週間情報通信ニュースインデックスno.1154 2018/11/10


1.ノキア、中国3大メガキャリアの固定/移動体通信強化で20億ユーロの契約(11.9 日経クロステック)
  フィンランドNokia(ノキア)は2018年11月7日、中国China Mobile(中国移動通信)、China Telecom(中国電信)、China Unicom(中国聯合通信)各社と、2019年末までの期間で総額20億ユーロを超える規模の包括協定を結んだことを明らかにした(ニュースリリース1)。これら3社は、ノキアの技術とサービスを使って中国内の固定/モバイルブロードバンドの性能を改善する。世界最大の人口を抱える国として、ますます伸びる中国内のネットワーク需要に応え、さらに高品質なサービスを提供するため、ネットワークの高速大容量化と信頼性強化を進め、5Gへの移行に備える。

 契約内容としては、下記のようなものが含まれる。
 ・China Mobileに向けた、無線アクセス、基幹ネットワーク、および、PON(passive optical network)、IPルーティング、光伝送、SDN、ネットワーク管理、およびサービスに関する技術と専門知識の提供。

 ・China Telecomに向けた、中国全土の4G LTEサービス展開とホットスポットの容量改善サポート。FDD方式のLTE無線アクセスやCPE(Customer Premises Equipment、宅内通信機器)、基幹ルーター、マルチサービス対応エッジルーターなどの提供も含まれる。また、中国の5G化に向けた連携も同時に進める。

 ・China Unicomの中国内向けサービス事業支援。FDD方式のLTE無線アクセスやマルチアクセスエッジコンピューティング、仮想IMS(IP Multimedia Subsystem)、SDN、IP ルーティング、光伝送、固定ネットワーク用機器提供も含む。4G LTEを中心としたネットワークの品質、容量改善と同時に、IoT向けサービス拡張、ネットワークへのAI適用も含む5G化に向けた調査、開発も進める。

 このほかノキアは2018年11月6日、独ハンブルグ港湾局(Hamburg Port Authority、HPA)、ドイツテレコムとの協力で行われる5G実験の概要についても発表している(ニュースリリース2)。

 このフィールド試験は、欧州の5G関連団体5G-PPP(5G Infrastructure Public-Private Partnership)が主導する研究開発プロジェクト「5G MoNArch(5G Mobile Network Architecture)」(関連記事)の一環として、2年間の予定で行われる。2018年1月にハンブルク港の8000haの敷地に整備された試験場にて実施する。

2.Amazon Academyを初開催、「Amazon Pay」や「AWS」の事例を紹介(11.7 日経クロステック)
  アマゾンジャパンは2018年11月7日、都内で法人・個人事業主向けのイベント「Amazon Academy」を日本で初めて開催し、「一億総活躍社会」や「働き方改革」に向けたソリューションを紹介した。

 イベントには、アマゾンジャパン社長のジャスパー・チャン氏が登壇。「Amazon Academyは英国、ドイツ、ベルギーなどに続き、日本で初めて開催するイベントだ。アマゾンのビジネス向けサービスを通して、規模や業種、働き方に関わらず、一人ひとりが個性を発揮できる多様な働き方を支援したい」と語った。

 政府からのゲストとして前・一億総活躍担当大臣で参議院議員の松山政司氏が登壇。「2015年にこれからの日本が目指す社会を『一億総活躍社会』と命名した。政府はGDP600兆円の実現に向けて、子育て支援や介護問題に取り組んでいる」と語った。

 スタートアップ企業からのゲストとして、ビザスク 代表取締役CEOの端羽英子氏を交えたトークセッションが行われた。端羽氏はアマゾンの出品サービスについて、「シェアリングエコノミーが広がっており、誰もが売り手になれる時代だ」と評価。一方、「女性起業家は成功事例が少ないと言われ、出資を受けるのに苦労した。AWSのようなクラウドの活用で起業リスクが減れば、起業する人が増えるのではないか」と期待を語った。

 実際にオフィスを訪れたという松山氏は、「搾乳室や礼拝室、オールジェンダーのトイレもあり、驚いた。壁を一つ一つ取り除き、チャレンジできる環境だ」と評価。働き方改革について「6月に成立した働き方改革関連法により、大企業は2019年4月、中小企業は2020年4月から罰則付きで長時間労働の規制が始まる。週に1日以上在宅でテレワークをする人は160万人いるが、政府は全労働者の10%以上を目指している」(松山氏)と語った。

 次にアマゾンが提供するビジネス向けサービスについて、最新状況が紹介された。出品サービスについては、セラーサービス事業本部 FBA推進部 部長の永妻玲子氏が登壇。「あらゆる規模の販売事業者が、少ない初期投資でオンラインビジネスを開始できる。簡単に出品できて代金回収も容易だ」と紹介した。

 アマゾンが商品保管や出荷を代行するサービスとしては「フルフィルメント by Amazon(FBA)」を紹介。2017年10月に開始したメール便サイズの「FBA小型軽量商品プログラム」を利用する文具販売業者の事例では、商品当たりの出荷個数が30%増加したという。

3.AIを使うクラウド型無線LANの米ミスト、日本法人を設立し本格進出(11.6 日経クロステック)
  クラウド管理型の無線LANシステムを提供する米ミストシステムズは2018年11月6日、日本法人を設立し、日本市場に本格参入したと発表した。同社は2017年からパートナー企業経由で製品・サービスを販売してきた。今後は日本法人を通じた情報提供やパートナー支援を大幅に強化する。「2年以内に日本での販売実績で上位5位以内に入る」(米ミストのスジャイ・ハジェラ社長兼最高経営責任者)としている。

 ミストの無線LANシステムはユーザー拠点に置くアクセスポイント(AP)装置と、APの制御・管理機能を提供するクラウドサービスから成る。最大の特徴がAI(人工知能)を使った運用管理の最適化や自動化を推し進めている点だ。

 AIを使うことで様々な環境に対応して電波強度や指向性を調整でき、高品質で安定した無線通信を実現するという。また異常検知や日本語によるトラブルシューティングの手引きにAIを使っており、運用管理作業を自動化している。

 APは無線LANとBLE(Bluetooth Low Energy)の両方の電波を出力し、通信端末の位置情報を高精度に取得できる。ホテルなど商業施設では、来訪者のスマートフォンに案内情報を出すサービスに使われている。

 日本での製品取り扱いは、2017年から協業しているネットワンシステムズ子会社のネットワンパートナーズ、およびNTTコミュニケーションズが引き続き担当する。ネットワンパートナーズはシステムインテグレーターなど販売パートナーへの販売支援や商品供給を担当し、NTTコムは主に同社の通信・クラウドサービスにミストのサービスを組み込んで提供する。これまでの販売実績は数十社で、「今後は1年ごとに倍増のペースで増える」(ハジェラ社長)と見込む。

 ミストが米国で先ごろ発表した、ベンダー間で通信機器やIT製品を連携させてAIによる最適化・自動化を拡大する「AI for IT」の技術協業を日本でも拡大することも表明した。現時点で参加するのは米ジュニパーネットワークス、米ヴイエムウェア、米パロアルトネットワークスなど。対象製品を接続して使うと、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を通じて、動作異常や通信トラフィックなどの情報、端末情報などを機器間で交換し、AIによる運用自動化に役立てる。例えばネットワーク機器から端末の状態までを統合的に使ってトラブル判定に使ったり、端末の位置情報をセキュリティリスクの判定に使ったりして、AIの学習精度を高められる。

4.置き薬方式をQRコード決済で「疑似IoT」化、コカ・コーラが企業向け飲料販売サービス(11.6 日経クロステック)
  コカ・コーラボトラーズジャパンは2018年11月6日、小規模オフィス向けの飲料販売サービス「Coke mini」を同日から開始すると発表した。いわゆる「富山の置き薬」方式の販売手法にQRコード決済インフラを組み合わせることで疑似的にIoT(インターネット・オブ・シングズ)を実現し、在庫補充の効率向上や販売本数の正確な把握を可能にしている。

「Coke mini」の利用風景のイメージ。決済方法をQRコード決済に絞り込むことで、冷蔵庫に通信モジュールを搭載しなくても在庫補充やマーケティングデータをコカ・コーラボトラーズジャパンへ送れる事業モデルを構築した。

 500ミリリットルクラスのペットボトルを上下2段に格納できる小型の冷蔵庫をオフィスに設置し、併せて商品ごとに異なるQRコードを記載した商品リストを添える。冷蔵庫に通信モジュールは搭載していない。利用者は自身のスマートフォンを使い、買いたい商品のQRコードを読み取り「LINE Pay」「楽天ペイ」のいずれかで決済し商品を取り出す。現金決済は受け付けない。

 オフィスや商品ごとの売り上げデータは利用者のスマートフォンからLINE・楽天を経由してコカ・コーラボトラーズジャパンへリアルタイムに伝送され、同社で集計。オフィスごとに補充すべき本数をまとめ、「Cokeフレンズ」と呼ばれる同社の補充担当者が定期的に補充する。

 同様のサービスを開発する場合、これまではLPWA(ローパワー・ワイドエリア)の通信モジュールなどのIoT技術を使い、冷蔵庫をネット接続する方式が多かった。コカ・コーラボトラーズジャパンはIoTによる通信を顧客のスマホでまかなうことで、特別な冷蔵庫を使わずにサービスを提供できるようにした。

5.「日本企業のデータ活用は50カ国で最下位」、米クリックが調査(11.5 日経クロステック)
  データ分析ツールの米クリック・テクノロジーズ(Qlik Technologies)の日本法人、クリックテック・ジャパンは2018年11月5日、企業のデータ活用具合と時価総額の関係を調べた結果を発表した。世界50カ国の604社を対象に調べたところ、データ活用が進む企業の時価総額はそうでない企業と比べて、3億2000万〜5億3400万ドル高いと分かった。日本企業のデータ活用レベルは50カ国のうち最も低かった。

 クリック・テクノロジーズはデータ活用具合を「データリテラシー」と名付け、「データを読み解いて日常的に業務に使い、必要に応じて分析し、その結果に基づいて議論する能力」と定義している。今回、各社のデータリテラシーのレベルを数値化し、時価総額との関係を調べた。クリックテック・ジャパンの北村守カントリー・マネージャーは「データリテラシーと業績の関係性を明らかにしたのは世界でも初めてだろう」とする。

 世界50カ国で、従業員数が500人以上の上場企業604社を対象に調べた。米国と欧州が200社ずつ、日本が55社、日本を除くアジアが149社という内訳だ。

 最もデータリテラシーが高かった国はシンガポールで100ポイント中84.1だった。主要国のポイントは英国が81.3、ドイツが79.0、インドが76.2、米国が72.6、日本は54.9だった。「日本はデータを組織全体で活用できていないためスコアが低かった。限られた人しかデータにアクセスできなかったり、ためたデータが使える状態になっていなかったりするケースが多い」(北村氏)。

 全体の結果として、企業の意思決定者の9割以上が従業員のデータリテラシーが重要と考えていた。だが一方で、従業員のデータリテラシーを高めるよう奨励している意思決定者は17%にとどまったという。

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