週間情報通信ニュースインデックスno.1147 2018/09/22


1.BBバックボーン、sXGPのトライアルを10月以降に開始(9.21 日経クロステック)
  ソフトバンク子会社で通信事業者のビー・ビー・バックボーンは2018年9月21日、都内でsXGPに関するイベントを開催した。sXGPは、企業向けの「自営PHS(PHSを使った自社専用の内線電話網)」の次世代版となる「プライベートLTE」で使われる通信技術で、携帯電話サービスで採用されているLTEをベースにしている。同社はsXGPのソリューションを提供すると発表しており、社内でフィールド試験を実施するなどの準備を進めている。

 挨拶に立った副社長の戸坂豪臣COO(最高執行責任者)は10月からパートナーとフィールド試験を開始すると話した。この件について同イベントに参加したNECはビー・ビー・バックボーンの協力を得て、玉川事業場内の実験室とオフィスフロアでフィールド試験を進める予定だと説明した。

 NECはsXGPの子機であるスマートフォンでビデオ通話をするとともにテレビ会議サービスを使って資料を共有するデモンストレーションを披露した。sXGPに対応するモバイルソリューションは、2019年度の初めに開始する目標という。

 富士通は冗長構成にしたEPC(プライベートLTEのコアネットワーク部分に相当する装置。製品名はvEPC)の切り替えと監視について解説。vEPCの提供開始は2019年1月ごろの予定で、2019年上期には同社のIP-PBX「LEGEND-V S100」用にsXGP対応のオプションを出す予定だとした。

 小型LTE基地局を手がけるAccuverはsXGP対応の小型基地局(型番はSC-120J)を紹介。ARIB(電波産業会)の規格に準拠し、近隣に同じ周波数帯を使う自営PHSがあった場合に出力を自動調整でき、1台で同時16接続に対応するとした。技術基準適合証明(技適)を取得済みで、10月にはトライアル用に提供可能になるという。

 滋慶医療科学大学院大学の加納隆医療管理学研究科教授は医療機関において安心安全に電波を利用するための取り組みを解説。sXGPは電波が低出力で、電子カルテのシステムが用いるWi-Fiと異なる周波数帯域を使うので干渉が無いなどの理由を挙げ、「医療機関の立場からsXGPに大いに期待している」と述べた。

 

2.アマゾンがAlexa搭載家電の開発キットを発表、P&Gなどが採用(9.21 日経クロステック)
  米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)は2018年9月20日、音声アシスタント「Alexa」を搭載するデジタル家電を実現する開発キット「Alexa Connect Kit(ACK)」を発表した。デバイスメーカーはACKを組み込むだけで、音声操作が可能な製品を開発できる。キットの価格は数ドル程度。

 ACKは家電製品に組み込む小型のボードで、Wi-Fi経由でアマゾンのクラウドに接続し、Alexaの音声認識機能や自然言語処理機能を呼び出す機能を備える。デバイスメーカーは独自にWi-Fi接続機能やクラウドに接続する機能などを作り込む必要がなくなる。アマゾンは50行のコードを記述するだけで、Alexa搭載デバイスが実現可能になるとする。

 ACKは家電メーカーの米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や米ハミルトンビーチ(Hamilton Beach)なども採用を発表済み。アマゾンはACKの提供によってAlexa搭載家電の種類を増やす狙いだ。アマゾン自身もACKをAlexa搭載家電の開発に使った。9月20日に発表したAlexa搭載電子レンジ「AmazonBasics Microwave」が最初の例だという。

 デバイスとクラウドとの通信は暗号化されている。またACK搭載デバイスをクラウド経由で管理することも可能。この管理機能は米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が提供するIoT(インターネット・オブ・シングズ)機器の管理サービス「AWS IoT」ベースで構築されている。

 

3.100人のGCPエンジニアを育成、NECがGoogle Cloudのパートナーに(9.21 日経クロステック)
  NECとNECネッツエスアイは2018年9月20日、米グーグル(Google)のクラウドサービス「Google Cloud Platform(GCP)」のサービスパートナーになったと発表した。両社はGCPの導入支援や、GCPのサービスを利用した業種特化型の新製品の開発などに取り組む。

 「現在、100人程度のエンジニアにGCPの教育を実施している。GCPの認定資格の取得はまだだが、これらのエンジニアを中核にGCPの関連サービスの推進体制を作っていきたい」とNECの榎本亮 執行役員兼CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)は話す。

 NECは自社が運営するクラウドに加え、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureといった主要なパブリッククラウドで既にパートナーになっている。新たにGCPを扱う理由について、「GCPは国をまたいだ高速なネットワークやML(機械学習)などの領域で優れており、この点を評価している」と榎本執行役員は説明。「クラウド化は必然の流れ。その中で顧客からの要望に合わせて、クラウドを使い分ける時代になる」と榎本執行役員は強調した。

 NECはまず顧客のオンプレミス(自社導入)システムをGCPに移行するサービスなどを中心に提供していく計画だ。その後、GCPのAI機能などを利用したNEC独自のサービスの開発も進めていく。

 

4.GCPとAWSを使い分け、メルカリが明かすマルチクラウド戦略(9.20 日経クロステック)
  フリマアプリ大手のメルカリは2018年9月20日、グーグル主催のイベント「Google Cloud Next '18 in Tokyo」の技術者向けセッションに登壇。Google Cloud Platform(GCP)やAmazon Web Services(AWS)など、複数のクラウドサービスを使い分けるマルチクラウド戦略を説明した。

 メルカリの久保達彦プリンシパルエンジニアによると、日本における2018年6月時点の月間利用者数は1075万人、同6月期の年間流通総額は3468億円という。7月13日には日本向けアプリの累計出品数が10億を超えた。「毎日100万点の出品がある」(同)。

 日本以外に米英でも事業を展開しており、ITインフラは地域によって複数のクラウドを使う。日本は主に創業時から利用するさくらインターネットとマイクロサービスアーキテクチャーを実践するGCP、米国はAWSとGCP、英国はGCPといった具合だ。日本でもストレージなどでAWSを使う。「画像データはAWSのオブジェクトストレージである『Amazon S3』に保存する。ログや機械学習関連のデータはGCPの『Google Cloud Storage』に残す」と久保氏は話す。

 スマホ向けとは別にWebアプリも展開する。ファストリ―が提供するCDN(Content Delivery Network)サービスを使い、各国で利用するクラウドのリージョン(広域データセンター群)に顧客からのリクエストを振り分ける。対象リージョンはURLのパスで切り換える。例えば「/jp/」であれば日本、「/uk/」なら英国、それ以外は米国となる。久保氏は「顧客に最も近い場所でサービスを展開できるので応答性能が高まる」と効果を挙げた。

 

5.ファーストリテイリング、グーグルとAI活用で協業(9.19 日経クロステック)
  ファーストリテイリングは2018年9月19日、最新のITを使い商品の企画・生産、物流、社員の働き方を改革する「有明プロジェクト」の推進に向け、米グーグルと協業すると発表した。グーグルの人工知能(AI)を商品のトレンドや需要量の予測などに生かす。

 ファーストリテイリングの柳井正代表取締役会長兼社長は協業の狙いをこう語る。「今後の服作りは顧客のニーズが全て。各顧客に最適な服やコーディネートは何かを把握し、顧客と一緒に服を作る『情報製造小売企業』への転換が重要になる。全世界で10億点以上ある商品から3000以上の店舗に適切な商品を届けるには、AIなどの最新技術が欠かせない」。

 全世界の服の需要に関するビッグデータを収集し、グーグルのクラウドサービスやAIで分析する。分析結果を企画・生産、物流、販売担当者にリアルタイムに共有するコミュニケーションツール基盤には、グーグルのグループウエア「G Suite」を採用した。

 ファーストリテイリングは人事、会計、在庫管理など、自社ビジネスの根幹を支える基幹システムの基盤にAmazon Web Services(AWS)を活用する。競合するグーグルのサービス利用について柳井氏は「どちらにも良い点がある。適材適所で最適なサービスを使うが、大事なのはそれぞれのサービスがつながること」と語った。

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