週間情報通信ニュースインデックスno.1148 2018/09/29


1.脱TCP/IP、ソフトバンクがIoT向け新通信サービスを開始(9.28 日経クロステック)
  ソフトバンクは2018年9月28日、IoT(インターネット・オブ・シングズ)機器向け通信規格「NIDD(Non-IP Data Delivery)」の試験サービスを開始したと発表した。NIDDは携帯電話の標準化作業を進める団体「3GPP」が2018年6月に新しい標準規格として制定したばかり。NIDDを「IoT普及の切り札として以前からやりたかった規格」(宮川潤一副社長執行役員兼最高技術責任者)と位置付けるソフトバンクが、わずか3カ月でサービスを開始させた。

 試験サービスでは水処理会社の水ingと第一環境と協力して実証実験を進め、結果を2019年春ごろに公表する。ソフトバンクはNIDDを「NB-IoT」や「LTEカテゴリーM1」と並ぶIoT機器向け通信サービスのラインアップの1つとしていく考えだ。

 NIDDの特徴は現在のほとんどのネットワークで使われている「TCP/IP」を使わない点だ。通信相手のIoT機器と基地局の間でIPアドレスではない独自のIDを使って信号をやり取りする。携帯電話会社が構築するバックボーンのネットワークには、IPでデータをやり取りする「U-Plane」以外に、制御情報をやり取りする「C-Plane」がある。NIDDではC-Planeを使って制御情報と一緒にデータも一緒に送る。

 「IPにこだわり続けてきた会社」(同)と自負するソフトバンクがIPを使わないNIDDを積極的に提供する理由は、「現在の携帯電話網をIoT向けに活用するためには高セキュリティ、低消費電力、大量展開の容易さが必要」(同)と考えたからだ。

 NIDDでは、IoT機器とクラウドサービスが存在するIPネットワークとの間にゲートウエイの役割を果たすネットワーク設備を設置し、IPのパケットと変換する。IoT機器との通信に使う独自IDはIPネットワークから分離された携帯電話会社のネットワークだけで有効な情報となるため、インターネットなどの外部ネットワークから個別のIoT機器を攻撃できない。クラウドサービスとの間を専用の閉域網で結べば、ネットワーク設備とクラウドとの間も攻撃を受けることがなくなる。

 また、IPを使わないのでIPヘッダー情報が不要になる。ネットワークでのセキュリティを確保できるため、暗号化も不要となり、端末で処理時間やデータ通信量を減らせるため、消費電力も節約できる。

 さらに、NIDD対応IoT機器の電源を入れると、自動的に基地局を探して端末を登録してから通信を開始する。スマートフォン以前の携帯電話のように、ユーザーが端末に特に設定しなくても、渡された状態のまま電源を入れればすぐに携帯電話会社のネットワークにつながるイメージだ。端末にIPアドレスやゲートウエイ、サブネットマスクといったネットワーク情報を設定する必要がないので、IoT機器の配布も容易になる。

 

2.ソニーが銀座で「隠された感覚」のデザイン展示、IoT時代のUI示す(9.28 日経クロステック)
  ソニーは2018年9月28日、東京・銀座の「銀座ソニーパーク」でデザイン展示プログラム「#002 HIDDEN SENSES AT PARK(日常のなかに隠された感覚)」の内覧会を開いた。家庭を模した空間で、人の感覚に訴える14個のデザインコンセプトを展示する。入場無料の一般向け展示は2018年9月29日から11月4日まで。

 入り口付近にある「Flutter Paper」という展示では、壁に2枚の張り紙が見える。人が近寄ると、紙がなびいているように見える。

 だが、実際に紙は存在せず、紙のように見えるのはプロジェクターで壁に映し出した映像だ。紙と影のデジタルアニメーションを映し出して、紙が揺れているように見せている。

 ソニーの長谷川豊クリエイティブセンター長は「IoT(インターネット・オブ・シングズ)家電が普及しつつある時代に、人が電子的な機械に囲まれて暮らすのは自然な姿ではない。デジタル技術を使いつつ、機械が家庭に溶け込む形で反応する形を作りたい」と話す。

 将来的には、電子メールのメッセージを壁に表示するような新しい形のユーザーインタフェース(UI)の開発も考えられるという。まずはデザインコンセプトを来場者に体験してもらい、アンケートなどで意見を収集して今後の製品デザインに反映したい考えだ。

 

3.「AIでいかに価値を引き出せるかが重要」、インテルが動向紹介(9.27 日経クロステック)
  インテルは2018年9月27日、記者向けに人工知能(AI)やデータに関する動向を紹介した。

 「世界中にあるデータの90%が過去2年で生成されたと言われるほど、データは近年急増している」とインテル執行役員常務の土岐英秋技術本部本部長は話す。2025年には現在の10倍に当たる163ZB(ゼタバイト)ものデータ量に達するとの調査もある。インテルのアジアパシフィック・ジャパン担当の根岸史季HPCディレクターは「データが急増する中でいかにAIで価値を引き出せるかが重要になってくる」とした。

 根岸HPCディレクターによると、AIは「学習」と「推論」に大きく分かれ、それぞれに専用のシステムが用意されることが多い。学習はAIの手法を確定させるための作業であり、学習でニューラルネットワークを構築した後、実運用として推論をする。学習と推論はそれぞれに特化した環境があり、理想は1つの基盤で実施したいが、現在はできていないという。「2022年には(1つの基盤で)学習と推論を両方こなしたり、強化学習と組み合わせたりなど、様々なパターンのAIが出てくる」と根岸HPCディレクターは説明する。

 根岸HPCディレクターは続けて「AIは学習だけでなく、前処理や後処理なども含めた全体のパフォーマンスを向上させる必要がある」と指摘する。自動運転を例に挙げると、前処理は車に取り付けたカメラの画像から人や標識、横断歩道などのデータセットを作成、ラベル付けをしてAIに学習させることで、人手を介さずにこれらの人や物体を認識できるようにすることを指す。複数の車の車載カメラから収集されるデータ量は莫大であるため、メモリーやディスクの性能が重要になってくる。

 一方、後処理は、企業の目的に沿ってAIの重みづけを試行錯誤することだ。例えば人の認識に特化する、標識の認識に特化する、などニューラルネットワークの処理を指し、目的演算能力を必要とする。前処理と後処理でI/OとCPUのボトルネックがそれぞれ異なるため、バランスを考えたうえでトータルの性能を上げる必要があるとした。

 

4.スマホ決済アプリでNHK受信料を支払い、10月1日から可能に(9.27 日経クロステック)
  NHKは2018年9月27日、スマホ決済アプリ「PayB」による放送受信料の支払いの取り扱いを10月1日に開始すると発表した。

 コンビニエンスストアや金融機関などで利用できる払込用紙(請求書)のバーコードを「PayB」のカメラ機能で読み取り、暗証番号を入力すれば、事前登録した口座から放送受信料の支払いができる。「PayB」は無料でダウンロードが可能。

 NHKは放送受信契約者の利便性向上に向けて、多様な放送受信料支払いの導入を進めている。今回の「PayB」による支払いへの対応開始によって、口座振替やクレジットカードなどを利用せずに請求書払いをしている契約者が継続的な支払いを行いやすくする。

 

5.アビームがRPAのクラウドを提供開始、導入・運用ノウハウをマニュアル化(9.26 日経クロステック)
  アビームコンサルティングは2018年9月26日、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のクラウドサービス「ABeam Digital Labor Cloud」の提供開始を発表した。ソフトウエアのロボット(ソフトロボ)を動作させるRPAツールと、導入や運用のノウハウをまとめたポータルサイトをセットで提供する。

 新サービスで提供するRPAツールは、RPAテクノロジーズの「BizRobo!」にカスタマイズを施したものとなる。RPAツールのサーバーをアビームのクラウド環境で稼働させ、ユーザーにはクラウドサービスとして提供する。ポータルサイトではトライアルの作業内容、本格導入の方法論といったマニュアル、ソフトロボの開発方法を解説するeラーニングコンテンツ、RPAツールのアップデート情報などを提供する。

 料金は月額20万円の基本料金と、稼働したソフトロボのステップ数に応じた従量課金の合計となる。コンサルティングサービスを利用しづらい中堅企業をターゲットとして、初年度で50社の導入を目指す。

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