT部門改革を急ぐ理由(11.20 日経クロステック)
  「IT部門改革を進めた結果、新商品向けのシステムを開発する費用と期間を大幅に短縮できた」。

 アクサ生命保険の玉置肇執行役員ITデリバリー本部長は2018年11月20日、日経 xTECHが主催した「DxD Summit(ディーバイディーサミット)」の基調講演に登壇。「生命保険会社でアジャイルに挑戦‐組織再編に至る3年間の軌跡‐」と題して、IT部門改革の取り組みと効果について語った。

 最も効果が大きかった施策は、2018年1月に実施したIT部門の組織変更だ。開発生産性とシステムの品質を高めるため、ビジネス部門とIT部門が密接に連携しやすい体制に再編した。具体的には、IT部門内をグループに分けてそれぞれのグループをビジネス部門の組織と1対1に対応させた。この各グループを「トライブ(部族)」と名付けた。

 「トライブは事実上、IT部門のメンバーをビジネス部門に預けたようなもの」と玉置執行役員は説明する。それほどビジネス部門とIT部門の関係性が緊密になったというわけだ。

 組織再編に加えて、積極的にITエンジニアを中途採用し、システム開発の内製化を進めた。このほか、アジャイル開発のプラクティスを数多く取り入れた。例えば、トライブ内を7人前後の少人数チームに分けてプロジェクトを実行させる、2週間に1回の頻度で成果物をリリースする、ホワイトボードや朝会で進捗状況を共有するといったことである。

 こうした一連の改革の結果、システム開発のコストと期間を圧縮しつつ、部員のモチベーションを高めることに成功したという。しかし、玉置執行役員は「変革はまだ道半ば。本当に怖いのは他業界の企業が仕掛けてくるデジタルディスラプション(破壊)だ。これに立ち向かうために、より強いIT組織を作っていく」と語った。

 

3.エリクソン、協働ロボットや工場自動化など5Gロボティクスの開発支援(11.20 日経クロステック)
  スウェーデンEricsson(エリクソン)は2018年11月13日、米Verizon(ベライゾン)や米マサチューセッツ州の技術業界団体Mass Tech Leadership Council(MassTLC)と共に、大学やスタートアップ企業などに5Gロボティクスへの取り組みの場を提供する「Verizon 5G Robotics Challenge」を開始したと発表した(Ericssonのニュースリリース1)。参加者は、工業自動化、協働ロボット(Collaborative Robotics、Cobots)、倉庫ビジネス自動化の3分野について、5Gの高速大容量、低遅延通信を生かしたユースケースを提案する。

 優れたアイディアを提供した団体には3万米ドルが提供され、Verizonの5G研究所でEricsson も後援する5G開発トレーニングを受講後、マサチューセッツ州のロボティクス関連企業と連携して製品化を進めることになる。

 Ericssonは、ロボティクスのクラウド化を進めており、同社ネットワークインフラを使って、ロボットとクラウドの5Gを使った円滑な「会話」を支えていくとしている。

 Ericssonはこの他、同年11月14日には、ノルウェーに本社を置く多国籍通信事業者Telenorグループの持つスウェーデン、デンマーク、ノルウェーの基幹ネットワーク仮想化を進めていることも発表している(Ericssonのニュースリリース2)。これにより、固定無線、および移動無線アクセスでの商用5Gサービスの運用開始に向けた効率化と、IoTなどの今後の新規サービスに向けたネットワーク容量拡張を実現する。

 また、同年11月15日には、南アフリカに本社を置く多国籍企業MTNとの、顧客先での固定無線アクセス(Fixed Wireless Access、FWA)を使った5G試験も発表(Ericssonのニュースリリース3)。南アフリカのヨハネスブルクとプレトリア市の間、ミッドランドのNetstar本社で行われたデモでは、28GHz帯の100MHzの帯域で、Ericssonの試験アンテナ搭載無線装置と米インテルの「5G Mobile Trial Platform」を使用。Netstar本社の社員に、Wi-Fiアクセスポイントから試験用5Gネットワークに接続できる環境を提供している。

 

4.NTTコムがAIでコールセンター自動化、無断キャンセル防ぐ実験も(11.20 日経クロステック)
  NTTコミュニケーションズは2018年11月20日、AI(人工知能)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を組み合わせてコールセンターの業務を自動化するサービス「コンタクトセンターDXソリューション」を12月1日に発売すると発表した。自動音声による問い合わせ対応から対応内容の記録などの後続処理まで、一連の業務をオペレーターを介すことなく自動化できる。AIが対処できない場合はオペレーターに引き継ぐ。

 商品やサービスに関する問い合わせや通信販売などでの電話による商品注文、飲食店や宿泊施設などの予約確認といった様々なコールセンター業務での利用を想定する。「コールセンターの需要は拡大傾向にある一方、人材採用が難しかったり定着率が低かったりといった課題がある」(NTTコミュニケーションズ ボイス&ビデオコミュニケーションサービス部サービス企画部門の小松崇担当課長)。

 2018年6月から1カ月半、同社コンタクトセンターの一部で営業時間外の問い合わせ対応をコンタクトセンターDXソリューションで自動化した結果、6週目には9割以上の問い合わせをAIによる対応のみで完結できたという。同システムは現在も稼働中だ。

 同社の対話型自然言語解析エンジン「COTOHA Virtual Assistant」や、NTTグループのRPAソフトウエア「WinActor」のほか「様々なAIエンジンやソフトウエアを組み合わせる」(小松氏)。AIのチューニングや既存の業務システムとの連携なども包括して支援する。価格は個別見積もりだが、一般的なオペレーター1人当たりの費用を月数十万円として、それより2〜3割低い金額で提案するという。3年間で数十社への導入を目指す。

 このほか12月から大手飲食店予約サイトと組み、予約客の無断キャンセルを防ぐためにコンタクトセンターDXソリューションを使う実証実験を始める。具体的には、来店予定日の数日前にAIによる音声電話やショートメッセージサービス(SMS)を使って客に予約内容を確認する。

 実験期間は2018年12月から翌年の2月末まで。連絡する予約客の抽出方法やタイミングなどの詳細は今後詰める。年間2000億円に上るとされる食品ロスなどの損害の抑制につなげる狙いだ。

5.スマートグラス介して保守支援、NECフィールディングが外販(11.20 日経クロステック)
NECフィールディングは客先で保守や修理作業に当たる作業員に眼鏡型端末(スマートグラス)を携行させて後方支援する「遠隔支援ソリューション」を2018年11月20日に発売する。同社内のフィールドサポート部門で運用しているシステムを外販するもので、2020年度末までに150社、10億円の売り上げを見込む。

 セイコーエプソン製の透過型液晶パネル搭載のスマートグラス「MOVERIO」とモバイルルーター、遠隔拠点のPCにインストールする管理ソフトなどを提供する。現場の保守作業員がスマートグラスを掛けた状態で作業に当たる際、作業風景の映像をモバイルルーターのLTE回線経由でリアルタイムに遠隔拠点のPCに転送し、確認できる。遠隔拠点からは画像に手書きで作業員への指示を書き込み、スマートグラスに表示できる。双方向の音声通話も可能だ。スマートグラスはフル充電の状態で1時間程度の連続使用が可能という。

 保守作業員が1人で作業に当たる際、故障箇所の特定や修理方法などについて、リアルタイムの映像を基に遠隔拠点にいる技術者と相談しながら作業を進められる。そのほか、(1)重要度の高い機器の修理など保守作業員2人を客先に派遣しているケースで、同システムを活用して派遣要員を1人に減らす(2)保守作業に起因するトラブルに備えて作業の様子を映像で記録しておく(3)ベテラン作業員による作業の様子を記録して社内研修の資料として使う――といった用途を想定している。

 NECフィールディングは2018年2月からフィールドサポート部門の一部で同システムの使用を開始。その結果、保守作業に起因する品質トラブルを25%削減できたほか、作業1件あたりの平均作業時間の削減、作業員の心理的な負担軽減、作業風景の見える化による作業方法の改善指導などの効果があったという。同社は客先派遣業務のある保守作業員1600人の全員に2018年末までにスマートグラスを携行させることを決定し、併せて外販を始める。価格は個別見積もりだが、スマートグラス10台を使う構成で初年度年間500万円程度の見込み。効果検証用として、スマートグラス2台と拠点用PC1台などを1カ月貸し出すトライアルサービスも税別25万円で提供する。

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