週間情報通信ニュースインデックスno.1153 2018/11/03


1.NECがマルチクラウドの活用支援組織を強化、2020年までに1000人体制へ(11.2 日経クロステック)
  NECは2018年11月1日、クラウドサービス事業に関する説明会を開き、複数のクラウドサービスの活用を支援する専門組織「マルチクラウドソリューションセンター」を設置したことを明らかにした。クラウドサービスの導入支援を担う部署がNECとグループ企業に分散していた状況を解消した。現在は約600人が同センターの業務に従事しており、2020年ごろまでに1000人体制に増強することを目指す。

 同社は、複数のクラウドサービスを活用する「マルチクラウド」を推進する。顧客企業の要望に応じて、自社のIaaSのほかに米アマゾンウェブサービス(AWS)、米ヴイエムウェア、米セールスフォース・ドットコム、米マイクロソフトなどのクラウドサービスを使い分ける。「顧客が他社のクラウドサービスを指名してくるケースが増えてきた。自社だけであらゆる要望を満たすのは難しい。顧客のニーズに応じて迅速に提供できる体制を整えるべきだと考えた」とマルチクラウドソリューションセンターのセンター長を務める上坂利文サービスプラットフォーム事業部長は説明する。

 マルチクラウドソリューションセンターは、複数のクラウドサービスに関する窓口をNECグループで一本化するための仮想組織として2018年5月に立ち上げた。複数のクラウドサービスをどのように使い分けるべきかのノウハウを蓄積して標準化したり、クラウドサービス上にシステムを構築する際の技術支援をしたりする。製造業や流通業、金融業などの顧客にシステムを提供する部門を後方から支援していく。他社のクラウドサービスは当初、AWSなどの一部のサービスのみを対象としていたが、このほど各社のクラウドに対応できる体制が整った。

 マルチクラウドの推進に合わせて、提供するクラウドサービスの品ぞろえを強化する。NECのデータセンターでヴイエムウェアのソフトウエアを使って構築したクラウドサービスを2019年1月に開始する。ヴイエムウェアがAWS上で提供するクラウドサービスの取り扱いも計画する。また、独自の画像認識技術を用いた真贋判定サービスや多言語翻訳サービスを自社クラウドから新たに提供する。商品管理や契約管理などの機能を備える米Zuoraのソフトウエアを使った事業基盤サービスの提供も始める。  

 

2.パナソニックの家電をLPWAで常時接続、ソフトバンクと実証実験(11.1 日経クロステック)
   パナソニックは2018年11月1日、LPWA(ローパワー・ワイドエリア)方式の通信技術を活用して同社の家電製品をIoT(インターネット・オブ・シングズ)端末として常時ネット接続できるよう、ソフトバンクと共同で2018年11月から大阪府内で実証実験を実施すると発表した。

 LANや無線LAN、Bluetoothなどのモジュールを搭載してネット接続できる機能を備えた家電製品はこれまでも多数市販されているが、家庭内のアクセスポイントにつながるよう接続作業や初期設定などが必要だった。LPWAに対応することで、消費者は商品を買って電源をつなぐだけで常時ネット接続できるようにし、接続作業などの手間を減らす。

 実証実験では複数あるLPWAの方式のうち、水道メーターの遠隔検針などで使われデータ量が少ないNB-IoT方式を採用。さらにソフトバンクがNB-IoT方式で導入を進めている通信技術の「NIDD(Non-IP Data Delivery)」を活用する。NIDDは各端末とサーバーとのデータ伝送時に、一般的なIPアドレスの代わりにIMSI(国際移動体加入者識別番号)を使う。これによりインターネットから直接アクセスできないようにしてサイバー攻撃を困難にするほか、通信時のヘッダー情報も削減し通信データ量や消費電力を抑える。

 パナソニックは家電製品の常時接続の普及に向けて、NTTドコモとも2018年3月に協業すると発表済み。2018年秋をめどに東京、大阪、滋賀で1000台規模のLPWA対応家電を使った実証実験を順次始めるとしている。ドコモに加えソフトバンクとも同様の実証実験を始めることで、LPWA対応家電の実用化を急ぐ。

 

3.ドコモが携帯料金を2〜4割引き下げへ、2019年4〜6月期に導入(10.31 日経クロステック)
   NTTドコモは2018年10月31日、2018年4〜9月期の決算説明会を開き、2019年4〜6月期に携帯電話の料金を2〜4割程度下げる方針を明らかにした。「料金プランが分かりづらい」「お得感を感じられない」といった顧客の意見を踏まえ、「シンプルな分かりやすい料金プランに大胆に変更していく」(吉澤和弘社長)とした。

 新料金プランの詳細は2019年4〜6月期に発表する。端末購入補助がない代わりに毎月の料金を安くする「分離プラン」を軸に検討しているという。年間の還元額は最大4000億円規模となり、当面は減益となる見通し。金融・決済や法人向けソリューション、5Gなどで利益の拡大を図るが、営業利益9900億円(2019年3月期の通期目標)への回復は2023年度になるとした。

 

4.NEC、5G関連ビジネスの共創をテーマにフォーラム開催(10.30 日経クロステック)
   NECは2018年10月30日、都内で開催した5G関連のビジネス共創をテーマにした招待制のフォーラムを開催した。このフォーラム内で同社は「5G Co-Creation Working」の立ち上げをアナウンスし、参加企業の募集を始めた。5G Co-Creation Workingは、様々な業界の企業が課題とニーズ、技術を共有し、新たな取り組みやサービスを共創する場として提供する。交通、建設、流通の3領域でワーキンググループを組織し、活動していく。

 フォーラムでは、キーノートスピーチのあと建設、交通、流通の3業界向けのセッションを並行して設けた。交通セッションでは、東京急行電鉄 事業開発室 プロジェクト推進部 プロジェクトチームの森田 創課長が「先端技術を活用したMaaS事業の近未来」をテーマに講演した。森田氏は、9月26日にJR東日本およびジェイアール東日本企画と発表した、伊豆エリアで2019年春に実施する「観光型MaaS」の実証実験を紹介。駅を降りたあと目的地までのあらゆる交通手段をスマートフォン上で検索、予約、決済できるもの。この実証実験には楽天も参加し、伊豆箱根鉄道や東海バスなどが協力するという。

 森田氏は、「会社の枠組みを超え、お客様がシームレスに目的地に向かい快適に移動できると思ってもらえるようにすることで伊豆が活性化し、ひいては地方社会が便利になる礎となればいい」と説明。また2次交通(駅や空港、港から先の交通)の担い手が少なくなる一方で観光客は増えている現状を踏まえ、2次交通を持続可能な状態にすることの重要性を主張した。

 次いで登壇したNKBの外谷 敬之代表取締役社長は、NECと10月26日に発表した鉄道車両向けのLTE対応車内ビジョンを紹介。「従来車両に後付け可能」「デジタルサイネージ用の地上設備や中央装置、車内配線が不要」といった特徴を挙げた。「極論すれば全てのビジョンに異なるコンテンツを配信できる。広告主にとっては価値あるメディアに成長するだろう。次駅表示のときに次駅近くの店舗や施設の広告を出すなど、中小企業にも広告を販売でき新たな広告市場を開拓できる」(外谷社長)と説明した。

 

5.5GではセルラーV2Xが主流に、ノキアの事業責任者が提言(10.30 日経クロステック)
   フィンランドのノキアは2018年10月30日、都内で「セルラーV2X/コネクテッドカーの最新動向」と題する記者説明会を開いた。V2X(ビークル・ツー・エブリシング)とは自動車同士や自動車と人、交通インフラなどをつなぐ技術の総称。携帯電話の通信網(セルラー)を使うV2XをセルラーV2Xと呼ぶ。ノキアのCar2X事業責任者ウベ・プュッツラー氏は説明会で、「第5世代移動通信システム(5G)が到来した暁にはセルラーV2Xが主流になるだろう」と話した。

 ウベ氏は5Gの自動車業界への応用に向けた技術開発を進める事業団体「5GAA(5G Automotive Association)」の主要メンバーの1人でもある。5GAAはノキアのほか独アウディや独BMW、米インテル、中国の華為技術(ファーウェイ)などが2016年に設立した。

 この10月には東京で5GAAの会合が開催された。日本をはじめ国ごとに通信規格などが違うため、5Gが自動車業界の標準となるには解決すべき課題も多いが、「課題が共有できたという意味でも前進があった」(ノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社の柳橋達也技術統括部長)。ウベ氏は「我々(5GAA)は規格の標準化ではなくサービスの実装が目的だ」と力を込めた。

 同日、柳橋技術統括部長は2018年4月にKDDIらと共同で実施した5Gを見越したコネクテッドカー向けの実証実験の成果を発表した。小型のデータ処理サーバー「MEC(Multi-access Edge Computing)」を設置して、エリア内の受信を希望する全端末に、同じデータを同じ周波数帯で送る「eMBMS(evolved Multimedia Broadcast Multicast Service)」と呼ばれる技術を検証。1つひとつの端末に情報を送るユニキャスト方式よりコストを抑えつつ、同程度の精度で位置情報を取得できることが確認できたという。

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