週間情報通信ニュースインデックスno.1142 2018/08/11


1.NTTデータに焦り、クラウド勘定系は3陣営争い(8.10 日経クロステック)
  NTTデータが勘定系パッケージ「BeSTA」のクラウド提供に乗り出す。クラウド勘定系は日本ユニシス、富士通との三つどもえの戦いになる。ただNTTデータの発表は具体策に乏しく、先行2社への焦りも見え隠れする。

 「金融勘定系システムのオープン基盤提供に向け本格始動」。NTTデータが2018年7月20日に公開したニュースリリースは、強気なタイトルとは裏腹に具体策はわずかだ。

 オープン化の対象となる「BeSTA」は、NTTデータが開発し、富士通または日立製作所のメインフレーム上で稼働する勘定系パッケージ。横浜銀行など60以上の金融機関が採用する。国内で断トツのシェア首位だ。

 今回NTTデータが明らかにしたのは、富士通と日立製作所が持つLinuxベースのオープン基盤でBeSTAを稼働させる技術検証を終え、将来パブリッククラウドで提供する形態もにらんで作業を進めること。一方、稼働時期やどのクラウド基盤を採用するかといった情報は見当たらない。

 発表を急いだようにも見えるNTTデータの動きの背景には、競合他社の相次ぐ参入表明がありそうだ。既に日本ユニシスと富士通がクラウド勘定系の開発へと動き出している。

 日本ユニシスは2018年3月、同社が開発するオープン勘定系パッケージ「BankVision」を日本マイクロソフトのパブリッククラウド「Azure」で動かす計画を明らかにした。2020年前後の稼働を見込んでおり、既に北國銀行(石川県)が採用を決めている。

 富士通も2018年春までにクラウド勘定系の事業への参入を決めた。アプリケーションはメインフレーム向けの「PROBANK」などのノウハウを基に新たに設計する。インフラは富士通のパブリッククラウド「FUJITSU Cloud Service for OSS(旧称K5)」を使う計画で、Azureなどの導入も検討する。

 今後、生き残りをかけて地銀同士の再編・統合がさらに加速する可能性が高い。そんな地銀にとって、運用コストを抑えやすく、外部のFinTechサービスとも柔軟に連携できるクラウド勘定系は有力な選択肢になりそうだ。

2.SIMフリースマホ、2018年上半期ベスト5(8.10 日経クロステック)
  SIMフリースマートフォン(スマホ)の出荷台数は依然として増えている。調査会社のMM総研によれば、2017年度(2017年4月〜2018年3月)のSIMフリースマホの出荷台数は、前年度比11.9%増の315万台。スマホの出荷台数に占めるSIMフリースマホの比率は9.7%で、前年度比0.4ポイント増加した。

 2017年以降、大手キャリアが続々と割安の料金プランを導入し、格安SIMの人気に陰りが見え始めたと指摘されることもあるが、確実に市場に浸透していると言える。

 筆者の独断で上半期に発売されたSIMフリースマホの中から、「買って損なし」と言い切れる5機種をランキング形式で選んだ。今夏、格安SIMへの乗り換えや買い替えを検討している人は、参考にしていただきたい。

5位:アジアトップメーカーの国内向け初製品「R11s」

 日本でのこれからの展開への期待を込めて、OPPOの「R11s」を5位に選んだ。OPPOはスマホの出荷台数シェアで、アジアで1位、世界で4位になった実績を持つメーカーだ。日本市場向けの第1弾として2018年2月に発売された「R11s」は、6.01インチ(2160×1080ドット)の有機ELディスプレーを搭載し、CPUはSnapdragon 660(2.2GHz×4コア + 1.8GHz×4コア)で、RAM(メモリー)は4Gバイトというハイミドルモデルだ。

 最大の特徴はカメラ。背面には1600万画素+2000万画素のデュアルカメラを搭載する。1600万画素カメラは昼間撮影用で、2000万画素カメラは夜間撮影用として使用する。暗い場所でもキレイなポートレートが撮れることを強みとしている。インカメラは2000万画素で「A.I.ビューティー」モードにより、顔の特徴を捉えて、その人に最適なビューティー効果が加えられる仕組みになっている。筆者もこのスマホを一定期間借りて使っていたのだが、撮影画質は多くの人が満足できる水準。明るくシャープな画質で撮れるので、実際に使うと「OPPOの画質が一番好き」と感じる人もいるのではないかと思う。

 R11sの量販店での実売価格は約6万2000円だが、2018年8月7日現在、Amazon.co.jpでは4万6800円〜4万7500円(税込)で販売されており、今後の値下げも期待できる。また、新参入SIMフリー端末メーカーとして注目したい。

4位:価格性能比に優れる「Moto G6」

 コストパフォーマンスを重視する人には、米モトローラ・モビリティ(Motorola Mobility)のスマホがお薦めだ。モトローラ・モビリティ・ジャパンは2018年6月8日に「Moto G6 Plus」(税込4万1907円)、「Moto G6」(同3万1104円)、「Moto E5」(同1万9980円)という3モデルを同時にリリースした。

 最も安価な機種はエントリーモデルのMoto E5だが、CPUがSnapdragon 425(1.4GHz×4コア)で、RAMが2Gバイトなので、長期的に使い続けるにはもの足りないだろう。1万1000円ほど追加するだけで買えるミドルレンジのMoto G6を薦める。この機種を4位として推薦したい。

  3位:カメラが魅力の「HUAWEI P20」

 独ライカ(Leica)ブランドのダブルレンズを搭載した、中国ファーウェイ(HUAWEI)製「HUAWEI P20」を3位にした。カメラの性能を重視して選ぶなら、この機種がお薦めだ。NTTドコモから発売中の上位モデル「HUAWUI P20 Pro」には及ばないものの、1200万画素(カラー)+2000万画素(モノクロ)のデュアルカメラは、ライカが認めた画質で写真を写し出す。

 「夜間」モードによって、三脚を使わずに鮮明な夜景が撮れ、背景を美しくぼかすポートレート撮影も楽しめる。インカメラのレンズはライカブランドではないが、約2400万画素のセンサーを備えている。

 ディスプレーは約5.8インチ(2244×1080ドット)で、上部にノッチ(切り欠き)を設けた縦長のスクリーンとなっている。CPUは、人工知能(AI)専用のプロセッサーを内蔵するHUAWEI Kirin 970(2.36GHz×4コア + 1.8GHz×4コア)を採用。これにより、写真の撮影時には自動的に被写体や撮影シーンに適した設定になり、AIによる手ブレ補正が行われる。省電力効率がよいこともセールスポイントとしている。

2位:初SIMフリースマホに向く「AQUOS sense plus」

 2位はシャープ製の「AQUOS sense plus」。この機種は、現在、大手キャリアのスマホやケータイを使っていて、格安SIMへの乗り換えを考えている人にお薦めしたい。

 約5.5インチ(2160×1080ドット)のIGZOディスプレーを搭載し、CPUはSnapdragon 630(2.2GHz×4コア + 1.8GHz×4コア)で、RAMは3Gバイトというミドルレンジモデル。防水・防塵、おサイフケータイといった、大手キャリアのスマホやケータイでよく搭載される機能を備えていることが特徴だ。

 実売価格は約4万8000円で、前モデルのAQUOS sense lite(実売価格は約3万円)より1万円以上高いが、個人的には差額以上の価値はあると感じている。

1位:迷ったらこれ、万人受けの「HUAWEI P20 lite」

 第1位はファーウェイ製の「HUAWEI P20 lite」だ。電話やメールなどの基本的な機能はもちろん、流行しているゲームやアプリもストレスなく楽しめる。万人にお薦めできる機種だ。

 約5.84インチ(2280×1080ドット)のディスプレーは、上部にノッチ(切り欠き)を設けた流行のスタイル。背面には約1600万画素+約200万画素のデュアルカメラと指紋センサーを搭載。フロントカメラも約1600万画素とハイスペックで、顔認証にも対応。CPUにはHUAWEI Kirin 659(2.36GHz×4コア+1.7GHz×4コア)を採用し、RAM(メモリー)は4Gバイトと、性能面で問題になることも少ないだろう。

 この機種に限らず、ファーウェイ製のスマホは独自の「EMUI」というユーザーインタフェースを採用している。シンプルな操作性ながら、独自の便利機能も多く、実際に使ってからファーウェイのファンになるユーザーは少なくない。筆者もその1人だ。

 HUAWEI P20 liteは、2017年に大ヒットした「HUAWEI P10 lite」の後継機にあたり、多くのMVNOが主力商品として取り扱っている。実売価格は約3万3000円だが、MVNOのキャンペーンが適用されると、さらに安く購入できる場合もあるようだ。「いままでiPhoneを使っていたが、Androidを試してみたい」など、メーカーにこだわらず、満足度を重視する人には、最も確実な選択肢といえるだろう。

3.3GPPが5G NRのセキュリティーを概説、ローミングの有無で異なる信頼モデル(8.10 日経クロステック)
 移動通信の標準化団体である3GPP (Third Generation Partnership Project)は2018年8月6日、同Security Working Group(SA3)がまとめているNSA(Non-Standalone)、/SA(Standalone)5G NR向けセキュリティー仕様の紹介記事を公開した(3GPPのニュースリリース)。その概要を以下にまとめた。

 NSA 5G NRは、制御信号を既存のLTE、データを5G NRで処理する。セキュリティー機能としては、マスター基地局からセカンダリー基地局へのアクセス時に端末が5G NRに対応しているかどうかを確認する機能が加わる。SA 5G NRでは、セキュリティーモデルも進化し、信頼性が強化されている。

 NSA 5G NRの主な用途には超高速モバイルブロードバンドがある。一方のSA 5G NRでは、大量機器接続(massive Machine Type Communication 、mMTC)や超高信頼性低遅延通信(Ultra-Reliable and Low Latency Communications、URLLC)といった特長を生かした様々な用途への応用が検討されている。このうちmMTCについては、1時間ごとに情報をアップデートする温度センサーなどがある。1日の通信は数ビットだが、バッテリー寿命が重要となるケースが想定される。もう一つのURLLCについては、自動車や産業用IoT機器などクリティカルな処理を要求されるものもある。今後は、こうした様々な用途に応じたセキュリティー機能についても考慮する必要がある。 

4.太陽生命が1万2000台のタブレット採用、AIで最適な保険プラン提案(8.7 日経クロステック)
 太陽生命保険、富士通、NTTドコモ、ネットサービスを手掛けるネオスの4社は2018年8月7日、太陽生命の全営業職員が携帯するタブレット端末「太陽生命コンシェルジュ」を共同開発したと発表した。AI(人工知能)を活用して最適な保険プランを提案したり、音声判別で入力の手間を軽減したりする。太陽生命は予備分などを合わせて約1万2000台を導入した。

 タッチ操作や音声入力が可能なタブレットを使って顧客との情報のやり取りを効率化することで、契約にかかる時間を従来の3分の2程度に減らせるという。従来はノートPCを使っていた。タブレット端末の製造は富士通、端末に表示するコンテンツの制作はネオスが手掛けた。本社との通信などにはドコモの通信回線を利用する。

 太陽生命コンシェルジュに年齢と性別を入力すると、AIが販売実績から最も選ばれている保険のモデルプランを提案する。営業職員はモデルプランを基に顧客の要望を盛り込んでいく。料金割引の条件を満たしそうになった場合は、自動で修正案を勧める機能も備える。

 保険加入に必要な健康状態の入力には音声判別技術を使う。顧客が病名を言うと画面上に候補を表示し、タップすることで入力できる。難しい病名の記述や、手が不自由な顧客の入力作業を支援する。

 太陽生命はタブレットの導入に合わせて、初月の保険料領収証の発行をレシートからSMS配信に切り替えたり、契約内容の確認などがウェブ上で可能な「マイページ」を開設したりするなど、ITの活用を進めている。 

5.NECの顔認証システム、東京五輪で約30万人の入場管理に採用(8.7 日経クロステック)
  NECは2018年8月7日、同社の顔認証システムが2020年の東京五輪・パラリンピックで大会関係者の入場管理に採用されたと発表した。選手やスタッフ、ボランティアなど約30万人が対象で、不正な入場を防ぐ。NECによると、大会関係者の入場管理に顔認証システムを活用するのは、五輪・パラリンピック大会で初めて。

 採用されたのは、NECの顔認証エンジン「NeoFace」を活用した入場管理システム。ICチップ入りIDカードと事前に撮影・登録した大会関係者の顔画像を紐づけたうえで、入場ゲートに設置した顔認証装置で本人を認証をする仕組み。ICチップに紐づいた顔画像とその場で撮影した画像について、目や鼻の位置などに基づく特徴量を照合し、本人かどうかを見極める。

 NECの菅沼正明執行役員は「過度な警戒や緊張をさせない、さりげない警備が重要になる」と話し、顔認証システムの導入で高いセキュリティ水準を保ちながら、本人認証の時間を大幅に削減できるという見方を示した。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が主催して2017年8月に実施した実証実験では、バーコードと目視を組み合わせた手法と比べて、本人認証のスピードが2.5倍になったという。

 大会関係者は一般の観客とは異なり、競技会場内の重要なエリアに立ち入れるほか、競技会場を何度も出入りすることになる。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の岩下剛警備局長は「大会関係者はより高いセキュリティが必要で、負担も大きい」としたうえで、「(顔認証システムの導入で)スムーズな入場が期待できる」と語った。

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